黒滝村のふるさと納税返礼品
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私の故郷である奈良県に、黒滝村(くろたきむら)という村があります。
製造業や小売業の事業者数は数えるほどしかありませんが、村の97%が森林で、森林組合では、総務省自慢の施策である「地域おこし協力隊」の隊員やOBの皆様も活躍中です。
黒滝村の辻村源四郎村長のインタビューを掲載した地元新聞の記事を拝読して、「良いアイデアだな」と思ったことがあります。
村長が、「ふるさと納税」の返礼品に、「村から離れて生活している人の実家の草刈りや手入れ」を提案されたことです。
黒滝村では、都市部に住む息子さんや娘さんが村に「ふるさと納税」をしてくれたら、実家の草刈りや家の手入れをして下さるということです。
森林の村だからこそ、すぐに動ける人材が居られるのだと思いますが、このサービスは、絶対に助かります。
私の両親が闘病生活をしながらも存命だった頃、奈良の実家に帰ると、庭の草が伸びてしまっていて、ご近所に迷惑をかけてもいけないし、治安上も良くないので、弟が丸1日がかりで汗だくになって草刈りをしていました。
それでも、夏場はすぐに草が伸びてしまい、帰る度に、草刈りで時間を費やしてしまっていました。
普段はご高齢の方だけがお住まいで、都市部で働く息子さんや娘さんはお正月やお盆にしか帰って来ることができないという家は、黒滝村に限らず、全国各地に数多く在ると思います。
ここ数年間で両親の看護、介護、見送り…と経験してきて、私は、ご高齢の方だけがお住いの世帯や障害をお持ちの方だけがお住まいの世帯が助かる施策やサービスについて、あれこれと考案することが多くなりました。
前回の総務大臣在任中には、ご高齢の方や障害をお持ちの方の世帯を対象にした「雪下ろし支援」(平成27年度~)を、今回は「ゴミ出し支援」(今年3月~)を、特別交付税の対象としました。
黒滝村の「ふるさと納税」返礼品のように、高齢化社会のニーズに応えるサービスは、大いに参考になります。
併せて、7月豪雨の被災地や、医療従事者支援など独自の新型コロナウイルス対策に取り組む自治体に対して、返礼品無しであっても多額の「ふるさと納税」が寄せられている現状に、日本と日本人の素晴らしさを感じます。