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「指定緊急避難場所」の立地は安全な場所に

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 8月上旬に、日本経済新聞の独自調査の結果として、「指定避難所の27%が危険区域に立地している」旨が報道されていました。

 

 記事の調査は、「指定緊急避難場所」と「指定避難所」を兼ねている施設を対象としていましたが、とても重要なご指摘だと思いました。

 

 「指定緊急避難場所」とは、災害の危険から命を守る為に緊急的に避難をする場所(災害種別ごとに指定)で、消防庁の調査では、昨年4月1日時点で、全国に10万9764箇所あります。

 

 「指定避難所」とは、災害の危険に伴い避難をしてきた方々が一定期間滞在する施設(災害種別の区別は無し)で、内閣府の調査では、昨年10月1日時点で、全国に7万8243箇所あります。

 

 この両方を兼ねている施設もあります。

 

 とりわけ、災害の危険から命を守る為に緊急的に避難する場所である「指定緊急避難場所」が危険区域に立地していることは、大きな課題です。

 

 他方、「避難所」は、被災後に安全面を確認した上で開設するものですから、「指定緊急避難場所」を兼ねていないのであれば、危険区域に立地していること自体が、すぐさま問題になるものではありません。

 

 「避難所」の所管は内閣府ですが、総務省・消防庁としては、発災直後に命を守ることに直結する「指定緊急避難場所」の安全性を重視しており、現在、立地状況などの実態を把握し、今後の改善方策を検討する為に、調査を行っているところです。

 

 平成23年に紀伊半島を直撃した台風第12号の被災地に入った時に気付いたことですが、「山から崩れ落ちた土砂が川の水を跳ね上げて、対岸の建物が破壊されていたこと」、「川の水が下流から上流に逆流して、安全だと思われていた上流の地域に被害が発生していたこと」には驚愕しました。

 

 各地方公共団体の首長や議会の皆様には、過去には想定できなかった雨量や水の流れなど、近年の災害で得られた知見も十分に活用していただき、再度、地元の「指定緊急避難場所」の安全性について、しっかりと検証して、必要な改善を急いでいただきたいと存じます。

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