10万円の特別定額給付金Q&A⑥:オンライン申請
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【Q1】
●マイナンバーカードを使ったオンライン申請は、いつから開始できるのか?
【A1】
5月5日時点で、全国の1741市区町村(1718市町村+東京23区)のうち、既に800を超える自治体で、「特別定額給付金」のオンライン申請を開始していただいています。
マイナンバーカードの申請も増えており、多くの方に取得していただければ、今後も、自然災害や感染症の発生時に、遠隔で様々な行政サービスを受けることができる基盤となっていくと思います。
オンライン申請を開始する為には、先ず、「受付システム」が必要となります。
システムについては、既に、国でマイナポータルを拡充して整備を行い、4月30日の補正予算成立後すぐに市区町村に利用していただけるようにしました。
5月1日の午前8:30から、利用が始まっています。
このほか、市区町村において、「申請受付データを取得する為の端末の配置」や「ネットワーク機器の設定変更」が必要となります。費用は全額、国費負担です。
先月より、総務省から市区町村長や市区町村の住民基本台帳システム委託事業者に対して、事前準備の依頼とサポートを行っています。
こうしたシステム上の準備のほか、給付事務の体制が整った市区町村から、順次、オンライン申請受付が開始されます。
早期にオンライン申請受付を開始して下さっている市区町村の首長の皆様はじめ関係者の皆様のご尽力に対し、敬意を表させていただきます。
【Q2】
●市区町村から申請書が届く前に、オンライン申請を行うことはできないのか?
【A2】
オンライン申請には市区町村から届く申請書は不要ですので、申請権者は、申請書の到着を待つ必要はありません。
なお、「オンライン申請の受付開始日」は、各市区町村が決定することとなっていますので、お住いの市区町村のオンライン申請受付開始日から、オンライン申請を行うことが可能になります。
総務省から市区町村に対し、できるだけ早期に事業の準備を整え、「オンライン申請」「郵送申請」ともに受付を開始していただくよう、積極的な支援と働きかけを行っています。
【Q3】
●オンライン申請に対応できない市区町村があるのではないか?
【A3】
現在、マイナポータルに接続していない市区町村は806団体(人口カバー率26%)です。
しかし、今回の「特別定額給付金」については、こうした市区町村であっても、最小限の準備(「受付データ取得端末の配置」と「ネットワーク設定」)だけでオンライン受付ができるように、国で準備を整えました。
できるだけ多くの市区町村に、オンライン申請に対応していただくことを期待しています。
【Q4】
●マイナンバーカードが無くてもオンライン申請を行えるようにするべきではないか?
【A4】
「特別定額給付金」事業は、多額の現金給付を行うものですから、本人確認の方法として、厳格な方法が求められます。
この点に鑑み、オンライン申請においては、厳格な本人確認が可能となる「マイナンバーカードを活用した電子署名」を要件としました。
【Q5】
●オンライン申請のサイバーセキュリティ対策は、万全なのか?
【A5】
マイナポータルによる今回の「特別定額給付金」のオンライン申請については、LGWAN(行政専用の回線である総合行政ネットワーク)を経由して申請データを送信しますので、高いセキュリティレベルが確保されています。
また、マイナンバーカードに搭載される電子署名については、「マイナンバーカードを所有していることによる認証(所有物認証)」と「ICチップ内の電子証明書等にアクセスするためのパスワードによる認証(知識認証)」を併用しています。
IDとパスワードの入力といった1種類の認証方法のみを使う場合よりも、高いセキュリティが確保できます。
【Q6】
●オンライン申請で、なりすましは発生しないのか?
【A6】
今回の「特別定額給付金」のオンライン申請では、本人確認の方法として、マイナンバーカードを活用し、申請者に電子署名を行っていただきます。
Q&A-1で書かせていただいた通り、マイナンバーカードに搭載される電子署名については、「所有物認証」と「知識認証」を併用しており、第三者がなりすましを行うことは困難です。
【Q7】
●給付金のオンライン申請は、世帯主しかできないのか?
【A7】
「特別定額給付金」のオンライン申請については、「マイナンバーカードを保有している世帯主」に限定させていただきました。
仮に、マイナンバーカードを保有する世帯員がオンライン申請できることとした場合には、世帯主のあずかり知らぬところで当該世帯員が給付金を受け取ることができることとなり、適当ではありません。
また、電子的に「代理申請者」であることを証明することは困難でもあり、今回の「特別定額給付金」が、「簡素な仕組みで」「迅速かつ的確に」「家計への支援を行う」ことを趣旨としていることから、御理解をいただきますよう、お願い申し上げます。
【Q8】
●「転出届」については、マイナンバーカードを保有する世帯員を世帯主とみなしてオンラインで行うことができるのに、「特別定額給付金」のオンライン申請は世帯主しかできないというのは何故か?
【A8】
「転出届」については、マイナンバーカードを保有する世帯員を世帯主とみなしてオンラインで行うことができます(「転入届」は不可)。
これは、転出をする際に、往々にして世帯員と世帯主が同時に転出することがあることなどに鑑み、世帯員が世帯主を含む他の世帯員を代表して届出を行うことを認めているものであり、今回の趣旨とは異なります。
【Q9】
●市区町村による郵送での申請書送付には、時間がかかることが想定される。オンラインから申請書をプリントアウトして申請できるようにすべきではないか。
【A9】
「特別定額給付金」は、日本にお住いの全ての方々への給付金ですから、事業実施主体である市区町村には、相当の事務負担が生じます。
「申請者の負担」と「市区町村の受付時の確認の手間」を軽減できるよう、給付の手続きについては、
①市区町村が、受給権者に対し、予め世帯構成員全員の氏名を印字した申請書を送付し、
②申請者が、振込先口座を記入するなど必要な作業をした上で、「申請書類の返送」又は「マイナンバーカードを活用した受付システム」により申請し、
③申請者本人名義の銀行口座に、世帯分全員の給付金を振り込む、
というシンプルな流れにしました。
仮に、この方法に加えて「申請者情報無記入の申請書をダウンロードして申請を行う方法」を認めた場合、市区町村では、「申請内容が市区町村の持つ世帯情報と一致しているかどうかの確認」や「誤記の確認」などの作業が増加してしまいます。
結果として「迅速な給付」に支障を来す可能性がありますので、御理解を賜りますよう、お願い申し上げます。
【Q10】
●「郵送申請」の場合は本人確認書類のコピーを添付することとされている。「オンライン申請」でも、マイナンバーカードでなく、本人確認書類を添付画像として送付すれば足りるのではないか?
【A10】
「郵送申請」の場合は、市区町村から「予め世帯構成員の氏名を印字した申請書」を送付するとともに、申請者は、「本人確認書類のコピー添付」のほか、申請書に「署名又は押印」をし、申請者本人から返送があることによって、本人確認を行います。
よって、「オンライン申請」の場合についても、「署名又は押印」と同等の法律上の「真正性の推定」がはたらくとされる「電子署名」を要件としています。
特に、カード所持と暗証番号入力の2つを満たした方しか利用することができない「マイナンバーカードを活用した電子署名」によることにより、厳格な本人確認を行うこととしています。
「真正性の推定」については、『民事訴訟法』第228条と『電子署名及び認証業務に関する法律第3条をご参照下さい。
【Q11】
●全国民にマイナンバー(番号)が付与され、国は納税事務などで口座番号を把握しているのだから、申請書を出さなくても、自動的に給付金を振り込むべきではないか?
【A11】
納税事務においては、振替納税や口座への振込みによる還付に際して口座番号を把握する場合に限られています。
また、全ての方の口座がマイナンバーと紐付いているものではありませんので、御指摘の方法は困難だと考えます。
なお、12桁のマイナンバー(番号)の利用については、『マイナンバー法』において、「法律又は条例で規定された社会保障・税・災害対策分野の行政事務の処理」に限定されており、現行の『マイナンバー法』においては、今回の給付事務(法律に基づく給付ではなく予算措置による給付)でマイナンバーを利用することは許されていません。
今後、同様の給付事務に係る新たな法律や条例ができて、『マイナンバー法』も改正して、同様の給付事務を別表に記載することができれば、番号そのものを活用した給付も可能となるでしょう。
ただし、全ての皆様が、口座とマイナンバーの紐付けを了承して下さることも必要です。
これからの課題と致します。
また、今回の「特別定額給付金」については、希望により給付をご辞退いただくことも可能としていますが、御指摘の方法によると、これが不可能となります。