10万円の特別定額給付金Q&A②:給付対象者
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【Q1】
- 給付対象となる人口の見込みは?
【A1】
「特別定額給付金」は、今年の4月27日時点で住民基本台帳に記録されている方について、4月27日時点で在住の市区町村から、1人あたり10万円の給付を行うものです。
補正予算案の編成に際して、給付対象となる人口を推計して必要な予算額を決める必要がありました。
平成31年1月1日現在において住民基本台帳に記録されていた方をベースとして、その時点における過去3年間の人口の伸び率を勘案した数としました。
給付対象となる人口は、
「日本人住民」が、1億2447万6900人、
「外国人住民」が、286万7239人、
合計で、1億2734万4139人を見込んでいます。
【Q2】
- 4月27日という基準日を決めなくてはならない理由は何か?
【A2】
給付対象者に対して、どの市区町村が給付を行うのかを明確にし、二重給付を排除する為、基準日を設定することが必要です。
具体的な基準日については、市区町村が補正予算成立を待たずに行える事務作業の準備に留意しつつ、迅速に給付を行う観点から、令和2年4月27日とすることとしました。
【Q3】
- 国内在住の外国人は対象になるのか?
【A3】
「特別定額給付金」は、「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」(令和2年4月20日閣議決定)においても、「全国全ての人々への新たな給付金」として位置付けられています。
この給付金の趣旨を踏まえ、日本在住の日本人と同様の状況にある日本に在住する外国人の皆様についても、住民基本台帳に記録された方については、1人あたり10万円の給付を行うこととしています。
「住民基本台帳制度の対象となる外国人の範囲」は、「観光目的など短期滞在者等を除く、適法に3ヶ月を超えて在留する外国人であって、住所を有する者」とされます。
具体的には、「中長期在留者(在留カード交付対象者)」「特別永住者」「一時庇護許可者又は仮滞在許可者」「出生による経過滞在者又は国籍喪失による経過滞在者」です。
多言語の説明が、総理官邸ホームページと総務省ホームページにアップされていますので、日本在住の外国人の方から相談を受けた場合には、教えて差し上げて下さい。
【Q4】
- 生活保護受給者にも給付されるのか?その場合、収入認定されないのか?
【A4】
「簡素な仕組みで迅速かつ的確に家計への支援を行う」という「特別定額給付金」の趣旨を踏まえ、「生活保護受給者」についても、給付することとしています。
給付金については、生活保護制度上、収入認定しない取扱いとなります。
【Q5】
- DV被害者で、住民票を移さずに別居している人にはどのように給付するのか?
【A5】
DVを理由に避難している方の中には、事情により、今お住まいの市区町村に住民票を移すことができない方々が居られます。
総務省としては、DV被害者支援団体のご協力も得て、DVを理由に避難している被害者に、その旨を、現在お住まいの市区町村に申し出ていただくことで、その方をお住まいの市区町村の支給候補者リストに追加することとしました。
その後は、通常と同様の方法により申請を行っていただくことで、実際の居住地である市区町村から給付金を支給することとしました。
民間支援団体の方々からDVを理由に避難している被害者に対して情報提供を行っていただくほか、支援団体による「DVを理由に避難していることの確認書の発行」や「代理申請」を行えるようにしています。
DVを理由に避難している方々にも給付金を確実にお受取りいただけるよう、手立てを講じています。
【Q6】
- 住民票がある市区町村から世帯主宛に申請書が送付されると、DV加害者が被害者の分
まで受給するので、問題ではないか?
【A6】
被害者の居住地である市区町村から被害者の住民票が所在する市区町村へ通知を行い、加害者から被害者分の給付金も含めて同一世帯に属する者としての申請があった場合、被害者分の給付金については、加害者に対する支給を行わないこととしました。
被害者が実際の居住地である市区町村に申し出る前に、既に被害者分の給付金が加害者に支給されてしまった場合には、被害者分の返還を求めることとしています。
これを可能とする為、4月24日に総務省から全国の市区町村にお示しした「申請書の標準様式」には、申請者の同意事項として、その旨を盛り込んでいます。
【Q7】
- ホームレスやネットカフェで生活している人など住所が決まっていない人には、どのように給付するのか?
【A7】
基準日(令和2年4月27日)時点で、いずれかの市区町村に住民登録がされてさえいれば、その住所と現時点で生活している場所が異なっているケースでも、住所が定まっていないケースでも、住民登録されている市区町村に、郵送で申請を行えることとしています。
また、4月27日の基準日に日本国内で生活はしていたものの、いずれの市区町村の住民基本台帳にも記録されていなかった方については、市区町村の窓口で住民票を復活させる手続をしていただくことにより、住民登録の復活が基準日より後であっても給付対象者とすることとしています。
このような方については、「自立支援センター」などの支援を得ながら、市区町村の窓口で住民登録をしていただくことで、給付を受けていただけます。
市区町村による周知広報に加え、「ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法」に基づく「自立支援センター」などの支援団体には、ホームレスの方などの住民登録の確認や支給までの手続きを応援して下さるよう、ご協力をお願いしています。
【Q8】
- 基準日である4月27日以降に住民基本台帳に記録されることになったホームレスについては支給対象とする一方で、4月27日以降に生まれた子供については支給対象外とするのは不適当ではないか?
【A8】
本給付金は、例えば基準日(4月27日)時点で住民基本台帳に記録されていないホームレスなどの方々についても、「基準日時点で日本国内に居住していたこと」を踏まえ、市区町村の窓口で住民票を復活させる手続をしていただくことにより、住民登録の復活が基準日より後であっても、給付対象者とすることとしています。
他方、4月27日よりも後に出生した方については、「基準日時点で日本国内に居住していなかった」という点で事情が異なりますので、支給対象外とすることについては御理解をいただきますよう、お願い申し上げます。
【Q9】
- 戸籍を有しない人も、給付対象とすべきではないか?
【A9】
出生時に親が何らかの事情により届出を行わなかったことにより戸籍を有しない「無戸籍者」の方々については、本人の責に帰すべきでない事情により給付対象外となることは不適当だと考えます。
よって、住民基本台帳に登録されていない「無戸籍者」の方についても、給付対象とすることとしました。
具体的には、無戸籍者又は無戸籍者の相談を受けた市区町村の求めに応じて、法務省がその方を無戸籍者として把握している事実を市区町村に対して書面で通知し、それを基に、市区町村においてその方を給付対象として認めることとしました。
【Q10】
- 「代理申請」はできるのか? できる場合、どのような者が想定されるのか?
【A10】
本人による申請が困難な方々もいらっしゃることから、郵送による手続(又は窓口での手続)については、「代理人」による申請も認めることとしました。
代理人としては、「法定代理人(成年後見人、代理権付与の審判がなされた補佐人・補助人)」、「寝たきりの方や認知症の方の親族、その他の平素から身の回りの世話をしている人」、「老人福祉施設等の職員」、「DV被害者の民間支援団体」、「被留置者や未決拘禁者の弁護人」などを想定しています。
【民法:法定代理人とは?】
(財産の管理及び代表)
第八百二十四条 親権を行う者は、子の財産を管理し、かつ、その財産に関する法律行為についてその子を代表する。(略)
(財産の管理及び代表)
第八百五十九条 後見人は、被後見人の財産を管理し、かつ、その財産に関する法律行為について被後見人を代表する。
(保佐人に代理権を付与する旨の審判)
第八百七十六条の四 家庭裁判所は、第十一条本文に規定する者又は保佐人若しくは保佐監督人の請求によって、被保佐人のために特定の法律行為について保佐人に代理権を付与する旨の審判をすることができる。
(補助人に代理権を付与する旨の審判)
第八百七十六条の九 家庭裁判所は、第十五条第一項本文に規定する者又は補助人若しくは補助監督人の請求によって、被補助人のために特定の法律行為について補助人に代理権を付与する旨の審判をすることができる。
【民法:任意代理人とは?】
(任意代理人による復代理人の選任)
第百四条 委任による代理人は、本人の許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるときでなければ、復代理人を選任することができない。
(委任)
第六百四十三条 委任は、当事者の一方が法律行為をすることを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって、その効力を生ずる。
【Q11】
- 被留置者や被収容者による申請・受給の方法は?
【A11】
留置所、刑務所といった施設に留置又は収容されている人々については、基準日において、それらの施設を住居地として住民登録している場合には、当該住所地を管轄する市区町村から申請書が送付されることとなります。
単独で世帯を構成していた受刑者の住所は、刑務所の住所地にあると認められます。
また、家族と住所を一にしていた者の住所については、原則として家族の居住地にあると思われます。
基準日において、当該施設を住所地として住民登録していない場合には、住民登録している市区町村に対して、申請書の再発行と、現在居住する施設への送付を依頼することにより、住民登録している市区町村に対する申請が可能となります。
その際には、弁護士による「代理申請」が可能です。
給付については、原則として申請者の本人名義の銀行口座への振込みにより行うこととしていますが、例外的に、現金を書留で郵送する方法によることも許容されるものと考えます。
申請及び受給にあたっては、当該施設において必要な便宜を図ることについて、警察庁及び法務省から適切な周知がなされると思います。
【Q12】
- 暴力団員にも給付するのか?
【A12】
「特別定額給付金」は、全国で5000万件以上の申請に対して迅速に給付する必要があり、この為、「事務手続の簡素化」、「給付の有無の確認」、「二重給付の防止」を図る観点から、住民基本台帳の情報に基づき給付を行うものです。
暴力団対策の意義や必要性は十分に理解をしていますが、「暴力団員であるか否か」は、住民基本台帳の情報では確認することができません。
よって、過去の定額給付金やプレミアム商品券事業と同様、暴力団員であることをもって給付を行わないとすることは、実務上困難です。
なお、生活保護については、暴力団員について、基本的に申請を却下するものと承知していますが、これは、暴力団員は集団的に又は常習的に暴力団活動に従事することにより違法・不当な収入を得ている蓋然性が極めて高いことから、「稼働能力の活用要件」や「資産・収入の活用要件」などの保護の要件を満たさないことを理由とするものです。
暴力団員が反社会的であることをもって、一律に生活保護の対象から除外しているわけではありません。