国際戦略のアップデート
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総務省の海外展開戦略について、色々と考えています。
総務省には、海外でお役に立つ技術や知見がたくさん集まっていると思っています。
例えば、防災や減災。
今、世界中で気候変動が大きな課題になっています。雨の降り方も、昔とは全く異なって激しくなりましたし、台風も、前例がないような勢力の強さや進路になりました。
10月に、奈良県の田原本町で、IoT(モノのインターネット)を活用した河川水位計を視察する機会がありました。
河川の水位が危険な状況になると、周辺住民のスマホに一斉配信されるシステムです。
こうした技術は、日本全国に横展開するとともに、新興国はもちろん、先進国でも活用できるはずです。
持続可能な社会をつくる為に、総務省を通じて、我が国の経験や技術が海外に展開されることは、直接関連する産業だけでなく、海外との友好的な関係を通じた観光や外交など、国益に大きく資するものです。
前回の総務大臣在任中に、国際戦略局の設置を決めたのは、河川水位監視のようなシステムの普及は、総務省の担当部局を横断し、かつ他省庁とも連携する中で機能するものだからです。
ひとつの部局に閉じていては、海外のニーズや問い合わせに迅速に対応することはできません。
この度、「海外展開行動計画」を策定することにしましたが、単に、総務省に関連する取組を取りまとめるだけでは、実効性のある計画にはならないと思っています。
まず、世界情勢や技術動向の変化は、スピードを増しています。
例えば、日本政府が2016年に打ち出した「自由で開かれたインド太平洋戦略」は、昨年10月の日印デジタル・パートナーシップなど、新たな可能性が見えています。
技術についても、ローカル5Gは、通信事業者の5Gのベンダーとは異なる事業者に門戸が開かれ、日本でも取組が始まっています。
また、展開の主体は、最終的には企業の皆様になりますので、日本企業の戦略についても、理解を深める必要があります。
日本企業の強みはどこにあり、そのうち民間だけで海外展開が難しい領域はどこなのか。総務省としてどのようにその後押しができるのか。
ここも、変化のスピードは早いと思っています。
国際戦略局が旗印を立てることで、総務省の支援が、本省の職員の知見やネットワークだけでなく、在外公館や国際機関に出向している職員、またNICT(情報通信研究機構)やJICT(海外通信・放送・郵便事業支援機構)などの総務省所管の団体、そして、関連する省庁やJICA(国際協力機構)やJBIC(国際協力銀行)などの政府系機関の総力を合わせたものになります。
こうしたことを踏まえて、来年の春には、日本の世界への貢献の可能性を感じていただけるような計画を発表できるよう、総務省の職員とともに、頑張ってまいります。