南モンゴルを支援する議員連盟を設立
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本日(4月21日)、自民党所属国会議員による「南モンゴルを支援する議員連盟」の設立総会が開催され、私が会長に選出されました。
中国共産党政府による特定民族に対する弾圧や迫害に対しては、既に「チベット自治区」、「新疆ウイグル自治区」などの問題に取り組む議員連盟が組織されていました。
しかし、中国共産党政府が「内モンゴル自治区」と呼ぶ「南モンゴル」においても、モンゴル人の方々に対する弾圧が深刻化しています。
この問題に対応する議員連盟が存在しなかった為、本日、「南モンゴルを支援する議員連盟」を設立する運びとなりました。
南モンゴルでは、昨秋(2020年)、憲法上認められていたモンゴル語による教育が大幅に制限され、「国語」の教科書がモンゴル語から中国語に、「歴史」「道徳」の教科書も今後は中国語のものに変えられるという同化政策が導入されました。
教育現場においても、モンゴル人の方々は「母語」を失いかけています。
同化政策に反発したモンゴル人は、登校拒否やデモ行進などの抵抗を試みましたが、厳しく弾圧されました。
その過程で9人が犠牲となり、多数の知識人、教師、公務員が不当に逮捕、勾留されたと伺っています。
こういった問題について日本国の政府や国会が非難した場合、中国共産党政府は「内政干渉」だと批判するのが常ですが、私は、南モンゴルを巡る様々な事件は「国際問題」だと考えています。
今日の設立総会にもお越しいただいた静岡大学の楊海英教授の講演を3月に拝聴し、御著書も拝読しました。
楊海英教授によると、日本国内に居られる南モンゴル出身の留学生や家族が、中国共産党政府から恫喝を受けているということです。
私達には、日本の法律によって、留学生の安全を守る責務があります。
また、2015年7月には、南モンゴルを訪れチンギス・ハーン陵を見学しようとしていたイギリス人・南アフリカ人・インド人の20名の観光客が、中国当局に拘束されたそうです。
観光の予習の為にホテルの部屋で観ていた「モンゴル帝国の歴史」を紹介するビデオが原因で、「テロ扇動のビデオを観ていた」容疑で逮捕されたということでした。
昨年(2020年)10月には、フランスのナント歴史博物館が、今春に開幕予定だったチンギス・ハーンに関する展示を延期すると発表しました。
中国側が「チンギス・ハーン」「モンゴル帝国」「モンゴル文字」など文言の削除を要求し、これに対して、フランスの博物館側は、「人類や科学、倫理的価値観を守る為」に、計画の見直しと延期を発表したということでした。
実に毅然とした、立派な対応だと思います。
日本国内のモンゴル人留学生や研究者の安全を守り抜く事、モンゴル人と日本人双方の文化・歴史・倫理的価値観を守り抜く事、日本人も諸外国の方々も安全に南モンゴルを訪問できる環境を作る事、いずれも「内政干渉」ではないと思っています。
南モンゴル(いわゆる「内モンゴル自治区」)は中国の北部に位置し、モンゴル国と接する地域です。
南北モンゴルは同じ民族で、第二次世界大戦の結果、分断されて異なる国家に暮らすようになりました。
同地域は、歴史的に日本と特別な関係にあり、満州国時代を通じて日本型の近代化が定着したところで、南北ともにモンゴル人は親日的な民族です。
日本は、「主権国家」として、自由・人権・民主主義・法の支配による国際社会の構築と、モンゴル人の友人達を含む国内外の方々の安全を守っていく為に、可能な限りの貢献をするべきだと考えます。