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日本のために働いた記録

衆議院議員8期目:総務大臣としての実績
【令和元年9月~令和2年9月】

 衆議院議員6期目から7期目にかけて、平成26年9月から平成29年8月まで、総務大臣として働いていましたが、衆議院議員8期目の令和元年9月に、再び総務大臣に任命されました。

 2年1ヵ月ぶりに戻った総務省には、新たな政策課題も多く、令和2年9月16日の菅内閣発足による退任までの間、全力で職務に取り組みました。

 総務大臣再任直前まで務めていた自由民主党サイバーセキュリティ対策本部長として取り纏めた多くの提言についても、総務省関連の施策については、1つでも多く実現するべく奮闘し、結果を出すことができました。

【新たに成立した法律等】

≪第201回国会≫

 

  • 地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律

 (令和元年度補正予算関連)

 

  • 地方税法等の一部を改正する法律

 (令和2年度税制改正関連)

 

  • 地方交付税法等の一部を改正する法律

 (令和2年度当初予算関連)

 

  • 市町村の合併の特例に関する法律の一部を改正する法律

 (期限の10年間延長)

 

  • 電波法の一部を改正する法律

 (電波利用料の使途の特例に係る期限延長等)

 

  • 聴覚障害者等による電話の利用の円滑化に関する法律

 (電話リレーサービスの制度整備)

 

  • 電気通信事業法及び日本電信電話株式会社等に関する法律の一部を改正する法律

 (国外事業者への適用、他社設備による加入電話の提供)

 

  • 地方税法等の一部を改正する法律

 (新型コロナウイルス感染症対策関連)

 

  • 令和2年度NHK予算

 (放送法第70条第2項の規定に基づき、承認を求めるの件)

【自治財政局の関係施策】

  • 令和2年度「地方財政対策」への対応

 

 令和2年度の『地方財政対策』においては、地方公共団体から強いご要望があった「一般財源総額の確保」、とりわけ「地方交付税総額の確保」と「臨時財政対策債の抑制」が課題でした。

 

 こうした中、「一般財源総額」については、前年度比0.7兆円増となる63.4兆円を確保するとともに、「地方交付税」については、前年度比0.4兆円増となる16.6兆円を確保することができました。

 

 また、「臨時財政対策債」についても、前年度比0.1兆円減と抑制することができ、地方財政の健全化に努めました。

 

 更に、地方法人課税の偏在是正による財源を活用し、地方公共団体が地域社会の維持・再生に向けた幅広い施策に取り組めるよう、新たに「地域社会再生事業費」を計上することができました。

 

 

  • 『地方交付税法等改正法』の年度内成立

  

 令和2年度の地方交付税の確保などを内容とする『地方交付税法等の一部を改正する法律』(令和2年法律第6号。令和2年3月31日公布)を、年度内に成立させることができました。

 

 

  • 「特別交付税」の増額

 

 令和元年度に相次いだ災害の状況を踏まえ、令和元年度第1次補正予算において、特別交付税を950億円増額することなどを内容とする『地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律』(令和2年法律第1号。令和2年2月5日公布)を、成立させることができました。

 

 

  • 「高齢者等世帯に対するゴミ出し支援に係る特別交付税」の創設

 

 単身でお住まいのご高齢の方や障碍をお持ちの方など、ゴミ出しが困難な状況にある世帯が、必要な支援を受けられないケースが増加していました。

 

 全国の市区町村で必要な支援が受けられるよう、ゴミ収集事務の一環として実施する戸別回収に必要な経費等について、令和2年3月から「特別交付税」の対象とする地方財政措置を創設しました。

 

 

  • 地域医療構想の取組の推進

 

 地域医療構想や医師の偏在対策などについて、地域の実情を踏まえつつ、国と地方が共通の認識を持って取組を進める為、地方3団体、厚生労働省、総務省により構成される「地域医療確保に関する国と地方の協議の場」を立ち上げました。

 

 その後の協議の場での地方3団体のご意見を踏まえて、過疎地など経営条件が厳しい地域の中核的な病院への支援を拡充するなど、持続可能な地域医療提供体制の確保に取り組みました。

 

 

  • 「Society5.0時代の地域社会の構築に向けた地方財政措置」の創

 

 光ファイバなどの整備状況の地域間格差を是正する為、条件不利地域における光ファイバの高度化を伴う更新などを「地域活性化事業債」の対象に追加するとともに、「過疎対策事業債」における「光ファイバ等整備特別分」を創設しました。

 

 また、条件不利地域の課題解決や持続可能な行政サービスを実施する為、RPAやドローンなどの先端的な情報通信技術の導入経費に対する「特別交付税」措置を創設しました。

 

 

  • 「緊急浚渫推進事業債」の創設

  

 令和元年台風第19号による河川氾濫のような大規模な浸水被害を未然に防止できるようにする為、地方公共団体が単独事業として緊急的に河川などの浚渫を実施できるよう、緊急的な河川などの浚渫経費について地方債の発行を可能とする為の特例措置として「緊急浚渫推進事業債」を創設しました。

 

 普通河川など小規模な河川も対象としており、令和2年度から5年間で、4,900億円規模の対策としています。

  

 また、緊急浚渫事業により発生する土砂についても、土質等の情報を公表することにより、地方公共団体や建設事業者が他の事業に広く有効活用できる仕組みを構築しました。

 早速、浚渫に取り組んだ地方公共団体からは、令和2年7月豪雨時の河川氾濫を防ぐことができたという成果が報告されています。

 

 

  • 「公営競技納付金制度」の延長

 

 公営競技の収益金の全国的な均霑を図る為、その収益の一部を地方公共団体金融機構に納付し、利下げを行う仕組みである「公営競技納付金制度」については、地方6団体からの延長のご要望や、公営競技の経営環境を踏まえ、制度の延長を実現しました。

 

 

  • 「森林環境譲与税」の増額

  

 災害防止・国土保全機能強化などの観点から、森林整備を一層促進する為、地方公共団体金融機構の金利変動準備金2,300億円を活用し、交付税特別会計における譲与税財源の借入れを行わないこととした上で、「森林環境譲与税」の譲与額を前倒しで増額することにより、森林整備などの一層の推進に努めました。

 

 

  • 新型コロナウイルス感染症対策に伴う地方負担への支援

 

 新型コロナウイルス感染症対策に関して、令和元年度に政府が決定した第1弾及び第2弾の『緊急対応策』の中で、地方負担が生じる事業については、災害並みの手厚い「地方交付税」措置を講じました。

 

 更に、令和2年度第1次補正予算及び第2次補正予算において、国庫補助事業の追加に伴う地方負担の増加については、全て「地方創生臨時交付金」による措置とするなど、地方公共団体には、財政面での心配をすることなく感染症対策に取り組んでいただけるように対応しました。

 

 

  • 地方公共団体の資金繰り支援

 

 新型コロナウイルス感染症の影響により、地方税収や公営企業の料金収入などに様々な影響が生じることが想定されました。

 

 そこで、地方税の徴収猶予に対応する「猶予特例債」の創設や公的資金の確保、地方税の大幅な減収に対応する為の「減収補塡債」の公的資金の確保、「共同発行地方債」の償還年限の多様化と発行額の大幅な増額、公営企業の資金不足に対する「特別減収対策企業債」の創設や利子への「特別交付税」措置、タイムリーな起債を可能とする「地方債の協議手続」の弾力化など、地方公共団体の当面の資金繰り支援に努めました。

 

 

  • 公立病院における新型コロナウイルス感染症に係る入院医療体制の整備

  

 政府の『新型コロナウイルス感染症対策の基本方針』の取り纏めと同日に、都道府県知事と公立病院運営市町村長宛に『入院病床の確保に係る大臣書簡』を発出させていただくとともに、地方6団体との会議で要請を行うなど、公立病院における新型コロナウイルス感染症患者の為の入院医療体制の整備に取り組みました。

 

 

  • 令和3年度の地方財政措置に係る各府省申入れの実施

 

 令和2年7月21日の閣議で『令和3年度予算の概算要求の具体的な方針』に関連して、概算要求に当たって地方財政に影響を及ぼす施策について適切な措置を講ずるよう、格別の協力をお願いしました。

 

 併せて、同日付けの『総務大臣通知』により、「令和3年度の予算編成における地方行財政の基本的な考え方」について、関係各府省に要請しました。

【自治税務局の関係施策】

  • 新型コロナウイルス感染症の影響に伴う税制上の対応

 

 「徴収猶予制度の特例」や「中小事業者等に対する固定資産税等の軽減措置」の創設など、新型コロナウイルス感染症等の影響により厳しい状況に置かれている納税者の皆様に対する緊急に必要な地方税制上の措置を講じ、『地方税法等の一部を改正する法律』(令和2年法律第26号。令和2年4月30日公布)の早期成立を実現しました。

 

 

  • 令和2年度税制改正

 

 「所有者不明土地等に係る固定資産税の課題への対応」「未婚のひとり親に対する税制上の措置」「法人事業税の収入金額課税の見直し」など、令和2年度税制改正における地方税制の重要課題を整理し、『地方税法等の一部を改正する法律』(令和2年法律第5号。令和2年3月31日公布)を、年度内に成立させることができました。

【自治行政局の関係施策】

  • 「第32次地方制度調査会」の答申取り纏め

  

 地方行政体制のあり方について調査審議を行う「第32次地方制度調査会」において、目指すべき地方行政の姿として、「地方行政のデジタル化」「公共私の連携」「地方公共団体の広域連携」「地方議会への多様な住民の参画」に関する議論を経て、令和2年6月26日に『2040年頃から逆算し顕在化する諸課題に対応するために必要な地方行政体制のあり方等に関する答申』を取り纏め、総理に手交しました。

 

 

  • 地方議会議員のなり手不足への対応

  

 地方議会議員のなり手不足が深刻な状況となっている中で、令和元年に総務省に設置した研究会において、今後の地方議会・議員のあるべき姿や、多様な人材が地方議会に参画しやすくなる方策などについて、議論を進めました。

 

 

  • 『合併特例法改正法』の年度内成立

 

 令和元年度末で期限切れを迎えることとなっていた『合併特例法』について、引き続き、自主的な市町村合併が円滑に進むようにする為の措置が講じられるよう、その期限を10年間延長する『市町村の合併の特例に関する法律の一部を改正する法律』(令和2年法律第11号。令和2年3月31日公布)を、年度内に成立させることができました。

 

 

  • 地方行政のデジタル化の推進

 

 地方公共団体の情報システム・業務プロセスの標準化に向けた取組を推進しました。

 

 「経済財政諮問会議」での議論を通じ、『新経済・財政再生計画改革工程表2019』において、「住民記録システム・税務システム等の標準化」の道筋を示すとともに、「国と地方の協議の場」において、地方公共団体の首長の皆様と積極的に情報共有をするなど、地方行政のデジタル化の推進に向けて、取組を進めました。

 

 

  • 「分散型エネルギーインフラプロジェクト」の推進

 

 前回の総務大臣在任中に注力した『分散型エネルギーインフラプロジェクト』を更に推進する為、これまでのマスタープランを総点検することで事業化の成功要因と阻害要因を精査するとともに、令和元年台風第15号などによる被害を教訓として、『地域の特性に応じた災害時の自立エネルギー供給も可能とする分散型エネルギーシステムのモデル』を構築しました。

 併せて、これらの取組を集約したハンドブックの作成に着手しました。

 

 

  • 「ローカル10,000プロジェクト」の推進

  

 「地域経済循環創造事業交付金」を活用して、産学金官の連携により、地域の資源と資金を活用して雇用吸収力の大きい地域密着型事業の立ち上げを支援する「ローカル10,000プロジェクト」を推進しました。

 

 

  • 「マイナポイント」による消費活性化

 

 令和元年9月に立ち上げた「マイナポイント活用官民連携タスクフォース」において、マイナポイント事業の円滑な実施に向けて議論するとともに、令和元年度補正予算及び令和2年度当初予算において必要な予算を確保し、令和2年9月からポイントの付与を開始しました。

 

 

  • 「地方公共団体の情報セキュリティ対策」の強化に向けて

 

 『地方公共団体のセキュリティ対策』の見直しにあたっては、地方公共団体の「効率性・利便性の向上」と「セキュリティの確保」の両立を目指す観点から、見直しの方向性を示しました。

 

 

  • 「地域おこし協力隊」の推進

 

 令和2年2月2日に開催した「第6回地域おこし協力隊全国サミット」に出席し、「令和6年度に隊員数8,000人」という目標に向けて、隊員のなり手の裾野の拡大や隊員OB・OGのネットワーク作りの推進などに取り組んでいく考えを示しました。

 隊員の皆様が運営する多くの展示ブースも拝見しましたが、各地で活動中の皆様を激励させていただくとともに、様々な生のお声を伺いました。

 

 現在、全国各地で5,500名余の隊員が地域を元気にする為に活躍中ですが、任期終了後も6割の方が任地に定住しておられ、東京一極集中の是正や地方の担い手不足の解消に向けて成果を挙げている総務省自慢の施策です。

 「地域おこし協力隊」の拡大を図るとともに、地方における隊員の皆様による起業を支援しました。

 

 

  • 『東京2020オリンピック聖火を活用した地方創生事業』の創設

 

 地域の元気を取り戻す地方創生の取組を支援するとともに、聖火リレーが通らない地方公共団体も含めて、全国的にオリンピック・パラリンピックを盛り上げる為、東京2020組織委員会と協議し、史上最も長く開催国に留まることとなったオリンピック聖火を、地方各地で展示する事業を立ち上げました。

 

 

  • 『被災市区町村応援職員確保システム』に基づく応援派遣

 

 令和元年の房総半島台風及び東日本台風発生時や、令和2年7月豪雨発災時には、前回の総務大臣在任中に取り纏めた研究会報告に基づき創設された『被災市区町村応援職員確保システム』に基づく応援派遣を行いました。

 

 

  • 地方公共団体の「技術職員」の充実に向けて

 

 都道府県における「技術職員」の充実によって、平時には地元市町村への支援を強化し、大規模災害発生時には被災地への中長期派遣体制を強化する為に、地方財政措置を創設しました。

 

 

  • 「会計年度任用職員制度」への円滑な移行

 

 前回の総務大臣在任中に創設した『会計年度任用職員制度』については、令和2年度からの施行にあたり、期末手当の支給に要する経費など、制度移行に伴って必要となる財源について『地方財政計画』に計上しました。

 また、制度の趣旨に沿った的確な運用について、地方公共団体に繰り返しお伝えするなど、地方行政の重要な担い手である臨時・非常勤職員の皆様の適正な任用と勤務条件の確保に努めました。

 

 

  • 地方議会議員選挙における立候補届出の見直し

 

 選挙事務の適正化等の為の地方議会議員選挙に係る立候補の届出書類の見直しを内容とする『公職選挙法』の改正(令和2年法律第41号。令和2年6月10日公布)を行いました。

 

 

  • 立候補の届出があった旨の『告示』事項などの見直し

 

 地方議会議員のなり手不足対策、プライバシー保護、特に女性候補者が悩むストーカー対策などの観点から、住所などの立候補者情報の『告示』の取扱いの見直し(番地までは公表しない等)や、旧氏の通称申請があった場合の手続きの簡素化について、令和2年7月17日に、全国の選挙管理委員会に通知しました。

【総合通信基盤局の関係施策】

  • 『電気通信事業法』及び『NTT法』の改正

 

 人口減少や過疎化といった社会構造の変化、電気通信市場のグローバル化に対応する為、NTT東西によるユニバーサルサービスの提供における他者設備利用の導入を可能とすることにより、「通信ネットワークの効率的な維持」を可能とするとともに、通信の秘密の保護や重大事故の報告義務など「我が国の消費者の利益を確保」し、「外国法人等に対する法執行の実効性の強化」を図る為の『電気通信事業法及び日本電信電話株式会社等に関する法律の一部を改正する法律』(令和2年法律第30号。令和2年5月22日公布)を、成立させることができました。

 

 

  • 『電話リレー法』の制定

 

 聴覚や発話に障碍のある方に対し、社会生活に不可欠な電話サービスの利用を確保する為、「公共インフラとしての電話リレーサービス」の実現が求められてきました。

 

 低廉で安定的なサービス提供を確保する為、サービス提供機関の指定制度や、手話通訳コストを社会全体で支える新たな交付金制度などを創設する『聴覚障害者等による電話の利用の円滑化に関する法律』(令和2年法律第53号。令和2年6月12日公布)を、成立させることができました。

 

 

  • 「光ファイバの整備に対する支援」の抜本的拡充

 

 新型コロナウイルス感染症の拡大防止を図る為にも、東京一極集中の是正の為にも、「テレワーク」「遠隔学習」「遠隔医療」などを支える情報通信ネットワーク整備の推進が求められるようになりました。

 

 予算委員会の審議などを通じて、あまねく全国における光ファイバ整備の必要性を訴え、令和2年度当初予算に加え、2度の補正予算を通じて、5Gなどの高速・大容量無線通信の前提となるインフラ整備を支援する『高度無線環境整備推進事業』に係る大規模な予算を確保しました。

 

  • 令和2年度当初予算:52.7億円
  • 令和2年度第1次補正予算:30.3億円
  • 令和2年度第2次補正予算:501.6億円

 

 これにより、『ICTインフラ地域展開マスタープラン』(令和元年6月25日公表)の全国整備目標を、2年前倒しさせることができます。

 

 

  • 『電波法』の改正

 

 あらゆる物が繋がり、情報通信サービスにより社会課題の解決と経済発展を実現する「Society 5.0」に向けて、その基盤となる電波の更なる有効利用を促進し、周波数の能率的な利用や安心・安全な電波利用環境を構築する為の『電波法の一部を改正する法律』(令和2年法律第23号。令和2年4月24日公布)を、成立させることができました。

 

 

  • 「ローカル5G」の実現に向けた開発実証の強力な推進

 

 地域課題をはじめとする様々な課題の解決に資することが期待されている「ローカル5G」の実現に向け、地域のニーズを踏まえた開発実証を強力に推進する為の『地域課題解決型ローカル5G等の実現に向けた開発実証』に係る予算の増額を、大臣折衝により実現しました。

 

  • 令和2年度当初予算:37.4億円

 

 

  • 『Beyond 5G推進戦略』の策定

 

 5Gの次の世代である「Beyond 5G」(6G)の導入が見込まれる2030年代の社会において、通信インフラに期待される事項やそれを実現する為の政策の方向性について検討を行うべく、令和2年1月から「Beyond 5G推進戦略懇談会」を開催し、Beyond 5Gの早期かつ円滑な導入と国際競争力の強化に向けた国家戦略である『Beyond 5G推進戦略』を、策定(令和2年6月30日策定・公表)しました。

 

 具体的には、グローバル市場を見据え、産学官連携の下で、「中核技術の研究開発」「セキュリティなどの国際標準化の推進」「Beyond5G展開の前提となる5Gの速やかな社会実装」といった課題に、迅速かつ戦略的に取り組むこととしました。

 

  • モバイル市場の公正競争促進に関する取組

 

 前回の総務大臣在任中に強力に検討を進めた「通信料金と端末代金の完全分離」が実現しましたので、大臣再任後は、先ず、「SIMロック解除に関するルール」を見直しました。

 

 令和2年6月には、MNOとMVNOの間の音声卸料金に関する紛争について『大臣裁定』を行い、MVNOの料金が安くなりました。

 

 モバイル市場の公正競争の促進を通じて、利用者にとって、「分かりやすく」「納得感のある」「低廉な」料金・サービスの実現に向けた環境作りを前進させました。

 

 

  • インターネット上の「権利侵害情報」による被害者救済の迅速化

 

 インターネット上の「権利侵害情報」による被害が拡大しています。名誉棄損、脅迫、著作権侵害などは、匿名であっても犯罪です。

 加害者の特定までに2回の裁判手続、損害賠償訴訟も含めると3回の裁判手続が必要となるなど、被害者の負担が大きすぎる状況を改善しようと考えました。

 

 誹謗中傷対策については、令和2年8月に「プラットフォームサービスに関する研究会」の緊急提言などを踏まえ、『インターネット上の誹謗中傷への対応に関する政策パッケージ』を取り纏め、令和2年9月1日に公表しました。

 

 また、『発信者情報開示の在り方に関する研究会中間取りまとめ』を踏まえ、『プロバイダ責任制限法』に基づく開示情報に「発信者の電話番号」を追加する『総務省令』の改正(令和2年総務省令第82号。令和2年8月31日公布・施行)を行いました。

 この改正により、現在、合計2回を要する裁判手続が1回で済むケースが増え、権利侵害情報の発信者の特定が進み、被害救済の迅速化に寄与することが期待されます。

 今後は、「ログ保存の在り方」など、残された課題について、議論が進む予定です。

【サイバーセキュリティの関係施策】

  • 「サイバーセキュリティタスクフォース」における検討

  

 「サイバーセキュリティタスクフォース」において、『我が国のサイバーセキュリティ強化に向け速やかに取り組むべき事項:緊急提言』(令和2年1月28日公表)や、『IoT・5Gセキュリティ総合対策2020』(令和2年7月17日公表)の取り纏めを行いました。

 

 

  • 「サイバーセキュリティ戦略本部」における対応

  

 令和2年1月30日開催の「サイバーセキュリティ戦略本部」に本部員として出席し、『政府情報システムの為のセキュリティ評価制度』(ISMAP)(令和2年6月運用開始)の基本的枠組みに関する本部決定に参画しました。

  

 また、同日の戦略本部において、「サイバーセキュリティタスクフォース」の1月28日の緊急提言に盛り込まれた『重要インフラ分野のサイバーセキュリティ対策に関する制度的枠組みの改善の取組』について、総務省が所管する通信・放送分野の取組を紹介し、関係大臣に対し、同様の取組の必要性を提案しました。

 

 

  • 『サイバーセキュリティに関する総務大臣奨励賞』の贈呈

 

 令和2年3月13日、サイバーセキュリティ対応の最前線において優れた功績を挙げておられる個人・団体に対して、『サイバーセキュリティに関する総務大臣奨励賞』を贈呈し、受賞者の皆様を激励させていただきました。

 

 

  • 総務省所管分野におけるサイバーセキュリティ対策の促進

  

 自民党サイバーセキュリティ対策本部長として取り纏めた『第二次提言』(令和元年5月10日)においては、「電気通信事業分野」の取組を参考に、他のインフラ分野においても、「サイバーセキュリティ対策を求める制度的枠組みの整備」や「サイバーインシデント報告体制の構築」を行うべきであることを記しました。

 

 総務大臣再任後は、総務省が所管する分野の中で、既に対策が進んでいた「電気通信」の取組を参考に、「放送」「電波」の分野においても、サイバーセキュリティ対策を強化しました。

 

 放送事業者に対して、サイバーセキュリティ対策の確保とサイバー事案に起因した事故の報告を義務付ける『総務省令』の改正を行いました。

 

 また、ローカル5Gについては、サイバーセキュリティ対策を講ずることを免許の審査事項としました。

 

 

  • 「トラストサービス」の普及・促進

 

 令和2年4月の「経済財政諮問会議」において、「eシールの早期実現」について発言するなど、新型コロナウイルス感染症が拡大する中で今後の普及が期待される各種「トラストサービス」の普及・促進に取り組みました。

 

 また、「リモート署名」や「立会人型電子署名サービス」といった新たな形態のサービスの『電子署名法』における位置付けを明確化する為の『Q&A』を策定・公表しました。

【国際戦略局の関係施策】

  • 来日された外国政府高官との会談

 

 総務大臣再任以降、多数の国より表敬訪問を受け、更なる協力強化や日本のインフラシステムの海外展開推進を目指した働き掛けを行いました。

 

 令和元年11月18日には、ヴァルマ駐日インド大使と会談を行い、5Gのネットワークを含むサイバーセキュリティ分野に関する日印両国の協力や『ICT分野における協力覚書』への早期の署名に向けて、連携を強化していくことについて確認しました。

 

 令和元年11月20日には、アラブ首長国連邦(UAE)のアルシャムシ国務大臣と会談を行い、情報通信や消防をはじめとする総務省所管分野に関する今後の協力について確認しました。

 

 令和元年12月17日には、ウズベキスタン共和国のサディコフ情報技術・通信開発大臣と会談を行い、情報通信分野における両国間の協力関係や連携を一層促進していくことを確認するとともに、総務省とウズベキスタン共和国情報技術・通信開発省との間の『情報通信分野の協力に関する覚書』に署名しました。

 

 令和元年12月23日には、米国のパイ連邦通信委員会委員長と会談を行い、5G及びサイバーセキュリティを含め、情報通信分野における日米連携を一層強化していくことを確認しました。

 

 更に、国際機関との関係では、令和2年12月に開催予定のアジア・太平洋電気通信共同体(APT)の総会に向けて、日本として初めてとなる事務局長候補に近藤事務局次長を擁立するとともに、総会の日本招致に取り組みました。

 

 

  • ベトナム社会主義共和国との協力関係の強化

 

 令和2年1月に、ベトナム社会主義共和国を訪問し、情報通信、デジタル・ガバメント(電子政府)、地方自治、郵便、消防、行政相談、統計を含め、総務省の政策資源を俯瞰する一元的なアプローチを取ることにより、同国との協力関係をトップレベルで構築しました。

 

 フック首相との会談では、5Gのセキュリティ対応の重要性、デジタル・ガバメント、統計ICT、行政相談、消防の各分野について意見交換しました。

 

 フン情報通信大臣との会談では、5Gのセキュリティ対応の重要性、サイバーセキュリティ人材の育成、スマートシティの推進、郵便分野での協力などについて意見交換するとともに、総務省とベトナム情報通信省との間で、5G、サイバーセキュリティ及びスマートシティを今後の協力分野として新たに位置づけた『情報通信分野における協力覚書』の改定に署名しました。

 

 チン共産党中央組織委員長とも会談し、5Gのセキュリティ対応の重要性、行政改革の為のデジタル・ガバメント推進、人材育成などの分野における協力について意見交換しました。

 

 

  • 『総務省海外展開行動計画2020』の策定

 

 総務省では、これまでも地上デジタル放送や防災システムなど、個別の分野における海外展開の推進を通じた国際競争力の強化を図ってきましたが、令和元年11月20日に、総務省としての総合力を一層発揮してインフラシステムの海外展開を進める為に、より実質的な行動計画の策定に着手しました。

 総務省全体での検討や有識者の皆様のご議論の結果、『総務省海外展開行動計画2020』を、令和2年4月30日に決定し、翌5月1日に発表しました。

 

 具体的には、今後の海外展開を進める為の羅針盤として、

  1. 「信頼性ある自由なデータ流通」や「自由で開かれたインド太平洋」などの我が国の外交政策と軌を一にした「5G日本モデルの導入」やそれを支える光海底ケーブルなどの「質の高いインフラ整備」

  2.  

    令和2年1月のベトナム訪問を先例として、縦割り排除を徹底し、総務省の政策資源を総動員するとともに、JICT、JICA、JBICなどの関係機関とも連携した「官民一体の海外展開」

  3.  

    「ポスト・コロナ」における海外展開も見据え、新型コロナウイルス感染症に対応する為の新たな生活様式を支える「通信網の整備」「ビッグデータ分析」「遠隔医療」などの分野における「我が国発の技術による国際的な連帯への貢献」

という3つの大きな柱を示しました。

 

 

  • データ流通に関する国際的対応の推進

 

 令和元年6月の「G20茨城つくば貿易・デジタル経済大臣会合」で合意され、同月の「G20大阪サミット」や同年8月の「G7サミット」でも反映された『信頼性のある自由なデータ流通』(DFFT)を国際的に推進し、またDFFTの前提となる5GなどのICTインフラの安全・安心について国際的な調整を要する課題への対応を一体的に進める為、令和2年1月14日に、総務省に、「デジタル国際戦略室」を設置しました。

 

 

  • 「経協インフラ戦略会議」における対応

 

 我が国企業によるインフラシステムの海外展開等を支援するとともに、我が国の海外経済協力に関する重要事項を審議する「経協インフラ戦略会議」において、令和3年度以降5年間の新たな目標を掲げたインフラ海外展開に関する新戦略の方向性などについて議論し、我が国の海外における情報通信分野に関する取組を推進しました。

 

 

  • 「異能vationプログラム」の牽引

 

 令和元年の「OPEN異能vation」のイベントでは、失敗を恐れずに挑戦する方々の後押しをさせていただく重要性に触れ、我が国から破壊的イノベーションが生まれる為には、変わった発想の芽が自然と育つ苗代、失敗を恐れず果敢に挑戦できる環境、多様性を受け入れ認める文化などが必要になることを話しました。

 

 前回の総務大臣在任中の平成29年に創設した『ジェネレーションアワード』は、応募件数が令和元年には1万件を超え、様々な方々の新しいアイデアが、協賛企業を通じて実現しています。中には、情報通信の枠を超え、食品産業のように思いもよらない分野で社会実装された例もあります。

 

 また、総務大臣として、あらゆる発信の機会を捉え、異能人材同士が交流し、新たなアイデアや創業につながる「異能vationネットワーク」について紹介したり、「異能vation」の成果を幅広く発信したりするなど、破壊的イノベーションを生み出す意欲のある方々に伸びやかに活躍していただける環境作りを進めました。

 

 

  • 『グローバルコミュニケーション計画2025』の策定

 

 世界における「言葉の壁」の解消を通じて、グローバルな人材交流や日本のプレゼンス向上を目指す「多言語翻訳技術」の推進に取り組みました。

 

 具体的には、令和2年を目標年として、「実用レベルの翻訳精度の確立」「対応言語の拡大」「多様な翻訳サービスの実用化及び社会実装」を目指し、具体的なプロジェクトの策定・実施に取り組みました。

 

 更に、令和7年における「同時通訳」の社会実装を目指し、大阪・関西万博も見据えた多言語翻訳技術の更なる発展に向けて、新たな計画である『グローバルコミュニケーション計画2025』を令和2年3月31日に策定し、産学官による研究開発の推進を主導してきました。

 

 

  • 「量子暗号通信技術」に関する研究開発の推進

 

 通信設備を巡る国際競争の激化などにより、情報通信分野におけるセキュリティの強化が、これまで以上に求められています。

 

 究極の暗号技術とも呼ばれ、国家間や国内の重要機関間で、距離によらず機密情報を安全かつ大容量にやり取りすることができる「量子暗号通信」のグローバルネットワークの構築に向け、先進的な研究開発を行う為の令和2年度予算を、大臣折衝を通じて確保しました。

 

 また、「量子セキュリティ技術」の研究開発を産学官で推進する研究拠点をNICTに整備する為の令和元年度補正予算を確保するなど、我が国の「量子暗号通信技術」の研究開発の推進に努めました。

 

 

  • 高強度深紫外LEDの活用による新型コロナウイルス等の「殺菌用光照射機材」の実用化に向けた取組

  

 環境負荷が低く、効率的な通信を可能とする深紫外線を用いた情報通信技術に係る長年の基礎研究の成果を応用し、高強度の深紫外LEDを用いて、効率的に新型コロナウイルスを死滅させることが可能だと分かってきました。

 

 これを受け、小型で持ち運び可能な「殺菌用光照射機材」の実用化に向けた実証試験を行う為に、令和2年度第1次補正予算を確保しました。

 

 

  • 「宇宙ICT」の国際競争力強化に向けて

 

 国際競争が活発化している宇宙開発を支える衛星通信技術などの「宇宙ICT」に関し、政府の「宇宙開発戦略本部会合」において、総務省の取組を紹介し、「技術試験衛星」「衛星量子暗号」「宇宙天気予報」といった先進的な取組を『宇宙基本計画工程表』に盛り込みました。

【情報流通行政局の関係施策】

  • テレワークの推進

 

 テレワークは、地理的・時間的な制約を越えた生活様式や働き方を実現するものです。育児や介護に伴う離職防止、地方における雇用創出、災害時の業務継続などの観点から、十数年前から、ライフワークとして力を入れてまいりました。

 

 前回の総務大臣在任中にも、地方における『テレワーク拠点整備事業』の推進に加え、先進的取組を行っている『テレワーク先駆者百選』企業の中から特に優れた取組を行っている個人や企業に「総務大臣賞」を贈呈するなど、普及促進に努めてきました。

 

 令和2年に入り、新型コロナウイルス感染症が拡大する中、政府内で率先して、企業・団体にテレワークの積極的な活用を呼びかけました。

 緊急事態宣言の発出などもあり、テレワークの重要性が改めて認識される中で、企業での実施率は2割弱から5割強へと大きく伸びました。

 

 総務省としては、特に、情報通信インフラの整備やセキュリティの確保などの課題を抱える「中小企業のテレワーク導入」を支援する為、2次にわたる補正予算を通じて、「テレワークマネージャーの拡充を通じた相談体制の強化」「安全に関するチェックリストの策定などテレワークのセキュリティ対策」に加え、勤怠管理などの課題に対応する為「社会保険労務士会や地域の商工会議所等と連携した全国各地でのサポート体制の強化」を盛り込みました。

 

 

  • 統一QR「JPQR」普及事業

 

 各社で異なる決済用QRコードを統一し、利用者や店舗の皆様にとってスムーズな決済を可能とする「JPQR」の全国展開に取り組みました。

 令和2年6月22日から、全国の店舗の皆様がインターネットを通じて申し込むことが可能となりました。

 

 

  • NHKの『インターネット活用業務実施基準』の修正認可

 

 

 令和元年の『放送法』の改正により、NHKのインターネット活用業務として、常時同時配信を行うことが可能となりましたが、改正法の条文や衆参両院の総務委員会附帯決議において、NHKには、「適正な規模の下で、節度をもって運営すること」が求められました。

 

 こうした観点から、NHKの『インターネット活用業務実施基準』の認可に先立って、令和元年11月8日に『総務省の基本的考え方』を示し、「業務」「受信料」「ガバナンス」の「三位一体改革」の推進を求め、その後、NHKが修正した『実施基準』を認可しました。

 

 

  • NHKの「要請放送」への対応

 

 新型コロナウイルス感染症の影響が世界的に拡大する中、我が国に対する正しい認識を培うとともに、世界に向けて我が国の最新の情報を正確に発信する重要性が高まりました。

 

 この為、NHKの令和元年度及び令和2年度の国際放送(受信料ではなく、国費で対応している)については、拉致問題(ラジオ)に加えて、新型コロナウイルス感染症に関する国内の最新の状況に特に留意するよう、要請しました。

 

 

  • 「令和2年度NHK予算」の承認

 

 『令和2年度NHK予算』については、公共放送としての社会的使命を果たしていく観点から、「三位一体改革」を次期『中期経営計画』に反映することなどを求める『総務大臣意見』を付した上で、国会審議に臨み、年度内に国会の御承認をいただくことができました。

 

 

  • 「NHK受信料の負担軽減」に向けた取組

 

 新型コロナウイルス感染症の拡大により、とりわけ、旅館やホテルを始めとする中小企業者の経営に対する影響が深刻化していたことを踏まえ、NHK会長と面談の上、受信料の負担軽減をご検討頂くよう、お願いを致しました。

 

 総務省においては、「受信料の免除基準の見直しに関する手続きの簡素化」などの環境整備に取り組み、NHKにおいては、「持続化給付金対象事業者に対する受信料免除」など、手厚く対応していただきました。

 

 更に、衛星波やラジオ波の一部削減によるコスト削減、波数の削減に伴う新放送センター建設費や設備費の削減、受信料収入の約1割を費やしている営業費(受信料徴収費用など)の削減、子会社の整理や随意契約率の見直しによるコスト削減などを進め、国民・視聴者の皆様への還元を最優先に考えるよう、NHKに対して、要請を続けました。

 特に、もともと衛星アンテナが設置されている集合住宅にお住まいの方が衛星放送を観なくても負担しなくてはならない高額な「衛星付加受信料」の見直しを求めてきました。

 

 

  • 「放送を巡る諸課題に関する検討会」における検討の加速

 

 前回の総務大臣在任中から、近年の視聴者を取りまく環境変化(放送と通信の融合)などを踏まえ、中長期的な展望も視野に入れた検討を行う「放送を巡る諸課題に関する検討会」を開催してきました。

 

 特に、令和2年は、「災害時における放送の確保」や「衛星放送の未来像」などの課題に加え、NHKの「三位一体改革」や「受信料制度の在り方」を集中的に検討する為、「これからの公共放送の在り方」について、新たに検討の場を設置し、NHKの次期『中期経営計画』への反映も見据え、検討を加速するよう要請しました。

 

 

  • BS放送に係る「衛星基幹放送業務」の認定

  

 令和元年11月29日に、新たにBS放送に参入を希望する4社について、「衛星基幹放送業務」の認定を行い、衛星放送市場の活性化に努めました。

【郵政行政部の関係施策】

  • かんぽ生命保険の不適正募集問題への対応

 

 かんぽ生命保険の不適正募集問題について、日本郵政グループに対し、「不利益を被った顧客の権利回復」や「ガバナンスの強化」など、再発防止策の策定と実施を速やかに行うよう、指示をしました。

 

 令和元年12月27日に、日本郵政に対して『業務改善命令』、日本郵便に対して『業務改善命令』及び『3カ月間の業務停止命令』を発出するなど、同グループの業務改善に向けた監督に努め、その後も、『業務改善計画』の実施状況について定期的な報告を受けることを通じて、日本郵政グループの取組状況をフォローしてきました。

 

 

  • 「日本型郵便インフラシステム」の海外展開の推進

 

 令和2年1月のベトナム訪問の機会を捉え、総務省とベトナム情報通信省の間で、郵便分野におけるICT活用の促進、郵便ネットワークと郵便局を活用した電子政府や電子行政サービスへのアクセスに関する協力を明記した『郵便分野における協力覚書』に、フン情報通信大臣とともに署名し、「日本型郵便インフラシステム」の海外展開を推進しました。

 

 

  • 米国の「万国郵便連合(UPU)」脱退回避に貢献

 

 令和元年9月にジュネーブで開催された「第3回UPU臨時大会議」において、国際郵便の受取国に支払う配達手数料である「到着料」の改革が議論されました。

 加盟国の意見が分かれる中で、積極的に歩み寄りを促しながら、2021年以降、UPU加盟国が「セルフデクレア(自己申告)料率」を任意に設定する仕組みへ移行することを提案しました。

 

 この結果、加盟国全体のコンセンサスが得られ、米国を含む加盟国の「セルフデクレア料率の適用」が認められたことから、米国は、『UPU脱退通知』を撤回し、UPUに留まることとなりました。

【行政管理局の関係施策】

  • 「第2期政府共通プラットフォーム」の整備

  

 クラウドサービスを活用する『第2期政府共通プラットフォーム』については、令和2年10月からの運用開始に向けて、「国内外のクラウドサービスの比較・検証」や「セキュリティ対策」について十分な検討を指示するとともに、事業者選定の方向性を判断するなど、整備に向けた取組を進めました。

 

 

  • デジタル・ガバメント分野におけるベトナムとの協力推進

  

 令和2年1月にベトナムを訪問した際には、フック首相、フン情報通信大臣、チン共産党中央組織委員長と会談し、令和元年夏に締結した『電子政府の協力に関する覚書』を踏まえ、我が国とベトナム政府とのデジタル・ガバメント分野における更なる連携強化を確認しました。

 

 

  • 独立行政法人の活性化の推進

 

 令和元年10月23日に開催された「独立行政法人評価制度委員会」においては、頻発する自然災害をはじめとした様々な社会課題の解決に向けて、独立行政法人の能力を最大限活用することの重要性について発言し、独立行政法人の目標策定や評価に係る委員会の調査審議の活性化に努めました。

【行政評価局の関係施策】

  • 行政評価局が行う調査の実効性確保

 

 総務大臣再任直後より、直ちに着手するべきこととして「行政評価局の勧告の徹底」を挙げるとともに、「生活者の視点」を重視した調査・評価監視活動を推進しました。

 

 先ず、勧告相手先となる府省の改善行動を、強力に促しました。

 国民の皆様の暮らしや安全に関わる「木質バイオマス燃料の使用量データの活用」や「貸切バスの公示運賃の見直し」については、担当官庁の新たな取組が開始され、その旨を国民の皆様に『行政評価局レポート』として報告することができました。

 

 更に、行政評価局の調査機能を生かし、従来の形式にこだわらないレポートなどの形での情報提供を開始しました。

 これによって、国の機関としては初めて行った「遺品整理サービス」の実態把握の公表が実現しました。

 

 また、全国50カ所の現地機関の活動を組織し、各地の新型コロナウイルス感染症対策関連の報道約2万6千件や相談約1万3千件の情報を収集・整理し、令和2年3月から8月にかけて21本のレポートに纏め、多くの方々の切実なお声を届けるべく、部内や関係方面へ情報提供しました。

 

 通常の調査業務でも、令和2年7月現在までに、「認知症高齢者等への地域支援」など6件の行政評価局調査の結果を取り纏め、関係機関に示すとともに、『行政評価等プログラム』の策定の際にも「生活者の視点」を位置付けて、今後の調査活動の指針を示しました。

 

 

  • 行政相談の推進

 

 令和元年秋以降の度重なる台風・豪雨災害や令和2年の新型コロナウイルス感染症対策が全国で行われる中、行政相談における情報提供の為に、各地で纏めた「生活支援メニュー」や「各種申請の窓口」を纏めた『ガイドブック』を、非常災害対策本部などの政府全体の会議などでも積極的に紹介し、活用を促しました。

 

 また、行政相談を支えて頂いている全国約5,000人の行政相談委員の皆様に対しては、令和元年10月2日の「行政相談委員大臣表彰式」に出席して表彰を行うとともに、令和2年4月には、全国の行政相談委員の皆様に激励のメッセージを送らせていただきました。

  

 行政相談の国際展開にも取り組み、令和2年1月には、ベトナムのフック首相との会談において、平成28年の『覚書』に基づいて、引き続き情報交換や人材育成の面で協力していくことを確認しました。

 

 

  • 政策評価の推進

 

 令和2年6月に、『令和元年度政策評価等の実施状況及びこれらの結果の政策への反映状況に関する報告』を取り纏めるとともに、参議院からの『行政監視機能の強化に関する政府への要請事項』を受けて、政府全体における政策評価の取組について、本会議で報告しました。

【統計局の関係施策】

  • 『公的統計基本計画』の改定

 

 令和元年9月30日に開催された「統計委員会」において、厚生労働省の『毎月勤労統計』のような事案の再発防止に向けた建議を受け、建議の内容を徹底し、公的統計の品質向上及び信頼性確保に取り組むことを発言しました。

 

 令和元年12月24日に開催された「統計改革推進会議」において、再発防止策にとどまらない「総合的対策」の提言内容を具体化する為、『公的統計基本計画』の改定を指示し、令和2年6月2日に閣議決定しました。

 

 また、令和2年7月の「統計委員会」の建議を受け、将来にわたって高い品質の政府統計を安定的・継続的に作成・提供する為、必要な統計リソースを確保するよう、各大臣に呼び掛けました。

 

 

  • 「令和2年国勢調査」の確実な実施への取組

 

 令和2年は、国勢調査開始から100年の節目にあたります。国勢調査は、5年に1回実施される、国の最も重要な統計調査です。

 

 国勢調査の1年前にあたる令和元年10月1日の閣僚懇談会では、全閣僚に対して『令和2年国勢調査』への御協力を依頼するなど、「令和2年国勢調査実施本部」の本部長に就任以降、調査の確実な実施に向けて取り組みました。

 

 また、令和2年9月1日に開催した「みんなの国勢調査キックオフイベント」に出席し、国勢調査への御協力を呼び掛けるなど、積極的に広報を行いました。

 

 

  • 「労働力調査」「家計調査」「消費者物価指数」の公表

 

 毎月、『労働力調査』『家計調査』『消費者物価指数』の結果を、閣議に報告しました。

 

 また、調査対象世帯や調査員の皆様の新型コロナウイルス感染症への不安を取り除きながら調査を確実に遂行する為に、「非接触型の調査手法」など様々な情報発信を行い、重要な経常調査の作成継続に取り組みました。

 

 

  • 「全国家計構造調査」の円滑な実施

 

 令和元年10月から11月の2カ月間実施した「全国家計構造調査」については、前身の「全国消費実態調査」からの見直し後、初めての調査であり、消費税率改定直後という難しいタイミングでしたが、円滑に調査を実施することができました。

 

 

  • 統計行政における国際協力

 

 国連が設定した「持続可能な開発目標」(SDGs)の進捗を測る為の『SDGグローバル指標』については、令和元年12月20日の「SDGs推進本部」において、各府省の協力の下、我が国での整備を引き続き推進していくことを発言し、令和2年3月には、新たに2指標を追加で公表することができました。

 

 また、令和2年6月に設立50周年を迎えた「国連アジア太平洋統計研修所(SIAP)」の50周年記念誌に祝賀メッセージを寄稿するとともに、令和2年8月に開催された「国連アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)統計委員会(Web会合)」において、祝辞を述べさせていただきました。

 

 

  • 「全国統計大会」への出席

 

 令和元年11月18日に開催した「第69回全国統計大会」では、ご出席いただいた600人に及ぶ統計関係者や統計調査員を始めとする統計功労者の皆様に対して、主催者として、感謝の意を表する挨拶をさせていただきました。

 

 

  • 公的統計データの利活用の普及・推進

 

 「地方公共団体における統計データ利活用表彰」や「統計データ分析コンペティション」で『総務大臣賞』を贈呈するなど、公的統計データの更なる利活用の普及・促進に取り組みました。

【消防庁の関係施策】

  • 「防災行政無線の戸別受信機」の配備促進

  

 前回の総務大臣在任中から注力していた「防災行政無線の戸別受信機」の

普及について、再任後、取組を加速させました。

  

 昨今の台風や豪雨時には、「防災行政無線の屋外スピーカーの音声が聞き取れない」というお声を多く伺い、避難行動の遅れは生命を危機に晒します。  

 先ずは、ご高齢の方の世帯や障碍をお持ちの方の世帯、更には地区の消防団長や自治会長などに、早く正確な情報が伝わることが必要です。

 

 令和元年度補正予算、令和2年度補正予算において、「国から地方公共団体への戸別受信機の無償貸付」に必要な予算を確保しました。

 

 また、全ての都道府県知事と市区町村長に対してお送りしている『総務大臣メール』において、「戸別受信機の積極的な導入の呼び掛け」や「戸別受信機の相互接続性確保の取組の紹介」など、その有効性・重要性について、メッセージを発信しました。

 

 

  • 「♯7119」事業の促進

 

 救急安心センター事業『#7119』について、普及啓発や、日本全国どこにいても繋がる体制の実現に向けた検討部会の立ち上げや、『中間報告書』の取り纏めなど、事業促進に向けて取り組みました。

 

 

  • 新型コロナウイルス感染症への対応

 

 「消防・救急現場における感染防止対策の徹底」や、各地域の消防機関と保健所などとの連携を通じた「新型コロナウイルス感染症患者等の移送・搬送体制の構築」に取り組みました。

 

 加えて、患者の増加に伴い生じた「救急搬送困難事案の解消」に向けて、地域における搬送受入れ体制の整備・改善が行われるよう、関係者間での必要な連絡・協調体制の構築について、厚生労働省や各都道府県へ要請しました。

 

 また、最前線で活動して下さっている救急隊員の皆様に対し、その活動に対する感謝のメッセージを発出させていただきました。

 

 

  • 「天皇陛下の皇位継承関連行事」及び「ラグビーワールドカップ2019」における警戒体制の確立

  

 「天皇陛下の皇位継承関連行事」及び「ラグビーワールドカップ2019」において、消防特別警戒体制を確立しました。

 

 

  • 「全国消防殉職者慰霊祭」への参列

  

 令和元年9月12日に開催された「全国消防殉職者慰霊祭」に参列し、追悼の言葉を述べるとともに、献花を行い、殉職された方々の御霊の平安と御遺族の皆様のご健康を祈念致しました。

 

 

  • 「叙勲・褒章の伝達式」「表彰式」などへの出席

  

 令和元年には、秋の叙勲、褒章、危険業務従事者叙勲について、それぞれ「伝達式」に出席の上、式辞を述べるとともに、受章者の皆様のご功績を讃えさせていただきました。

 

 令和2年8月4日に開催された「安全功労者・消防功労者総務大臣表彰式」に出席し、受賞者に感謝の意を述べさせていただきました。

 

 

  • 女性消防団員の皆様へのエール

 

 令和元年11月12日に神奈川県横浜市で開催された「第24回全国女性消防操法大会の激励交流会」において、ビデオメッセージにより、日頃から、火災予防の普及啓発はもとより、消防活動に不可欠な操法の訓練に励んで下さっている女性消防団員の皆様を激励させていただきました。

 

 

  • 『総務大臣感謝状(消防団関係)』の贈呈

  

 令和2年3月9日付で、団員数の増加などの成果を上げた消防団に対して『総務大臣感謝状』を贈呈し、消防団の体制の充実や地域の安心安全の確保に向けた活動を称えさせていただきました。

 

 

  • 三者間同時通訳、Net119及び救急ボイストラの活用促進

 

 『三者間同時通訳』『Net119』『救急ボイストラ』の活用促進に向け、自ら先導役となり、総務大臣メールを通じて地方公共団体の長に直接周知するなどした結果、総務大臣就任前と比べ、導入率がそれぞれ10%程度上昇しました。

 

 

  • 「救急功労者表彰式」への出席

 

令和2年9月9日に行われた「救急功労者表彰式」に出席し、永年にわたり救急業務の推進に貢献して下さった消防関係者及び医療関係者の功績を称えさせていただきました。

 

 

  • 『消防団協力事業所表示制度』の普及推進

 

 地域防災力の中核となる消防団の充実強化の為、複数の事業所単位や大学等の学部単位で取り組みを進めている企業や大学について、『消防団協力事業所表示制度』の「消防庁認定(ゴールドマーク認定)」を更に受けられるよう各都道府県に通知し、普及を推進しました。

【恩給の関係施策】

  • 恩給の適切な支給

 

 恩給受給者の皆様の生活を支える為、適切な年額水準を確保しました。

 

 

  • 「全国戦没者遺族大会」への列席

  

 令和元年12月9日に行われた「全国戦没者遺族大会」に列席し、戦没者の御遺族の皆様に対し、国家補償として恩給の水準を確保することなどについて、挨拶をさせていただきました。

【大臣官房総務課・公務員部の関係施策】

  • 東日本大震災等からの復旧・復興

  

 令和2年度においても、「閣僚全員が復興大臣」との考えの下、被災地方公共団体で不足する人材の確保や被災地方公共団体が必要な復旧・復興事業を行う為の財源を確保しました。

 

 加えて、東日本大震災、平成28年熊本地震、平成29年7月九州北部豪雨、平成30年7月豪雨、北海道胆振東部地震、令和元年の房総半島台風及び東日本台風の被災地で不足している人材の確保の為に、都道府県知事及び市区町村長に対し、『大臣書簡』を発出し、職員派遣の御協力をお願い致しました。

【大臣官房企画課の関係施策】

  • 新型コロナウイルス感染症対策

 

 令和2年1月以降、政府の「新型コロナウイルス感染症対策本部」に出席し、各府省と連携して感染症対策に取り組みました。

 

 同月には、総務省に「新型コロナウイルス感染症総務省対策本部」を設置し、対策本部長として総務省の感染症対策の取組を指揮しました。

 

 令和2年2月には、都道府県・政令指定都市の副知事・副市長などの幹部と総務省職員との間の「1対1の連絡体制」を創設し、地方公共団体と積極的に情報を共有し、新型コロナウイルス感染症対策に関する地方公共団体からの多様なご要望やご意見を、案件ごとに担当府省にお伝えし、政府全体の対策強化に注力しました。

 

 令和2年3月には、『新型コロナウイルス感染症対策の総務省対処方針』を策定し、感染症対策の基本的な考え方の他、実施体制や省内での取組、蔓延防止、地方公共団体や指定公共機関との連携など、具体的な取組を示しました。この対処方針については、新型コロナウイルス感染症の状況に合わせて2度の改正を行い、感染症対策の方針を示しました。

 

 

  • 「経済財政諮問会議」における対応

 

 「経済財政諮問会議」において、Society 5.0の基盤となる5Gインフラとそれを支える光ファイバの全国整備、Beyond5Gの推進戦略、地方回帰に資するテレワークの全国規模での普及推進、行政のデジタル化に向けたマイナンバーカードの普及・活用、分散型エネルギーシステムの構築の推進など、総務省の取組について積極的に発言し、『経済財政運営と改革の基本方針2020(骨太の方針2020)』に必要な施策を反映しました。

 

 

  • 「未来投資会議」における対応

 

 「未来投資会議」において、Beyond5Gの推進戦略、5Gインフラの全国整備やローカル5G普及促進の取組、統一QRコード(JPQR)の全国展開など、Society 5.0時代の地域社会の実現に向けた総務省の重要施策について積極的に発言し、『成長戦略実行計画』に必要な施策を反映しました。

 

 

  • 経済対策の取り纏め

 

 『安心と成長の未来を拓く総合経済対策』(令和元年12月5日閣議決定)や『新型コロナウイルス感染症緊急経済対策~国民の命と生活を守り抜き、経済再生へ~』(令和2年4月20日閣議決定)の取り纏めに当たり、総務省が取り組むべき施策を反映しました。

 

 

  • 旧氏使用の拡大

 

 旧氏を使用した手続や事務処理が可能となるよう、総務省所管の全ての法令を精査し、旧氏の使用が可能であることが明示されていないものについて、その使用を可能とする旨の通知を行うなど、他の官庁に先駆ける形で、旧氏の使用範囲を大幅に拡大しました。

【電気通信紛争処理委員会事務局の関係施策】

  • 電気通信紛争処理委員会の新体制の発足

 

 令和元年12月3日に、両議院の同意を得た5名の電気通信紛争処理委員会委員を任命し、同委員会の新体制を発足しました。

 

【内閣府番号制度担当室の関係施策】

〇マイナンバー制度の推進

 

 年金機構を含む情報連携の本格化、法人設立ワンストップサービス、健康保険証の利用申込など、「マイナポータル」のサービス拡大を実現しました。

 

 加えて、国民の皆様にマイナンバー制度のメリットと安全性をご理解いただくための周知・広報活動についても、積極的に展開しました。

 

 また、「デジタル・ガバメント閣僚会議」をはじめ、様々な機会において、各府省及び地方公共団体に対し、マイナンバーカードの利活用の促進を強力かつ積極的に働きかけるとともに、令和元年12月20日に閣議決定された『デジタル・ガバメント実行計画』の一部として『マイナンバーカードを活用した各種カードなどのデジタル化などに向けた工程表』を作成するなど、マイナンバーカードの利活用シーンの拡大を進めました。

 

 令和3年3月から予定されている「健康保険証」としての活用に加え、その後は、「お薬手帳」「年金手帳」「介護保険被保険者証」「障害者手帳」「母子健康手帳」「ハローワークカード」「在留カード」「運転経歴証明書」などとしても活用できるように、担当官庁である厚生労働省、法務省、警察庁への働き掛けを進めました。

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