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令和2年8月28日 記者会見

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《冒頭発言》

 

 皆様、おはようございます。

 

 

【マイナポイント事業の開始】

 

 マイナポイント事業の開始について、ご報告を申し上げます。

 7月1日より、マイナポイントの申込みの受付が始まっているところでございますが、9月1日より、いよいよ、ポイントの付与を開始いたします。

 マイナポイント事業に登録いただいた決済サービスは、109種類となりました。

QRコード決済や電子マネーなど、国民の皆様になじみのある決済サービスについては、概ね選択いただけるようになったと考えております。

 実際にポイントが付与されるタイミングや付与されたポイントの有効期限などにつきましては、各決済サービスにより異なりますので、詳しくは、各決済サービス事業者のホームページなどや、マイナポイント事業のホームページでご確認をいただければと思います。

 マイナンバーカードが必要になるわけでございますが、マイナンバーカードは、来年3月から、健康保険証としての利用が開始される予定でございます。

 その後は、お薬手帳、介護保険被保険者証、母子健康手帳、障害者手帳、ハローワークカードなど、政府全体で様々な利活用策を進めていくことになっております。

 まだマイナンバーカードをお持ちでない方につきましても、マイナンバーカードを取得いただき、年内にマイナポイントを予約いただければ、マイナポイントをご利用できる見込みとなっておりますので、お早めに、スマホでも、郵送でも申請できますので、カードを申請いただけたらと思います。

 本事業の詳細につきましては、この後、事務方から説明させることとなっておりますので、ご確認くださいませ。

 私からは、以上です。

 

 

《質疑応答》

 

 

【携帯電話の乗り換え手数料の引き下げ】

 

問: 携帯電話の乗り換えを容易にするために、原則無料にするなどの改革案が議論されておりますけれども、大臣の期待する効果と今後の進め方についてお教えください。

 

答: 昨日、総務省で開催している有識者会議におきまして、携帯電話の乗り換えを促す番号ポータビリティにつきまして、現在3,000円の手数料の「原則無料化」、同意なく自社プランに誘導するなど「過度な引き止め行為の禁止」、そして、 「オンライン受付の24時間化」など、利用環境の改善についてご議論いただき、一定の方向性をお示しいただきました。

 今後、報告書のとりまとめがなされました場合には、総務省として、関連するガイドラインを整備するなどして、具体的な環境整備に取り組んでまいります。

 この他、引き続き、昨年施行された改正電気通信事業法の適切な執行や、MNOとMVNOの間の競争を促進するための施策に取り組んでまいります。

 そういった取組を通じまして、公正な競争環境を整備することによって、結果として、利用者の皆様にとって、「低廉で」、「わかりやすく」、「納得感のある」料金・サービスが、速やかに実現されることを期待しております。

 

 

【VPN接続サービスでの不正アクセス】

 

問: テレワークをする際に社内のシステムに接続するVPNですね、いわゆる仮想私設網ですけれども、これの認証情報が大量に盗まれるという事案が先日発生しまして、国内で38もの組織が被害に遭っているということです。サイバーセキュリティを所管し、テレワークを積極的に進めている総務省として、大臣のお考え、受け止めと、今後の対策をお願いいたします。

 

答: テレワークに用いるVPNサービス、いわゆるバーチャル・プライベート・ネットワークサービスでございますが、この暗証番号などが漏洩したのでありましたら、機密性の高い情報を守る観点から、それぞれ企業や自治体などにおいて、早急に、かつ、適切な対策を講じていただきたいと考えております。

 現在、新型コロナウイルス感染症の影響によりまして、若年の方々が、地方に転職を希望されるケースも増加しておりますし、これまでも申し上げておりますとおり、新型感染症の「感染拡大防止」や、また、災害時を含めた「業務継続」の観点からも、安全で信頼できるテレワークの整備はきわめて重要だと認識しております。

 テレワークは、インターネットの利用が前提となりますから、セキュリティの確保は何より重要です。

 そのため、総務省では、セキュリティ対策の検討の参考としていただくために、「テレワークセキュリティガイドライン」の策定・公表、また、テレワークの導入時と導入後の専門的な相談対応といった取組を既に実施いたしております。

 また、自治体に対しましては、本年4月に、NISCの注意喚起を受けまして、VPNの利用上の注意点について通知を発出いたしました。

 さらに、今月、多要素認証などによる安全性を高めるための具体的な手法を提示させていただいております。

 総務省では、サイバーセキュリティ統括官もおりますので、引き続き、サイバーセキュリティを確保するために、NISCなどの関係省庁としっかり連携しながら、実態の把握に努めるとともに、必要な対応をとってまいりたいと思います。

 過去に起きた様々なサイバー攻撃事案を見ましても、提供事業者側が脆弱性を認識して、それに対するパッチなど新たな取組を発表された場合に、それに気がつかずにセキュリティを更新していなかったばかりに被害に遭ったということもございますので、それぞれのユーザーの方々には、注意深くセキュリティ確保をお願いしたいと存じます。

 

 

【日本郵政グループの第1四半期連結決算】

 

問: 日本郵政グループについて伺いたいんですけれども、先日発表した第1クオーターの決算だと、最終利益が4割減という状況でした。かんぽ生命の長引いた営業自粛による保険の不振や国際物流事業の不振で、トール社の一部売却という報道も出ています。今の経営環境についての大臣の受け止めと、今後の改善するべき要望があれば教えてください。

 

答: 令和2年度第1四半期の連結決算でございますが、今おっしゃったように、新型コロナウイルス感染症の影響による「社会経済活動全般の停滞」、長引く低金利による「運用収益の減少」、また、かんぽ生命の不適正募集に伴う「営業自粛の影響」などによって、前年同期比で4割の減益となったということでございます。

 トール社を巡りましては、様々な報道がなされておりますが、現時点においては、日本郵政グループにおいて、経営改善に向けて様々な可能性を検討している最中で、トール社の売却について具体的な決定事項は、まだないと聞いております。

 日本郵政グループを巡りましては、個別の決算状況や経営の事項について、総務大臣としてコメントすることが難しいことはご理解いただきたいと存じますが、その上で、一般論として申し上げますと、日本郵政グループにおかれては、失われた国民の皆様の信頼を着実に回復していただくこととともに、やはり、郵便局ネットワークを通じたユニバーサルサービスは確保していただかなければなりません。

 今、地方で民間金融機関の支店の撤退なども相次いでおりまして、そういったところを郵便局がしっかりと仕事を引き継いで、地域住民の皆様のために貢献していただいている実態もございます。

 また、地域の皆様の利便性向上と企業価値の持続的な向上につながる取組についてしっかりと知恵を絞っていただき、グループの総力を挙げて健全経営に取り組んでいただきたいと希望いたします。

 

 

【NHKの中期経営計画案】

 

問: NHKの中期経営計画案なんですけれども、8月に出たあとに、大臣、この会見の場で5つ指摘をされて、例えば、値下げについての記述がないっていうことを指摘されていますけれども、昨日の有識者会議でNHK側から中期経営計画案について説明がありましたけれども、どういうふうに評価されているのか。それから、NHKに今後どういう対応を期待されているのか教えてください。

 

答: 26日の水曜日に開催された有識者会合で、私から中期経営計画案について5つの事項に関して意見を申し上げました。

 NHKから明確な回答はございませんでしたが、即日回答できる内容のものでもないと考えております。

 次回の会合におきまして、民放連などの関係団体から、中期経営計画案や受信料制度改革に関するヒアリングを実施する予定でございます。

 それらの結果も踏まえて、改めて、NHKからご説明を伺う場を設けたいと考えております。

 中期経営計画案についてはまだ時間がございますので、それまでの間に、NHKにおかれましては、公共放送としての負託を果たしながら、国民の皆様、視聴者の皆様にとって「公平感」と「納得感」のある「低廉な」受信料水準を目指していただくことなど、対応を期待いたしております。

 

 

【かんぽ生命保険の営業再開】

 

問: 再び日本郵政グループなんですけども、26日にかんぽ生命の保険営業再開に向けた業務を始めると発表しました。ただ、一連の不正に関してまだ郵便局員の処分も道半ばであり、具体的な再開時期を見通せない中で動きだすことになるんですけども、大臣の所感をお聞かせくださいというのと、郵政グループへ何か要望などがあれば併せてお聞かせください。

 

答: 26日の水曜日に増田社長が記者会見をされました。その内容は承知いたしております。

 今回の発表は、日本郵政グループで十分に検討された結果の経営判断と考えておりますが、顧客からの信頼回復に向けた取組や、不利益を受けた方々の権利回復を速やかに行うことによって、早期に本格的な営業再開に向けた道筋を付けていただくことを希望いたしております。

 「今年度はお詫び行脚で精一杯」ということではなく、スピード感を持ってしっかりと対応され、顧客の皆様の信頼回復ができたら、本格的に営業活動を再開されることになるのではないだろうかと期待をいたしております。

 

 

問: ありがとうございました。それではこれで終わりたいと思います。

 

答: お疲れさまでございました。

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