令和2年7月17日 記者会見
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《冒頭発言》
皆様、おはようございます。
【普通交付税の繰上げ交付】
令和2年7月豪雨の犠牲者が日々増えてきており、誠に心が痛むことでございます。改めまして、お亡くなりになった方々に哀悼の意を捧げますとともに、被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げます。
7月8日の水曜日までに災害救助法の適用が決定された団体のうち、ご要望のあった市町村につきましては、10日及び14日に普通交付税の一部を繰り上げて交付をいたしました。
今般、14日に災害救助法の適用が決定され、ご要望のあった熊本県内10の市町に対して、普通交付税の一部、53億7,500万円を、本日繰り上げて交付することにしました。
これにより、今回の災害では、本日までに合計で6県内43市町村に対して、300億3,300万円を繰り上げて交付しました。
また、15日以降に災害救助法の適用が決定された団体につきましても、早急に市町のご要望をとりまとめ、早期の交付決定に向けて所要の手続を進めてまいります。
【特別定額給付金の給付状況】
特別定額給付金の給付状況につきまして、各団体からいただいた報告によりますと、7月15日までに給付済みの金額の合計は約11.58兆円、給付済みの世帯数は約5,272万世帯でございます。
それぞれ、国の予算額の90.9%、総世帯数の90.1%に当たります。
国の補正予算が成立した4月30日から2か月半で、給付済み額及び世帯数ともに、全体の9割を超えました。
ご参考までに、前回、平成20年度の定額給付金の際の状況を申し上げますと、関係する国の補正予算成立から5か月後の時点で、給付額ベースの給付率が90.6%でございました。
給付の実施主体として、迅速な給付の実現に多大なるご尽力をいただいております各市区町村長の皆様、また、職員の皆様に、改めて深く感謝を申し上げます。
先般も申し上げましたが、郵送申請の受付開始日から3か月という申請期限がございますので、申請がまだの方につきましては、ぜひ忘れずに申請をしていただくこと、また、申請のための書類がまだ届いていない場合には、基準日である4月27日で住民登録していた市区町村にお問い合わせいただきたいことについて、改めてお願いをいたします。
私からは、以上でございます。
《質疑応答》
【大阪都構想】
問: 大阪都構想について伺います。先日、吉村府知事とお会いになりましたが、今、総務省に協定書が提出されていると思います。現在の検討状況と、今後の進め方について教えてください。
答: 先般、6月23日に、大都市地域特別区設置法第5条第2項及び第4項に基づき、総務大臣に対して、協定書案の協議・報告がなされました。
現在、同法第5条第5項に基づきまして、協定書案の内容について検討を行っているところでございます。
ちなみに、協定書案の協議・報告を受けてから、各府省に意見照会を行い、その内容をとりまとめた上で、総務大臣意見を述べることを予定しておりますので、適切に対応してまいります。
また、特別区設置の成否につきましては、法令の手続に従い、地域のご判断に委ねられているものでございますので、大阪府、大阪市におかれまして、関係者間の真摯なご議論がなされることを期待いたしております。
【かんぽ生命の営業再開】
問: かんぽの不適正販売について伺います。昨日、郵政グループが設置した有識者委員会において、「営業再開の条件は、概ね満たしている」という評価がありまして、今後、郵政グループ内で営業再開の検討が進むものとみられます。この評価の受け止めと、今後の営業再開に当たっての大臣のご要望や注意してほしいことなどがあれば、教えてください。
答: JP改革実行委員会の提言を踏まえて設定された営業再開の5条件についてのご質問だと思いますが、昨日のJP改革実行委員会では、再発防止体制の整備などの営業再開に向けた条件を概ね充足したと評価されたと承知しております。
日本郵政の増田社長が、「再開の十分条件が充足しているか、最終的な経営判断をしたい」と述べられたと聞いております。
具体的な営業再開の時期につきましては、日本郵政グループにおいて適切にご判断いただくべきだと考えます。
ただ、引き続き、不利益を受けた顧客の皆様の権利回復は速やかに行っていただいて、失われた国民の皆様の信頼を取り戻していただきたいと存じます。
【ツイッターの乗っ取り】
問: 昨日、ツイッターで大規模なサイバー攻撃がありまして、オバマ元大統領などのアカウントも乗っ取られるような事案が発生しました。日本でも、多くの政治家や企業、自治体などが情報発信ツールとして使っていますが、安全なネット環境の整備を目指す総務省としての受け止めと、今後の対応や一般ユーザーへの呼びかけなどがありましたらお願いします。
答: 過去に私自身も、ツイッターを利用しようと楽しみにアカウントを設定してすぐに、アカウントを乗っ取られ、全く私が発信していない内容が発信された経験を持ちます。ですから、現在ツイッターを積極的に活用しているわけではございません。
このように、SNSに係るサイバー攻撃には、運営する事業者側を狙うものと、利用者側を狙うものが考えられます。
本件につきましては、米国ツイッター社において原因を調査中であると聞いております。
本件は、自社の従業員に対する攻撃があった旨を、すでにツイッター社が公表しておられます。
事業者側を狙った事案である可能性を含めて、関連する動向はフォローしてまいりたいと思います。
ツイッターをはじめとするSNSは、国民生活に密着したコミュニケーションツールでございますので、利用者の皆様の利益を確保することが何より重要でございます。
SNS事業者におかれては、自らのサイバーセキュリティの強化に、より一層努めていただきたいと存じます。
また、利用者の方々に対しても、総務省では、「国民のための情報セキュリティサイト」を通じまして、詐欺やマルウェアによる被害に遭わないよう、引き続き注意喚起に努めてまいります。
【JPQRの海外展開】
問: 「JPQR」について伺います。日本のキャッシュレス規格の国際競争力を高めるためには、海外の規格との相互乗り入れなども必要だと思いますが、今後の「JPQR」の海外展開に係る大臣のお考えと、今後の対応方針を教えてください。
答: 総務省は、昨年開始した「JPQR普及事業」につきまして、今年度から全国展開を図ることとしております。
6月22日から、全国の店舗の皆様にお申し込みいただけるウェブ受付システムの稼働を開始いたしました。
今後、全国の自治体で「JPQR」申込みのための説明会などの支援を行う予定です。
「JPQR」で海外決済サービスが利用可能となることで、新型コロナウイルス感染症が収束したあとに、外国人旅行者の皆様をお迎えする際に、円滑にQR決済をご利用いただけるようになります。
「JPQR」には、現時点でも「WeChat Pay」など、海外決済事業者に参加いただくことが決定しておりますので、海外決済事業者の皆様のご参加を増やしてまいりたいと存じます。
また、将来的には、日本発の統一規格である「JPQR」の他国における採用が進んだ場合、日本から海外に旅行される方が、海外の店舗でもQR決済を利用できるようになりますので、利便性が向上しますし、我が国の国際競争力の強化にもつながると期待をしております。
総務省としましては、関係省庁と連携しながら、「JPQR」の海外展開にぜひとも取り組んでまいりたいと考えております。
【感染症指定医療機関の体制改善に係る厚労省の対応】
問: 総務省勧告について伺います。2017年に感染症指定医療機関の体制改善に係る勧告を厚生労働省が総務省から受けていて、全国調査は実施したけれども、結果をまとめていないという報道が先日ありました。要は放置されていたということなのですが、こうした厚労省の対応についてどのようにお考えかということと、総務省の勧告が実効性のあるものになるにはどうするべきかについてお聞かせください。
答: 感染症指定医療機関の体制につきましては、平成29年12月に、厚生労働省に対してその実態把握を行い、必要な措置を行うように総務省から勧告をしております。
総務省としては、普通、勧告をしたあと、まず1回目がだいたい6か月後、2回目は1年半後という形で、その勧告先の府省庁がどのように対応したのかというフォローアップを行っております。
この勧告を受けまして、概ね半年後ですが、平成30年7月時点で、厚労省において実態調査を行っている旨の報告を受けておりました。
1年半後の2回目のフォローアップの時期が、ちょうど昨年の夏頃になるのですが、昨年は、エボラ出血熱に関しましてWHOから緊急事態宣言が出されていたこともあって、厚生労働省が繁忙を極めており、とても対応が厳しいということで、厚労省の負担に配慮をした形となっております。
先日、加藤厚労大臣が、本年の7月中を目途に調査結果を取りまとめ、国として必要な助言・支援を行っていきたい旨を発言されました。
このような状況を踏まえまして、総務省としましては、今後、厚労省の現状の負担にも配慮をしながら、必要な調査を行うべきだと考えております。
問: それでは、これで終わりたいと思います。ありがとうございました。
答: よろしいですか。お疲れさまでございます。