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令和2年7月10日 記者会見

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《冒頭発言》

 

 皆様、おはようございます。

 

 

【令和2年7月豪雨への対応状況】

 

 改めまして、この度の令和2年7月豪雨により、お亡くなりになった方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げます。

 総務省としての現在の主な対応状況をご報告いたします。

 現在、総務省からは12名、消防庁からは7名の職員を現地に派遣しております。

 被災地では、地元消防による懸命の活動が続いているほか、緊急消防援助隊などの活動により、これまでに計334名の方々を救助いたしております。

 引き続き、人命救助活動や孤立地域の状況の把握に力を尽くしてまいります。

 また、自治体職員の応援派遣につきましては、対口支援団体として、熊本県の被災7市町村に対し、九州・中国ブロックの10県市から派遣することを決定しており、昨日9日時点で、3市村において19名の職員が避難所運営や罹災証明書交付業務の支援を行っております。

 本日以降、他の被災市町村においても、順次、活動を開始する予定です。

 また、熊本県の被災8市町村に対し、九州・中国ブロックの9県市から総括支援チームが派遣され、家屋調査の体制構築や避難所運営方法についての助言などを行っていただいております。

 今回の災害により多大な被害を受けた地方公共団体のうち、7日の火曜日までに要望のありました3県内20市町村に対して、当面の資金繰りを円滑にするため、9月に定例交付すべき普通交付税の一部、145億4,600万円を、本日繰り上げて交付することといたしました。

 今回の繰上げ交付は、7日までに災害救助法の適用を受けた団体を対象としていますが、その後に適用を受けた団体についても、現在、市町村の要望をとりまとめており、来週に交付決定すべく、所要の手続を進めてまいります。

 被災団体の実情を丁寧にお伺いしながら、その財政運営に支障が出ないように取組をしてまいります。

 また、通信関係につきましては、早期の復旧に向けて、携帯電話については車載型基地局の増強など、また、固定電話につきましては通信ビルの回復や光ファイバ中継ケーブル敷設など、通信事業者などと連携して、通信の確保にしっかりと取り組んでまいります。

 携帯電話不正利用防止法では、携帯電話事業者などに対し、契約の相手方の本人確認を義務付けております。

 しかし、被災者が本人確認書類を喪失しておられる場合が想定されます。

 このような場合に、携帯電話の契約を行うことができるよう、本日、省令を改正し、本年7月10日から半年間、本人確認方法に関する特例を設けることといたしました。

 引き続き、全力で取り組んでまいります。

 

 

【特別定額給付金の給付状況】

 

 特別定額給付金の給付状況について、既に全市区町村で給付が開始されておりますが、各団体からいただいた報告によりますと、7月8日までに給付済みの金額の合計は約10.87兆円、給付済みの世帯数は約4,914万世帯となります。

 それぞれ、国の予算額の85.4%、総世帯数の84.0%に当たり、いずれも全体の8割を超えるものとなっております。

 着実に給付は進んでおります。

 給付の実施主体として多大なご尽力をいただいております各市区町村の首長及び職員の皆様に、改めて深く感謝を申し上げます。

 先般も申し上げましたが、特別定額給付金の申請書をまだ提出されていない住民の方々におかれましては、できるだけ早く申請書を返送していただきたいと存じます。

 郵送申請開始日から3か月という申請期限がございますので、できるだけ早くお戻しいただけたらと思っております。

 私からは、冒頭、以上でございます。

 

 

《質疑応答》

 

 

【経済財政運営と改革の基本方針2020(仮称)】

 

問: このほど、経済財政諮問会議で示された骨太の方針原案に、今後1年間の社会全体のデジタル化を集中期間と位置付けて進めるということを明記されました。マイナンバー制度の抜本改善についても示されておりますけれども、デジタル基盤の標準化も併せて、大臣の受け止めと今後の課題についてお願いします。

 

答: 8日に開催されました経済財政諮問会議において、「経済財政運営と改革の基本方針2020」、まだ仮称でございますけれども、この原案が示されました。

 その中で、「マイナンバー制度の抜本的改善」が掲げられ、関係府省庁と連携し、年内に工程を具体化するとされております。

 マイナンバー制度の抜本的改善につきましては、6月30日に開催された「マイナンバー制度及び国と地方のデジタル基盤抜本改善ワーキンググループ」において、合計33項目の検討課題がとりまとめられました。

 その中では、「緊急時におけるより迅速・確実な政府サービスの供給の実現」に加えまして、「今後5年間、集中的に、マイナンバー制度を基盤として、データ・AIを最大限利活用できるシステムへの変革に取り組むことが重要である」とされております。

 今後、工程表を作成する中で、ワーキンググループにおける有識者からのご意見も伺いながら、しっかりと検討を進めます。

 国と地方公共団体が協力して、住民目線に立ったマイナ ンバー制度やマイナンバーカードの利便性向上が図られる取組につなげていきたいと考えております。

 また、地方公共団体の情報システムの標準化についてでございますが、国の主導的な支援により推進を図ることとしておりますが、先月とりまとめていただきました地方制度調査会答申におきましては、「基幹系システムについて、法令に根拠を持つ標準を設け、地方公共団体は、原則として、当該標準に則ったシステムを利用すべき」旨が盛り込まれました。

 関係府省庁と連携しながら、法制上の措置も含めた検討を行ってまいりたいと考えております。

 

 

【被災地における携帯電話等の通信障害の対応状況】

 

問: 豪雨の関連でお伺いします。冒頭にもご説明ありましたが、被災地で通信障害が起きていますが、政府の復旧に向けた取組状況と今後の復旧見通しなどありましたら、お考えをお聞かせください。

 

答: 今回の豪雨災害におきまして、熊本県、大分県及び岐阜県などにおきまして、通信障害が発生しています。

 被災地における通信環境の復旧は、被災された方々の日常生活にとって極めて重要な課題でございます。

 現在、総務省は、通信事業者と連携しながら早期復旧に努めております。

 特に深刻な通信障害が発生している熊本県の八代市や芦北町におきましては、携帯電話サービスについて、事業者の皆様にお願いをさせていただき、車載型基地局などによる応急復旧を進めております。

 また、固定電話につきましては、人吉市におきましてNTT西日本の回線設備の工事を行い、人吉市役所の代表電話も利用可能になりました。通信環境が大幅に改善された例もございます。

 一方で、芦北町のように、甚大な被害のために立ち入りが困難であったものの、NTT西日本による光ファイバ中継ケーブル敷設作業が、既に始められている例もございます。

 このほか、大分県や岐阜県などにおいても通信障害が出ております。

 総務省から、「災害時テレコム支援チーム」として職員を 派遣するなど、機動的な対応を図っている最中でございます。

 熊本県を含む各地において、現在発生している通信障害については、総務省としては、被災自治体や通信事業者の皆様としっかりと連携をさせていただき、一日も早い通信の復旧に向けて取組を進めてまいります。

 

 

【楽天モバイル(株)による周波数の変更】

 

問: 楽天モバイルについてお伺いします。対応する周波数を変更した件に関して、電波法に基づく報告から約1か月経ちますけども、改めて今後の対処方針についてお聞かせください。

 

答: 楽天モバイル株式会社が、現在販売しているスマートフォンの一部につきまして、対応する周波数を変更した件に関して、総務省は、6月12日に、同社に対して、電波法に基づく報告を求めました。

 6月26日に提出を受けた報告書において判明した事実でございますが、法令遵守や利用者利益保護の観点から、問題があると考えております。

 総務省は、本日、同社に対して、文書による指導を行うこととしております。その内容につきましては、午後に公表をさせていただきます。

 

 

【令和元年度における厚生年金積立金の運用結果の公表】

 

問: 先ほどGPIFが昨年度の公的年金の積立金の運用が大幅に赤字になったことを発表されたんですけれども、地方公務員共済の方の運用も結構赤字が出ているというふうに伺っているんですが、大臣のご見解をお願いします。

 

答: 地共済につきましては、運用利回りを表す収益率がマイナス4.81%、運用収入額を表す収益額がマイナス1兆138億円となっております。平成27年10月の被用者年金一元化以降、初めてのマイナス収益となりました。

 その要因につきましては、年度末にかけて、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大による景気や企業業績への懸念の高まりといったことを背景に、内外株式市況が悪化したことなどによると承知をしております。

 なお、地共済の平成13年度以降の19年間における累積収益額は、約18兆5,000億円となっております。

 昨年度の実績によって年金財政上の問題が生じる恐れもなく、年金受給額に影響を与えることもないと考えております。

 もとより、年金の積立金については、長期的な観点からの運用を行っていくことが重要でございます。

 短期的な動向に過度にとらわれることなく、長期的な観点から安全かつ効率的に運用を進めていくべきものだと考えております。

 

 

【発信者情報開示の在り方に関する研究会】

 

問: 発信者情報開示の在り方に関する研究会について、伺いたいんですが、本日10時からの研究会で中間とりまとめ案が公表されました。これまでの議論を踏まえた大臣のとりまとめ案への受け止めと、新たな裁判手続に関して、一部有識者から慎重な意見も出ていますが、今後の対応方針について教えてください。

 

答: 前回の会合では、「発信者情報の追加」や「新たな裁判手続の創設」など、各課題について、論点整理の議論を行っていただきました。

 より迅速で効果的な被害者救済の実現に向けて、本日の会合でも議論を深めていただき、中間取りまとめの案をお示しいただいた上で、速やかに、意見募集を開始させていただきます。

 総務省としましては、中間とりまとめを踏まえ、また、意見募集の内容もよく見ながら、できるものから速やかに、必要な制度改正を行ってまいります。

 

 

問: よろしいですか。それではこれで終わります。ありがとうございました。

 

答: どうもお疲れさまでした。

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