令和2年6月23日 記者会見
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《冒頭発言》
皆様、おはようございます。今朝は、持ち回り閣議でございました。
冒頭、特に私からはございません。
《質疑応答》
【NHKの世論調査結果】
問:
NHKが実施した世論調査で、安倍内閣を支持すると答えた人が36%で、支持しないと答えた人が49%となりました。支持しないと答えた人が、第2次安倍内閣発足以降最も高くなったという結果になりまして、それ以外の 世論調査でも不支持の率が高まっている傾向にあろうかとは思うんですけれども、この原因をどう見られているかという点と、また、大臣、総理と直接お話をされる機会もあろうかと思いますけれども、解散あるいは総選挙について、雰囲気をどのように感じ取られているかお聞かせいただけますでしょうか。
答:
世論調査の結果の原因につきましては、私からコメントする立場にはないと存じます。
内閣支持率は残念な状況でございますけれども、総務省では取り組むべき課題が山積しておりますので、一日一日を大切に、懸命に働き続けてまいりたいと思います。
一時的に国民の皆様に不人気な政策であっても、国家・国民の皆様の未来のために、今やっておくべきだと確信する政策については、信念と勇気を持ってやり抜きたいと思います。
ただし、実行に移すまでには、謙虚に、幅広く、多くの方のご意見を伺いながら、ベストな政策に仕上げるのは当然でございます。
また、解散については、コメントする立場にはございませんし、そのようなお話も伺っておりません。
【大阪都構想】
問:
大阪都構想についてお伺いいたします。大阪府市の法定協議会が、協定書、制度案について正式決定しました。2度目の住民投票が事実上決まったことになるんですが、その受け止めと、今後、制度案に対して、大臣としての意見を求められると思うんですが、どう対応していくかお聞かせください。
答:
前回の在任中にも経験したことでございます。いわゆる「大阪都構想」につきましては、法令の手続に従って、地域のご判断に委ねられているものでございますが、この度の協定書の案を取りまとめられたご関係の皆様のご苦労に、敬意を表したいと存じます。
今後は、大都市地域特別区設置法第5条第2項及び第4項に基づき、総務大臣に対して、協定書案の協議・報告がなされます。
総務大臣は、同法第5条第5項に基づき、協定書案の内容について検討し、意見を述べることになっておりますので、法の規定に従って適切に対応してまいります。
【国勢調査におけるICTの活用】
問:
国勢調査について伺います。先日、自民党のデータサイエンス議連が、大臣に対して、ICTなどの更なる活用について提言書を手渡されました。この内容についての受け止めと、この秋実施予定の国勢調査の公表取りまとめ時期についての今のお考えをお聞かせください。
答:
法務大臣として活躍された上川陽子先生をトップに、総務省の副大臣や政務官を経験された先生方が中心となって、今年の秋の国勢調査を何とか成功させようという方向でご議論いただいたことについて、大変ありがたく、また、心強く思っております。
先日いただいたご提言の内容については、総務省として、しっかり受け止めまして、可能なものから早々に着手してまいりたいと考えております。
特に、今般の新型感染症は、調査員の募集活動などに影響を及ぼしておりますので、調査員の募集期限を延長する対応は行っておりますけれども、調査員が十分確保できない場合に備えまして、調査期間や市区町村の審査期間の延長も検討しております。
それに伴って、公表時期の延期の検討も必要となるのですが、この延期の必要性や公表時期については、今後、地方公共団体の状況などを良く拝見した上で、判断をしてまいりたいと思っております。
何と言っても、国の統計調査の中で最も重要な調査でもあり、開始から100年目の節目に当たる国勢調査でございますので、確実に実施したいと思っておりますし、ICTも積極的に活用しながら、次の100年につなげたいと考えております。
【国地方係争処理委員会による沖縄県の申出の却下】
問:
国地方係争処理委員会についてお伺いします。先日、アメリカ軍普天間飛行場の移設計画で、埋め立てについてのサンゴの移植を巡ってですね、総務省の第三者機関である国地方係争処理委員会が、国の違法性を問う沖縄県側の申出を却下しました。これについての改めての受け止めをお願いいたします。
答:
6月19日に開催された国地方係争処理委員会では、沖縄県知事からの審査申出に対する審査の結果、「農林水産大臣が沖縄県に対して行った是正の指示は、違法でない。」とされたと伺っております。
本件は、第三者機関である委員会において、法令に基づいて判断された結果だと受け止めております。
詳細は、昨日公表されました、委員会から両当事者への通知をご覧いただけたらと存じます。
【特別定額給付金の給付状況】
問:
定額給付金についてお伺いしたいと思います。先日の会見でも、全国平均では過半数を超えて徐々に行き渡っているのかなと思うんですけれども、一方、もともと予想されたことかもしれませんが、大都市部では数%に給付がとどまっているようなところもあるようです。給付が遅れていることについてのご見解と、総務省として、今後何かできることがもしあれば教えていただければと思います。
答:
この特別定額給付金の給付につきましては、既に全団体で給付が開始されております。
6月19日までに給付済みの金額の合計は約7.73兆円、これは国の予算額の60.7%です。
給付済みの世帯数は約3,390万世帯、これは総世帯数の57.9%となっておりますので、全体としては着実に進んでいると考えております。
ただ、団体によっては、状況に違いも見られます。
この特別定額給付金事業は自治事務でございますので、申請の開始時期や給付の開始時期は、それぞれの自治体でお決めいただくものでございます。
給付事務の負担は、確かに自治体の規模によって異なり、特に規模の大きい団体では、給付システムの開発に加えて、申請書・封筒の印刷、郵送に相当程度の時間がかかった団体もございますし、提出された申請書の処理にも一定の時間を要する場合があると思います。
既に、総務省から効率的な事務処理の在り方について、助言をさせていただいたり、システム面の支援もさせていただいておりますので、それぞれの市区町村が一日も早く給付金をお手元にお届けしようとご尽力いただいていることに、感謝を申し上げます。
また、具体的に市区町村からご相談がありましたときには、誠実に対応させていただき、何らかのお手伝いをさせていただきます。
【かんぽ生命の顧客対応】
問:
かんぽ生命の顧客対応についてお尋ねします。今、契約内容が意向と異なるお客さんに対してお金を返したり、契約を復元したりとしている対応をとってはいますけれども、法令違反や社内ルール違反といった不正があったかどうかとか、勧誘にどういうところに問題があったのかっていう問題認識については、説明しないという説明をかんぽ生命がしています。お客さんの中にはですね、自分への勧誘のどういうところに問題があったのかっていうのを聞きたいというお客さんもいて、お客さんの中には、その対応に不満を持っていらっしゃる方もいますが、大臣の受け止めやお考えがあれば教えてください。
答:
このかんぽ生命の不適正募集問題でございますが、募集人の処分の有無に関しては、プライバシー保護の観点から顧客に通知する予定がないということに対して、顧客の方々から不満の声が出ているといった報道だったと思います。
日本郵政グループには、既に業務改善計画を出していただいておりますので、これを着実に実施していただくとともに、引き続き、不利益を受けられた顧客の皆様の権利回復を速やかに行っていただくことによって、失われた信頼を回復していただきたいと考えております。
【マイナンバー制度及び国と地方のデジタル基盤抜本改善ワーキンググループ】
問:
今朝、官邸で行われたマイナンバー制度に関連するワーキンググループについてなんですけども、ワーキンググループの開催趣旨と銀行口座との紐付けについて、大臣の構想の中で2段階の制度改正があったかと思いますけども、それぞれワーキンググループで話し合われることになるのか、その展望をお願いできますでしょうか。
答:
今朝、官邸で開かれたワーキンググループが第1回だったわけでございますが、官房長官のご指示によりまして、「今般の新型コロナウイルス感染症対策の経験を踏まえ、緊急時の迅速・確実な給付の実現など、マイナンバー制度及び国と地方のデジタル基盤の抜本的な改善を図る」ことを目的に開催されたものでございます。
会議の中では、①マイナンバーカードの利便性の抜本的向上、②マイナンバーカードの取得の促進、③マイナンバー制度の利活用範囲の拡大、④情報システムの統一・標準化、クラウド活用の促進など、国と地方を通じたデジタル基盤の構築、⑤マイナンバー制度とデジタル・ガバメントに係る体制の抜本強化の5つを検討課題として、有識者の皆様から精力的な問題提起がございました。
マイナンバーとお一人1つの給付用口座の付番につきましてもご意見が出ました。これは議事録などで公表されると思います。
会議の終わりに、官房長官から、今申し上げた5つの課題について、「早急に論点を整理した上で、有識者の皆様のご意見を伺いながら年内に工程表を策定するとともに、できるものから実施していきたい」というご発言がございました。
国と地方公共団体が協力して、住民の皆様の目線に立った、利便性向上が図られる取組につなげていきたいと考えております。
問:
今日のデジタル・ガバメントのワーキンググループで、システムの標準化というのを議論されたと思いますけど、改めてマイナンバーの普及なども含めて、デジタルの標準化、システムの標準化、これの意義について大臣のお考えをお聞かせください。
答:
地方公共団体において標準化を進めていかなければいけないという問題意識に立ちまして、総務省の中でも、庄司先生を中心にご議論をいただきまして、住民記録システムにつきましては、間もなく標準仕様書が出来上がります。そして、今後約1年以内を目標に、税のシステムについても標準仕様書を作る計画でございます。
標準仕様書を作って、あくまでもベンダーロックインにならないような形で、それぞれの自治体でお取り組みいただくことで、精力的に進めていきたいと考えております。
問:
よろしいでしょうか。これで終わりたいと思います。ありがとうございました。
答:
ありがとうございました。