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令和6年7月19日 記者会見

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1.発言要旨

 

 まず、科学技術政策担当大臣として報告いたします。

 先週7月8日から12日まで出張いたしまして、7月9日から11日まで、イタリア・ボローニャで開催されたG7科学技術大臣会合に出席いたしました。

 今回の大臣会合では、昨今の状況を踏まえ、「研究セキュリティ・インテグリティ、オープンサイエンス、科学コミュニケーション」や、「新興技術に関する研究、原子力・フュージョンエネルギー、宇宙」など、5つのテーマで議論が行われました。

 これらのテーマにつきまして、G7各国の科学技術大臣との間で活発な議論を行い、議長国のイタリアの大臣のリーダーシップの下で、本会合の成果文書として、「G7科学技術大臣コミュニケ」が発出されました。

 また、会合の合間に、複数の国々と個別に会談を行いました。

 今回の大臣会合や個別の会談を通じまして、科学技術分野の様々な重要課題に関するG7の政策・取組について、お互いに理解を深め、G7間の連携のさらなる強化に向けた方向性が確認できたものと考えております。

 それから2点目でございますが、健康・医療戦略担当大臣として報告を申し上げます。

 昨日7月18日に、フィリピンと、ヘルスケアに関する合同委員会を開催しました。フィリピンとは、2019年2月に、ヘルスケア分野の二国間協力の覚書に署名をして、両国のハイレベルの対話の場として合同委員会を設置しています。

 3回目の委員会となる今回は、私と、フィリピン保健省のヘルボーサ保健大臣が共同議長を務めて、両国の関係省、関係機関も出席の下、対話を行いました。ヘルスケア分野の協力の進捗を確認するとともに、今後の取組についても協議を行いました。

 具体的には、救急医療、災害医療、がん、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジといった分野での協力について対話を行いました。

 対話の中では、例えば、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの実現に向けて、JICA(独立行政法人国際協力機構)による保健財政分野の人材育成などの取組支援の紹介や、保健省と進めております協調融資に関する進展の報告がなされました。

 また、双方の政府が進めております、救急・災害医療体制や政策、がん対策に関する政策や取組などが共有されました。今後、さらなる連携が期待できる会合となりました。

 フィリピンは、アジア健康構想やグローバルヘルス戦略を進める上でも大事なパートナーでございます。

引き続き、フィリピンとの協力に取り組んでまいります。

 3点目でございますが、科学技術政策担当大臣として報告いたします。

 フュージョンエネルギーにつきましては、昨年4月に日本初となる国家戦略を策定し、産業協議会(J-Fusion)の設立や、ムーンショット目標の決定など、国家戦略の掲げる“産業化”に向けた環境の整備に努めてまいりました。

 また、国際的にも、非常に関心が高まっております。今回のG7科学技術大臣会合でも議題となりました。これまで日本が積極的に議論に参加しました結果、フュージョンエネルギーに関する記載が、今年のG7首脳コミュニケにも盛り込まれました。

 一方、米国も、国家戦略を先月発表されました。つまり、これでイギリス、日本、米国と国家戦略ができてきており、各国が国策としてフュージョンエネルギーの推進に取り組んでおります。

 特に、世界各国が大規模投資を実施することによって、自国への技術や人材の囲い込みを強めております。

我が国も、国家戦略に基づく取組を加速するために、国家戦略の改訂に向けた議論を8月から開始いたします。

 具体的には、2030年代の発電実証の達成に向けて、必要な国の取組を含めた工程表の作成、小型化・高度化などの新興技術の活用による「研究開発ロードマップ」の策定、戦略的な国際標準化の推進やサプライチェーンの発展支援、科学的に合理的で国際協調した「安全確保の基本的考え方」の策定などについて、御議論いただく予定でございます。

 内閣府としましては、国際連携もしっかり進めながら、フュージョンエネルギーの早期実現や関連産業の発展に向けて、引き続き取り組んでまいります。

 

 

2.質疑応答

 

(問)2つ教えてください。まず最初の質問なのですが、今回のG7会合のコミュニケを読むと、2024年末までに「バーチャルアカデミー」へのアクセスを、G7以外の国々に拡大すると。そのアクセスを拡大する国については、どのような国を想定されているのか教えてください。

 

(答)「バーチャルアカデミー」につきましては、「2024年末までに、G7の研究セキュリティ・インテグリティに対する共通の価値観及びアプローチを共有するG7以外の国にアクセスを拡大する」ことが合意されました。

 現在、G7各国が分担して、同志国に参画を呼び掛けているところでございます。先ほど申し上げたようなところがポイントでございます。相手国との関係もございますので、現時点で具体的な国名に言及することは御容赦いただきたいと思います。

 

(問)もう1つは、昨日開かれた総合科学技術・イノベーション会議の有識者会合で、大学支援フォーラムのワーキンググループが博士人材の育成や活用のためのアクション・プランを公表しました。大臣として受け止めと、今後、内閣府としてどのように取り組んでいくのか教えてください。

 

(答)産業界、大学、政府関係者などが構成員となっている大学支援フォーラムPEAKSに設置された、産学人材流動ワーキンググループで、アクション・プランが取りまとめられたということでございます。

 アクション・プランでございますけれども、産業界と大学がそれぞれ主体的に取り組むアクション、それから産学連携で取り組むアクションが具体的に示されています。これらのアクションにつきましては、PEAKSをはじめとする産学連携の場を活用して、フォローアップを実施しながら、国内の大学や企業への展開を行うこととされております。

 ですから、内閣府としましては、このアクション・プランのように、産業界と大学の自主的な活動によって、社会が変革していくことが重要だと考えております。やはり、博士人材の活躍をしっかりと進めること、それから、イノベーション創出をしていく取組を支援していきたいと思っております。

 

(問)フュージョンエネルギーの関係で、国家戦略を改訂するということで、2030年代の発電実証というお話もありましたが、政府としての実証の目標をより前倒ししていくというお考えがあるのかということと、ITERのベースラインの見直しが先日発表されまして、これが国家戦略改訂の議論にどう影響するのかという点を教えてください。

 

(答)まず、もともと文部科学省が2050年代と位置付けておりましたけれども、これを2030年代へと前倒しをすることについては、既に御承知のとおりでございます。各国が熾烈な国際競争の中で強力に研究開発を進め、多額の投資も集めておりますので、日本も負けるわけにはいかないということです。

 ITER(国際熱核融合実験炉)計画については、先月、ITER機構から、計画の日程やコストについて提案があって、今後、文部科学省において提案の妥当性を議論することを聞いております。

 日本の強みというのが、しっかりとあります。それは、長年の研究開発で培ってきた技術や人材が何よりの強みでございますし、国内には、世界最大の超伝導トカマク実験装置である「JT-60SA」もございます。こういったものも活用できますし、産業協議会がしっかりと動き出しているということもございます。

 ただ、やはり課題として、今後、スタートアップも利用可能な試験施設を整備していくこと、また、中長期的な人材を確保していくこと、安全規制の枠組みをきちんと制定していくことがあると思いますので、一つずつしっかりと取り組んでいきたいと思っております。

 

(問)先ほどの質問の続きで、2030年代の発電実証を核融合で目指すということで、日本も原型炉の計画がありますが、これはITERの成果を踏まえて進めることになっていたので、少し遅れがあるかもしれません。そう考えると、ヘリカル式やレーザー式といった、これまで日本が国としてはやってこなかったチャレンジを、直接、国として挑戦するなど、新しいアプローチがないとなかなか2030年代の実用化は難しいのではないでしょうか。大臣としての現段階のお考えを伺いたいと思います。

 

(答)私も同じように考えております。「JT-60SA」のトカマク型に限らず、ヘリカル型、レーザー型につきましても、文部科学省を通じて支援を行っております。

 今、様々な方式で研究開発が進められております。先日、公募を締め切ったムーンショット型研究開発制度でも、多様な社会実装を見据えて、特定の炉型に限らず、多くの提案があったことを聞いております。

 今後、国家戦略を改訂していくことを申し上げましたけれども、2030年代の発電実証の達成に向けて、必要な取組を含めた工程表を策定することも予定しております。その際にも、どのようなアプローチが必要なのか、改めて議論されると思っております。

 

(問)特定秘密を担当されている大臣として、先週明らかになった防衛省の特定秘密の漏えいの問題についてお伺いします。大臣、既に4月に2件の漏えいがあった後に、各省庁に再発防止を指示されておりますけれども、今回、60件近い漏えいということで、組織的ともいえるような事態となっております。この問題について改めての所感と今後の対応があれば教えてください。併せて、経済安保のほうの新法でも、今、運用基準を策定中と承知しておりますけれども、こちらも民間に大幅に秘密を扱う方が拡大するということで、こちらに対しても疑念の声が、政府の有識者会議等でも挙がっていたかと思いますけれども、今後どういうふうに防いでいくかというところのお考えがあれば教えてください。

 

(答)ちょうど私が、金曜日の夜、イタリアから戻ってまいりましたときに、防衛省の公表について知りました。非常に多数の事案が出ましたので、我が国の情報保全体制に対する国民の皆様や諸外国の信頼を大きく損なう深刻な事態だと考えております。防衛省、自衛隊には猛省を求めたいと考えます。

 ただ、総理から防衛省に対しまして、再発防止対策は私や内閣情報調査室と相談しながら実施するように指示がなされていると聞いておりますので、しっかりフォローしながら対応してまいりたいと思います。

 様々な影響が出るのではないかという御指摘や、今後どういう対策を講ずればいいのか、そういった問題意識での御質問だと思うのですけれども、今回の事案の概要は私も拝見したのですけれども、ヒューマンエラーをきちんと防ぐことができるITシステムの導入も重要ですし、それから、秘密を扱う場所への入退場を管理する装置の整備なども有効ではないかと考えました。

 そもそも特定秘密を扱っている場所に、クリアランスホルダーでない方が入っているという運用の在り方そのものに問題があったのだろうと思っております。だから、自衛隊の現場特有の問題点によるところが大きいと思っております。

 他省庁に関しましては、4月の時点で残念な事態が防衛省で発表されたことを受けて、徹底的に調査をしてほしいと。それで、問題点を洗い出してほしいとお願いをしたのですが、他に発生しているという報告はございません。

 防衛大臣に対しても、直接、4月の時点で明確になっていたもの以外にもないのか、本当にないのか、過去にさかのぼってもないのか、徹底的な調査をしていただきたいということは申し上げました。その結果、この度の事案が明らかになったものだと思っております。

 そういう意味で、今後、では、経済安全保障版セキュリティクリアランス制度に何か影響が出るのかといったら、今回が割と特殊な自衛隊の艦内での事象でございますので、それは関係はないと思っております。

 ただ、日本の情報保全制度への信頼性が損なわれてはなりませんので、特定秘密保護法をしっかりと正しく運用していただくことも重要ですし、今後、まだ法律は施行されておりませんけれども、重要経済安保情報の取扱いについても、取り扱われる方が決まりましたら、その方に対して、留意していただくべき事項をしっかりと教育する機会をつくっていくことを心掛けてまいりたいと思っております。

 

(問)閣僚のお一人としてお聞きしますが、河野太郎大臣が「日銀は円安でそのために利上げをすべき」という発言をされましたが、御感想をお願いできますか。

 

(答)まず、その発言について私が承知をしていないということと、他の閣僚の御発言についてコメントする立場にはないと思っております。

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