令和6年6月4日 記者会見
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1.発言要旨
まず、科学技術政策担当大臣として報告を申し上げます。
昨日6月3日、第73回総合科学技術・イノベーション会議を開催しました。会議では、「統合イノベーション戦略2024」の答申などを決定するとともに、大阪・関西万博で実証・展示予定の「未来社会のテクノロジー」を紹介していただきました。
岸田総理からは、私を含む関係大臣に対して、フュージョンや量子等の重要技術について、ゲームチェンジャーとなり得るコア技術の開発や、他の戦略分野との融合による研究開発を進めること。戦略分野における国際的なルールメイキングを主導し、経済安全保障との連携を強化すること。AI分野の競争力強化と安全・安心の確保、国際的な連携を推進することなどについて、御指示をいただきました。
また、本日、「統合イノベーション戦略2024」及び「スタートアップ支援に関するSBIRの関係指針」を閣議決定いたしました。
「統合イノベーション戦略2024」につきましては、3つの強化方策として、「重要技術に関する統合的な戦略」、「グローバルな視点での連携強化」、「AI分野の競争力強化と安全・安心の確保」を推進していくこととしております。
「SBIRの関係指針」につきましては、令和6年度の政府研究開発予算を踏まえ、補助金等の支出目標額を定めるとともに、関係各省が統一的なルールで運用する評価体制を整備することとしております。
詳細は、科学技術・イノベーション推進事務局までお問い合わせください。
次に、知的財産戦略及びクールジャパン戦略担当大臣として報告を申し上げます。
本日6月4日、知的財産戦略本部会合を開催し、「知的財産推進計画2024」及び「新たなクールジャパン戦略」を決定いたしました。
今回の「推進計画」では、デジタル化の急速な発展など、社会・経済を取り巻く状況が大きく変化する中、我が国の経済やイノベーションを活性化し、国際競争力を強化していくために、知的財産の創造、保護及び活用の施策全般にわたって、施策の見直しが必要ではないかという問題意識の下、「人材」の視点も入れ、今後、政府が取り組むべき施策をまとめました。
具体的には、国際標準化に関する我が国としての「総合的な国家戦略」を19年ぶりに刷新し、来年春を目途に策定すること。「AI技術の進歩の促進」と「知的財産権の適切な保護」が両立するエコシステムの構築に向けて、手引き等を作成・公表し、AI事業者や権利者等の各主体の取組を促進すること。産学官が連携し、高度知財人材の戦略的育成・活躍を推進することなどを明記しました。
また、「新たなクールジャパン戦略」におきまして、「2033年までにクールジャパン関連産業全体の海外展開を50兆円以上とすること」を目標として定めました。コンテンツ産業の国際競争力の強化などに取り組むほか、インバウンド誘致、農林水産物・食品の輸出、地域の魅力発信等の横断的な取組を推進してまいります。
今後、今回決定した「推進計画」や「新たなクールジャパン戦略」を踏まえて、政府一丸となって取組を推進してまいります。
この詳細につきましては、この後、内閣府の担当者よりブリーフィングを行わせていただきます。
2.質疑応答
(問)冒頭で大体は御発言されたと思いますが、統合戦略2024について、本会議では司会役をずっとされて、あまり御意見が出せる場面がなかったと聞いておりますので、改めて、大臣として、今回の統合戦略2024について、強調すべきところがあればお話しいただければと思います。
(答)科学技術・イノベーションは、経済成長における原動力でありまして、社会課題の解決や災害への対応においても、重要性は増していると思っております。
強いて挙げるとすればでございますが、今回の戦略における3つの強化方策のうちの1つであります、「グローバルな視点での連携強化」でございます。先端科学技術を巡る主導権争いが激化する中で、我が国としては、国際社会との連携を強化していくことは大変重要でございます。
フュージョンや量子などの重要技術に関しては、国際的なルールメイキングを主導するとともに、経済安全保障政策との連携を強化していきたいと思っております。
また、グローバルな視点で、国内外のリソースの積極的な活用や戦略的な協働を進めていきたいと思っております。
(問)本日、経済安全保障の有識者会議が開かれるということで、技術流出の提言についても示されるということでしたけれども、今の重要技術の流出の状況等について、どういう認識があるのかというのと、実際、流出を防ぐために色々なことをしたら、政府もかなり負担が増えると思うのですが、今後どのように政府として取り組んでいきたいのか、御意見をお願いします。
(答)我が国の技術的優位性を確保・維持する観点からは、研究機関や企業における技術流出の防止は重要な課題でございます。
政府としてのこれまでの取組の中でも、「不正競争防止法」による営業秘密の保護、それから、いわゆる「みなし輸出」管理の運用の明確化、外為法に基づく投資審査の強化もしてきております。また、留学生・外国人研究者の受入れの審査の強化、また、研究インテグリティの推進にも取り組んでまいりました。
我が国の研究開発力の強化のためには、卓越した外国人研究者の能力の活用も重要でございます。ただ、各研究機関で情報保全の取組は求められますので、そのための体制を整えていただくことも必要です。
私自身も各地に講演に伺いましたようなときに、特に企業関係者が多いときには、「不正競争防止法」の保護を受けるために必要な3つの要件について御説明を申し上げて、法の活用を呼び掛けさせていただいております。
本日午後に開催されます有識者会議におきましても、これまで3回にわたって、官民技術協力に関する分野別の検討会で御議論いただいた、「経済安全保障上の重要技術に関する技術流出防止策についての提言」の案について、御議論をいただく予定となっております。
その内容については、終了しましたら、事務方からブリーフィングがあるかと思います。
(問)一昨日の日曜日に広島でお話になられたそうで、国民の生命・財産、あと領土・領海・資源、国家の主権と名誉を守り抜くのが国の究極の使命だと。そのためなら命と引き換えにしろと言われたら、いつでも命と引き換えにする覚悟があるとおっしゃいましたけれども、真意を教えていただければと思います。
(答)領土・領海・領空・資源。(ご質問から)領空、抜けておりました。
国民の皆様の生命や財産、領土・領海・領空・資源、そして国家の主権と名誉をしっかりと守り抜くことが国の究極の使命だと思って、これまでも働いてまいりました。
命ですが、皆様の命もそうですし、私自身の命もそうですけど、数え切れないくらいの数の御先祖様たちが奇跡的に生きて、また子供をもうけて、その子供がまた大人になって生きて、また子供をもうけてという、奇跡的なことがどんどん続いて私たち一人一人がいますから、命はとても重いものでございます。皆様にとっても大切ですし、私にとっても大切なものでございます。
ただし、仮に、国民の皆様の命を守るために、自分の命をも引き換えにするようなことがあれば、迷うことなく自分の身は惜しくないと思っております。それくらいの覚悟を持って仕事をさせていただいているということでございます。
(問)それは次のステージに向けてということでしょうか。
(答)なんのステージでございましょうか。
(問)失礼しました。
(答)はい。失礼されました(笑)。