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令和6年5月31日 記者会見

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1.発言要旨

 

 宇宙政策担当大臣として報告を申し上げます。

 本日、「宇宙開発戦略本部」を開催しました。「宇宙基本計画工程表改訂に向けた重点事項」を決定いたしました。

 総理からは、特に次の4点について、御発言がありました。

 第一に、宇宙安全保障の確保の観点から、衛星コンステレーションを2027年度までに構築し、必要な探知・追尾能力を獲得するとともに、基幹インフラである準天頂衛星の11機体制に向けて開発を加速すること。

 第二に、国土強靱化や災害対応強化の観点から、日頃からの衛星データ蓄積を加速するべく、国内企業の衛星データを関係府省で積極的に調達し、利用を促進すること。

 第三に、宇宙探査活動における我が国のプレゼンス確保の観点から、先日の日米首脳会談での合意を踏まえ、アルテミス計画において、「米国人以外で初」となる日本人宇宙飛行士の月面着陸を実現し、有人与圧ローバの開発促進など、国際連携のもと、取組を強化すること。

 第四に、宇宙活動を支える総合的基盤の強化の観点から、H3ロケットなど、打上げ能力の高度化と、民間企業によるロケット開発の加速。「宇宙戦略基金」の拡充と活用を通じた、スタートアップを含む民間企業や、大学による技術開発の支援。民間企業による新たな宇宙輸送の計画を進めていくために必要な、制度の見直しや審査体制整備に取り組むことでございます。

 総理の御発言、そして本重点事項を踏まえまして、私自身、先頭に立って、関係大臣とも連携をして、宇宙政策を前に進めてまいります。

 

 

2.質疑応答

 

(問)国立大学等の運営費交付金についてお伺いしたいのですが、多くの研究者が研究力低下の主な要因として、運営費交付金の削減を挙げています。大臣としては、どのような御認識を持っているのか。あともう1つ、以前会見で、文科大臣と増額に向けた話をしているということだったのですが、その後、進捗はいかがでしょうか。

 

(答)大学の運営費交付金を含めて、多様な財源を活用した経営基盤の確保は、十分でないと理解をいたしております。

 政府としましては、「第6期科学技術・イノベーション基本計画」に基づいて、大学などにおける研究活動を安定的・継続的に支える運営費交付金などの「基盤的経費」と、優れた研究や目的を特定した研究を支援する「競争的研究費」のデュアルサポートが重要だと考えております。

 研究力を強化していこうと思いますと、安定的な研究環境の確保も不可欠でございますので、文部科学省と連携しながら、運営費交付金など、基盤的経費の確保に向けて取り組んでまいりたいと思います。

 

(問)昨日、再生医療議連から提言を受けられたと思いますが、コメントがあればお聞かせください。

 

(答)昨日、再生医療を推進する議員の会の皆様から、「日本発再生医療の産業化推進に向けた提言」を拝受いたしました。

 御提言は、エコシステムの構築と人材育成、製品の多様化に即した規制、再生医療へのアクセスの向上と保険制度など、幅広い観点に及んでおりましたが、問題意識は私と共通していると感じました。

 健康・医療戦略に関するものとしては、第3期健康・医療戦略において、再生医療研究を重点的に支援する分野として位置付けて、我が国の強みであるシーズ創出を支える基礎研究や人材育成の重要性を盛り込むべきといった御指摘を頂戴いたしました。

 再生医療分野は、2021年度にAMEDが支援を行いました、iPS細胞由来角膜上皮を移植する世界初の臨床研究が完了するなど、我が国発のiPS細胞を活用した研究開発が成果を挙げております。まだまだ取り組むべき課題は多いと考えております。

 「第3期健康・医療戦略」の策定に向けては、御提言いただいた内容を十分踏まえて、検討をしていきたいと考えております。

 

(問)京都大が先日、木造の人工衛星を完成させたと発表しておりました。衛星は一定期間使うと、大気圏に突入させて燃やすと思いますが、その際の環境負荷を避けることを期待されているということでございました。ユニークな発想と取組だと思うのですが、大臣、このニュース、どのように御覧になったのかを教えてください。

 

(答)「LignoSat」でございますが、人工衛星の運用終了時に完全に燃え尽きる木材を活用した衛星が、世界で初めて開発されたことは、スペースデブリ対策にも貢献し得る、挑戦的であり、価値のある取組だと考えております。

 また、今回、これまで宇宙になじみの薄かった印象のある、木材建材や不動産を扱っておられる企業が開発を担われたことも、オープンイノベーションの観点で歓迎をしたいと思っております。

 開発や今後の実証によって得られた知見は、木材の劣化抑制技術や、高機能の木質建材など、地上の木材利用にも活用できると伺っておりますので、宇宙を舞台にした技術開発の広がりに期待をしております。

 「LignoSat」ですが、9月に国際宇宙ステーションに移送された後、11月に日本の宇宙実験棟「きぼう」から宇宙空間に放出されて、衛星の機体のひずみや、内部の温度、地磁気などを測定して、データが分析されると聞いております。

 こういった政府やJAXA、そしてまた、民間事業者の方々の取組を通じて、新規技術の開発、共同研究を進めていけるよう支援してまいりたいと思います。

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