令和6年5月21日 記者会見
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1.発言要旨
冒頭発言なし
2.質疑応答
(問)先日、科学技術・学術政策研究所から定点調査の結果が発表されました。それによると、研究時間や基盤的経費、人材などについて、現場では相も変わらず不足しているという認識が示されました。大臣として、この結果についての受け止めと、今後の政策にどのように生かしていくのかを教えてください。
(答)文部科学省の科学技術・学術政策研究所からの報告書でございますけれども、研究環境に関する様々な課題が示唆されたと思っております。
令和5年3月に、CSTI(総合科学技術・イノベーション会議)において取りまとめました「研究に専念する時間の確保」を踏まえて、技術職員など専門職人材の処遇改善といった「人のサポートによる改善」や、大学入試業務の負担軽減など「大学マネジメントによる改善」など、研究者の研究時間の確保は促してきております。
それから、大学ファンドの運用益によるトップレベルの研究大学を支援するとともに、「地域中核・特色ある研究大学総合振興パッケージ」によります、地域の中核大学や特定分野の強みを持つ大学への機能強化に向けた支援策も講じております。
さらに、博士後期課程学生への経済的支援の充実も図ることと、若手研究者の方々がじっくり腰を据えて研究に専念できるようにするための事業にも取り組んでおります。
これらに加えまして、私は、大学等における研究活動を、安定的・継続的に支える運営費交付金の「基盤的経費」と、優れた研究や目的を特定した研究などを支援する「競争的研究費」が非常に重要だと考えております。
運営費交付金に関しましては、先般から既に文部科学大臣ともお話をしまして、頑張ってもっと増やしたいということで努力をさせていただいております。
(問)宇宙関係で一つお願いします。先日、JAXAから、月面の天文台や、アルテミス計画における日本の月の科学に関する詳しい計画が公表されました。具体的な手法など、まだまだ検討課題も多い段階とは思いますが、大臣としては、その計画をどのようにお受け止めになったか教えてください。
(答)文部科学省が開催した審議会で、JAXAから、「月面の科学」の進め方について報告があったと聞いております。
「月面の科学」は、具体的には、大気のない月の環境を生かした、「月面天文台」による月面からの天体観測、また、月のサンプルの採取・分析、そして、月の地震を測定する「月震計(げっしんけい)」による、月の内部構造の把握を目指すものでございます。
「月面天文台」を例に取りますと、2028年頃に、月面からの観測を始めて、2030年台に、月の裏側にもユニットを設置して、宇宙の形成過程に迫る、本格的な観測を実現するという構想でございます。
先日の日米首脳会談で、日本人宇宙飛行士による、米国人以外で初の月面着陸を目指すとともに、日本が有人与圧ローバを提供する方針が示されましたけれども、月面でどのような活動を行っていくかの具体化を進めることが課題だと考えております。今回、こうして科学分野で計画の具体化が進んだことは、大いに歓迎したいと思っております。
なお、「月面の科学」を推進することに当たりましては、民間輸送サービスとの連携も検討される予定ですし、非常に重要なことだと思っております。しっかり産学官連携で、この分野でリーダーシップを発揮できるように応援していきたいと思っております。
(問)岸田政権の閣僚のお一人として伺いたいのですが、上川外務大臣が、静岡県知事選の応援で、「一歩を踏み出したこの方を、私たち女性がうまずして何が女性でしょうか」と発言なさったことが報道されて、翌日に撤回なさっていますけれども、この一連の出来事についてどうお考えでしょうか。
(答)上川大臣御自身が、この御発言を真意と違う形で受け止められる可能性があるということで、発言を撤回されたと承知いたしておりますので、それに尽きるのではないかと思っております。
(問)もう1点、全然違う話なのですが、本業のほうなのですけれども。今朝公開された、ラジオNIKKEIさんのインタビューの中で、「経済安全保障でまだやり残していることがある」と。「今、猛烈に取組を始めている」ということなのですが、これは何のことでしょうか。
(答)内緒でございます。まだ公開されたラジオNIKKEIさんの記事を見ておりませんので。
(問)でも、大臣がおっしゃっていることなので。
(答)では、ざっくりと申し上げますと、やはり日本の様々な情報をきちっと保全をしていかなければならない。そしてまた、日本の技術も守っていかなければならないという中で、幾つかの課題があると考えておりますので、それに向けてです。私が主務大臣ではないものでもあります、ただ、広い意味で経済安全保障でございますので、直接の主務大臣、複数おられますけれども、話し合いをしたいなということが今ございます。
(問)会議体のようなものができたらいいという感じですか。
(答)いえ。そうではないです。それほど時間をかけるべき問題ではないと考えておりますので、事務方でまずやり取りをした上で、閣僚間で話ができたらいいと考えていることがございます。また、話がつきましたら、御報告を申し上げます。