令和5年11月10日 記者会見
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1.発言要旨
冒頭発言なし
2.質疑応答
(問)ES細胞を使った治験申請に向けて、国立成育医療研究センターが今年度中にも行おうとしていることや、iPS細胞で国立感染症研究所が免疫療法を開発するなど、新しい可能性が広がっていますが、今後のiPS細胞やES細胞を使った再生医療の進め方について、大臣のお考えを教えてください。
(答)今おっしゃっていただいたとおり、昨今、ES細胞やiPS細胞を用いた再生医療の研究開発が進んで、新たな成果が創出されつつあることは大変喜ばしく思っております。
再生医療は、いまだ有効な治療法がない疾患の治療につながる重要なものでございます。我が国では、もう10年以上の研究支援によりまして、世界初の臨床研究が複数進行しておりますので、論文、特許、人材ともに厚みを持ちつつあると思っております。
政府としましては、「健康・医療戦略」におきまして、医療分野の研究開発の軸となる6つの統合プロジェクトのうちの一つを「再生・細胞医療・遺伝子治療プロジェクト」として、基礎から実用化まで一貫した研究開発を推進しております。
今後ますます重要となる再生・細胞医療・遺伝子治療の実用化の推進、また再生・細胞医療と遺伝子医療の融合研究、さらには次世代iPS細胞などの革新的な研究開発、これらを軸に、その成果を患者の皆様にいち早くお届けできるように、努力をしてまいりたいと思っております。
(問)自民党の経済安保推進本部が8日に総理に提言を行っていると思いますが、経済的威圧への対処や、二国間・多国間での経済安保対話の創設についての内容が含まれていますが、こうした提言を今後政策にどう活かしていくか、担当大臣としての受け止めを教えてください。
(答)今週7日に、自民党・経済安全保障推進本部の甘利本部長をはじめ、先生方に大臣室にお運びをいただきました。経済的威圧をはじめとする経済安全保障上の課題と政策について、御提言をいただいたこと、大変感謝をいたしております。
御提言の中には、私の所管ではないものも含まれておりますけれども、経済的威圧への対応は、総理や官房長官の御指示もいただきながら、国家安全保障局を中心に効果的な取組を進めていかなければいけないと思っております。
特に、各国との連携ということで申し上げますと、今年のG7広島サミットで「経済的威圧に対する調整プラットフォーム」を立ち上げることが決まって、既に動き出しております。また、先月開催されたG7大阪・堺貿易大臣会合におきましても、このプラットフォームを通じた取組の進展を歓迎するといった声明が発出されておりますので、やはり、このG7をはじめとした同志国としっかりと連携をしながら対応していくことが、一層重要になってきていると感じております。
(問)昨日、岸田首相が年内の解散総選挙を見送ることを事実上表明されたと思いますが、大臣の受け止めをお伺いできますでしょうか。
(答)解散権は総理の専権事項でございますので、私からのコメントを差し控えさせていただきます。
(問)大臣の方々の給与増額分の返納についてお伺いします。
松野官房長官が昨日、特別職給与法の改正に伴う総理、政務三役の給与の追加返納を表明しました。判断理由について、「給与増で国民から不信を招くことがあってはならない」と明かしていましたが、高市大臣の所感をお伺いしたいです。
(答)「特別職給与法」でございますけれども、一般職の国家公務員の給与引上げに準じて、総理や閣僚を含む特別職公務員の給与も引き上げられるという内容になっていると存じます。
国民の皆様からの批判もしっかりと受け止めた上で、官房長官が御発言され、国会において法案を成立いただいた場合には、政治家である内閣総理大臣や国務大臣、副大臣、大臣政務官については、その給与増額分を全て国庫に返納する旨を申し合わせることになったということでございます。私は、大いにこの判断を歓迎いたします。
皆なかなか言い出しにくい話ではございますが、例えば、私が受け取っている大臣としての給与の支給額、10月分は30万8,681円を税引き後、頂戴いたしております。ちなみに10月分の国庫返納額は35万1,840円でございます。大臣給与を計算するときに、税引き前の国会議員の歳費と税引き前の大臣としての手当を両方足し合わせて、そこからの返納になるので、どうしても大臣ではない国会議員よりは毎月約5万円手取りは少ないことになっております。
いっそのこと、この大臣手当といいますか、余分に大臣として頂戴する分を廃止してもいいのではないかと官房長官に申し上げたこともございますけれども、今般は本当に国民の皆様が大変な状況で、なかなか物価高に賃上げが追いつかないのも現状でございますので、むしろしっかりと国庫に全額返納させていただくことがよろしいのではないかと思っております。
(問)本日、補正予算が閣議決定される見込みだと思いますが、今回、経済安保の関係でも特定重要物資をはじめとして、まとまった金額がつく見込みかと思いますが、編成作業を振り返って、今後政策を進める上での所感をいただければと思います。
(答)補正予算案そのものについては、まだ閣議決定前でございますので、そこは御理解をいただきたいと存じます。
ただ、そのその上で特定重要物資に関しましては、一昨日の8日に有識者会議を開催いたしました。新たな特定重要物資の候補として、先端電子部品とウランを提示するとともに、既に特定重要物資として指定されている半導体をはじめとする物資につきまして、取組の拡充案についても御説明し、有識者の皆様には方向性について御賛同いただきました。ですから、新規の指定や取組方針の改定に向けた作業を進めて、引き続き、特定重要物資の安定供給確保をしっかりと図ってまいりたいと思っております。そういう意味では、必要な予算の確保には努めてまいらなければいけないと考えております。