令和5年10月3日 記者会見
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1.発言要旨
科学技術政策担当の大臣として報告を申し上げます。
10月1日(日)に京都で「オープンサイエンス」と研究セキュリティ・インテグリティを含む「国際頭脳循環」をテーマとして、第20回の節目となります国際科学技術関係大臣会合を開催いたしました。私が議長を務め、20か国以上の科学技術大臣等の参加を得て意見交換をいたしました。
この大臣会合では、新たな科学技術やイノベーションの創出に向けて、学術論文や研究データ等を含む公的資金による研究成果を、公平かつグローバルに共有するための環境構築が必要であること、また地球規模課題に関する革新的な解決策やイノベーションの創出を目指す上では、コロナ禍で停滞した国際頭脳循環を今こそ強く推し進めることが重要であるとの認識が共有されました。
我が国でも、本会合の議論の結果を政策の検討に活かしてまいります。
2.質疑応答
(問)先日、理研の調査委員会が卓越研究員の問題について調査報告書を公表しました。法的には問題がなかったという結論でしたが、一方で理研の報告書の書き方の無頓着さが明らかになりました。大臣として、この一連の騒動の受け止めをお願いします。
(答)本事案の調査委員会の報告書において、理研と元ユニットリーダーの雇用契約の内容、補助金受給の違法性の有無についての調査結果を公表したと聞いております。
また、理化学研究所としては、この調査結果を受けて、公的資金に係る文書の正確性を確保するための改善策を今後実施されると聞いておりますので、内閣府としましては、理化学研究所において、適切に改善策が講じられるよう、しっかり取り組んでいただきたいと考えております。
(問)昨日、ノーベル生理学・医学賞受賞が発表されまして、メッセンジャーRNAワクチンを開発したカタリン・カリコさんが受賞されました。大臣としては、どのように受け止めているでしょうか。
(答)まず、受賞をされましたカリコ教授、ワイスマン教授に心から敬意を表し、お祝いを申し上げます。
お二人の研究成果は、短期間での新型コロナワクチンの実用化に貢献をし、パンデミックの収束に大きな役割を果たしたということで、この研究成果が社会に与えた影響は極めて大きかったと思っております。
残念ながら、日本の研究者の受賞はなりませんでしたが、この受賞理由となった業績においては、日本の研究者が重要な貢献をされたと聞いておりますので、これは大変喜ばしいことだと思っております。
いずれにしましても、このメッセンジャーRNAワクチンの実用化に向けては、随分昔からたくさんの研究者たちの御努力があったことに敬意を表したいと思いますし、改めて基礎研究の重要性も十分に認識したところでございます。
(問)先般のIAEAでの先生の御発言は、正にタイムリーで非常に素晴らしいものであったと、またそれが非常に様々なところで高い評価を得ていると思います。とりわけ中国の「核汚染水」なる言葉を受けまして、そういう非科学的なものについては、先生が中心となってかどうか分かりませんが、閣僚レベルでもやはり発信力を高めていく必要があると思っている国民が多いと私は思いますが、先生はどんなふうに、正に「核汚染水」なる言葉は非科学的だと思うんですけれども、どうでしょうか。
(答)日本が海洋放出しているのは核汚染水ではなく、ALPS Treated Water、つまりALPS処理水でございます。まず、ここのところは世界各国の皆様は、十分御承知だと思います。
IAEA総会の場で、私もバイ会談もしましたし、またジャパンブースも開設しましたし、また日本政府代表主催のレセプションもいたしましたけれども、多くの方々から御理解と応援をしていただいている感触を得ました。
先般、国連のほうでG7外務大臣会合が開かれましたけれども、ここでも十分に日本の考え方は共有されたと思っておりますので、様々なレベルで、あらゆる機会を捉えて、しっかりと科学的な根拠を世界に向けて発信してくということ。
それから、やはり輸出支援ですね。日本産の食料品について、しっかりと販路開拓を進めていくことが重要だと思っております。