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令和2年4月10日 記者会見

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《冒頭発言》

 

 皆様、おはようございます。

 

 

【生活支援臨時給付金(仮称)】

 

 先日閣議決定された「新型コロナウイルス感染症対策緊急経済対策」に盛り込まれた生活支援臨時給付金事業につきまして、昨日付けで、総務大臣名の通知を地方公共団体宛てに発出しました。

 詳細については、後ほど事務方から説明をさせていただきますが、この中で、生活に困難をきたしている世帯の方々に迅速に給付金をお届けできるよう、本事業の実現にご協力いただくことをお願いするとともに、現時点での事業に関する情報をお知らせしております。

 具体的な実施方式については、地方公共団体のご意見をお伺いしながら、できる限り申請者の方々や市区町村にとって事務負担の少ない、簡便な仕組みとするように、早急に検討を進めてまいります。

 その際、新型コロナウイルス感染症の感染が広がる中、申請方法につきましては、申請書類の「郵送」や「オンライン申請」を基本といたします。

 やむをえず「窓口」で申請受付をする場合には、受付窓口の分散や消毒液の配置といった感染症拡大防止策の徹底を、市区町村にお願いしたいと考えております。

 また、本日、総務省ホームページに、給付金に関するQ&Aを掲載するとともに、本日から、給付金に関する皆様からのお問い合わせに対応するため、「生活支援臨時給付金コールセンター」を設置いたします。

 できるだけわかりやすく丁寧に、周知に努めてまいります。

 なお、本事業は、国の令和2年度補正予算案が成立し、これを受けて各市区町村の令和2年度補正予算が成立したあと、申請受付が開始されるものでございます。

 

 私からは以上です。

 

 

《質疑応答》

 

 

【生活支援臨時給付金(仮称)事業に係る事務負担増への対策】

 

問: 給付金に関してですけども、先ほど、できるだけ申請者や市区町村の事務負担が少ない、簡便にと言われました。市区町村側からは、事務負担がかなり重くなるのではないかという懸念もありますけれども、それにどう対応されるか、改めて、少し詳しくお聞かせいただければと思います。

 

答: 住民の皆様にとって、一番身近な窓口が市区町村でございます。今回の生活支援臨時給付金についてもご苦労をいただくことになります。

 ただ、感染症拡大を防ぐことに配慮しながら、休業などにより収入が減少し、生活に困っておられる世帯の方々に迅速に給付金をお届けするため、申請のための手続をできるだけ簡便なものにするとともに、給付対象世帯の範囲や申請に必要な書類などを、わかりやすく周知することが重要だと考えております。

 今回の通知におきましては、給付対象世帯の判断に当たって必要となる住民税非課税水準について、同水準であるとみなす具体的な月間収入の基準額をお示しいたしました。

 給付主体となっていただく市区町村のご意見も十分に伺いながら、できるだけ事務負担の少ない簡便な仕組みを検討するように頑張ってまいりますし、また、適切な情報提供に努めてまいります。

 

 

【テレワークの増加に伴うデータ通信量の増加への対策】

 

問: 2点お願いします。1つ目が、オンラインの大学授業などが今拡大している中で、通信量の増大が足元の問題になっていると思います。本日、一部の報道でもありましたけれども、この状況、通信量、トラフィックの増大ですが、足元では今どういう状況で推移しているかということと、あと、官民協議会を立ち上げるという報道もありましたが、具体的な対応について教えてください。2つ目は、先ほどの給付金に関して、迅速な支給のためにスピード重視で判断されたということだと思いますが、これから実際に住民の方に届くには、自治体の方で補正予算を決議したりなど、いろいろな手続があると思います。所管する総務省として、今後、迅速な支給のために、さらにどのような課題があったり、手を打っていかれるのかを教えてください。

 

答: 我が国のインターネットの通信量でございますが、2月の下旬から比較して、平日昼間の数値が2割程度、休日昼間の数値が1割弱程度、それぞれ伸びております。

 一方で、夜間の数値については、平日・休日を問わず大きな変化はございません。

 通信ネットワークは利用ピークに耐えられるように設計されており、通信量のピークとなる夜間の通信量に大きな変化がないことから、現状では問題はないと認識しております。したがって、現時点で行政として特段の措置を講ずることは考えておりません。

 今後も、外出自粛などによってインターネット利用の増加が見込まれますが、総務省では、主な電気通信事業者やコンテンツ事業者と連絡・連携体制を構築いたしております。

 これは本日公表させていただきますが、この連携体制によりまして、情報交換を密にすることによって、通信量の状況を把握してまいります。

 また、給付金につきましては、「迅速な給付を」というお声、報道等でも承知をいたしております。

 しかしながら、国会で令和2年度補正予算が可決成立し、その後、各市区町村で議会を開いていただいて、令和2年度の補正予算を可決成立していただかなければ、申請手続が開始できませんし、そのあとの給付金の給付もできないことになります。

 国会日程について私から申し上げる立場にはございませんが、それらの必要な手続が整ったあとに、いかに迅速に対応できるかということで、総務省としましては、市区町村がご自身で考えられて、大変な負担をされるようなことができるだけ少なくなるように、申請の方法について、例えば「申請書はこういうフォームがいいのではないか」ですとか、「こういうご質問があった時にはこのようにお答えいただいたらいいのではないか」といったことや、添付する書類などについても、できるだけ申請者のご負担も少なくなり、市区町村の方々がぱっと見てすぐに判断できるようなスキームを、今組み立てている最中でございます。

 

 

【ふるさと納税制度に係る訴訟】

 

問: ふるさと納税の関係ですけれども、先週、最高裁が双方の意見を聞く弁論期日を6月に設ける動きがありました。また、8日には、泉佐野市が、国が特別交付税を減額したことを違法として新たな訴訟を起こしていますが、この2つの件についての受け止めと、対処方針で、もし決まっているようなことがあれば教えてください。

 

答: 最高裁から、ふるさと納税にかかる泉佐野市不指定取消請求訴訟について、今年の6月2日に口頭弁論期日を指定するという通知があったところでございます。

 総務省としては、総務省の主張をしっかり申し上げ、適切に対応してまいります。

 また、泉佐野市が特別交付税の減額について国を提訴するという報道には、私も接したところでございますが、これも泉佐野市のご判断でございますので、特にコメントすることはございません。

 

 

【持ち回り閣議、総務省職員の新型コロナ感染症対策】

 

問: 2点お願いいたします。1つは、本日から閣議が持ち回りになりまして、新型コロナウイルス感染拡大が政府の重要な会議に影響が出ている点についての受け止めをお願いします。併せて、省内の新たな感染防止策があれば、お願いします。もう1点は、先ほど出た臨時給付金の支給時期ですけれども、何かおおよその目標や目安のようなものがあれば、一言お願いいたします。

 

答: まず、閣議が持ち回りになった件について申し上げます。新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言が発出されたことを踏まえて、感染症の拡大防止及び危機管理の観点から、緊急事態措置が実施されている間、閣議は原則持ち回りになったようでございます。

 総務省としましても、必要な行政機能はしっかりと維持をしながら、国民の皆様の命と健康を守るため、引き続き、各種対策に懸命に取り組んでまいります。

 それから、総務省としての職員の新型コロナ対策の対応状況についてのお尋ねでございますが、総務省では、これまでも、職員に対して、テレワーク勤務や時差出勤などの活用を強く働きかけてまいりました。

 緊急事態宣言が出された4月7日には、「総務省対処方針」を改正させていただきました。テレワーク勤務など、今まで以上に強力に推進することとしました。

 特に、本省を含めて緊急事態宣言の対象地域の官署に勤務する職員につきましては、テレワーク勤務などによって、職員の5割を目標に出勤を抑制することにしております。

 具体的には、各部局がそれぞれの業務の内容に応じて、工夫しながら取り組んでいただいております。

 例えば、各課を2班体制にして、完全にローテーションする勤務の体制を作っているところもありますし、必要最低限の職員のみが出勤し、それ以外の職員はテレワーク勤務を実施するといった方法でございます。

 この他にも、国会対応や記者会見、報道発表、法制など必要最小限の職員だけが出勤しているところもございますし、業務の支障のない範囲で年次休暇の取得をしていただいているところもございます。

 また、原則1、2名の連絡担当者のみが出勤しているという部署もございます。月曜日に来て火曜日に休んで、水曜日に来て木曜日に休むというような方法ではなく、週単位の終日テレワークシフトを組んでいただいている部署もございます。

 引き続き、行政機能はしっかりと維持しなければなりませんが、職員の健康を守ることも大切ですから、実効のある取組を進めていただけたらと思っております。

 あと1つ、臨時給付金の時期でございますが、先ほど申し上げましたように、まず国会で補正予算が通らなければなりません。

 次に、市区町村議会で、市区町村の補正予算が通らなければなりません。

 ですから、議会を開く時期も含めて、また、申請の受付と給付の時期についても、これは市区町村のご判断になっていきますので、全国一律何月何日から、ということにはならないと思います。

 今のところ、国会で何日に補正予算案が可決するか、また、衆参両方ともですから、成立するかという見通しについては私の立場では申し上げられませんので、何月何日からということは現在では分かりません。

 ただ、決まったら迅速に給付できますように、そのための前準備をできるだけ市区町村で進めていただけるように、今、総務省でも本部を設置しまして、具体的な実務の設計を行っているところでございます。

 

 

【緊急事態宣言が選挙の実施に与える影響】

 

問: 新型コロナウイルス感染拡大で、各地で予定されている選挙の延期を求める声が挙がっております。公明党も、緊急事態宣言が発令された地方選の延期を議員立法で成立を目指しているという報道もありましたが、選挙制度を所管する総務省としての受け止めをお願いします。

 

答: これまでも国会でご質問いただいて答弁をさせていただいていますが、現行制度のもとでは、緊急事態宣言が出された場合であっても、公職選挙法の規定に基づき選挙は執行されることとなります。

 選挙は住民の皆様を決める民主主義の根幹をなすものですから、任期が来たら決められたルールのもとで次の代表を選ぶというのが民主主義の大原則でございますので、これは不要不急の外出には当たらないとされています。

 総務省では、こういう中でも行われる選挙の管理執行に万全を期すために、これまで数次にわたって、選挙の管理執行における新型コロナウイルス感染症への対応に当たって留意すべき事項について、各都道府県選挙管理委員会委員長あてに、通知を発出してまいりました。

 通知の中では、例えば、投票所や開票業務などにおける咳エチケットの徹底、マスクの着用、消毒液の設置、また、換気を行うなどの感染防止対策、期日前投票の積極的な利用で、選挙当日の投票所などに選挙人が集中することを避ける取組について、要請しております。

 この要請を踏まえまして、選挙を管理執行する選挙管理委員会では、各投票所などで必要な対策を行っていただいており、選挙人の皆様の安全・安心に配慮した管理執行に努めていただいております。

 例えば、開票業務でも、開票事務に当たられる方の距離を取るような対応ですとか、投票所に、ある一定の時間に選挙人の方がたくさん来られたような場合に、別の待合室で距離を取ってお待ちいただいて、投票所の中が混み合わない状況を作ったり、また、記載台に除菌シートを置いたり、使い捨て鉛筆を使っていただいたり、様々な取組が、3月に実施されました選挙の中でも行われてきたと聞いております。

 引き続き、私どもとしては、新型コロナウイルス感染症の動向には十分注意しながら、選挙が滞りなく執行できるように、できるだけの情報提供も行ってまいりたいと思います。

 有権者の皆様におかれましては,是非ともご自身の予防対策もしていただいた上で、投票への参加をお願いできたらと思っております。

 報道によりますと、公明党で議員立法を検討されるということでございますが、いずれにしろ、民主主義の大原則に関わることでございますので、各党各会派でよくご議論をいただかなければならないと考えております。

 

 

【新型コロナウイルス感染症対策】

 

問: コロナの問題で、何かと非対面が求められていく中で、マイナンバーカードの活用が、これからもっと必要になると思うのですが、それに対して、新たな施策で大臣として今のお考えがあればお聞かせください。また、郵便局に何か期待できることがあれば,普及促進でも何でも結構ですので、一言お願いできればありがたいです。よろしくお願いします。

 

答: まず、マイナンバーカードの活用でございますけれども、マイナンバーは基本的に全ての国民の方々、また、日本にお住まいになっている外国人の方々にも付番をされていますので、マイナンバーの活用は、今でも可能でございます。

 ただ、マイナンバーカードを取得していただきますと、ICチップも付いておりますので、本人確認をする場合に、普通でしたら、様々な行政手続をするときに、本人が確認できる書類を2種類付けてくださいというようなことが結構ございます。

 ところが、マイナンバーカードでしたら、そのカードだけで、昨年12月末ぐらいまでに発売されたスマホのほとんどはマイナンバーカード対応になっておりますので、本人確認書類は必要ないということになります。本人確認機能が一番大きいメリットだと思います。

 そうしますと、今回、新型コロナウイルス感染症に係る様々な申請手続においても、マイナンバーカードを持っておられる場合には、別途の本人確認資料は必要ではなくなるということで、非対面型の電子申請には非常に有効だと思います。

 いずれにしましても、昨年12月の経済対策において、マイナポイントの付与を今年の9月から実施するということで、既に予算も通っております。このご活用にもマイナンバーカードが必要となってまいりますので、取得をしていただけると、より、非対面型の行政サービスが進んでいくと思います。

 特に、災害のときや、今回のように感染症が拡大しているようなときに、いかに非対面で様々な手続ができるかという社会の基盤となるツールだと考えております。

 また、郵便局の利用でございますが、今回もずいぶんお世話になると思います。

 総務省内に、給付金の実務を総務省が担当することになったことを受けて、本部を立ち上げました。そこで、できるだけ市区町村の事務の軽減、申請者の負担の軽減、感染拡大の防止という観点から、郵送で申請をしていただくこと、オンラインで申請をしていただくことを、まず基本に考えておりますので、郵便局の皆様には大変お世話になることになると思います。

 

 

問: では、これで終了いたします。ありがとうございました。

 

答: どうもお疲れさまでございました。

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