令和元年9月20日 記者会見
更新日:
《冒頭発言》
みなさま、おはようございます。
今朝は、官邸で、閣議前に復興推進会議がございました。私からは、全国の自治体に対して職員派遣を要請するなど、被災団体の人材確保を支援していること、復旧復興事業等に係る地方負担については、震災復興特別交付税による財政措置を講じていくことを申し上げました。
いずれにいたしましても、東日本大震災の被災地復興に向けましては、実情に応じて被災団体が復旧復興事業を着実に実施できるように万全を期してまいります。
【消費者物価指数】
本日の閣議におきまして、消費者物価指数について報告をいたしました。ポイントだけ申し上げます。
8月全国の「生鮮食料を除く総合」は一年前に比べ0.5%の上昇と、32か月連続の上昇となりました。これは、菓子類や外食などの「生鮮食品を除く食料」や、電気掃除機や電気冷蔵庫などの「家庭用耐久財」などの上昇によるものでございます。
また、「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」は、一年前に比べて0.6%の上昇と、26か月連続の上昇となりました。一年前と比べた消費者物価は緩やかな上昇傾向で推移しています。
詳細につきましては、統計局にお問い合わせをお願いいたします
【台風15号被害への対応状況】
閣僚懇におきまして、令和元年台風第15号の被害への対応状況を説明いたしました。
まず、消防庁では、ビニールシート等による家屋の応急補修等への消防力の積極的活用、戸別訪問による住民の皆様の安否確認、防災行政無線不通地域への情報提供などを千葉県に要請しておりまして、延べ1万6,000人を超える消防職員の方々のほか、消防団員の皆様も活動してくださっています。
携帯電話につきましては、すでにご承知かと思いますが、昨日時点で3社とも復旧しております。固定電話については、倒木などによりまして電柱の倒壊や断線が生じています。引き続き復旧対応を行っています。
なお、通信施設の被害状況につきまして、昨日、寺田副大臣と木村大臣政務官が南房総市を視察して、復旧状況の確認をしてくださったところでございます。このあと詳しく報告を受けます。
自治体職員の応援派遣につきましては、13日以降、災害マネージメント支援のために5市3町から派遣要請があり、順次派遣をいたしております。
また、罹災証明に係る家屋調査や避難所運営などの支援のため、4市2町への対口支援団体が決定され、19日までに延べ195名の応援職員を派遣しております。
また、普通交付税の繰上げ交付につきましては、要望がございました千葉県内25市町等に対して、11月に定例交付すべき普通交付税の一部68億6,000万円を、来る24日(火)に繰り上げて交付することを本日決定いたしました。
引き続き、被害状況等の把握に努めながら、早期の復旧に向けた対応に全力で取り組んでまいります。
被災地の皆様におかれましては、本当につらい思いをしておられる、毎日が大変な日々だと思います。心よりお見舞いを申し上げます。健康管理にご留意をいただきたいと存じます。
私から、冒頭以上でございます。
《質疑応答》
【SIMロックの見直し】
問: 幹事から1問お伺いします。今日開かれるモバイル市場の研究会で、携帯端末のSIMロック解除の問題が議論されるということですけれども、改めて、大臣がSIMロック解除をどう進めていかれるか、お考えを教えてください。
答: 10月1日から、通信料金と端末代金の完全分離と期間拘束などの行きすぎた囲い込みの是正を内容とする電気通信事業法の改正法が施行されます。
これまで各社が発表された料金プランは、通信契約を締結するか否かにかかわらず、端末単体を販売する端末購入プランや期間拘束がない新料金プランなど、通信料金と端末代金の分離といったことが図られてきていると聞いております。
一方で、今お話のありました件ですが、ソフトバンクとKDDIが発表された端末購入プランは、有識者会議におきまして、販売する端末に特定の携帯電話事業者でのみ使用可能とするSIMロックをかけていることについて、問題ではないかとのご指摘がありました。
改正法による通信料金と端末代金の分離を徹底する観点から、有識者の皆様のご意見も伺いながら、速やかにSIMロックに関するルールの見直しを進めさせていただきます。
【携帯電話の料金プラン】
問: 関連ですが、改正電気通信事業法の施行を控えて、大手3社が出した新料金プランが出そろっているんですが、新規プランで支払の合計額が今のところ変わらない状況になっております。この件について、この料金をご覧になってどう思うかと、今、楽天さんの本格参入が遅れている中で、料金について一部で競争が働いていないんじゃないかとか、失望の声も出ているようですが、今後どうなっていくと期待されるでしょうか。
答: まず、楽天の早期の本格参入には大いに期待をいたしておりますし、急いでいただければありがたいと思っております。
私の立場としましては、個社の個別の料金プランへの直接のコメントは差し控えさせていただきますけれども、10月1日から携帯電話事業者は料金プランを改正電気通信事業法に適合させることが求められております。
ですから、携帯電話の利用者が、通信料金による比較・選択と、事業者の乗り換えが容易にできるようになることによって、競争が活発化されるわけでございます。そして、分かりやすく低廉な料金サービスが実現されることを期待いたしております。
まずは、まだ法施行前でございますので、今後の取組に期待をいたしております。
【台風15号被害への対応】
問: 冒頭の発言でも言及がありましたが、台風15号の関係で国や県の対応の遅れを指摘する声も挙がっておりますが、総務省としての対応状況に対して、大臣としてはどのようなご見解を持っておられるかと、今回見えてきた課題や対応策について、ご見解を伺えますでしょうか。
答: 総務省、消防庁としては、台風発生直後から、皆様も良くご承知だと思いますが、たくさんの職員が省内に詰めて適切に対応をしてきたと思っております。
課題ですけれども、職員派遣につきましては冒頭で状況を申し上げましたが、現在でも被災市町村に直接連絡を取らせていただいて、応援職員派遣のニーズを引き続き確認いたしております。
それから、通信についてですが、今回、非常に長く停電が続いたことによって、携帯電話基地局の予備の電源もなくなってしまったといったことが発生しました。今後に関しては、5Gの基地局、これは4Gに比べますとさらに電波が短いということで、たくさん作っていかなければいけませんから、今後、丁寧に災害に備えた形で基地局を作っていくことも求められると思います。
電気通信事業者の皆様とともに開催しております連絡会の場がございますから、今回の災害によって、基本的には電気が来なかったことが原因ではありますけれども、それが結果的に通信回線への被害をもたらしたということをしっかりと振り返って、今後の必要な対策について検討させていただきたいと思います。
それから、財政支援でございますが、これも先程、普通交付税の繰上げ交付について申し上げましたけれども、これからも、被災団体の実情を丁寧にお伺いしながら、財政運営に支障が出ないように適切に対応させていただきたいと考えております。
【ラグビーワールドカップへの期待】
問: ラグビーワールドカップが今日から始まりますけれども、各地域への波及効果も含めて、期待感などあればお伺いしたいと思います。
答: いよいよラグビーワールドカップ2019、これはアジアで初めて開催されるラグビーワールドカップでございます。また、観客の総動員数ですが、150万人から180万人ぐらいを見込んでおりますので、日本にとっては非常に意義のある大会になるはずです。私も実は、今日の開幕戦を観戦する予定で、とても楽しみにいたしております。
総務省ではこれまで、地方公共団体が行います海外チームの歓迎イベントや、スポーツ施設の改修に係る経費について、地方財政措置を講じて応援をしてまいりました。
本大会に期待するのは、予選を考えますと、北海道から南は九州まで日本全国で試合が行われるということですし、ラグビーの場合は、外国からお越しのお客様の滞在期間が長いんですね。試合と試合の間、少し期間を置きますので。そう考えますと、観光振興にも当然寄与するでしょうし、国際交流や、広い意味での地域経済の振興といった成果がもたらされることに期待をいたしております。
問: ありがとうございました。
答: どうもお疲れさまでございます。