令和4年10月28日 記者会見
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1.発言要旨
冒頭発言なし
2.質疑応答
(問)先日、発表された文化勲章に奈良国立大学機構の榊理事長が選ばれて、とても素晴らしいことだと思うのですけれども、ただ一方で、機構を構成する奈良教育大学とか奈良女子大学は運営費交付金も少なくて、研究力も高いとは言えません。こうした地方の小規模大学がイノベーションに貢献するためにどのような取組が必要だとお考えでしょうか。
(答)まずは、奈良国立大学機構の榊裕之理事長が、電子工学の分野において新しい学術領域を開拓された御功績で、文化勲章を受章されました。これはとても嬉しく、誇らしく思っております。
この奈良国立大学機構ですけれども、私も実は設立式典に出席をしてきたのですが、それぞれ100年を超す伝統のある奈良女子大学と奈良教育大学が、それぞれの大学の強みを活かして教育・研究面の機能強化を図るという、これまでにない新しい国立高等教育機関の一つの法人として出発したものでございます。ですから、この統合自体は非常に画期的な取組だと思っています。
いずれの大学も、おっしゃるとおり、規模はそれほど大きくございません。ただ、奈良女子大学は、私立も含めた全ての女子大学の中で初めて工学部を設置して、創造的なエンジニアを育てようとしておられます。それから、奈良教育大学はSTEAM教育に熱心に取り組んで、教員養成において地域の中核的な役割を果たそうとされていますので、それぞれに強みをさらに引き伸ばすことによって、教育力も研究力も両方磨き上げる、そこからまたイノベーションが生まれてくることを期待しています。地域にも貢献する、社会にも貢献する、やがては世界に通用する、そういう大学として発展されることを期待します。
政府としましても、御承知のとおり、「地域中核・特色ある研究大学総合振興パッケージ」を創設しておりますので、こういった地域の大学が自ら改革して生まれ変わろうという取組を応援してまいりたいと思っております。
(問)先日、理化学研究所が、原子物理学者の仁科芳雄先生の執務室を再現したセンターを新設しました。一般の方々が見る機会は限定的という話がありますけれども、科学技術への関心を高める取組としてどのように御覧になっているかを教えてください。
あと、関連して、若い世代に科学技術への関心を高めるために、特に大臣が必要だと思う取組や、お考えがあれば教えてください。
(答)理化学研究所によりますと、将来を担う若い世代の方々に仁科博士の業績や志に触れてもらうことによって、学問への興味・関心を育む機会を提供することを目指しているということですので、大変意義のある取組だと考えております。
若い世代に科学技術に対しての興味を持っていただくためには、先人の偉業に触れるというきっかけを作ることも大切ですし、更には自身の関心事を科学的に見る視点とか、生活の中での科学的リテラシーの獲得が必要だと考えております。初等中等教育段階から分野横断的な興味・関心を養うという意味では、「STEAM教育」はとても良い取組だと思いますし、自ら問いや仮説を立てて検証、探究していく、こういう活動に取り組むことも重要だと思います。
(問)経済安全保障についてお伺いしたいのですけれども、自民と公明の両党が、政府が年末までに策定する国家安全保障戦略に経済安保を盛り込むことで、先日一致したと報道がありました。セキュリティ・クリアランス制度の導入方針を確認したということですけれども、大臣としては、これからの与党での今後の議論への期待であったり注文であったりするところを教えてください。
(答)与党内で前向きに御議論をいただき、また御提言も賜れることは大変ありがたいと思っております。ただ、私の立場としては、党内での御議論の一つ一つにコメントすることは差し控えさせていただきます。
これから年末に向けて、新たな国家安全保障戦略の策定に向けて、与党とも連携をしながら政府部内の議論に積極的に参加して、経済安全保障をしっかりと位置付けていく、更には、既に「骨太の方針2022」にも記してありますけれども、セキュリティ・クリアランスについて、非常に難しい検討事項はたくさんありますけれども、しっかりと検討していくということでございます。