2015年4月30日 記者会見
更新日:
《質疑応答》
【今回の出張の成果】
Q:幹事社のNHK大東です。よろしくお願いします。今回、総務大臣に就任してから、初めての外国訪問としてタイを選ばれました。プラユット首相はじめ、タイ政府関係者と相次いで会談されましたが、今回の訪問の成果をどのようにお考えでしょうか、お聞かせください。
A:はい。このたび、現在のプラユット政権成立後、日本の閣僚としては初めて、タイを訪問させていただきました。
今年2月にプラユット首相が来日された際に、安倍総理との間で発出されました共同プレス声明において、「防災ICTやサイバーセキュリティを含むICT分野における協力推進」が盛り込まれたことから、そのフォローアップを目的とするものでございます。
首脳間の共同プレス声明を受けて、本日、私はポーンチャイ情報通信技術大臣との間で、「情報通信技術分野における協力に関する共同声明」に署名をし、双方が関心を有する協力分野を特定いたしました。
また、プラユット首相への表敬訪問、ポーンチャイ情報通信技術大臣及びタレス国家放送通信委員会委員長との会談を実施するとともに、タイ政府と共催する形で「日タイICT官民ビジネス対話」、「次世代放送ラウンドテーブル」、「放送コンテンツビジネスマッチング会議」の3つのイベントを共催しました。
まず、プラユット首相表敬について申し上げます。
首相府において、プラユット首相を表敬訪問いたしました。
冒頭、緊密な二国間関係を基礎に、両国間の協力関係を一層強化したい旨と、現在のロードマップに沿ったタイの民主化への取組に支持を表明いたしました。
ICT分野におきましては、防災ICTについて、防災先進国として、日本ならではの貢献が可能である旨を表明し、また、サイバーセキュリティについて、重要情報インフラの防護に関する周知・啓発や人材育成などについて一層の協力を進めることを、表明しました。
これに対して、プラユット首相から、ICTは現代社会において重要であること、防災ICTについては早期の警告及び復興にも役立つといった応答があり、防災やサイバーセキュリティを含むICT分野における協力を推進するということで、合意をいたしました。
次に、ポーンチャイ情報通信技術大臣とのバイ会談について申し上げます。
ポーンチャイ大臣との間では、情報通信技術分野における協力に関する共同声明に署名しました。共同声明はすでにお配りさせていただいたかと思いますが、防災ICT、サイバーセキュリティ、郵便その他様々な分野において、日タイ間の協力関係を強化していく旨を、合意しております。
会談の中では、防災ICTについて、協力事項の具体化に向けて対話を進めるということ、サイバーセキュリティについては、サイバー攻撃に早期に対応するための国際連携プロジェクトの協力等を加速化すること、郵便については、両国の発展に貢献するため、どのような協力が可能か議論を開始するということについて、合意をいたしました。一方、ICT分野における日ASEANの協力関係強化に向けた取組についても合意をいたしております。
そして、タレス国家放送通信委員会委員長との会談について申し上げます。
タレス国家放送通信委員会委員長との間では、通信・放送分野における協力の強化について、合意をしました。
会談の中では、通信分野におきましては、日タイ間の国際ローミング料金の低廉化を実現するための原則と方策を検討していくということ、その成果を多国間協議の場を通じて広めていくということ、日タイ間の事業者間の協議についても促進していくということについて、合意いたしました。
また、放送コンテンツ及び次世代放送につきましては、新たな放送ビジネスの発展に向けて、多国間の協議の場においても日タイで協力をしあうということ、メディア事業者が協力するための事業者間協議への必要な支援を行っていくということ、次世代放送の分野におけるより具体的な協力について検討することについて、合意をいたしました。
以上の合意内容について、既にお配りをさせていただきましたけれども、共同プレス声明としてとりまとめをいたしました。
明日でございますが、地元のタイから選出をされ、また、女性初のアジア太平洋電気通信共同体(APT)の事務局長でありますアリーワン事務局長と会談をいたします。
日本もAPTに貢献している訳でございますけれども、先月甚大なサイクロンの被害を被りましたバヌアツ共和国の通信インフラ復旧に対する貢献、ここに御配慮いただきたいということ、人材育成への支援、こういった日本とAPTの今後の協力強化などについてお話をする予定でございます。
また、その後の時間を利用いたしまして、日本の地域産品の販路拡大について、タイの方々の好みなどについても、販売の場でヒアリングをしたいと思っております。
今回のタイ訪問の成果ということでございますけれども、共同声明への署名によって両国の具体的な関心分野の特定ができましたこと、それから首相や情報通信技術大臣、国家放送通信委員会委員長との会談によりまして、閣僚レベルの関係構築など、大きな成果を挙げることができたと思っております。
加えて、今回のタイ訪問に際しましては、タイ側と三つのイベントを共催しましたことから、合わせて55社・約120名もの日本企業の方に御参加いただきましたし、タイ側からものべ150名以上の方々にお集まりいただきましたので、日タイ間で官民双方の相互理解の促進や、具体的な協力関係の構築に貢献できたと思っております。
なお、日本からの参加者には、地方企業15社も含まれております。地方企業の国際展開を支援するということによりまして、地方創生にも貢献するものと考えております。
防災ICT、サイバーセキュリティ、郵便、放送コンテンツ、次世代放送といった様々な分野において、日本の技術によってタイに貢献することもできます。日本企業の更なるビジネス展開の支援もしていくこともできると思っております。
【プラユット政権初の閣僚訪問の感想】
Q:同行記者団のフジテレビの大山と申します。今日はプラユット政権になって、日本から初めての閣僚の訪問ということでもございました。今日は一日非常に盛り沢山のセッションを大臣はこなされましたが、その率直な感想をお伺いします。首相も安倍総理と複数回会談をされていて、日本とタイの関係の、現時点ではどのくらい緊密なムードを感じたか、それから今後の期待のようなもの、大臣が率直に感じたようなものなど、所感をお聞かせいただければと思います。
A:安倍総理とプラユット首相は、もう4回、首脳会談をしておられます。回数としても、多ございます。
閣僚の訪問は私が初めてということでございますが、皆様も御承知のとおり、昨年、第3次安倍政権が発足しましてから、臨時国会、通常国会、それを挟んで予算編成など過密な日程が続いておりました。私にとって初めての海外出張の機会でございましたけれども、その中でタイを選ばせていただいたというのは、やはり首相同士の会談の中で、ようやく協力関係を明確にしたICT分野について、より具体的に掘り下げていきたいという強い思いがございました。
首相もとてもフレンドリーな方で、良いムードで会談ができたと思っております。また、首相の方からは、日本とタイの鉄道分野の協力についても御要請がございました。これはまた、帰国しましてから太田国土交通大臣にお伝えしたいと思っております。
非常に緊密な形で連携ができていると思いますし、タイに進出している日本企業が非常に多ございますので、日本企業がタイを中心として、周辺の諸国に向けて展開をしていく、タイがその中心部になるような可能性を感じさせていただきましたので、日本にとってもタイにとってもWin-Winの関係を築けると感じました。
【鉄道分野での協力要請】
Q:共同通信バンコク支局の近澤と申します。先ほど、プラユット首相が鉄道分野で日本の協力を求めたということでしたけれども、具体的にいうと高速鉄道なのか、どのような内容の要請があったかお教えください。
A:私は総務大臣でございますので所管外でございますが、タイの担当大臣と太田国土交通大臣の間でお話し合いがなされている、これから具体的な方向について検討が進んでいくものと承知をいたしております。
首相が所管外の私にも特に鉄道のお話をされたということ、強い関心をお持ちだということは、帰りましてから太田大臣にお伝えしたいと思います。
【タイの民政移管】
Q:日本テレビの氷室です。タイの去年のクーデター以降ですね、民主化のロードマップに沿って、民政移管に向けた動きが進んでいるようですけれども、多少の遅れも出ているようでして、その辺の御懸念なども日本の大臣としてお伝えになったのでしょうか。先方のお答え等あればお聞かせください。
A:私から申し上げましたのは、ロードマップに沿って民主化を進めていかれる、そのタイの取組に対して、日本政府として支持を表明いたしました。
首相の方からも、しっかりと進めていくという旨のお話がございました。
【安定的な経済交流環境の回復】
Q:それと、一緒に来られた日本企業だけじゃなくて、こちらの現地でも、去年のクーデター以降、一刻も早く安定して、また旧来の一体感のある経済的な交流みたいなものを元に戻していきたいという気持ちがあると思うのですけれども、その辺は何か表明されたり、あるいは先方から説明があったりということはあったのでしょうか。
A:私の方から申し上げましたのは、まず日本企業が長期にわたって安心して投資ができる環境づくりについて、これまでも御配慮いただいておりますけれども、引き続き十分な対応をお願いしたい旨を申し上げました。
Q:先方からは何かお返事は。
A:先方からも前向きなお返事がございました。
【ネパール地震を踏まえた防災面の協力】
Q:西日本新聞の野中と申します。ネパールの地震の直後ですので、防災面で、地震への懸念なり関心なり、タイ側からどのようなお話が出ましたでしょうか。
A:やはり今日お話をしてみて、防災ICTへの関心は非常に高いことを感じました。
特に速報ですね。日本に対して求められている、タイの方が大変関心を持っておられるのは、日本の速報システムであると。それから日本企業が、土砂災害などに対する、しっかりとした予防するための技術を持っているということで、ここに対しては関心をお持ちいただいているということでございます。
特に、その話を最初にいたしましたポーンチャイ大臣との会談の中で、同席をしていただいておりましたのが国家災害警報センターの方でございまして、特に国家災害警報センター及び気象局の関心分野といたしまして、Lアラート、気象レーダー、防災コンテナ、つまり携帯電話基地や電源などを搭載した可搬型のコンテナなのですが、それから、人材育成について、既に国家災害警報センターと気象局からは日本政府に関心分野を頂いておりますので、協力事項の具体化に向けて、まずは政府間の対話を進めてまいりたいということを申し上げました。
具体的に言いますと、日本の民間企業ではNECになりますけれども、タイの国家災害警報センター向けに、洪水や土砂崩れの予測について実証実験を行うといったことについて提案をされていると承知をいたしておりますので、これから政府間でも、また、民間企業とタイの政府機関の間でも、様々な議論がなされると思っております。
【郵便分野の協力】
Q:TBS中西です。郵便分野の協力というのが一つ項目に入っていたと思いますが、ミャンマーと違って、この国はかなり郵便のインフラが出来ていると思うのですけれども、具体的にもう少し、日本としてどういうところに貢献なり協力ができるのか、例えばe-コマースでありますとか、そういうところが具体的にあれば教えていただけますか。
A:ミャンマーに比べると、私もタイの郵便事情について簡単な知識ではございますけれども、進んでいると思っております。
例えば郵便物の到達日数もかなり短いものでございますし、町中を移動中に車で走っていると、日本とそっくりの二つ投函口の付いた郵便ポストがありまして、かなり進んでいると思うのですけれども、e-コマースなどが進んでおりますので、今後、郵便分野についても政策対話をしていく、それから、日本企業側とのビジネスマッチング、いろいろな可能性が郵便事業の中にはあると思いますので、これからの候補になるかと思います。
日本郵便がもつ運営や業務ノウハウ、こういったものの中で、タイに対して提供できるものもあるのではないかと思いますので、これから具体的なことについて検討を開始することを合意したということでございます。
事務方:それでは、会見はここまでとしたいと思います。
A:皆様、お疲れ様でございました。
以上
【今回の出張の成果】
Q:幹事社のNHK大東です。よろしくお願いします。今回、総務大臣に就任してから、初めての外国訪問としてタイを選ばれました。プラユット首相はじめ、タイ政府関係者と相次いで会談されましたが、今回の訪問の成果をどのようにお考えでしょうか、お聞かせください。
A:はい。このたび、現在のプラユット政権成立後、日本の閣僚としては初めて、タイを訪問させていただきました。
今年2月にプラユット首相が来日された際に、安倍総理との間で発出されました共同プレス声明において、「防災ICTやサイバーセキュリティを含むICT分野における協力推進」が盛り込まれたことから、そのフォローアップを目的とするものでございます。
首脳間の共同プレス声明を受けて、本日、私はポーンチャイ情報通信技術大臣との間で、「情報通信技術分野における協力に関する共同声明」に署名をし、双方が関心を有する協力分野を特定いたしました。
また、プラユット首相への表敬訪問、ポーンチャイ情報通信技術大臣及びタレス国家放送通信委員会委員長との会談を実施するとともに、タイ政府と共催する形で「日タイICT官民ビジネス対話」、「次世代放送ラウンドテーブル」、「放送コンテンツビジネスマッチング会議」の3つのイベントを共催しました。
まず、プラユット首相表敬について申し上げます。
首相府において、プラユット首相を表敬訪問いたしました。
冒頭、緊密な二国間関係を基礎に、両国間の協力関係を一層強化したい旨と、現在のロードマップに沿ったタイの民主化への取組に支持を表明いたしました。
ICT分野におきましては、防災ICTについて、防災先進国として、日本ならではの貢献が可能である旨を表明し、また、サイバーセキュリティについて、重要情報インフラの防護に関する周知・啓発や人材育成などについて一層の協力を進めることを、表明しました。
これに対して、プラユット首相から、ICTは現代社会において重要であること、防災ICTについては早期の警告及び復興にも役立つといった応答があり、防災やサイバーセキュリティを含むICT分野における協力を推進するということで、合意をいたしました。
次に、ポーンチャイ情報通信技術大臣とのバイ会談について申し上げます。
ポーンチャイ大臣との間では、情報通信技術分野における協力に関する共同声明に署名しました。共同声明はすでにお配りさせていただいたかと思いますが、防災ICT、サイバーセキュリティ、郵便その他様々な分野において、日タイ間の協力関係を強化していく旨を、合意しております。
会談の中では、防災ICTについて、協力事項の具体化に向けて対話を進めるということ、サイバーセキュリティについては、サイバー攻撃に早期に対応するための国際連携プロジェクトの協力等を加速化すること、郵便については、両国の発展に貢献するため、どのような協力が可能か議論を開始するということについて、合意をいたしました。一方、ICT分野における日ASEANの協力関係強化に向けた取組についても合意をいたしております。
そして、タレス国家放送通信委員会委員長との会談について申し上げます。
タレス国家放送通信委員会委員長との間では、通信・放送分野における協力の強化について、合意をしました。
会談の中では、通信分野におきましては、日タイ間の国際ローミング料金の低廉化を実現するための原則と方策を検討していくということ、その成果を多国間協議の場を通じて広めていくということ、日タイ間の事業者間の協議についても促進していくということについて、合意いたしました。
また、放送コンテンツ及び次世代放送につきましては、新たな放送ビジネスの発展に向けて、多国間の協議の場においても日タイで協力をしあうということ、メディア事業者が協力するための事業者間協議への必要な支援を行っていくということ、次世代放送の分野におけるより具体的な協力について検討することについて、合意をいたしました。
以上の合意内容について、既にお配りをさせていただきましたけれども、共同プレス声明としてとりまとめをいたしました。
明日でございますが、地元のタイから選出をされ、また、女性初のアジア太平洋電気通信共同体(APT)の事務局長でありますアリーワン事務局長と会談をいたします。
日本もAPTに貢献している訳でございますけれども、先月甚大なサイクロンの被害を被りましたバヌアツ共和国の通信インフラ復旧に対する貢献、ここに御配慮いただきたいということ、人材育成への支援、こういった日本とAPTの今後の協力強化などについてお話をする予定でございます。
また、その後の時間を利用いたしまして、日本の地域産品の販路拡大について、タイの方々の好みなどについても、販売の場でヒアリングをしたいと思っております。
今回のタイ訪問の成果ということでございますけれども、共同声明への署名によって両国の具体的な関心分野の特定ができましたこと、それから首相や情報通信技術大臣、国家放送通信委員会委員長との会談によりまして、閣僚レベルの関係構築など、大きな成果を挙げることができたと思っております。
加えて、今回のタイ訪問に際しましては、タイ側と三つのイベントを共催しましたことから、合わせて55社・約120名もの日本企業の方に御参加いただきましたし、タイ側からものべ150名以上の方々にお集まりいただきましたので、日タイ間で官民双方の相互理解の促進や、具体的な協力関係の構築に貢献できたと思っております。
なお、日本からの参加者には、地方企業15社も含まれております。地方企業の国際展開を支援するということによりまして、地方創生にも貢献するものと考えております。
防災ICT、サイバーセキュリティ、郵便、放送コンテンツ、次世代放送といった様々な分野において、日本の技術によってタイに貢献することもできます。日本企業の更なるビジネス展開の支援もしていくこともできると思っております。
【プラユット政権初の閣僚訪問の感想】
Q:同行記者団のフジテレビの大山と申します。今日はプラユット政権になって、日本から初めての閣僚の訪問ということでもございました。今日は一日非常に盛り沢山のセッションを大臣はこなされましたが、その率直な感想をお伺いします。首相も安倍総理と複数回会談をされていて、日本とタイの関係の、現時点ではどのくらい緊密なムードを感じたか、それから今後の期待のようなもの、大臣が率直に感じたようなものなど、所感をお聞かせいただければと思います。
A:安倍総理とプラユット首相は、もう4回、首脳会談をしておられます。回数としても、多ございます。
閣僚の訪問は私が初めてということでございますが、皆様も御承知のとおり、昨年、第3次安倍政権が発足しましてから、臨時国会、通常国会、それを挟んで予算編成など過密な日程が続いておりました。私にとって初めての海外出張の機会でございましたけれども、その中でタイを選ばせていただいたというのは、やはり首相同士の会談の中で、ようやく協力関係を明確にしたICT分野について、より具体的に掘り下げていきたいという強い思いがございました。
首相もとてもフレンドリーな方で、良いムードで会談ができたと思っております。また、首相の方からは、日本とタイの鉄道分野の協力についても御要請がございました。これはまた、帰国しましてから太田国土交通大臣にお伝えしたいと思っております。
非常に緊密な形で連携ができていると思いますし、タイに進出している日本企業が非常に多ございますので、日本企業がタイを中心として、周辺の諸国に向けて展開をしていく、タイがその中心部になるような可能性を感じさせていただきましたので、日本にとってもタイにとってもWin-Winの関係を築けると感じました。
【鉄道分野での協力要請】
Q:共同通信バンコク支局の近澤と申します。先ほど、プラユット首相が鉄道分野で日本の協力を求めたということでしたけれども、具体的にいうと高速鉄道なのか、どのような内容の要請があったかお教えください。
A:私は総務大臣でございますので所管外でございますが、タイの担当大臣と太田国土交通大臣の間でお話し合いがなされている、これから具体的な方向について検討が進んでいくものと承知をいたしております。
首相が所管外の私にも特に鉄道のお話をされたということ、強い関心をお持ちだということは、帰りましてから太田大臣にお伝えしたいと思います。
【タイの民政移管】
Q:日本テレビの氷室です。タイの去年のクーデター以降ですね、民主化のロードマップに沿って、民政移管に向けた動きが進んでいるようですけれども、多少の遅れも出ているようでして、その辺の御懸念なども日本の大臣としてお伝えになったのでしょうか。先方のお答え等あればお聞かせください。
A:私から申し上げましたのは、ロードマップに沿って民主化を進めていかれる、そのタイの取組に対して、日本政府として支持を表明いたしました。
首相の方からも、しっかりと進めていくという旨のお話がございました。
【安定的な経済交流環境の回復】
Q:それと、一緒に来られた日本企業だけじゃなくて、こちらの現地でも、去年のクーデター以降、一刻も早く安定して、また旧来の一体感のある経済的な交流みたいなものを元に戻していきたいという気持ちがあると思うのですけれども、その辺は何か表明されたり、あるいは先方から説明があったりということはあったのでしょうか。
A:私の方から申し上げましたのは、まず日本企業が長期にわたって安心して投資ができる環境づくりについて、これまでも御配慮いただいておりますけれども、引き続き十分な対応をお願いしたい旨を申し上げました。
Q:先方からは何かお返事は。
A:先方からも前向きなお返事がございました。
【ネパール地震を踏まえた防災面の協力】
Q:西日本新聞の野中と申します。ネパールの地震の直後ですので、防災面で、地震への懸念なり関心なり、タイ側からどのようなお話が出ましたでしょうか。
A:やはり今日お話をしてみて、防災ICTへの関心は非常に高いことを感じました。
特に速報ですね。日本に対して求められている、タイの方が大変関心を持っておられるのは、日本の速報システムであると。それから日本企業が、土砂災害などに対する、しっかりとした予防するための技術を持っているということで、ここに対しては関心をお持ちいただいているということでございます。
特に、その話を最初にいたしましたポーンチャイ大臣との会談の中で、同席をしていただいておりましたのが国家災害警報センターの方でございまして、特に国家災害警報センター及び気象局の関心分野といたしまして、Lアラート、気象レーダー、防災コンテナ、つまり携帯電話基地や電源などを搭載した可搬型のコンテナなのですが、それから、人材育成について、既に国家災害警報センターと気象局からは日本政府に関心分野を頂いておりますので、協力事項の具体化に向けて、まずは政府間の対話を進めてまいりたいということを申し上げました。
具体的に言いますと、日本の民間企業ではNECになりますけれども、タイの国家災害警報センター向けに、洪水や土砂崩れの予測について実証実験を行うといったことについて提案をされていると承知をいたしておりますので、これから政府間でも、また、民間企業とタイの政府機関の間でも、様々な議論がなされると思っております。
【郵便分野の協力】
Q:TBS中西です。郵便分野の協力というのが一つ項目に入っていたと思いますが、ミャンマーと違って、この国はかなり郵便のインフラが出来ていると思うのですけれども、具体的にもう少し、日本としてどういうところに貢献なり協力ができるのか、例えばe-コマースでありますとか、そういうところが具体的にあれば教えていただけますか。
A:ミャンマーに比べると、私もタイの郵便事情について簡単な知識ではございますけれども、進んでいると思っております。
例えば郵便物の到達日数もかなり短いものでございますし、町中を移動中に車で走っていると、日本とそっくりの二つ投函口の付いた郵便ポストがありまして、かなり進んでいると思うのですけれども、e-コマースなどが進んでおりますので、今後、郵便分野についても政策対話をしていく、それから、日本企業側とのビジネスマッチング、いろいろな可能性が郵便事業の中にはあると思いますので、これからの候補になるかと思います。
日本郵便がもつ運営や業務ノウハウ、こういったものの中で、タイに対して提供できるものもあるのではないかと思いますので、これから具体的なことについて検討を開始することを合意したということでございます。
事務方:それでは、会見はここまでとしたいと思います。
A:皆様、お疲れ様でございました。
以上