2015年10月30日 記者会見
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冒頭発言
こんにちは。
今朝は、官邸で、閣議、閣僚懇の後、まち・ひと・しごと創生会議がございました。
【労働力調査結果、消費者物価指数及び家計調査結果】
本日の閣議において、私から、労働力調査結果、消費者物価指数及び家計調査結果について報告いたしました。そのポイントを説明いたします。
9月の完全失業率は3.4%と、前月と同率となりまして、本年3月以降、18年ぶりの低い水準である3%台前半で推移しています。
就業者数は、前年同月に比べ10か月連続で増加しており、うち女性は36か月連続で増加しました。また、女性の就業者数は、比較可能な昭和28年以降で過去最多となりました。
さらに15歳から64歳の方の就業率は73.9%と、比較可能な昭和43年以降で過去最高となり、雇用情勢は引き続き改善傾向で推移していると考えます。
消費者物価指数について、9月の全国の生鮮食品を除く指数は、前年の同じ月に比べ0.1%の下落です。これは、ガソリンや電気代など「エネルギー」の下落によるものです。
一方、食料及びエネルギーを除く指数は、前年の同じ月に比べ0.9%の上昇と、8月は0.8%でしたから、上昇幅が拡大しました。
昨年末の原油価格下落による「エネルギー」価格下落の影響を除くと、物価の上昇基調は9月も続いていると見ています。
家計調査ですが、全国2人以上世帯の9月の消費支出は、1年前に比べ実質0.4%の減少と2か月ぶりの減少となりました。9月は、シルバーウィークもあり、外食や国内パック旅行費などへの支出は増加となりました。一方で、自動車購入やパソコン等の耐久財などへの支出は減少しています。
9月前半の台風18号など、天候不順の影響もあり、消費は足下では横ばいの状況が見られると考えます。
【マイナンバー制度の円滑な実施に関する総理指示】
それから、本日の閣議前に、甘利大臣とともに総理にマイナンバー制度の実施状況について報告をしまして、総理からは、しっかり取り組むよう改めて指示がございました。
私につきましては、総務省と内閣官房が有している「実施に伴う全ての事務」を担うことを指示されました。
これまで、残念ながら、マイナンバーに関連した詐欺事件や自治体におけるミス、日本郵便の誤配達などが発生しました。このため、総務省では、関係省庁と連携し、国民の皆様に対する注意喚起に努めてまいるとともに、自治体に対しまして、適正な事務処理の再徹底を促すため、総務大臣名で通知を発出するなど、できる限りの取組をしてきました。
言うまでもなく、マイナンバーは、ICTを使って行政を効率化し、国民生活の利便性を高め、公平・公正な社会を実現するための重要な社会基盤です。私といたしましては、この制度を円滑に立ち上げるべく、全力を尽くす必要があると考えております。
本日の総理の指示を受けまして、直ちに総務省と内閣官房が一体となって取り組む体制を整えるように指示をいたしました。
具体的には、10月1日に立ち上げました「個人番号カード交付円滑化推進本部」を拡充・強化しまして、できるだけ早急に体制を整備したいと考えています。
総務省と内閣官房の持てる力を合わせまして、個人番号カードの円滑な交付はもとより、広報、システム整備など、マイナンバー制度の実施に万全を期してまいります。
【マイナンバー総合フリーダイヤルの開設(1)】
それから、同じくマイナンバー関係でございますが、マイナンバーに関するコールセンターにつきましては、これまで、「主として通知カードや個人番号カードの問い合わせに対応した電話番号」、これは総務省所管のものでございますが、それと、「マイナンバー制度一般の問い合わせに対応した電話番号」、内閣府所管のものでございますが、この2つの電話番号がありまして、どちらも通話料は有料であります。
これに対しまして、政府としてマイナンバー制度について国民の皆様に御理解をいただくようお願いしている中でもあり、先般の政府与党連絡会議においても、無料化に対する強い要請がございましたことから、対応について検討を指示しておりました。
その結果、来週11月2日(月)から、2つのコールセンターの番号を統一した無料のフリーダイヤル番号を新たに設置することといたしました。
名称は「マイナンバー総合フリーダイヤル」とし、番号は「0120-95-0178」でございます。
なお、これまでの番号にお掛けいただいた場合にも、フリーダイヤルの番号を無料で御案内するなどの対応を行うこととしています。そのままフリーダイヤルに掛け直さず、有料で問い合わせをすることも、もちろん可能でございます。
今後は、総合フリーダイヤルの番号を広く周知していきたいと考えておりますので、報道機関の皆様におかれましても御協力をお願い申し上げます。
【中央省庁等を対象にしたサイバー防御演習の実施】
昨今、政府や民間企業に対するサイバー攻撃がますます巧妙化しています。このような状況を踏まえまして、総務省では、NICTの大規模クラウド環境を活用しまして、中央省庁等の情報システム担当者を対象に、実践的なサイバー防御演習を平成25年度より実施しております。
今年度は、今月26日に第1回目を開催し、今後、12月上旬までに官公庁や重要インフラ事業者を中心に、参加組織を昨年度の65から約70組織に増やし、計6回の演習を予定しています。日本年金機構にも初めて参加をしていただいております。
今年度の演習に関しましては、日本年金機構の事案も踏まえまして、最新の標的型攻撃にも対応した新たなシナリオを作成し、より効果的な演習ができるように工夫をしており、参加組織のサイバー攻撃への対処能力が向上することを期待しています。
総務省としては、引き続きサイバーセキュリティ対策の強化に取り組み、安全・安心なネットワーク環境の実現に努めてまいります。
私からは、以上でございます。
〔質疑応答〕
<国地方係争処理委員会の審査の手続き等>
- 問: では、幹事社質問をさせていただきます。まず伺いたいのは、米軍普天間基地の移設計画についてですね、昨日、沖縄防衛局が名護市辺野古沿岸部で工事に着手しました。これについて、沖縄県の翁長知事が強く反発していて、総務省の国地方係争処理委員会に審査を申し出る方針です。これについて2点伺います。
1点目は、申し出を受けてからの委員会のスケジュール等々、ロジについては、どう今後される予定なのかというのが1点と、もう1点が、国と地方の対立が非常に深まって先鋭化していることについて、大臣の所見を伺いたいと思います。
答: では、2点目からお答えしますが、10月27日の閣議におきまして、「普天間飛行場代替施設建設事業に係る公有水面埋立法に基づく埋立承認の取消しについて」が、閣議口頭了解されました。
この閣議口頭了解にありますように、政府としては、普天間飛行場の辺野古への移設が、普天間飛行場の継続的な使用を回避するための唯一の解決策であると認識をしています。今後も、沖縄の皆様に御理解をいただくように努力を続けていくということだと思います。それから、国地方係争処理委員会の審査及び勧告でございますが、これは地方自治法第250条の14第5項の規定により、審査の申出があった日から90日以内に行わなければならないとされています。
この国地方係争処理委員会は、総務省に置かれていますが、個別の事案につきましては、実際に審査の申出があった後、第三者機関である同委員会において判断するものでございますから、総務大臣が具体的な手続やスケジュールについて、コメントはできないものと考えています。
<マイナンバー通知カード>
- 問: 熊本日日新聞社の高橋と申します。弊社の取材で、先ほど言われたマイナンバーカードの通知カードのことについてなのですが、九州管内で3日から8日くらい、郵便局に届くのが遅れていて、自治体の間からは、3週間ほど遅れるというふうな連絡を受けたというところもあります。それで、11月中には全ての皆さんに届くというふうに言われているのですけれども、自治体の間では、いつ届くのだろうという不安の声が広がっていますが、大臣としての受け止めをお願いします。
答: 先般も会見で申し上げたかと思いますけれども、印刷事業者から郵便局へお届けをする体制が整いました段階で、総務省から自治体に対しては通知をするようになっております。
順次の作業でございますので、最初、千葉県の方からスタートいたしましたけれども、概ね11月中に届くということで、作業を急いでいただいているということでございます。
<マイナンバー総合フリーダイヤルの開設(2)>
- 問: 朝日新聞の相原です。週明けから設けるフリーダイヤルの番号なのですが、今、通知カードを発送している中にも、今まで設置していた2つの番号が書いてあったと思いますが、それは、入れ替えの作業は間に合わないでしょうか、これから届ける分に関してはですね。
答: マイナンバーの通知カードの中に説明の書類が入っておりまして、そこに先ほど申し上げた、有料の2種類の番号が書かれています。その2種類の有料の番号も、これからも生きている訳でございますが、そこに掛けた場合、冒頭に、課金されない状態で、無料でフリーダイヤルの番号のご案内が入ってきますので、その案内を聞いて切っていただいて、フリーダイヤルに掛けていただくということもできますし、もし課金されてもいいという方でしたら、そのままコールセンターにもつながるようになっています。
今後ですが、まず、ホームページの情報の更新は当然いたします。フリーダイヤルのご案内はちゃんとできるようにいたします。それから、1月にはマイナンバーカードの交付も行っていきますので、それに向けて、政府としても様々な広報を予定いたしております。
テレビ・新聞などのメディアを活用した広報の際にも、新しい番号を周知したいと思っておりますし、また、新しいフリーダイヤルの番号を記載したチラシなども、配布する予定になっています。
問: ほかにいかがでしょうか。では、どうもありがとうございました。
答: お疲れ様でございます。