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2015年12月4日 記者会見

更新日:

〔冒頭発言〕

 皆様、おはようございます。
 今朝は、官邸で、給与関係閣僚会議、閣議、閣僚懇がございました。

【葛飾区における通知カード送付の遅延(1)】

 まず、冒頭に、葛飾区の一部地域におけるマイナンバー通知カード送付の遅延について、御報告を申し上げなければなりません。
 現在、通知カードのお届けに全力を注いでいるところでございますが、葛飾区の一部エリアの通知カード約5,000通が、未だ郵便局に差し出されていないということが判明しました。
 詳細な原因については調査中でございますが、現在は、該当する約5,000通につきまして、国立印刷局において通知カードを作成しているところでございます。今のところ、郵便局への差出は12月8日になる予定でございます。
 今回事案の発生した地域についての初回配達の時期につきまして、昨日の夕方までに日本郵便と詰めさせていただきました。日本郵便からは、本社・支社からの応援もしていただいて、12月20日の配達完了を目指して、最大限努力していくと聞いております。
 引き続き、1日でも早く、住民の皆様に対しまして、正確に通知カードをお届けし、来年1月からのマイナンバーの利用開始に支障が出ないように努めてまいります。

【給与関係閣僚会議】

 本日の給与関係閣僚会議及び閣議において、国家公務員の給与について、人事院勧告通り、本年度の給与改定を行うことを決定しました。
 閣議決定では、地方公務員の給与改定につきまして、各地方公共団体において、地方公務員法の趣旨に沿って適切に対応するとともに、給与の適正化及び適正な定員管理の推進に取り組むよう、要請することとしています。
 また、国家公務員における「給与制度の総合的見直し」を踏まえまして、地方公務員給与についても、地域民間給与のより的確な反映等の見直しを着実に推進するよう、要請することとしています。
 さらに、地方公務員の勤務時間におけるフレックスタイム制の拡充につきましては、国家公務員の取組を踏まえ、各地方公共団体の実情に即し、適切に取り組むよう、要請することにしています。
 総務省としましては、各地方公共団体に対して、この閣議決定の趣旨に沿い、適切に対応するよう、本日付で通知を発出し、要請をいたします。

【地方公務員の雇用と年金の接続】

 本日の閣議におきまして、国家公務員制度担当大臣から、国家公務員の雇用と年金の接続について、平成28年4月から年金支給開始年齢が62歳へと引き上がることを踏まえ検討した結果、引き続き、再任用により対応すべき旨の発言がございました。
 私からは、地方公務員の雇用と年金の接続については、国家公務員の方針を踏まえ、地方公共団体に対し、引き続き、再任用により対応するよう要請する旨、発言をいたしました。
 本日付で、地方公共団体に向けて通知を発出して、その周知を図ってまいります。

【地方財政の健全化及び地方債制度の見直しに関する研究会報告書の公表】

 昨年11月より、地方財政の健全化に係る課題や財政分析のあり方、地方債の発行に関する国の関与のあり方を検討するため、「地方財政の健全化及び地方債制度の見直しに関する研究会」を設置し、精力的な議論をいただいてまいりましたが、本日、最終報告書を公表します。
 これまでも、地方財政健全化に向けまして、「財政状況の見える化」の充実などに取り組んでまいりましたが、報告書においては、地方公共団体の財政状況の更なる精緻な把握や財政状況の見える化、地方債制度における届出対象の拡大などについて、提言をいただいております。
 総務省としては、この提言内容をしっかりと受け止めて、次期通常国会への改正法案の提出も視野に、早期に取組を進めてまいります。
 この件の詳細は、後ほど事務方から説明をさせます。
 私からは、以上でございます。


〔質疑応答〕

<車体課税の見直し>

問: 幹事社の毎日新聞です。幹事社質問からまず入らせてもらいたいと思います。車体課税について、環境性能課税について総務省案を国会等に示されたということで、この総務省案のポイント、どの辺に重点を置かれているのかを教えてください。
 それともう1点、総務省案では税収が1,400億になるのではないかと自動車業界は言っていますけれども、そうしたことについて増収だというふうな批判も出ていますが、それについてどのようにお考えなのか、聞かせていただければと思います。

答: まず、総務省案のポイントについての御質問がございました。総務省案の内容とその意義につきましては、平成26年度与党税制改正大綱を踏まえまして、環境性能が一定の水準よりも高い車両を対象とし、その程度に応じて税率が決定される仕組みとしたことによりまして、環境性能の優れた車両の普及促進や技術革新へのインセンティブを付与するものでございます。
 また、税率の適用区分の基準として、最新の平成32年度燃費基準を用いることによりまして、そのインセンティブをより高くするということでございます。
 また、この環境性能課税の税収規模につきまして、平成26年度与党税制改正大綱においては、「他に確保した安定的な財源と合わせて、地方財政へは影響を及ぼさない規模」とされていることを踏まえて、様々な観点から具体的な検討を行っております。
 今、1,400億円という数字が出ましたけれども、これは経済産業省の試算でございます。税収試算の前提要件や試算方法に、総務省と違いがありますので、この税収規模も含めまして、経済産業省と現在協議を行っています。
 最終的には、税制改正プロセスを通じて決定されるものですけれども、総務省としては、前回申し上げましたように、平成28年度改正で結論を得て、きちんと法改正が行えるように、引き続き、関係省庁及び自動車業界への説明を続けてまいりたいと考えております。

問: すいません、今の時点で総務省として、いくら位になるかというのを考えられていらっしゃるのでしょうか。

答: それにつきましては、現段階ではまだ協議中ですので、申し訳ございません。
 昨日、一昨日と自治税務局長にも苦労をしていただきまして、経済産業省に協議の呼びかけをさせていただき、その試算方法につきましても協議をするということで、おそらく本日にも協議がなされるものと思っております。

<奈良県の関西広域連合への参加>

問: 日本経済新聞の天野と申します。今朝、奈良県がですね、関西広域連合に参加することについての許可が、総務大臣からおりたという発表をされています。防災・観光という分野に限った部分参加という形ですけども、これ、大臣としてどう評価されていらっしゃるのか。
 あと、広域連合そのものについてですね、今、複数の都道府県をまたがった広域連合というのは関西だけという現状なのですけども、これについてどうお考えになっているか、お願いします。

答: 奈良県の防災と観光に限定した広域連合への参加ということについては、荒井正吾奈良県知事の直近の知事選挙での公約でございました。それまでは、広域連合に入った場合のメリット・デメリット両方について、かなり長い間、県内でも議論がありましたし、知事御本人も様々な主張をしてこられていたと承知をしています。
 つまり、参加することによって人員的な、また経済的な負担が生じるということ、県単独でできることもあるということがございました。一方で、防災面では、奈良県も、御承知の通り、東日本大震災と同じ年の秋の台風12号により、県南部が壊滅的な被害を受けましたけれども、当時、広域連合に参加はしておりませんでしたが、各県から防災ヘリを出していただいたり、たくさんの御支援を受けました。
そういったことから、慎重な検討が進められてきたのだと思っておりますけれども、せっかく広域でみんなで力を合わせてやっていこうという時に、まずは観光と防災という県民の皆様の御理解も得られやすいところから参加をしてみるということで、決断をされたものと承知しています。
 他の地域に、こういった広域連合的な取組が広がっていくかどうかについては、今の段階では何とも言えませんけれども、関西広域連合がどのような成果を上げていくのか、メリットは何なのか、改善点がどういうところにあるのか、そういったことを見極めながら、各地域において、それぞれの知事が議会等の御意見も聞きながら、判断をしていかれることだろうと思っています。

<葛飾区における通知カード送付の遅延(2)>

問: 日本テレビです。おはようございます。冒頭、お話のありました葛飾区のマイナンバーの件ですけれども、要するにこれ、5,000通はどこかになくなっているというか、不明になっているということなのでしょうか。

答: 差し出されていない地域は、具体的には白鳥地区ということです。葛飾新宿郵便局と葛飾区役所の間で送付先の突合を行った結果、白鳥地区の一部が抜けているということが判明したと聞いています。
 通知カードのデータを各市区町村からJ-LISに送るのですが、J-LISにも確認しましたけれども、現時点で認識している他のトラブル事例はないということでございます。また、総務省に対しても、他の自治体から同じような事案が発生しているという報告はございません。
 J-LISに全てのデータをため込むわけではなくて、スルーして国立印刷局に送るわけですけれども、その過程で一部が何らかのトラブルによりうまくスルーできなかったということです。詳細は今調査中であると聞いておりますが、システム上の難しい技術的な問題ですので、住民制度課で少し詳しい情報があるかもしれませんので、お問い合わせいただけたらと思っております。

問: あと1点だけ、これ、いつ分かって、いつ対応して、今日の発表になったのか。

答: 私には、一昨日の夜に、5,000通抜けていたのではないかという報告が来ました。その時点で、どこにそれが止まっているのか、つまり、葛飾区とJ-LISの間なのか、J-LISと国立印刷局の間なのか、国立印刷局と郵便局の間なのか、そういったことも含めて、まだ確認が十分できていないという状況でございましたので、昨日、職員にも頑張っていただいて、それぞれヒアリングをしまして、さっき私が申し上げましたように、J-LISでデータを受けた時のシステム上の何らかのトラブルである可能性が高いのではないか、ということも含めて、昨日の夕方、報告を受けました。
 郵便局の配達でございますが、これは、私から先般も、9割は11月中に初回のお届けをしているけれども、残り1割程度につきまして、概ね12月15日にお届けが終わり、一番遅いところでも12月20日頃という見通しを申し上げたばかりでございますので、12月20日を大きく過ぎてしまうということになりますと、これは私から国民の皆様にお詫びをしなければなりません。
 ですから、日本郵便として、今、繁忙期の中でどういった対応をしていただけるのか、その詰めを昨日の午後から夕方にかけて、郵政行政部長の方でしていただきました。
 それで、最終的に、今日、何とか見通しも含めて御報告ができるようになりました。今日の記者会見は、実はIoTの会議がありますので、最初、午後から設定させていただいておりましたけれども、少しでも早くお伝えしたいと思いまして、午前に変更させていただいた次第です。

問: 共同通信の藤元です。関連なのですけれど、これまで郵便局への差出は全て完了しているというふうに発表というか、お答えいただいていたのですけども、ここはどうして食い違ってしまったのかということをお伺いしたいのですが。

答: すいません。葛飾区白鳥地区の5,000通につきましては、郵便局への差出は12月8日になってしまいます。
 一昨日の夜に私も初めて連絡を受けまして、今、5,000通分について国立印刷局で急いで印刷をしていただき、速やかに封入をしていただき、何とか最短でというお願いをして、12月8日に郵便局への差出ができるという状況になってございます。
 その後、郵便局の方でも、何とか20日までに配達を終えるようにということで、その局だけではなく本社・支社からの応援人員も要請して、頑張っていただくということでございます。

問: 全て差出が完了しているというふうに説明を受けていたのですが、その説明がこれまでなされていたのに、どうして今回こういうことが発覚してしまったのかなというふうに思いまして。差出が完了していないということでしたら、その時点で完了ということにはならなかったのではないかなと思うのですけれども。

答: 先ほども申し上げましたが、これまで私が申し上げてまいりました、概ね配達が完了する時期、そして一番遅い地域でも12月20日ということで、差出時期も含めて申し上げてまいりました情報について、この葛飾区白鳥地域の約5,000通については、その通りになっていなかったということでございます。
 誤った情報をお伝えしてしまっていたということについては、深くお詫びを申し上げます。
 判明した理由については、先ほど既に申し上げたとおりでございます。

問: 朝日新聞の真海です。同じ通知カードの件なのですけれども、今回は葛飾区と郵便局との間で送付先の突合をされて発覚した。ほかに似たような事例の報告はないということなのですが、自治体と郵便局が突合しなければ、このトラブルが分からないということであれば、今後、発覚するという可能性もあるのでしょうか。

答: 私も報告を受けた時、その点を一番心配いたしました。
 一昨日の夜の時点では、何が原因だったのかということが、まだほとんど分からなかった状況でございました。
 葛飾新宿郵便局の方が普段配達しておられますから、この地域についての書留郵便はまだ配っていないということに気付いて下さったと聞いております。それで、葛飾区役所の方に郵便局からお問い合わせをいただきました。
 葛飾区役所としては、各市区町村がJ-LISに対して情報を送るということについて、しっかりと情報は全部行っているはずだということだったのですが、現実問題として、郵便局にはその地域の約5,000通が届いていないということでございましたので、その報告を受けました。

問: 今後、新しい別の事案が発生するおそれは。

答: まだ、専門的に、システム上の原因が何であったのかというのは、昨日の夜の時点でもまだ解明中ですということでしたので、不正確な説明を申し上げてはいけないのですが、同じようなことが、他の都道府県、他の地域で起きていたら大変困るので、それがないということの確認がしっかりかつ速やかにできるのかと、その方法についても、昨日職員と議論をしました。
 J-LISには、全国民の情報は残らないわけです。スルーをするわけですから残っていないのですけれども、各市区町村からJ-LISに対して送ったデータの数というものがございます。そして、国立印刷局が郵便局に向けてそれを運ぶために、輸送業者にお預けします。当然印刷をして封入をするわけですから、国立印刷局の方でも受け取った数は、把握をしておられますので、国立印刷局のデータ数と市区町村が送ったデータの数、これをしっかりと見直していくということによって、他に同じような事例がないということを確信を持って皆様にお伝えできるように、その作業を急いでもらっています。
 現時点では、昨日の夜の時点ですが、他に同じような事例はないという報告でございましたけれども、国民お一人おひとりのたった1つの大切な番号ですから、抜け落ちがあっては困ります。
 また、12月になってから新たに生まれた赤ちゃん、出生した方についても、これは順次番号が付与されて、その場合はぎりぎりまで送付を続けますし、また、年が明けましても新たに生まれたお子さんの番号等については、送付が続くわけでございますけれども、とにかく10月5日の法施行時点で各市区町村から送られたもの、また、そのあと年内に出生された方のものというのは、お届けが続くということでございます。

問: 日本経済新聞の学頭です。細かいことで恐縮なのですが、先ほど葛飾区の、国立印刷局で印刷をしている手順なのですけど、これは葛飾区からもう1回、この5,000人の住民データがJ-LISに差し出されて、それをやり直すのでしょうか。それとも、J-LISに残っていたのでしょうか。

答: J-LISには、データは基本的に残りません。

答: (事務方)葛飾区の場合は、媒体で持込みがございましたので、データとしては、システムには残っていなかったのですけれども、データの媒体がございましたので、それをもう一回使いまして、そこで復元をいたしました。システム上は残っていないのですが、たまたまデータがあったものですから、それを使ったということです。

<携帯料金の引下げ>

問: 産経新聞の大坪と言います。おはようございます。一部報道で、携帯料金の引下げの関係で、ガイドラインという方法で端末値引きの上限とか、そういう報道が出ておりますが、これについての受け止めをお願いします。

答: 昨日の朝刊だったかと思いますが、かなり詳しい報道がございましたが、現時点において、報道にありますような具体的な方針を固めたという事実はございません。
 現在、タスクフォースにおいて、具体的な方策の在り方を含めて御議論いただいていて、年内に一定の方向性を出す、タスクフォースの取りまとめをしていただくということでございますので、総務省としては、それを受けて、必要な措置を検討していくということでございます。まだ、現在確定した方針はございません。

問: よろしいでしょうか。では、ありがとうございました。

答: よろしいですか。ありがとうございました。


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