令和2年1月17日 記者会見
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《冒頭発言》
皆様おはようございます。
【マイナンバーカードの普及・利活用等に関する閣僚打ち合わせ】
本日の閣議後、マイナンバー制度に関するマイナンバーカードの普及・利活用等にとって、極めて重要な年であるという認識のもと、官房長官ともご相談の上、主要閣僚、つまり、財務・金融担当大臣、法務大臣、文部科学大臣、厚生労働大臣、経済産業大臣にお声掛けをしまして、閣僚間の認識の共有・確認を行いました。
具体的には、昨年12月に閣議決定されました「デジタル・ガバメント実行計画」の一部として作成された「マイナンバーカードを活用した各種カード等のデジタル化等に向けた工程表」につきまして、工程表に沿った進捗管理をしていただくことはもとより、可能な限り前倒しが行えるようにすることなどにつきましては、各大臣から事務方をご指導いただくようにお願いをいたしました。
特に、来年の3月には、マイナンバーカードを健康保険証として使えるようにするという大きな目標が迫っておりますので、しっかりとそれに向けた準備が行われるよう、お願いをいたしました。
また、預貯金口座に対するマイナンバーの付番の義務化について、これによりまして、相続や災害発生時に引き出しをすることについて国民の皆様の負担軽減ができるように、財務省、金融庁において実現に向けた検討をいただけるよう、お願いいたしました。
私自身、親が他界した時に、一体、どこに預貯金口座があるのかさっぱり分からず、通帳を探し出すのも一苦労いたしました。また、津波の被害を受けられた方々が通帳も何もかも流されてしまって、口座の所在が分からないといったお声も伺っておりましたので、そのご検討を始めていただくようにお願いをいたしました。
この件の詳細につきましては、内閣官房番号制度推進室にお問い合わせください。
【法人設立ワンストップサービスの開始】
マイナポータルにおきまして、新たに提供を開始する「法人設立ワンストップサービス」について、ご報告を申し上げます。
このサービスは、国民の皆様が法人を設立する際、法務局、税務署、都道府県税事務所、市町村の税務部局、年金事務所、労働基準監督署、ハローワークに対して、それぞれ行う必要のある申請・届出を、マイナポータルから、オンライン・ワンストップで24時間365日できるようにするサービスでございます。
来週1月20日からは、法人設立登記後の手続がワンストップでできるようになります。なお、2021年、来年2月を目途に、全ての手続がワンストップでできるようにする予定です。
利用者の視点に立って、マイナンバーカード及びマイナポータルの利便性向上に取り組み、その魅力を高めてまいります。
これも番号制度担当室に詳細をお問い合わせください。
【令和元年度地域おこし協力隊の定住状況等に係る調査結果等】
地域おこし協力隊について申し上げます。
総務省では、都市から地方への新しい流れを作るために、地域おこし協力隊の拡充に取り組んでまいりました。
本日は、2点発表いたします。
総務省では、任期終了をされた隊員の定住状況など、2年ごとに調査しておりまして、今回その結果を取りまとめました。
平成31年3月末までに任期終了した隊員の総数は4,848人となり、平成29年3月末時点の前回調査の2,230人と比べ、倍以上に増加をいたしました。そのうち、約4割が女性で、約7割が20代と30代の方です。
任期終了後の地域への定住につきましては、前回調査に引き続き、約6割の隊員が同じ地域に定住しておられます。絶対数が増えましたので、定住人口も1,396人から3,045人に増加をいたしました。
さらに、同一市町村内に定住した方のうち36%が起業をされております。これも前回調査の29%から更に増加をしました。起業された方の人数についても、314人から888人に大きく増加をしました。
総務省では、隊員の起業や事業承継に向けて、起業などに係る経費への特別交付税措置や、関係省庁と連携した相談体制の構築などによる支援に取り組んでおります。
地域おこし協力隊員が任期終了後も地域の担い手として活躍していただけるよう、引き続き支援をしてまいります。
次に、地域おこし協力隊全国サミットの開催について発表いたします。
地域おこし協力隊の制度周知のため、私の前回の大臣在任中の平成26年度に初めて開催をした「地域おこし協力隊全国サミット」が、今年度で6回目を迎えます。
今年度は2月2日の日曜日に、東京ミッドタウンで開催する予定でございます。
地域おこし協力隊や地方移住、関係人口などに関心をお持ちの方に、ぜひご来場いただきたいと期待をしています。
私も都合がつけば訪問して、隊員の皆様を激励したいと思います。
この詳細は、地域力創造グループ地域自立応援課にお問い合わせください。
私からは、以上でございます。
《質疑応答》
【郵便法改正案提出の見送り】
問: 昨年の秋の臨時国会で見送られた郵便法の改正案ですけれども、来週から始まる通常国会でも見送られるという報道が一部出ておりますが、これについての認識をお願いいたします。
答: おっしゃるとおりでございます。
日本郵政グループを巡りましては、昨年12月27日、日本郵政及び日本郵便に対しまして、かんぽ生命の不適正募集事案に関する行政処分を行ったところでございます。
まずは業務改善に専念していただくと共に、不利益を被られた顧客の皆様への対応に万全を期していただきたいと考えております。
更に今後は、当分の間、四半期毎の報告を精査していく必要があると考えております。
このような状況の中ですので、郵便法改正案につきましては、通常国会への提出は見送らせていただきます。
【NHKのガバナンス改革、常時同時配信に係る費用2.5%の根拠等】
問: NHKの常時同時配信に関してですが、今回、認可されました。大臣は、三位一体の改革が必要ということで基本的考え方を出されたわけですけども、認可に当たっては、NHKのガバナンス改革が十分ということで、若しくは、なされる見通しが立ったということで認可されたのでしょうか。
また、費用の上限が2.5%ということで、総務省が求めていたとおりになったと思いますが、基本的考え方でも2.5%が適正だと考えていると示されているわけですけども、そもそもなぜ2.5%が適正だと判断されているのか、この2点をお伺いします。
答: NHKのガバナンス改革についてお答え申し上げます。
昨年11月に公表しました「総務省の基本的考え方」におきまして、法令やガイドラインの規定に沿って、「経営委員会の議決事項の具体化」、「業務の委託基準の明確化」、「子会社の配当方針の適正化・明確化を進める」ことを求めまして、NHKに検討を要請いたしました。
これに対して、昨年12月には、NHKから、「業務の執行体制の見直し」、「競争契約の推進」、「子会社の資本政策の見直し」を通じたガバナンス改革に取り組むという回答がございました。
総務省といたしましては、ガバナンス改革の具体的な取組内容を早期に明らかにしていただき、次期中期経営計画に反映することが必要だと考えております。
有識者会議における議論などを通じまして、引き続き検討を進めることになりますが、何よりも具体化がとても大切だと考えております。
インターネット活用業務の費用の上限については、まず、基本的な考え方としまして、常時同時配信などのインターネット活用業務が、受信料を財源として実施されるものであること。そして、昨年5月に放送法改正案に対して総務委員会で決議されました附帯決議で、「協会は、…適正な規模・水準の下、節度をもって適切に実施すること」とされています。また、放送法第20条第10項第4号におきまして、インターネット活用業務について「過大な費用を要するものでないこと」が認可要件とされています。こういうことを踏まえながら検討を行うことが必要だと考えておりました。
特に、NHKが平成30年11月に公表した中期経営計画では、令和2年度には既に215億円の赤字が見込まれている中で、インターネット活用業務の実施に係る費用が拡大することで、事業収支のバランスが悪化する懸念がございました。
このため、総務省としては、令和2年度については、東京オリパラ大会関係の費用を除き、引き続き「受信料収入の2.5%」を費用の上限として維持することが望ましいという「総務省の基本的考え方」を公表し、NHKに検討を要請しました。
ただ、そもそもなぜ2.5%かということですが、これまで既にNHKが実施しておられるインターネット活用業務について、2.5%というのは、NHKの方で出してこられた数字でございますので、今回もそういたしました。今後は、総額、実際どういう業務にいくらかかるのかという金額ベースで考えていくこともあり得るかなと思っております。
結局、昨年の12月24日にNHKから、既存業務の効率化を行うことによって、東京オリパラ大会関係以外の費用の上限を「受信料収入の2.5%」とする修正申請がございました。
放送法の要件に照らしましても、費用が過大なものではないと考えましたので、これを妥当と判断をして認可を行いました。
【楽天モバイル(株)に対する期待】
問: 先日、楽天が提出した、携帯の障害に関する原因分析及び再発防止策に対する受け止めと、4月からの商用サービス開始に向けたご所見をお伺いします。
答: 昨年の12月に発生した楽天モバイルの通信障害を踏まえた行政指導に関しましては、こちらから要請した事項に対する楽天の対応状況につきまして、1月14日に報告があったと聞いております。
同社からは、本格サービスの提供に向けて「過負荷試験などの追加実施をする」、「監視体制・復旧体制の充実強化をする」、「通信障害時の利用者周知の設置の改善を行う」といったことに取り組むということでございますので、総務省としましては、報告された内容を着実に実行していただくように求めていきたいと思っております。
問: ありがとうございます。本日はこれで終了いたします。
答: どうもお疲れさまでございました。