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2017年1月6日 記者会見

更新日:

〔冒頭発言〕

 皆様、明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
 今朝、官邸では閣議と閣僚懇がございました。
 私から、特に冒頭発言はございません。


〔質疑応答〕

<今年1年の抱負>

問: 最初に幹事社から1問質問させていただきます。今年初めての会見ということで、最初にまず、今年1年の大臣の抱負をお聞かせください。

答: 今年はとり年でございます。古来、鶏の鳴き声「鶏鳴」は吉兆でございまして、闇を払う霊力があると言われてまいりました。天の岩戸の神話でも、この夜に光をもたらすために「常世長鳴鳥」が鳴きますし、元旦の夜明けに鳴く初鶏は、めでたい新年の季語にもなっております。
 日本人は永く鶏の声を愛し、古くは小国、江戸の頃には東天紅、唐丸、声良といった長鳴きの美声の品種を育ててきました。
 とり年の今年、鶏を愛でるこの国に、未来を拓くチャレンジの始まりを告げる鶏鳴が響き、国民の皆様に「暮らしが豊かになってきたな」、「地域社会に活気が出てきたな」と、変化を実感していただける年になるように、総務省としても施策を総動員してまいります。
 安倍総理は、空高く飛ぶ鳥を例に挙げながら、地球儀を俯瞰する外交を展開する意志を語られました。こちらは鶏でございますが、しっかりと地に足を付けて、国民生活に最も身近なところで仕事をする総務省でございますので、多くの国民の皆様のお役に立つ改革を更に進めてまいりたいと思います。

 今年の抱負につきまして5点申し上げます。

 第1の抱負は、「新たなチャレンジによる経済再生」でございます。
 政府が進めてまいりましたアベノミクスにより、雇用の拡大や賃金の上昇という経済の好循環は生まれ始めております。今年は、この流れをより確かなものにする大切な年になります。
 これまで進めてまいりました「地域経済好循環推進プロジェクト」は、特に「チャレンジ・ふるさとワーク」を今年の最重点事業として全国展開してまいります。また、「ローカル10,000プロジェクト」や「分散型エネルギーインフラプロジェクト」により、地域の雇用をしっかりと生み出してまいります。
 また、統計データの活用も重要でございます。和歌山県に統計データ利活用の拠点を設けまして、地方創生にも貢献をしてまいります。
 そして、生活に身近な分野のIoTには、大きな可能性がございます。昨年12月に策定したロードマップを踏まえまして、地域への実装を進めてまいります。
 また、ライフステージごとの生活スタイルに合わせて柔軟な働き方を可能とする「テレワーク」は引き続き進めてまいりますし、地方への人の流れを作り出す「ふるさとテレワーク」についても更に普及を図ってまいります。

 第2の抱負は、「世界最先端のICT大国の実現」でございます。
 本格的な「IoT/ビッグデータ/AI時代」が到来しようとしています。
 昨年開催しましたG7情報通信大臣会合では、私から「AI開発原則」を提唱しました。今年は、G7やOECDとしっかりと連携して、国際的な議論の具体化・加速化の中心的な役割を果たしてまいりたいと思っております。
 IoT人材育成にも取り組んでまいります。NICTに「ナショナルサイバートレーニングセンター」を組織するとともに、若年層を対象としたプログラミング教育のモデル開発と横展開を進めてまいります。
 また、今や国民の「生活インフラ」となりましたスマートフォンの通信料金負担を軽減するため、競争を更に加速させ、通信サービスと端末をより自由に選択していただける環境を作ってまいります。

 第3の抱負は、「国民の生命・生活を守る」ことでございます。
 昨年は「熊本地震」や「台風第10号」をはじめ、多くの自然災害が発生しました。
 私からは、「地域防災体制の再点検」を指示しました。この結果を踏まえまして、地方自治体に対して、地域防災計画やマニュアルの見直しをお願いしました。
 総務省としましても、引き続き「緊急消防援助隊の大幅増隊」、「女性や若者の消防団への加入促進」、「庁舎の耐震化」などを進めてまいります。
 国民の皆様の命を災害から守るためには、災害情報を確実にお届けすることが大切でございます。特に御高齢の方々や外国人の方々に災害情報をお伝えするために、昨年「情報難民ゼロプロジェクト」を立ち上げました。そこで取りまとめました「アクションプラン」をしっかりと実行してまいります。
 ライフラインであります情報通信インフラの耐災害性の向上のために、「放送ネットワークの強靱化」を推進してまいります。

 第4の抱負は、「暮らしやすく働きやすい社会の実現」でございます。
 いよいよマイナンバー制度は、今年本格的に動き始めます。
マイナンバーカードを普及するために、「戸籍や住民票などの証明書のコンビニ交付」、「子育てワンストップサービス」、「地域経済応援ポイントの導入」などによって、カードの利便性を高めてまいります。また、マイナンバーカード交付遅延ということが昨年発生しました。この教訓を踏まえまして、J-LISのガバナンス強化に取り組んでまいります。
 女性活躍に向けまして、総務省は、特に「働き方改革」のトップランナーとしての役割を果たしてまいります。
 また、地方公務員の臨時・非常勤職員の任用、勤務条件については、昨年末の研究会報告を受けて、法制的な対応を含めて検討してまいります。
 郵政事業については、昨年、ゆうちょ銀行とかんぽ生命保険の限度額引き上げを行いまして、過疎地域にお住まいの皆様の利便を確保することができました。ゆうちょ銀行から申請されている新規業務の認可についてでございますが、これは長期間放置することはよくございません。金融庁で御検討いただいていると承知をいたしておりますが、認可をするにしても、しないにしても、しっかりと結論を出すことは重要でございますので、金融庁と連携しながら審査を加速させていきたいと思っております。

 第5の抱負は、「未来を拓く行政基盤の確立」でございます。
 国民の皆様の視点に立って、行政評価、行政相談を行うために、行政評価局の本省・地方を通じた組織・業務の抜本的見直しを行ってまいります。
 経済社会構造の変化に対応して、経済統計も再整備します。消費全般の動向を捉える新たな消費関連指標を開発するとともに、経済統計体系の再構築を図るために、公的統計の基本計画を見直し、新たな統計整備方針を確立してまいります。
 また、昨年の参議院通常選挙では、初めて「18歳選挙権」が実施されまた。その結果を踏まえまして、主権者教育について再検討して、投票率向上に向けた取組を進めてまいります。また、高齢化の進行を受けた投票機会の確保も非常に重要でございますので、これも検討の対象といたします。

 今月に開会されます通常国会は、昨年末に決定しました地方財政対策や税制改正大綱を実現するための法律案をはじめ、必要な法律案を提出する予定としております。成立に向けて最大限努力してまいります。
 総務省が対応すべき課題は多岐に渡りますので、今申し上げたことが全てではございませんが、国民の皆様の暮らしに密接に関わる幅広い総務行政に、総務省が持つ政策資源を総動員して取り組んでいくつもりでございますので、本年もよろしく御指導ください。ありがとうございます。

<郵便料金の値上げ>

問: 読売新聞の井戸田です。日本郵便について質問させてください。年賀状の発行の減少に象徴されますけれども、手紙離れが進んでいて、日本郵便の経営環境は必ずしもよくありません。一方、ユニバーサルサービスの維持ということが求められていて、そういう中で一部郵便物の値上げですとか、2日の年賀状配達中止ですとか、取り組んでいらっしゃいますけれども、その点、大臣はどう評価されているか。あるいは、また求めたいことがあれば教えていただけますでしょうか。

答: 昨年の12月22日に、日本郵便から料金見直しの届出がございました。
 今回の見直しは、郵便物が中長期的に減少する中で、郵便事業の収支改善を図るために、消費税率の改定による値上げを除いては、平成6年以来23年間据え置いてきました「葉書」の料金を値上げするということでございます。 その収支が大幅な赤字であることも踏まえますと、ユニバーサルサービスの安定的な提供という観点からも、必要な値上げだと考えています。
 確かに年賀状が減少傾向にあるということは、率直に残念です。年賀状は手紙文化を身近に感じていただける最大の機会でございます。そういうことから、今回の料金の見直しでは、年賀葉書の料金を据え置くなど、個人利用者にも配慮したものになっています。
 また、日本郵便では、ICTの進展を踏まえて、スマートフォンを活用した年賀状など、若い方々が身近に感じ、利用しやすい取組も行っておられます。
 年賀状も含めて郵便物数が減少傾向にある中で、日本郵便におかれましては、引き続き、経営の効率化、収益源の拡大、商品サービスの開発・改善に努めていただきたい。それによって、経営基盤の強化や利用者利便の向上に取 り組んでいただくことを期待しています。
 2日の年賀状配達のお休みにつきましては、相当効率的に年賀状の区分、配達の準備など、生産性を上げていただいた上で実行されたものだと思いますし、働き方改革の一環として考えられたものではないかと思っております。

<郵便局における証明書交付機の設置>

問: 通信文化新報の園田です。昨年の12月22日に発表された、「ワンストップ・カードプロジェクト アクションプログラム」で、郵便局にも証明書交付端末を新たに設置することを検討されていらっしゃるようですけれども、それについての大臣のお考えをお聞かせいただければと思います。

答: この「ワンストップ・カードプロジェクト アクションプログラム」でございますが、コンビニ交付サービス未導入の市区町村の参加促進のために、費用負担を緩和するための方策や、国民の皆様の利便性向上に向けた方策を盛り込んでおります。
 今、御質問いただきました「郵便局への証明書交付端末の設置の検討」についても、利便性向上に向けた方策の1つとして盛り込みました。
 具体的には、市区町村への設置スペースの無償提供や日本郵便による試行設置について、今後検討を進めていくことになります。
 地域の状況を見ますと、必ずしもお近くにコンビニがないというところもございますので、利便性の向上に資するものだと考えています。
 このアクションプログラムの後押しによりまして、コンビニ交付サービスを導入する市区町村が増加することで、マイナンバーカードの利便性を国民の多くの皆様に実感していただき、更なる普及促進につながっていくと思っております。

<マイナンバーカードに対する抵抗感の払拭>

問: フリーランス記者の上出です。明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

答: おめでとうございます。

問: 先ほど、抱負の中であった中から、マイナンバーカードについてちょっとお伺いします。マイナンバーについて、残念ながら私の周辺では、丸裸にされちゃうことの抵抗感、それから、無くてもいいんじゃないっていう感じで、現実にカードにしてる人がほとんどいないんです。そのへんの国民の抵抗感と、それから、使いやすさという点でも、実際1,100万枚ぐらいですか、カードがとどまっている。それについて、改めて大臣から御説明をお願いいたします。

答: 最初に皆様のお手元に届いたマイナンバー通知カードを、万が一紛失されたとしましても、税務関係の手続きにつきましては、マイナンバー入りの住民票などを取得していただくことによって対応できると思います。
 カードそのものを取得するかしないかは、これは自由でございますけれども、例えば、マイナンバーカードを紛失してしまったら大変なことになるじゃないかという御不安もあるかと思います。
 ただ、券面に印刷されている内容、住所ですとかお名前、性別等でございますけれども、これは、私自身、運転免許証を財布の中に入れて持ち歩いていますが、この運転免許証を紛失した場合も同じことになります。
 それから、公的個人認証やICチップの空き領域を活用したサービスを利用されたことや、新たにこれからさまざまサービスが出てくると思いますが、それらのサービスを利用されたとしても、クラウド上で情報管理され、カードそのものに情報は残りません。
 そして、各行政庁に管理されていた個人情報は、これからもそれぞれの行政庁が管理し、個人情報のやりとりにつきましては、個人のお名前や番号そのものを使うのではなくて、符号化されて対応するということでございますので、そうした意味では、万が一カードを紛失してしまったらどうするんだという不安にしっかり応えられるように、説明を尽くしてまいりたいと思っております。
 また、本当に紛失されたとか、盗難に遭ってしまったというような事態が生じたときには、マイナンバーカードの場合は、コールセンターに連絡しますと、全ての機能をワンストップで止めることができますので、こういった点についても周知をしてまいりたいと思っております。
 昨年は、せっかく申請していただいたカードがなかなか皆様のお手元に届かなく、各市区町村に届いたカードを住民の皆様にお配りするのが手一杯だった、そういう状況でございましたけれども、カードの交付をスピーディにやっていただくためのプランも総務省で立て、各市区町村で交付計画を立てていただいて、今、滞留分は解消しておりますので、申請されたら1か月以内にはお手元に届くという状況になっています。
 これからいよいよ7月の情報連携に向けて、もっともっと便利なカードにしていくことによって、多くの方々にその利便性を実感していただきたいと考えております。

<衆議院議員選挙区の区割り見直し>

問: 読売新聞の松下と申します。大臣、区割りについてお伺いします。16日から区割り審が選挙区の改定作業に入ります。今回の改定対象が100選挙区と過去の区割りから見ても大規模になっていて、市区町村が最も危惧する自治体内の選挙区分断も増える公算が高くなっています。何か大臣の御所見があればお願いします。

答: これは衆議院議員選挙区画定審議会(区割り審)で御議論をいただくことでございます。
 「改定対象選挙区の区割り基準」についても、区割り審で十分に御議論いただき、明確になっているものと承知をしております。
 その結果が出てきましたら、総務省として法律案にして国会にお諮りするということでございます。
 現段階で特に所見はございません。

問: よろしいですか。ありがとうございました。

答: どうもありがとうございました。本年もよろしくお願いします。


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