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2017年2月14日 記者会見

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〔冒頭発言〕

 皆様、おはようございます。
 今朝、官邸では、閣議と閣僚懇のみでございました。

【2月9日からの大雪等による被害状況等】

 2月9日からの大雪によりまして、5名の方がお亡くなりになり、また、多くの方が負傷をしておられます。お亡くなりになられました方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、ご遺族の皆様のお悲しみ、いかばかりかと存じます。お悔やみを申し上げます。
 今後、気温が上昇することも予報されておりますので、落雪などに引き続きご注意をいただきたいと存じます。

【統計改革推進のための実態調査の実施】

 統計改革推進のための実態調査の実施について申し上げます。
 総務省及び内閣官房では、昨日から、ホームページ上で「統計ユーザーのニーズに関する調査」と「統計調査の負担感・重複感の実態に関する調査」の2種類の調査を実施しています。
 これらの調査は、今般の統計改革を進めるために、とても大切な調査でございます。
 調査期間は3月3日までと短めでございますが、これは、調査結果やいただいた御提案・御意見を統計改革推進会議に報告して、活用する必要があるためでございます。
 総務省ホームページや政府統計の総合窓口(e-Stat)からもアクセス可能でございますので、是非とも多くの皆様に積極的な御提案・御意見をお寄せいただきたいと存じます。
 この詳細につきましては、政策統括官(統計基準担当)にお問い合わせをお願いいたします。
 私からは、冒頭以上でございます。


〔質疑応答〕

<ふるさと納税の返礼品についての対応>

問: 幹事社の読売新聞から、1問質問させていただきます。千葉県勝浦市のふるさと納税について質問します。勝浦市は現在、商品券について中止を含め、検討している段階です。総務省は昨年4月、換金性や資産性などの高い返礼品については自粛を求めています。改めて、自治体の返礼品について、総務省としての対応があればお願いします。

答: 「ふるさと納税」に係る返礼品の送付につきましては、地域の特産品のPRや地域の創意工夫を発揮する手段として評価する御意見がある一方で、地方団体間の競争が過熱したり、一部の地方団体において制度の趣旨に沿わないような返礼品が送付されていることは、問題であると認識しております。
 返礼品の送付は、そもそも「ふるさと納税」制度自体に組み込まれてはおりません。各地方団体が独自の取組として行っているものでございます。「ふるさと納税」制度の意義をしっかりと踏まえて、まずは、地方団体が自らの御判断と責任の下で、良識ある対応を行っていくことが重要だと考えています。
 総務省では、平成28年4月の通知におきまして、「ふるさと納税」の趣旨に反するような返礼品を行わないよう、地方団体に要請しております。
 しかし、この通知に照らして適切でない事例もございますので、個別団体の返礼品の見直しについて、担当部局が都道府県とも連携しながら働きかけを行ってきています。
 しかしながら、総務省としましては、まだ問題があると認識しておりますので、今後、個別団体への働きかけを強化します。加えて、地方団体からも、返礼品に係る動向を十分注視しながら、実情や御意見をお伺いしてまいりたいと思います。

<NTT鵜浦社長の決算会見での問題提起に対する考え>

問: 大臣、朝日新聞の上栗です。固定電話のユニバーサルサービス義務について伺います。先週の金曜日に、NTTの鵜浦社長が、今の若い人は固定電話を使わないと。先々まで固定電話がユニバーサルなのかは、しっかりとした議論が必要だという問題提起をされました。大臣の御所感と、何らかの見直しを行う可能性はあるかどうかということについてお伺いしたいのですが。

答: 現在の電気通信のユニバーサルサービスは、固定電話、第一種公衆電話、緊急通報が対象となっています。
 NTT東日本・西日本が提供している固定電話は、地域や高齢者の方々のライフラインとして、また、災害などの非常時の連絡手段としても大変重要でございます。
 このような固定電話は、全国あまねく提供され、安価な料金で、公平に安定的に提供されることが求められるサービスであると認識しています。
 他方で、携帯電話の普及もございます。将来的にどういったサービスが最低限のサービスとして低廉な料金で利用者から求められるのかについては、無線やブロードバンドの技術動向も見ながら、しっかりと見極めていく必要がございます。
 直接NTTから御意見を伺っておりませんので、今後、NTTからも御意見を伺ってまいりたいと思います。

問: 今の御意見を伺うというのは、何らかの意見聴取を行って検討に入る可能性があるということなのでしょうか。

答: 現段階で私が承知しているのは、鵜浦社長が会見で、議論が必要だとの認識を示されたとのところまででございます。
 これまでも、総務大臣に就任してから何度も、台風など様々な災害の時に、携帯電話の基地局も停波してしまったり、そういうときに固定の回線が生きていたり、また、その反対の場合もございます。
 様々な状況がございますので、今すぐに御要望に添えるものであるとは思っておりませんが、将来を見据えて最低限度のサービスとして必要なものは何であるのかは、考える時期であると思っております。

<日米首脳会談の成果(1)>

問: 共同通信の佐伯です。この週末に、トランプ大統領就任初めての日米首脳会談がありました。尖閣諸島への日米安保の適用などの成果があった一方で、為替や貿易問題などの難問が先送りになったとの批判もありますけれども、この会談について、大臣としてどのように評価されていますか。

答: 日米首脳会談において合意された日米間の経済対話に、インフラ、サイバー、宇宙分野での協力というものが含まれていることを歓迎いたします。
 日米両国は、昨年のG7情報通信大臣会合を始め、情報の自由な流通やサイバーセキュリティの確保など、情報通信分野において緊密に連携・協力をしてきました。こうした連携・協力関係を更に強化して、両国の全体としての関係強化に貢献できるように、総務省として、また、担当大臣として、しっかりと取り組んでまいります。
 なお、今回の総理訪米には、私の代理として、太田大臣補佐官に同行してもらいました。その際、太田大臣補佐官は、外国政府関係者としては初めて、私のカウンターパートでもございますFCC(米国連邦通信委員会)のアジット・パイ委員長と会談しました。
 既に就任祝いのお手紙をお送りしていましたが、会談で改めて、私から委員長への就任のお祝いを直接伝えてもらうとともに、5Gやブロードバンドの普及など、多岐に渡り意見交換をしてきてもらいました。引き続き、FCCとの協力を推進していきたいと思っております。
 経済分野については、政権発足後まもなくで、世耕大臣のカウンターパートもまだ決まっていないとのことで、麻生副総理と副大統領の間で、これから具体的な議論が行われるものだろうと思います。
 しかしながら、共同声明を読みますと、日本及び米国が、国内及び世界の経済需要を強化するために、財政、金融及び構造改革の3本の矢のアプローチを用いていくというコミットメントを再確認したとのことでございます。これはまさにアベノミクスで進めている3本の矢について、認識を共有したものであると評価できると思います。
 貿易関係についても、アジア太平洋地域における貿易及び投資に関する高い基準の設定、市場障壁の削減、また、経済及び雇用の成長の機会の拡大を含むものであるとのことで、日米両国間及び地域における経済関係を強化するとの文言が盛り込まれております。
 2国間の枠組みに関して議論を行うことは、これまでも日米で行ってきたものでございます。特にフロマンさんと甘利大臣が、苦労しながら様々な議論をしてこられました。
 2国間の枠組みに関して議論を行うことに加えて、日本が既存のイニシアティブを基礎として地域レベルの進展を引き続き推進することを含むとの文言も盛り込まれておりますので、私は、環太平洋におけるマルチの経済圏を構築していく中で、日本が主導的な役割を取れる1つのチャンスであると認識をしています。
 これから、副総理、副大統領間の議論にも、しっかり総務省として貢献していきたいと思っております。

<東京オリンピック・パラリンピックの会場整備費問題>

問: 共同通信の藤元と申します。2020年東京五輪・パラリンピックについてお伺いします。東京都以外の場所に整備される施設の費用負担につきまして、大臣の御見解をお聞かせください。

答: 先般、予算委員会でも答弁した内容になりますけれども、地方財政法第9条におきまして、地方公共団体の事務を行うために要する経費については、当該地方公共団体が全額これを負担すると規定されています。
 更に、地方財政法第28条2においては、地方公共団体は当該事務の処理に要する経費の負担を転嫁し、その他地方公共団体相互の間における経費の負担区分を乱すようなことをしてはならない、と規定されています。
 この地方財政法の規定は、地方公共団体にかかる経費負担の原則について規定したものですから、地方公共団体の具体的な経費負担については、原則を踏まえた上で、個々の事務の範囲や政策目的に照らして、具体的なケースに応じた判断が必要になると思います。
 東京オリンピック・パラリンピック大会の役割分担につきましては、今後、東京都、大会組織委員会、そして、内閣官房の3者を中心に協議が進められていきますので、その中で、東京都の事務の範囲も整理されるだろうと思っております。
 その結果、東京都の事務として整理されるものについては、その経費を東京都が負担したとしても、地方財政法上の問題は生じないと考えております。

<ふるさと納税の返礼品の取り扱いについての有識者会議などでの対応>

問: 産経新聞の大坪ですが、ふるさと納税の返礼品については法律で規定されているところと関係ないということなので、ガイドラインなどの対応は難しいと思うんですけど、マイナンバーカードの交付の遅れの関係で有識者会議を1回開いたと思うんですけど、そういった対応、有識者懇談会的な対応は、何かお考えはありますでしょうか。

答: 「ふるさと納税」制度という税制上の措置とは別に、返礼品については、地方公共団体が自主的に対応しているものでございます。そのため、総務省からはこれまでも「要請」という形を続けてまいりました。これは地方自治法の精神に則ると当然のことでございます。
 ただ、これまでも、一時所得としての税制上の問題が生じないようにということは申し上げてきました。
 もう1つは、せっかく「ふるさと納税」で寄附が集まってきても、返礼品のコストの割合が非常に高いことになると、多くの方々が寄せてくださったお金が地方公共団体の住民サービスのために十分に活用されないという問題もあるかと思います。
 そして、また、最近では、過疎地などにお住まいの方が、自分のお住まいの地域に払うべき税金を、他の地方公共団体に「ふるさと納税」されると、地域の運営に支障が出てきかねない状況もあるのではないだろうかとも思っております。
 あらゆる課題を一度洗い出し、適宜、有識者の方々や地方公共団体の実務者などの御意見も参考にしながら、課題がどこにあり、どのように改善できるのかを検討してまいります。その旨、既に職員に対して指示を行っております。

<日米首脳会談の成果(2)>

問: 関連で、日米首脳会談で1つだけお願いします。いろいろ成果はあったと思うのですが、一方で、安倍首相が主張すべきことは主張すると言いましたけれども、入国禁止のトランプさんの大統領令に対しては賛否がありまして、それに、もっと言うべきだという声もあるのですが、主張すべきというものには入らないという考えでよろしいでしょうか。

答: 報道で承知している範囲ですが、安倍総理がお答えになっていたとおり、他国の内政の問題である入国管理については、その国が主体的に判断すべき問題であるとのことで、あえてこの点についてはおっしゃらなかったと承知をいたしております。
 それ以上の詳しいことは、共同声明にある以上のことは承知いたしておりません。

問: それでは、大臣、ありがとうございました。

答: では、失礼いたします。


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