2017年5月23日 記者会見
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〔冒頭発言〕
皆様、おはようございます。
今朝、官邸では、閣議と閣僚懇のみでございました。
【統計改革の推進】
本日の閣僚懇におきまして、統計改革の推進について、官房長官をはじめ、各大臣から御発言がございました。
私からは、改革が円滑に進むよう、総務省及び統計委員会が担当する基幹的な改革や基盤整備を速やかに具体化すること、リソースを安定的に確保しつつ、各府省において改善努力を積み重ねることが不可欠であることなどについて、発言をいたしました。
今後、総務省といたしましては、
1.SUT体系への移行を中心としたGDP統計の改善、
2.ユーザー視点でのデータ利活用の推進として、一般の方が使える匿名データの提供や、オンサイト施設での調査票情報利用の拡充、
3.統計委員会の機能強化
といった取組の具体化について検討を進め、関係府省と連携しながら改革の実行に全力を尽くしてまいります。
私からは、以上でございます。
〔質疑応答〕
<個人住民税の特別徴収税額通知へのマイナンバーの記載>
問: 幹事社の日本経済新聞、根本と申します。幹事社から1問質問させていただきます。個人住民税の特別税収に関して、自治体が企業に送付する特別徴収税額通知には法令上マイナンバーを記載しなければならないにも関わらず、実際にはマイナンバーを記載しない市区町村があるという報道が出ています。大臣の御見解をお聞かせください。
答: 特別徴収義務者用の「特別徴収税額通知」にマイナンバーを記載することによりまして、特別徴収義務者と市区町村の間で正確なマイナンバーが共有され、個人住民税の税務手続きを通じて、マイナンバー法が目的としている「公平・公正な課税」につながることが期待されると共に、「事務の効率化」につながると考えています。
この「特別徴収税額通知」へのマイナンバーの記載は、マイナンバー法及び地方税法の規定に基づき、地方税法施行規則に定められた様式により、記載することとされております。よって、マイナンバーの不記載や一部記載は、法令上認められておりません。
法令に基づき「特別徴収税額通知」にマイナンバーを記載する必要があることにつきましては、これまでも通知を発出して周知を図ってまいりました。
しかし、マイナンバーを記載しない市区町村が見受けられますことから、先般5月18日に、自治税務局長名で改めて通知を発出し、各地方団体に対して適切に対応するように促しました。
地方税におけるマイナンバーの記載は、制度導入後間もないこともあり、引き続き、丁寧な説明に努めてまいります。
問: フリーランス記者の上出です。同じ質問をしようと思って、幹事社さんがされたので、補足で質問させていただきます。一部報道によりますと、名古屋市とか、中野区とかが入っているようでございますが、全国でいくつぐらいの自治体が、現在そういった記載をしていないかということ、もし分かりましたら。これが1点です。
答: 現時点で、「特別徴収税額通知」にマイナンバーを記載していない団体数は、特に把握をしてございません。
今後、マイナンバー記載に関する地方団体の対応状況をはじめ、課税実務の実情も伺いながら、地方団体に対して丁寧な説明を行ってまいります。
先般、報道もされておりましたので、局長に速やかに通知を発出するように指示をいたしました。
問: 関連してよろしいでしょうか。その際、市民団体などからも、マイナンバーがあまり好きではない従業員もいて、一方的にそれが、いろんな会社がありますから、そういうのが全部送られて、マイナンバーが記載されて漏れてしまうのではないかと、情報漏れの懸念があるということで、自治体の方は、要望される方との間、総務省との板挟みになっている状態もあるようです。
その中で、強制というか、かなり強い指導をされているのか、あるいは、ある程度自主性に任せて最終的には、罰則規定などないかと思うのですが、現実にはそれでトラブルが起きていないというふうには聞いていないのですが、そのへん、来年以降も含めてどのような対応で望まれるのでしょうか。現実にやっているというのは、どこまでやっておられるのか、強制に近いのかどうか。
答: 先ほど申し上げましたとおり、これは法令に基づくものでございますから、「特別徴収税額通知」にマイナンバーを記載する必要があるということにつきましては、マイナンバーを記載しない市区町村が見受けられるようでございますので、5月18日に自治税務局長名で改めて通知を発出いたしました。
これは、地方税において、マイナンバーの記載が制度導入後間もないことでございますので、まずは丁寧な説明に努めてまいりたいと思っております。
しかし、法令は守っていただかなければなりません。
問: 罰則自体はないですね。
答: はい。
<ふるさと納税の返礼品割合の高い返礼品>
問: テレビ東京の久保田と申します。前回にも似たような質問が出ていましたので、重複するかもしれませんが、ふるさと納税の4月1日に出されました通知の中で、「趣旨に反するような返礼品について」ということで、ちょっと御質問させてください。地域への経済効果の如何に関わらず送付しないようにというところで、家具ですとか楽器が例示として挙がっていますが、地方では、いわゆる家具の町として隆盛を誇ったような自治体があったりですとか、民芸品として楽器を作っているようなところもあったりして、実際取材を進めますと、地元への経済効果をものすごく期待して、このような町は返礼品を扱っているところもございまして、自治体にとってはかなり期待をしているというところもあるのですけれども、それでもやはり地元の経済効果如何に関わらずということで、一律に網をかけてしまうことについての、どうかという地元の戸惑いなんかもあるのですが、そのへんについてもう一度お願いできますでしょうか。
答: 地元の特産品を返礼品とされる自治体があることも、承知をいたしております。
しかし、もとより、返礼品送付は、「ふるさと納税」という税制上の措置とは全く別に、各地方団体独自の取組として行っておられるものでございますから、本来は、地方団体が自らの責任において、自主的に良識ある取組を行っていただくということが望ましいことでございます。
まず、「3割以下」という返礼割合についても様々な御意見がありますが、これは、
(1)地方団体から、国において具体的な基準を示してほしいという意見が多くあり、
(2)有識者からも、地方団体間で自主規制すべきだが、その動きがなければ国が基準を示すこともやむを得ない
という御意見がございまして、こうした動きを踏まえて、問題の大きな要因となっていると考えられる、特に「返礼割合が高い返礼品」を送付している地方団体に対して、少なくとも3割を超える返礼品については、速やかに「3割以下」とすることを求めたものでございます。
また、地場産品について、「地域への経済効果等の如何に関わらず、送付しないように要請した」とのことでございますけれども、私は、地場産業の振興が重要であるということは十分理解をしております。しかし、そうした施策というのは、返礼品としてではなく、ふるさと納税で得た資金の使い途として行っていただきたいと考えております。
<5Gの総合実証実験への期待>
問: 朝日新聞の徳島と言います。5Gの実証実験が総務省主導で、全国で、今年度開始されるのですが、改めてどういうところに期待されるかというところをお聞かせ願えますか。
答: 5Gは、3Gや4Gを発展させた「超高速」だけではなく、「多数接続」、「超低遅延」といった特徴を持ちます。まさに、次世代の移動通信システムでございまして、2020年の実現を目指して様々な取組を推進しています。
どのようなものが期待されるかということですけれども、5Gによって、例えば、スポーツ観戦におきまして、好きな視点から迫力ある映像を、これまでにない臨場感で楽しむことができるようになりますので、「スポーツの楽しみ方が変わる」というのも一つあると思います。
また、「超低遅延」という特徴によりまして、離れた場所から正確に建設現場の建機を遠隔操作できるようになりますから、例えば、自宅にいながら建設現場の施工管理を行うということなど、「新しいワークスタイルが可能になる」ようなことも期待されます。
先週、5G実現による新たな市場の創出に向けまして、様々な分野の関係者が参加する6つの実証プロジェクトを、東京だけではなく、地方でも実施することを発表しました。
総務省は、この実証実験を通じまして、5Gの早期社会実装に向けた様々な業界との連携を行いたいと思っています。そして、国民の皆様が5Gの利便性を実感していただけるような成果の積極的な発信も行ってまいりたいと考えております。
問: ありがとうございました。
答: どうもお世話様でございました。