令和元年10月1日 記者会見
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《冒頭発言》
皆様、おはようございます。
本日は、官邸で閣議・閣僚懇のほかに、観光戦略実行推進会議、TPP等総合対策本部がございましたので、会見時間が遅くなりまして、申し訳ございません。
【労働力調査結果】
本日の閣議におきまして、労働力調査結果について報告をしましたので、そのポイントを説明いたします。
8月の完全失業率は、季節調整値で2.2%と、前月と同率となりまして、約26年ぶりの低い水準で推移しております。
就業者数は、6,751万人と、比較可能な昭和28年以降で過去最多となりました。
また、15歳から64歳の就業率は77.9%と、本年6月及び7月と並び、比較可能な昭和43年以降で過去最高となるなど、雇用情勢は着実に改善しております。
詳細は、統計局にお問い合わせください。
【消費税率及び地方消費税率の引上げ】
本日より、消費税率及び地方消費税率が合わせて10%に引き上げられました。
閣議におきまして、私からは、消費税率の引き上げは、社会保障の充実や安定化、地方財政の健全化に寄与する意義深いものであり、地方公共団体においても、転嫁対策の推進や軽減税率制度などについて住民の皆様への積極的な広報を行うなど、取組を進めていただきたい旨、発言をいたしました。
今後とも、消費税率引き上げの円滑な実施に当たって遺漏のないよう、国と地方が一体となって取組を推進してまいります。
【令和2年国勢調査に向けて】
来年、令和2年10月1日は、5年に1度の国勢調査の調査日でございます。その1年前となる本日、私を本部長とする「令和2年国勢調査実施本部」を発足させます。
また、本日の閣僚懇談会におきまして、私から、実施本部の発足を紹介しますとともに、国勢調査の円滑で確実な実施に向けて各大臣にご協力をお願いいたしました。
実施本部の発足は、本日の午後を予定いたしております。
詳細は、統計局にお問い合わせください。
【改正電気通信事業法の施行等】
本日、5月に成立した電気通信事業法の改正法が施行されます。
改正法は、通信料金と端末代金の完全分離等を図り、利用者が通信料金による比較・選択と、事業者の乗換えをしやすくすることにより、公正な競争を促進し、分かりやすく低廉な料金・サービスの実現に資することや、販売代理店の事前届出制度を導入することにより、販売代理店の業務の適正性を確保することを内容とするものでございます。
また、本日、SIMロック解除に関するルールを定めるガイドラインの改正案について、パブリックコメントを開始いたします。
このガイドラインは、通信料金と端末代金の完全分離を進めていく中で、SIMロックに関する課題が顕在化してきたことから、割賦代金不払い等の恐れが低いことが確認できた場合には、端末販売時にSIMロックを解除することなどを定めるものです。
パブリックコメントを経まして、11月中旬を目途にガイドラインの改定を行い、新しいルールを運用してまいります。
また、ガイドラインの改正が行われるまでの間におきましても、利用者利益の保護を図る必要がありますので、事業者の皆様には適切な対応をとっていただくよう、本日、KDDIとソフトバンクに対して文書で要請を行います。
具体的には、両社が提供する端末の購入サポートプログラムにつきまして、通信契約の利用者以外が購入した端末を即時に使用できるよう、SIMロックに関する改善策を講ずることや、実質負担額に誤解が生じないよう「半額」の名称や広告表示の必要な見直しを行うことを両社に求めます。
これらの措置によりまして、モバイル市場の公正競争の促進を図り、国民の皆様が生活インフラである携帯電話を利用しやすくなったと実感していただけるように、しっかりと取り組んでまいります。
そのほか、本日、「電気通信サービスに係る総務省、公正取引委員会及び消費者庁の連携」についての報道発表や、「下取り中古携帯電話端末の流通実態調査」の結果の公表などを行いますので、詳細につきましては、総合通信基盤局料金サービス課にお問い合わせください。
【多言語音声翻訳コンテストの開催】
総務省が、国立研究開発法人NICT(情報通信研究機構)と共同で「言葉の壁」をなくすアイデアに関する「多言語音声翻訳コンテスト」を今年度も実施することとし、今日から募集を開始いたします。
いよいよ東京オリンピック・パラリンピック競技大会を来年に控えています。また、昨年の訪日外国人は3,000万人を超え、在留外国人は住民の50人に1人の割合に達しました。
地方も含む日本全体で、日々の生活や仕事などで外国の方々と交流する機会が増えまして、「言葉の壁」と向き合わなければならない状況の中で、多言語翻訳技術への期待が、ますます高まっています。
例えば、既に50万台普及した「ポケトーク」など、NICTの多言語翻訳技術を使った様々な翻訳端末や翻訳アプリが出てまいりましたが、まだまだ道半ばでございます。
さらに、誰もが身近に感じてもらえるようなサービスが必要でございます。
今回のコンテストを通じまして、大企業の製品だけではなく、新たな発想により多様な翻訳サービスが生まれて、「言葉の壁」の解消につながることを期待しています。
そして、最も優れた試作品には、本年度末に大臣賞を授与する予定でございます。
詳細につきましては、国際戦略局研究推進室にお尋ねください。
冒頭、私からは、以上でございます。
《質疑応答》
【消費税率及び地方消費税率の引上げ】
問: 冒頭ご発言もありましたけれども、今日から消費税率が10%に引き上げられました。引き上げ分には地方消費税も含まれておりますけれども、大臣の受け止めを改めてお願いいたします。
答: 今日の引き上げによりまして、地方消費税率は1.7%から2.2%に引き上げられます。地方交付税の原資も増えますので、地方の社会保障の充実や安定化、地方財政の健全化に寄与するものでございまして、地方団体にとって大変意義深いものだと考えております。
また、地方税制という観点で見ましても、地方消費税の充実は、偏在性が小さく、税収が安定した地方税体系の構築に資するものだと考えております。
ぜひとも、地方団体におかれましては、課税主体として、税率引き上げの意義や軽減税率制度について、住民の皆様に分かりやすく丁寧な説明を行っていただきたいですし、様々な場面で広報をお願いしたいと存じます。
【かんぽ生命における不適切な保険販売】
問: 昨日、日本郵政の方がかんぽ生命の不適切問題に関する中間報告を行いましたが、その内容の受け止めと、今後の総務省の対応についてご所見をいただければと思います。
答: 昨日、日本郵政グループから、乗換契約に関する契約調査の進捗状況と、今後の取組について会見が行われたようでございます。
総務省としても、これまで、事務方でございますが、昨日、日本郵政株式会社から報告を受けました。
具体的には、ガバナンスの強化、不利益を被った可能性のある契約の調査状況、不適切営業の原因分析や改善策などについて報告が出てきました。
報告書の内容が非常に大きいものでございますので、これから内容を速やかに精査しまして、その結果を踏まえて厳正に対処してまいります。
問: かんぽ生命の絡みで、NHKの番組が1度不正販売の問題を取り上げて、続編を放送しようとしていたNHKに対していろいろ働きかけがあって、結果的に続編が放送されなかったという状況があったと思うんですけど、1つは、そういう郵政側の働きかけで、元総務次官が主導的役割を担ったのではないかというような見方が強まっておりますけれども、これに対する受け止めを1つ伺いたいのですが。
答: 日本郵政からNHKへの抗議や申し入れの報道に関連しまして、総務省の元幹部の関与について報道されていることについては承知をしております。
ただ、私自身が事実関係を把握せずに、日本郵政グループと放送事業者との間の個別のやり取りについて、コメントを行うことは、差し控えさせていただきたいと存じます。
問: それと、NHK側の対応なんですけれども、経営委員会の方は上田会長への注意について、圧力ではないというようなコメントを発しています。他方で、NHKの執行部側は、結果的に去年は続編の放送は見送りました。こういった対応についてはどういうふうにご覧になっていますか。
答: 先ほどのご発言で、総務省の元幹部からの圧力を感じたかどうかは、私には知るよしもございませんし、放送事業者は自主自律の原則の上に立って、特にNHKは公共の福祉に資する放送を行わなければなりません。
NHKにおいて、国民、視聴者の皆様に対して、適切に説明をしていただくべき案件だと思っております。
【UPU(万国郵便連合)の臨時大会議】
問: 先週9月24日から26日に行われたUPU(万国郵便連合)の臨時大会議で、到着料の改革が行われました。アメリカのトランプ大統領が中国との貿易摩擦ということで、UPUを改革しなければUPUを脱退するというようなことで、世界的にも行方が注目を集めたと思うんですけれども、今回、日本の主導で脱退を免れた、しなくて済んだという決着に落ち着いたということで、日本の提案でタフ・ネゴシエーターのアメリカを、修正を加えながら、各国もまとめながら決着に至ったということで、日本の国際舞台へのリーダーシップを評価、あと、目時さんの選挙もありますし、今後の期待について伺いたいんですけれども。
答: 会議では、電子商取引時代に対応するべく、一定の上限等のルールの中、各国において、小形包装物の到着料を、自己申告で任意に設定できる仕組みに移行することが決定されました。
当初は、米国のUPU脱退の可能性が報道されまして、私も大変心配していたのですが、結果的には、脱退が回避されることになりました。
この結果につきましては、日本とフランスが共同提案した改革案をベースに議論が行われまして、その議論を通じて日本が積極的に歩み寄りを促すといった形で、我が国の貢献によるところが非常に大きかったと思います。
私は、山田真貴子総務審議官をはじめ、ジュネーブで活躍してくれた関係職員を誇りに思い、深く感謝をしております。
問: では、終わります。ありがとうございます。
答: お疲れさまでございました。