令和2年6月16日 記者会見
更新日:
《冒頭発言》
皆様、おはようございます。
今日は火曜日で、持ち回り閣議でございました。
冒頭、1件申し上げます。
【「ICTインフラ地域展開マスタープラン・プログレスレポート」の公表】
総務省では、5Gなどのインフラ整備支援と5Gの利活用促進策を一体的かつ効果的に実施するために、昨年6月、2023年度末を見据えた整備目標である「ICTインフラ地域展開マスタープラン」を策定しました。
策定から1年が経過したことを踏まえ、「プログレスレポート」として進捗状況を整理するとともに、今後の取組を取りまとめましたので、本日公表いたします。
今年度は、「マスタープラン」に沿った施策に加え、5G基地局やローカル5Gの導入促進のための税制優遇措置を導入するとともに、5G向けの周波数を拡充することとしております。
また、先日、令和2年度補正予算が成立しましたが、地域の光ファイバ整備を推進する「高度無線環境整備推進事業」について、予算規模で当初予算の約10倍と、大幅に拡充いたしました。
こうした取組によりまして、5Gや光ファイバの全国展開を、大幅に前倒しして進めてまいります。
特に、現在、新型コロナウイルス感染拡大防止のために、「新たな日常」が始まっていますが、遠隔教育や遠隔医療、またテレワークを支えるインフラ整備の必要性が、改めて認識されています。
私どもとしましては、国民の皆様が安心して生活ができるように、また、お仕事の場も学びの場も確保できるように、ICTインフラの全国展開を着実かつ迅速に進めてまいります。
冒頭、以上でございます。
《質疑応答》
【日本郵便及びかんぽ生命の社員による持続化給付金の申請】
問: 日本郵政グループの関係でお伺いします。日本郵便やかんぽ生命の一部の社員が、収入が減った原因が不適切な販売であるにもかかわらず、新型コロナ対策の持続化給付金を申請していたことが公表されました。一部の社員はまだ申請を取り下げていないということですけども、所管大臣の受け止めと、今後の対応についてお伺いします。
答: 持続化給付金の支給要件につきましては、経済産業省にお問い合わせをいただきたいのですが、一般論として申し上げますと、持続化給付金は、あくまでも新型コロナウイルス感染拡大により、特に大きな影響を受ける事業者のための給付金だと承知をしております。
日本郵便やかんぽ生命の営業自粛は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響というよりは、そもそも、不祥事がきっかけでございました。
本件につきまして、日本郵便及びかんぽ生命において、給付金の申請の有無に係る社内調査を実施されたということなのですが、営業自粛に伴う収入の減少は給付金の趣旨に合致しないにもかかわらず、約120名が既に申請を行い、このうち、日本郵便の社員10数名は取り下げや返還の手続を行っていないと聞いております。
日本郵政グループ全体としても、「毅然とした対応をとる」方針だと伺っておりますので、持続化給付金の趣旨に鑑み、適切に対応いただきたいと考えております。
【楽天モバイル(株)による周波数の変更】
問: 楽天モバイルについて伺います。先日、認証を取得していた設計と異なる周波数に対応していたとして、総務省から報告を求められましたが、この件についての大臣の受け止めと今後の対応について教えてください。
答: 楽天モバイル株式会社が販売しているスマートフォンの一部について、同社が、対応する周波数を変更したことに伴い、電波法に基づく認証基準に合致していないおそれが生じていると認識しています。
総務省からは、6月12日に、同社に対しまして、この製品の取扱いの状況について、利用者に影響が出ていないかといった観点から、電波法に基づく報告を求めたところでございます。
必要に応じて、厳正に対処をしてまいります。
ちなみに、報告期限は6月26日の金曜日でございます。
【格安スマホの通話料値下げ】
問: 格安スマホの通話料値下げについてお伺いします。先週の電気通信紛争処理委員会で、格安スマホの日本通信が、NTTドコモに借りている通話回線の利用料引き下げを求める主張が認められました。これについての受け止めと、今後の期待をお願いいたします。
答: 日本通信によるドコモの音声卸役務の提供条件に係る裁定申請に関して、2月4日に私が諮問した裁定案につきまして、6月12日の金曜日に電気通信紛争処理委員会から答申がございました。
答申の内容は、MVNOによる音声通信市場の競争を一層促進するため、ドコモの音声卸役務の料金について、適正な原価に適正な利潤を加えた金額を超えない額とすべきとした裁定案を「妥当」と判断するものでございました。
総務省の主張につきまして、概ね理解が得られたと認識しております。
この度いただいた答申を踏まえて、速やかに裁定を行いたいと存じます。
【特別定額給付金】
問: 特別定額給付金について伺います。DVの被害者や路上生活をされている方など、現住所と住民基本台帳に乖離がある方々についての支給状況を伺います。併せて、まだお手元に届いてない方々へのアプローチについて、何かお考えがあればお願いします。
答: DVを理由に避難しておられる方の中には、事情によって、今お住まいの市区町村に住民票を移すことができない方々がおられます。
このため、総務省としては、DV被害者支援団体のご協力も得て、DVを理由に避難している方に、その旨をお住まいの市区町村に申し出ていただくことによって、その方をお住まいの市区町村の支給候補者リストに追加し、その後は通常と同様の方法により申請を行っていただくことで、実際の居住地である市区町村から給付金を支給しております。
こうした対応の実際の状況について、関係省庁とともに一部の市区町村や関係団体に聞き取りをしましたところ、「婦人相談所やDVセンターが発行する証明書に加えて、市町村や民間シェルターなどで確認書が発行されることにより、スムーズな事前申出手続ができた」、「関係機関や関係団体の協力により対象者への周知も進み、避難している方への給付は順調に進められている」といったお話がございました。
避難されている方については、まずは速やかに、今お住まいの市区町村の窓口に相談をいただくようにお願いしたいと存じます。
路上生活者の方でございますけれども、特別定額給付金は、仕組みの簡素化、給付の有無の確認、二重給付の防止を図る観点から、住民基本台帳の情報に基づいて給付を行うこととしております。
いずれの市区町村にも住民登録がない方につきましては、まずは、現に居住している市区町村において住所の認定を受け、住民登録されることが必要となります。
この場合、現に住居を得て住民登録を行えていない方でも、自立支援センターなどが生活の本拠たる住所として認定される場合があるといったことなど、個別具体の事案に即し、市区町村長が生活の本拠たる住所として認定できると判断した場合には、住民登録ができて、給付を受けていただくことができます。
まだ住民登録を行えていない方につきましては、円滑に住民登録を受け、給付金を受けていただけますように、市区町村からの相談を受けつつ、私たちも必要な対応を行ってまいりたいと存じます。
【地方制度調査会の答申】
問: 地方制度調査会の答申が間もなく出るかと思います。広域連携の在り方については、当初の想定と少し違った答申内容になるかと受け止めていますが、今後の議論の方向性について、大臣のお考えを伺えますでしょうか。
答: 広域連携に関しては、答申案におきまして、「定住自立圏・連携中枢都市圏の取組について、今後は、合意形成が容易ではない課題への積極的な対応や取組内容の深化が必要であるということ」、「これらの取組以外でも、様々な市町村間の広域連携によって、生活機能を確保していくことが必要であって、関係市町村に発生する需要について、適切な財政措置を講じる必要があること」といった考え方が示されたと承知いたしております。
「当初想定されたものと違うのでは」というお尋ねでございますが、先般来、「圏域というものが抜けているのではないか」という報道をいくつか私は目にしたのですが、地方制度調査会においては、これまでも「圏域」という新たな行政主体を設けようとする議論はなされていないと承知をしております。
今後、総会を経て答申が取りまとめられましたら、答申の趣旨を踏まえて、適切に対応してまいります。
【マイナポイント事業】
問: 総務省が進めているマイナポイント事業で、委託されている社団法人が実務の多くを電通に委託していて、また、電通から再委託、再々委託されていることがわかりました。持続化給付金の事業と構図がかなり似ていて、持続化給付金では不透明さや仕組みがわかりにくいということが指摘されていますが、マイナポイント事業の委託状況に関して、大臣の問題認識や受け止めがあれば教えてください。
答: 手続については公正に行われており、私は何の問題もないと考えております。
マイナポイント事業につきましては、キャッシュレス決済事業者の審査などの事務局機能を担うための補助金として、SII(一般社団法人環境共創イニシアチブ)へ約350億円の交付決定を行っております。
このSIIが、電通へ約139.7億円、野村総合研究所へ約11.2億円、一般社団法人ビジネス・エンジニアリング・センターへ約1.6億円、マイキーID設定支援委託のため、郵便局やコンビニなどに約93億円の委託を行っております。
これは、電通に丸ごと委託しているのではなく、今ご説明した数字を計算すると、電通への委託割合が約40%程度となります。役割に応じてそれぞれの委託先が選定されたと理解しております。
公募をする時に、最初から、こうした連携体制のもと事業を実施していくというご提案がありまして、外部審査委員会において、全体として事業実施に必要な体制を有していると判断されたことを踏まえて、SIIを採択したものでございます。
したがって、適切な手続によって採択されたと私は考えておりますが、必要でしたら、このあとマイナポイント施策推進室長から詳細を説明させます。
【五輪聖火の地方展示】
問: 五輪の聖火についてお伺いします。先日、組織委員会が聖火の一般公開を再開すると発表しました。もともと聖火リレーがない地域での展示を大臣が提案されていたかと思いますが、今後の展開と、五輪が1年延期になった中で実施する意義について、改めてお考えを伺います。
答: 新型コロナウイルス感染症の今後の状況や影響は見通せません。
しかしながら、そんな中で、聖火の地方展示は、新型コロナウイルス感染症によって地域経済や住民生活に大きな影響が生じている地域の元気を取り戻すことにつながると期待いたしております。
現在は、東京2020組織委員会と協議しながら、展示方法や開始時期、事業期間などの具体的な検討を進めております。
そういう段階でございますので、引き続き組織委員会と連携協力をしながら、検討を進めていくということでございます。
【公職選挙法の改正】
問: 今国会で、町村長、町村議選の候補者が使う車やポスターを公費で負担するという改正公選法が成立しました。議員のなり手不足が指摘されていますが、大臣の期待や受け止めをお願いします。
答: 今回の公職選挙法改正は、町村会及び町村議長会からのご要望を受けまして、町村長及び町村議会議員選挙において、選挙運動用自動車の使用、選挙運動用ビラの作成、選挙運動用ポスターの作成の3点を、条例による選挙公営の対象とするととともに、町村議会議員選挙において、選挙運動用ビラの頒布の解禁と、供託金制度の導入を図るものでございます。
各党各会派でのご議論を経て議員立法で提出され、8日に参議院本会議で可決・成立しました。
これによって、町村の選挙における立候補に係る環境の改善が図られることを期待しております。
総務省としましては、各自治体に対する改正内容の周知啓発に取り組んでまいります。
問: そのほか、ございますでしょうか。では、これで記者会見を終わりにさせていただきます。ありがとうございました。
答: よろしいですか。では、お疲れさまでした。