令和6年4月12日 記者会見
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1.発言要旨
経済安全保障担当大臣として報告を申し上げます。
本日、重要土地等調査法に基づく第4回目の区域の指定を行い、官報で公示しました。
今回指定したのは、28都道府県に所在する区域で、注視区域151か所、特別注視区域33か所の合計184か所です。
公示日、すなわち本日から約1か月の周知期間を設け、5月15日から、区域指定を施行いたします。
今回をもって区域の指定は一旦終えて、全国各地で、土地・建物の利用状況調査を進めてまいりますが、実効的に、また効率的に実態把握を進めて、機能阻害行為を防止すべく、万全を期してまいります。詳細につきましては、重要土地担当の参事官にお尋ねください。
2.質疑応答
(問)宇宙やフュージョン、AIなど、大臣がこれまで積極的に戦略等の策定に取り組んできた先端科学技術分野ですが、日米協力の枠組みが進展しています。これについて大臣の受け止めをお願いします。
(答)日本だと一昨日になりますか、日米首脳会談が行われまして、共同声明「未来のためのグローバル・パートナー」が発出されました。
その中で、共同声明やファクトシートに取り上げられている科学技術分野の日米協力に関しまして、今おっしゃっていただいた宇宙に関しましては、「アルテミス計画」において、日本人宇宙飛行士による、米国人以外で初の月面着陸を目指すとともに、日本が有人与圧ローバを提供していくということ。
それからフュージョンにつきましては、日本初の「フュージョンエネルギー・イノベーション戦略」を策定し、また先月に「J-Fusion」も発足ということで歩みを進めてまいりましたが、日米戦略を踏まえまして、研究開発や人材育成に加えて、規制の枠組みやサプライチェーンについても協力を強化していくことになると思います。
それからAIについては、AIの安全性評価の確立に向けて、これも「AIセーフティ・インスティテュート」を設立しましたから、日米間でしっかりと連携を強化していくことになると存じます。
その他にも量子やバイオ、マテリアルなど、重要分野における共同研究開発の促進、またスタートアップに関する協力も盛り込まれております。
我が国の安全保障、経済安全保障の基盤となります科学技術分野について、米国との協力を進化させるとともに、日本のプレゼンスを向上させていきたいと思っております。
(問)正に先ほどのお話の中で、日本人が、宇宙飛行士2人が月面に行くということがあったと思いますけれども、日本人が月に行って果たすべき役割や意義とは何なのか、改めてお伺いします。
(答)日本人宇宙飛行士が月面で果たすべき役割ですけれども、まずは月面というフロンティアの開拓ということだと思います。一昨年、官邸でのISSとの交信イベントで、若田光一宇宙飛行士から「職業宇宙飛行士の使命は、フロンティアの開拓」というお話があって、その言葉はとても印象に残っております。
やはり、世界において我が国のプレゼンスが向上する。そして、日本国民の皆様の誇りにもつながる。それから、人材育成。これから宇宙利用を進めていくことに対する御理解も深まっていく。そういうことになるのではないかと思います。
月面への着陸や探査ということになりますと、これは様々な挑戦的な技術開発が必要でございますので、日本の科学技術の発展、またさらには産業の創出にもつながっていくと思っております。
今後、「アルテミス計画」の中で、日本人の宇宙飛行士がどのような活動を月面で行うのか、それから日本が提供する有人与圧ローバをどのように活用していくのかについては、さらに検討が深められていくのだと思っております。
(問)この関連なのですが、今回の実施取決め文書ですと、日本の追加の貢献次第で3回目以降の月面着陸の可能性も明記されました。一方で今回、日本が提供するという有人与圧ローバの開発については、かなりの費用がかかるとも言われています。3回目以降の月面着陸の機会を得るのはかなり、そんなに簡単ではないのではないかなと思うのですが、今後の追加の貢献のために、日本はどのような方向性を歩むのが望ましいか、大臣のお考えを教えていただけないでしょうか。
(答)今回の2名の飛行士というところに至るまでも、相当交渉がございました。その上で、まずは我が国が提供する有人与圧ローバを10年の運用期間にわたって、しっかりと運用していくことが重要だと考えております。
それから先日、「宇宙技術戦略」を策定いたしましたが、あそこに掲げたような日本が強みを有する技術、例えばSLIMの技術を高度化して、月の極域にピンポイント着陸して水資源を開発する。水資源関連のデータを取得していくというような取組。それから月を周回する衛星での測位システムというようなこと。測位は日本が強い分野でもございます。
そうしますと、技術の力によって貢献と信頼を積み重ねていくことが、私は日本が歩むべき方向性だと思っております。