令和5年7月7日 記者会見
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1.発言要旨
冒頭発言なし
2.質疑応答
(問)最近、水素社会の実現に向けて高温ガス炉に注目が集まっていますが、高温ガス炉については、日本は技術的には先行していて、世界最高の性能でありますが、ただ実用化については海外と比べて遅れているのではないかという指摘があります。特に、JAEAの高温ガス炉を当時設計、建設の中心になった人たちは、もう引退してしまっていて、そうした人たちからの技術の継承も含めて、今後の実用化に向けてどのように取り組んでいくのか教えてください。
(答)非常に重要な問題だと思います。
内閣府の原子力委員会で、御承知のとおり、原子力利用に関する政府としての長期的な方向性を示す羅針盤となります「原子力利用に関する基本的考え方」を2月に取りまとめて、これを尊重する閣議決定がございました。
この「基本的考え方」の中で、高温ガス炉を含めた革新炉については、それぞれの固有の課題への対応や国内のサプライチェーンの維持・強化を重要な課題として挙げております。
この革新炉を含めた我が国の原子力サプライチェーンの維持に当たっては、まさに人材の枯渇や知識・技術の継承への不安が生じております。革新炉導入の検討に際して、国は産業界と連携し、サプライチェーンの階層ごとの、様々な課題やニーズに応じた支援を行うことが必要であるとしております。
ですから、原子力委員会を所管する担当大臣の立場で申し上げますと、御指摘の高温ガス炉を含めた革新炉開発については、エネルギー安全保障及びカーボンニュートラル達成の観点からも非常に重要だと考えております。
日本が先行している高温ガス炉の研究開発が実用化され、世界をリードしていくためにも、政府として人材の確保・育成、そしてまた知識・技術の継承、これを含めて課題やニーズに応じたきめ細かな対応、支援をすることが必要でございます。