令和5年3月10日 記者会見
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1.発言要旨
冒頭発言なし
2.質疑応答
(問)いよいよ国産量子コンピューターが動き出そうとしているのですが、大臣としては、この国産量子コンピューターに対して、どのような期待をされているのでしょうか。
(答)量子技術は、将来の産業や社会を大きく変化させる革新技術でございます。経済安全保障の観点におきましても、我が国が保有しておくべき重要な最先端技術だと考えております。近年、量子産業をめぐる国際競争が非常に激しくなってきているなど、外部環境が変化してきております。そういう中で、我が国における将来の量子技術の社会実装や、量子産業の強化を図るために、令和4年4月に「量子未来社会ビジョン」を策定しました。
このビジョンでは、2030年までに「量子技術による生産額50兆円規模」という目標を掲げておりますし、国産量子コンピューターにつきましても、初号機を令和4年度に整備するとしております。今般は理化学研究所が開発する国産量子コンピューターがようやく稼働することになりましたが、これを機に材料やエネルギー分野における生産性向上や新産業の創出の実現、また量子技術の利用者1,000万人への増加、ユニコーンベンチャーの創出に大いに貢献することを期待いたしております。楽しみです。
(問)大臣の、放送法の政治的公平に関する補充的説明とされる答弁についてお伺いします。総務省の公文書で、解釈を確定させる過程が明らかになっていますけれども、大臣はこの解釈を確定させる過程、このような形で答弁を確定させたことについては、今でも正しかったとお考えでしょうか。
(答)私は当時、放送法を所管する大臣として、政治的公平に関する数多くの質問に対して国会で真摯にお答えをしてまいりました。一つ一つ丁寧にお答えをしてきたつもりでございますので、これまでの国会の議事録を御覧いただければ、よく御理解いただけると思っております。
(問)政治的公平の解釈については、これは報道機関と、特に政治権力側との緊張関係が生まれる極めて重要な解釈だと思うのですが、その解釈について国会や有識者の議論がなく、特に政権幹部の政治家が主導して、あのような解釈が成立していく過程については、問題があるのではないかという指摘もあると思うのですが、あのような過程を辿ったことについては、大臣は今どのようにお考えでしょうか。
(答)国会の御質問を受けて、私が答弁をしたということでございます。国会での議論なくではなく、随分長く議論をされてきた。一つ一つ、放送法の解釈について、私は丁寧に答弁をしてまいりました。その上で、与党議員から御質問を頂きましたので、前の夜も原課から来た答弁案に目を通して、そして少し疑問を感じたところについては説明資料を頂いて、その上で、自分で責任を持って判断して答弁をさせていただきました。
(問)H3ロケットの関係でお伺いします。結果はとても残念なものにはなってしまいましたが、今回の失敗が今後の宇宙政策に与える影響について、大臣はどのように考えられているのかお願いします。
(答)H3ロケット試験機1号機の打上げが失敗に終わったことは、大変残念に思っております。宇宙政策を担当する大臣としては、今回の失敗を真摯に受け止めながら、JAXAや文部科学省と連携して迅速に原因を究明して対策を講じてまいります。
今後の宇宙政策への影響でございますけれども、H3ロケットが、我が国の自立性確保と国際競争力確保のために重要な基幹ロケットであることには変わりございません。原因究明や対策の検討状況も踏まえながら、宇宙政策委員会の有識者の御知見も頂きながら、関係府省とも調整をしなければなりませんが、今年の夏を目途に「宇宙基本計画」の改定と「宇宙安全保障構想」を策定するための検討を進めていく方針には変わりございません。
(問)放送法の解釈についてですが、大臣は、公文書の大臣の発言については捏造だとおっしゃっていますが、あれが公文書であることは総務省も認めていまして、そうすると総務大臣の発言について、総務省の官僚が捏造したという大臣の主張になるかと思うのですが、その点については大臣の監督責任はどのようにお考えでしょうか。
(答)行政文書については、その内容の正確性を確保することは大変重要でございます。恐らく、いわゆるモリカケ問題とか、そういったことで行政文書への信頼も失われたことから、平成29年に公文書の取扱い、作成ルールなどについてのガイドラインが定められました。
今回、総務省が公表された行政文書につきましては、既に松本総務大臣が御答弁されておりますが、「公文書等の管理に関する法律に定める定義に合致するということで、行政文書として公表することとした。しかし、相手側からの確認を取るなど、正確性を期する手順が取られていないことが判明している、また関係者から既に聞き取ったところによれば、認識が異なるものも判明していて正確性が確認できないものがある。」このようにおっしゃっているということでございます。
当時、私が大臣であった総務省に、正確性が確認されていない文書が保存されていたことは、新しいガイドラインができる前のことであっても、大変残念に思いますし、当時の大臣としては、総務省の行政全てに責任を持つ立場でございますので、責任を感じております。大変申し訳ないことだったと存じます。