2014年9月12日 記者会見
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〔冒頭発言〕
皆様、おはようございます。といいましても、もうお昼前でございますが。
本日は、朝から官邸で沢山会議がございました。宇宙開発戦略本部の会合、原子力災害対策本部の会議、まち・ひと・しごと創生本部の会合、そして閣議、閣僚懇談会がございました。
【DV被害者などの保護の徹底】
今週、各都道府県の住民基本台帳担当部長、そして各指定都市住民基本台帳担当局長宛てに、当省から発出をいたしました文書がございます。
DVであったり、ストーカー行為、児童虐待などの被害者の方々を守るために、平成16年に住民基本台帳の情報や住民票の写しなどが加害者の手に渡らないようにということで対策をしたものでございます。
また、今年の6月にも、各地方自治体で十分御留意いただくべく、文書を発出したと聞いているのですけれども、しかし、この夏にも交付請求をした加害者を、被害者と取り違えてしまったということで、大切な住所の情報が出てしまい加害者に知られてしまう、こういう事実が発覚しました。
特に、各自治体におきましては人事異動もございます。そんな中で、政府から様々な事例も挙げ、こういう対応をしてくださいということをお願いをしていたのが、うまく引き継がれていないようなケースもあるかと思いましたので、再度しっかりと徹底をしていただく、被害者の保護を徹底していただくための文書を9月10日付けで発出させました。
私からの報告は、以上でございます。皆様から何かございましたら、よろしくお願いいたします。
〔質疑応答〕
<経団連の法人税改革に向けた提言>
- 問: 幹事社から1問お尋ねします。経団連が先日、法人税改革に向けた提言を発表しました。法人税の実効税率を15年度にまず2%以上引下げ、17年度をめどに20%台にするよう求めた内容ですが、大臣の受け止めをお聞かせください。
- 答: 6月に閣議決定されました「骨太の方針」では、来年度から数年で法人実効税率を20%台まで引下げることを目指すということになっております。また、その財源は課税ベースの拡大等による恒久財源を確保するということになったところでございます。
この法人税改革そのものにつきましては、日本の立地競争力を強めていく、強くすることによって地方でも雇用を拡大していく、その一助になるものです。特に日本を世界で一番企業が活動しやすい国にしていくことは、雇用と所得の増大に向けた、大切な取組であると思っております。
一方で、法人税収の多くが地方の財源でございますので、地方財政に穴を開けるわけにはまいりません。ですから、法人実効税率の引下げそのものには、当然賛同するものでございますけれども、外形標準課税の拡大などの改革を進めたいと考えております。
経団連からの御意見は御意見として理解をいたしましたけれども、やはり数年間かけてといった政府の方針に変わりはないと承知いたします。
<固定資産税の徴収過多>
- 問: すみません、フリーランスの小川裕夫と申します。よろしくお願いします。最近なのですけれども、地方自治体がですね、固定資産税を巡る徴税過多と言いますか、取りすぎで破産者なんかも出てきているのですけれども、それを発露としまして、いろいろな自治体でも、そういった税金の取立てというのが、見直しが行われた結果、幾つか、幾つかというか結構多数のところで徴収過多というのが見つかっているのですけれども、そうした面に関しまして総務大臣として何か御見解がありましたらお願いします。
- 答: これも実は、先ほど申し上げましたDV被害者などの保護が十分なされていないという件と同じような時期に、報道されたことでもございました。
そういう事案が続いているということについて、大変重く受け止めておりまして、これまでにも固定資産税について事務的なミスがあり、結局、せっかく苦労して手に入れられたお家を手放す、こういった被害も出ており心を痛めておりましたので、これも、既に省内に指示をいたしております。
各地方に対して、徴税事務適正化の徹底、既にこういうケースが起きていますとか、このように注意してくださいという文書は、過去にも総務省から出ておりますので、これもまた、人事異動などで次の人達がよく理解していないというようなことがあったり、研修会も実施をしているのですけれども、その結果がしっかりと伝わっていないという問題があると思いますので、再度、徹底をするようにという指示をいたしました。
文書については、今、担当部局で検討中でございます。
<朝日新聞社長の記者会見(1)>
- 問: 朝日新聞の岡村です。弊社のことで恐縮なのですけれども、弊社の社長がですね、昨日、吉田調書問題、慰安婦等でですね、謝罪撤回ということをしたのですけれども、大臣の率直な受け止めをお聞かせ願えますか。
答: 御社の社長様が、昨日記者会見をされたことは、承知いたしております。ただ、記者会見全部を私は拝見することができませんでした。その後の報道などで拝見したのですけれども、一つは、間違った記事だと判断したというコメントをされて、記事を取り消される意向を表明されたと、このように理解をいたしております。
個別の報道機関の報道内容の是非について、政府としてコメントするということについては差し控えとうございますけれども、誤った記事であったら、それをまた紙面で訂正していかれることだろうと思いますので、それを期待いたします。
<極右団体代表との写真>
- 問: IWJの平山と申します。よろしくお願いいたします。ちょっと恐縮なのですけれども、極右団体の代表のですね、男性とのツーショット写真の件についてお伺いしたいのですけれども、大臣は先日、どんな人物かは不明だったとコメントを発表されていらっしゃいますが、欧州のメディアがですね、相次いで批判的に報じたりですとか、米国のサイモン・ウィーゼンタール・センターもコメントを発表するなど、そういった事態になっています。
中国、韓国との首脳会談が開かれないなど、歴史認識と外交をいかに折り合うかということがですね、安倍政権の課題かというふうに思うのですけれども、今回のですね、件が、諸外国との外交に、どのような影響を与えるとお考えになるかを、御見解をお聞かせください。
- 答: 今回の件は、私にとりまして、率直に申し上げて不可抗力であったと存じます。
御迷惑がかかったとしたら、大変申し訳ないことでございますが、政治家、特に国会議員の仕事をしておりますと、全国各地に出張にも参ります。同僚議員のパーティーにも参ります。そんな中で、全く知らない方から写真撮影を求められることは、ほぼ毎日のようにございますし、週末などでも、電車に乗っていても、電車の車内で、また、駅を歩いていても、駅でですね、全く知らない方から、ちょっとスマホで一緒にいいですかと言われることはございます。今まで、お断りしたことは一度もございませんでした。
そもそも不適当だと思われる団体の方からアポが入っても、絶対に会いませんし、一般的な方で、初対面の方につきましては、自民党所属のいずれかの国会議員の選挙区にお住まいの方でしょうから、写真を一緒にと言われたら、一度も断ったことはございませんでした。
今回、報道されたことは、まず最初に、一つの外国メディアが報道されたと承知しているのですが、それを、こちらのクラブからだと思うのですけれども、お知らせを頂きました。それで、その写真を私が見ても、それが誰か分かりませんでした。
稲田政調会長や西田先生のお名前も出ていたというふうに聞きましたので、3事務所で協力をして、これが一体誰なのかと特定をする作業、相当秘書たちは苦労をしました。当該の年月、その月に3事務所に共通して訪れた客は誰かということまで調べました。私の事務所は、過去数年程度でしたら、私自身の日程というものは、全てまだパソコンに残っておりますので、それらを突き合わせましたところ、共通して訪れたのは月刊誌の取材であったということが分かりました。
また、うちの事務所で誰か知り合いのお客さんが見えて、カメラを持って無いから写真撮ってと言われたような場合でしたら、うちの秘書が撮りますから、記録がデータか何かに残っていると思うのですが、それもありませんでしたので、大変苦労して3事務所で調べましたら、『撃論』という月刊誌のインタビューを三人とも同じ月に受けたということが判明いたしました。
そのときの状況なども、3事務所でどうだったのだろうということで記憶をたどりました。私自身はおそらく、編集長さんなどと名刺交換をしていると思うのですけれども、ただ、雑誌にしても、テレビにしても、インタビュー取材に来られるとき、大体スタッフ4、5名で来られます。編集部の方、インタビュアーがライターや有識者の場合はその方、後、カメラマンの方、また、照明の方とか様々来られますので、後の方については名刺も交換してないし、承知をいたしておりません。
その中の一人から写真を撮ってくれと頼まれて、断る理由はございません。まず、マスコミ、報道機関であるということで、こちらは信頼をいたしておりますので。ですから、今回の報道で本当にびっくりいたしましたし、もしも、その方の所属団体なり、また、思想・信条なりが分かっていたら、決してお会いもしなかったし、写真も撮らなかった方だと思っております。
朝日新聞社長の記者会見(2)
- 問: 読売新聞の小野です。すみません、先ほどの朝日新聞社さんの話に戻るのですけれども、いわゆる従軍慰安婦の問題に関して、朝日新聞社さんは第三者委員会を設置して検証しますというお話を、昨日、社長さんはされていましたけれども、これは大臣のお立場としてはちょっと答えにくいかと思いますが、第三者委員会でなく、国会なり、自民党なりへの説明などが必要かどうかということについては、どうお考えでしょう。
答: 大臣の立場としては、国会の運営は、国会の方でお決めいただくことですし、今、党の役職も離れておりますので、党でお話を聞きたいということが出てくるのかどうか、それは承知をいたしておりません。
問: それに関連してもう1問。フリーランスの小川裕夫と申します。先ほどの吉田調書の件なのですけれども、大臣は記事の取り消し等について、政府としてのコメントはありませんというふうにおっしゃったのですけれども、その一方、安倍総理大臣がラジオなどで、特定の名称は出してないのですけれども、それを批判するような発言をされておりまして、これ、政府としてはちょっと歩調が取れていないような気がするのですけれども、報道の独立という面において、主務大臣である大臣としては、安倍総理の発言についてどう思うか、もしくは、政府の姿勢としては、どういうふうにお考えであるのかというのを、お伺いできればと思います。
答: 政府全体としてのスタンスにつきましては、官房長官がお話になることであろうと思います。
しかしながら、先ほど申し上げましたとおり、昨日の記者会見でですね、吉田調書につきまして、間違った記事だと判断したとコメントをされ、そして、記事を取り消す意向を表明されたと、こう承知をいたしておりますので、新聞、紙媒体で発表されたことにつきましては、やはり新聞紙上できちっと取り消しをしてくださるのだろうということを期待いたしております。
第三者委員会の設置ですとか手法につきましては、それぞれの報道機関が主体的に判断をされることだろうと思っております。
- 問: 日経新聞の飯塚と申します。地方経済のことで1点お伺いしたいのですが、円安が、6年振りの円安水準となっておりますが、この地方経済への影響について、大臣、どのように考えていらっしゃいますか。
答: 基本的に、政府として、為替についてはコメントをしないということになっていると承知をいたしております。
円安について、一般論で言いますと、輸出関連企業に対してメリットはあるでしょうけれども、一方で、様々輸入されているもの、特に今、地方では、農林水産業でも油が大変高い、また、ガソリン価格が高い等々の大変な状況がございますので、適正な水準で為替が維持されるといいなと、こう期待をいたしております
問: ありがとうございます。
- 答: はい、では、どうもお疲れ様でございました。