2014年11月21日 記者会見
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冒頭発言
皆様、おはようございます。
今朝も、官邸で、閣議、閣僚懇がございました。
【NHKの平成25年度決算等】
NHKの平成25年度決算を国会に提出すること、同年度の業務報告書に総務大臣の意見を付して国会へ報告することの2件について、閣議決定を行いました。
業務報告書に対する総務大臣の意見については、「おおむね所期の成果を収めた」とする一方、国民・視聴者の信頼と多様な要望に応える質の高い番組の提供、外国人向けテレビ国際放送の強化、4K・8Kの推進等について、引き続き積極的な取組を進めていただきたいとしております。
【安倍総理のヤンゴン中央郵便局視察(1)】
それから、現在、日本とミャンマーの郵便分野での協力が進んでおりまして、日本郵便の専門家による技術指導を実施し、郵便の送達日数を1日程度短縮するなど、着実に成果を上げています。
また、目に見える取組として、日本の郵便局をモデルに、同国最大のヤンゴン中央郵便局のカウンターを更新するなど、局内の改修を行いました。
この取組を記念したセレモニーに参加するため、先週木曜日、11月13日に、安倍総理がヤンゴン中央郵便局を訪問され、日本郵便製作による風景印、日付の印でございますが、これを押した第1号のはがきを私宛に送っていただきました。
そのはがきが無事に届きましたので、皆さんに御紹介をいたします。
このはがきなのですけれども、消印が11月13日となっておりまして、総務省には17日の夜に届いております。
日本とミャンマーの郵便分野の協力が開始された年に、総理自らが「郵便再生」の取組の現場でありますヤンゴン中央郵便局を訪問され、現場を激励されたということは、この分野における協力進展の大きな後押しになる、素晴らしい出来事でございます。
今後も、我が国の郵便及び郵便局ネットワークの良さをいかしながら、ミャンマーを始めとします諸外国の発展に貢献してまいりたいと思います。
「ちゃんと届きましたよ」という報告を総理にいたしましたら、「ちなみに、この消印はミャンマーの大臣が押したのだからね」ということでございました。
大切に記念にさせていただきます。
私からは、冒頭、以上でございます。
〔質疑応答〕
<消費税率引上げの延期による影響>
- 問: 日本経済新聞の学頭です。幹事社より1問お伺いします。本日午後、衆議院が解散されます。大臣は消費増税を先送りした場合に、社会保障の財源や地方交付税の算定率などに影響が出ると、かねて指摘されていましたけれども、改めて、増税先送りによる具体的な影響をどう御覧になっているかお伺いします。また、選挙戦において、消費増税の先送りをどのように説明して、支持を訴えるのかお聞かせください。
答: 消費税率10%への引上げにつきましては、先般、安倍総理が平成29年4月まで18か月延期するという旨を、判断されたところでございます。
まず、社会保障財源につきましては、消費税率の引上げの延期に伴いまして、社会保障の充実の内容を見直す必要があると存じます。
例えば、消費税率を10%に引き上げた場合に、社会保障の充実分は国・地方合わせて1.8兆円強とされておりましたけれども、消費税率8%の場合は1.35兆円程度ということになります。
次に地方交付税の法定率でございますけれども、これも来年10月からの消費税率の引上げを前提に設定しておりますため、引上げの延期に伴って見直す必要がございます。
しかし、これらにつきましては、今後、予算編成過程におきまして検討することになり、いずれにしても、歳入・歳出を適切に見積もって、地方の財政運営には支障が生じないように対応してまいりたいと思います。
なお、消費税率の引上げを18か月延期したことにつきましては、やはりこれは、7-9月期の国内総生産、第1次速報値でございますけれども、この数字や、点検会合における有識者の方々の御意見などを踏まえながら、総理が総合的に判断をされたものであり、また、その理由も、デフレから脱却をして経済成長をさせるアベノミクスの成功を確かなものにするためということでございますので、その趣旨を国民の皆様に丁寧にお伝えしていく。これに尽きると思います。
〔消防救急無線大手通信機器メーカーの談合〕
- 問: 時事通信の新部と申します。消防救急無線のデジタル化の関係でお伺いします。先日ですね、大手通信機器メーカーが談合を繰り返していた疑いがあるとして、公正取引委員会が立入り検査に入りました。まだ検査が続いている段階ではありますが、大臣の御所見をお伺いさせていただきたいと思います。
答: 各消防本部では、平成28年5月末までに、鋭意、消防救急無線のデジタル化を進めているのですけれども、こうした地域の安心・安全に関わること、特に国民の命を守るために必要な重要な事業に関しまして、このような事態が生じたということは極めて遺憾でございます。
消防庁といたしましては、公正取引委員会による調査・検査の推移を注視しまして、デジタル化の取組には支障を来さないように、消防本部に対する適切な情報提供や助言・指導に努めてまいりたいと考えております。
<衆議院解散の大義>
- 問: 共同通信の江藤です。よろしくお願いします。今回の衆議院の解散についてですね、野党からは大義がないという指摘も、批判も出ているのですけれども、今回の解散の大義はどういうもので、この解散に名前を付けるとしたらどういうふうな名前になると思われますでしょうか。
答: 解散の大義については、安倍総理が先般記者会見でお話になったとおりであると思います。
自民党が野党時代から主張していたことでありますけれども、国民生活に大きな影響の出ることについて、公約に記していないことをやる場合には、やはり国民の皆様に信を問う。これは、一つ大切なことではないでしょうか。
特に消費税率の引上げについては法定をされております。時期についても、そして、その引上げ幅についても法定をされており、ただ、経済の状況を総合的に勘案して、そのタイミングなどについては変更できる、こういう立て付けにはなっておりますけれども、では、なぜ今、延期をするのかということについて、しっかりと説明をする必要があるということ。
それから、やはり、2年間が過ぎました。政権に復帰させていただいてから2年間が過ぎ、その間、相当スピード感をもってアベノミクスの3本の矢を発してまいりました。これもまた、自民党の一昨年の選挙公約に、既に金融緩和についても2%の物価目標を定める旨は明記されておりましたし、大胆な財政政策も明記されておりました。成長戦略についても、大体第2次安倍内閣で取り組んでいる内容については明記されておりました。
これによって、雇用も増え、株価も上がり、景気の底割れをまず何とか防がなければいけないといった当時の危機的な状況については脱することができたし、日本経済全体に、やはり成長への躍動に向けた動きというものが出てまいっております。
ただ、まだまだ地方では実感できない、中小企業・小規模事業者には実感できない、こういったお声も伺いますので、全体としてのアベノミクス、この方向で進めさせていただいてよろしいですね、更には、これから地方や中小企業、小規模事業者、創業企業、こういったところにしっかりと目配りをした次の次元のアベノミクスを展開していくのだ、こういったことをお伝えしながら皆様の判断を仰ぐ。これが、総理のお考えであったかと思います。
いずれにしましても、解散権は総理の専権事項でございますので、そのタイミングも含めまして、また、大義も含めまして、総理の記者会見の内容に尽きると思っております。
名前を付けるとしたらでございますけれども、これは、総理御自身がお付けになるのであれば、それは解散権者の命名でございましょうし、また、国民の皆様が主権者として今回の解散をどう考えられるか、ネーミングをしていただいてもいいのではないかと考えております。私からは特にございません。
<安倍総理のヤンゴン中央郵便局視察(2)>
- 問: 毎日新聞の横山です。冒頭、見せていただいたはがきなのですけれども、内容を、差し支えなければ、どんなことが書かれていたのかというのを教えていただきたいのと、そこに、解散とかですね、消費税先送りについて書かれていたりしたらと思うのですが、一応そこも確認させてください。
答: そうですね。ここに書いてくださって、ちょっとでも早く教えていただいていましたら、私の準備も違ったのでしょうが、親書ではなく、はがきですので。「日本、ミャンマーの郵便分野の協力の更なる進展を期待しています。安倍晋三」と書かれております。
<今回の衆議院選挙>
- 問: 読売新聞の小野です。いよいよ解散ということで、総選挙があるわけですが、ちょっと、大臣御自身の選挙について伺いますが、解散してもですね、やはり大臣としてのお仕事もあったり、公示されても、大臣としてやはりほかの候補の応援に行ったりする場面も多いかと思います。
そういう中で、御自身の選挙に専念できるような状況ではないかも知れませんけれども、今回の選挙にどう臨まれるか、閣僚と候補者という二足のわらじを、どううまくやっていこうという意気込みがおありでしょうか。お願いします。
答: まず、閣僚の立場で申し上げますと、行政の執行に停滞や混乱が生じてはなりませんので、解散後も現内閣で責任を持って行政を執行していかなければならないと考えて おります。総務省の担当業務を、引き続き滞りなく実施をしてまいります。
それから、総務省は、選挙を担当する役所でございますので、選挙の管理執行・啓発活動に万全を期してまいりたいと思っております。
さて、候補予定者としての私でございますが、大変なことになっております。一昨日まで参議院の方での審議も続いておりましたし、そんな中で、個人的な事前準備行為ができていません。何とか公示日に間に合うように、夜中に少しずつでも作業を進めさせていただきたいと思っております。
とにかく、全戸に配布されます選挙公報を通じて、私自身の政策や思いが皆様に伝わればいいなと思いますのと、最低限の政見放送など、本当は今週締切と言われたのですけれども、ちょっと無理でございますので、何とか間に合わせたいなと思っております。
全国各地、今、随分御要請もいただいていておりますので、それらの日程は、恐らく自民党遊説局などで調整をされることだと思っておりますので、どこに行っても頑張ってまいりたいと思います。
<朝日新聞の世論調査結果>
- 問: 大臣、朝日新聞の岡村です。弊紙の世論調査の方で、要は、今、総理の説明に尽きると、解散の理由が、今、大臣そういうふうにおっしゃいましたけど、世論調査の方では6割を超える国民が納得できないというふうになっております。
一方で、内閣支持率・不支持率なのですが、政権発足後初めてですね、第2次安倍内閣発足後、初めて不支持率が支持率を上回った状況になりました。大臣はこの理由をどのようにお考えですか。この2点について。
答: 申し訳ないのですが、まだ御社の世論調査を見ておりませんので、ちょっとコメントのしようがございません。
問: 今、聞いた感じでも、何もお話できることはないですか。内閣支持率・不支持率というのは、別に、今言った段階のことに尽きるのですけれども。
答: 各社の世論調査の中で、社によって、また数字は違うだろうと思っております。少しでも多くの方に支持をしていただいて、しっかりと安定的に政策を続けていける、そういう環境が整えば有り難いなと思っております。
また、解散について、どうして解散、納得できないというお声があるとの御指摘でございますけれども、これは、総理が解散について、なぜ今、信を問うのかということを記者会見でおっしゃいましたし、それをまた、全国各地に帰って行った与党の候補予定者たちが公示日までに訴え、また、選挙期間中も熱意を持って訴えていくということで、御理解を深めていくしかないと思っております。
- 問: 共同通信社の渡邉と申します。よろしくお願いします。再増税というか、引上げの時期なのですけれども、18か月延期ということを、総理、表明されたということなのですけれども、いわゆる景気条項がなくなるというか、景気の動向関係なくという、基本的には、そういう記者会見の発言だったと思うのですけれども、一方でテレビでの出演時の発言などを見ていると、例えば、リーマンショックみたいなものを引き合いに、その時にまた見合わせるということができなくもないということの発言をおっしゃって、ちょっとどっちなのかなというのが、正直分からないということがあって。今回の引上げの判断に際しても、景気条項があったわけですけれども、引き合いに出されたのは、例えば、リーマンショックとか、大震災というようなことを、当時の政権交代前の財務大臣だったので、安住淳さんだったかと記憶していますけれども、引き合いに出していたのはそういうことだったので、18か月後も実際に本当に上がるのかどうかというのが、本当になされるのかというのは、確たるものではないのではないかという気がしていて、地方側からも社会保障財源との意味合い等々もありますので、少し不安があるのかなと思うので、閣内の一員として、また、地方財政を所管する総務大臣として、その点について教えていただければと思います。
答: 私は、3年間の時間をいただいて成長戦略をしっかりと打っていくことによって、家計でも所得が増え、消費税率を引き上げたとしてもですね、実質の所得が減らないと、実際所得も含めて上がっていく、そういう環境を何が何でも作っていくのだという、総理の「退路を断って取り組む」という強い決意の表れであったと、そう思いながら記者会見を拝聴しておりました。
一方で、国際的なリスク、または、大災害などの可能性もございます。そのような時に、どの税で本当にお困りになっている方々を支援していくのかということについては、消費税に限らず、様々なほかの税について、配慮をするという方法もあるわけです。
ですから、今回は特別に条項を付けずに、何としても3年後にはしっかりと引き上げる。それは、未来への責任である。現在の社会保障についても、しっかりと安定をさせていかなければいけない。その責任というもの、つまり、受益と負担、このバランスというものを、国民の皆様にも一緒に考えていただかなければならない。そういうことだと思っております。
社会保障は、より充実した方がいいに決まっています。子育て支援だって、医療・介護だって、もっともっと充実していけばいい、それも公的な負担によって充実していけばいいと、多くの方が思われると思います。けれども、将来にツケを残していかない、子孫に負担を先送りしないということと、それから、「この程度のサービスを受けられるのだったら、これぐらいの負担は納税者としてもいいのではないか」、ここを国民の皆様に納得していただかなければ、やはり消費税率の引上げそのものの意義というものが問われてまいります。
3年間に、まずはしっかりと成長戦略を、次の新しい政策も含めて進めていく。地方に至るまで、中小企業や小規模事業者でお勤めの方、そしてまた、自営業を営んでいらっしゃる、農林水産業に従事しておられる方々も、所得が増えたよねと、今だったら消費税率、少し負担が重くなってもいいよね、でも、その代わり、これだけ子育て環境も整った、介護の環境も整ったと、将来に、子どもたちの世代に、負担をつけ回さなくて済むように、みんながそう納得していただけるような状況を作るために全力を傾注する。そういう決意だと思っております。
問: よろしいでしょうか。ありがとうございました。
答: どうもお疲れ様でございました。