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2015年1月12日 地財及び予算重点項目折衝後大臣会見

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〔冒頭発言〕


  皆様、おはようございます。
  先ほど、財務大臣と地方財政対策等について折衝し、合意をしました。その内容についてお話をいたします。
  まず、地方財政対策ですけれども、平成27年度の地方財政対策に当たりましては、地方創生と地方財政の健全化の両立を図ることを使命として取り組みました。
  地方創生への対応のために、新たに「まち・ひと・しごと創生事業費」を創設し、地方財政計画の歳出に1.0兆円を計上することとしました。その財源は、既存の歳出の振替えのほか、新たな財源による純増分により確保することとしています。純増分の財源は、地方の努力により捻出したものであり、地方創生と地方財政健全化の両立に配慮したものとなりました。
  また、地方が安定的に財政運営を行えるようにするためには、一般財源総額を確保することが重要であります。このため、平成27年度の一般財源総額については、地方創生のための財源等を含め、対前年度1.2兆円増の61.5兆円を確保しました。
  さらに、地方税が大幅に増収となる中で地方交付税の減少を最小限にとどめ、赤字地方債である臨時財政対策債の発行額を前年度から1.1兆円の大幅減とするなど、一般財源の質を高め、地方財政の健全化を進めることもできました。
  また、リーマンショック後の危機対応モードから平時モードへの切替えを進める観点から、経済再生に合わせて、歳出特別枠や交付税の別枠加算の見直しを行いました。このうち、歳出特別枠については、メリハリを効かせた歳出の重点化・効率化を図る中で見直しを行いました。具体的には、地方の喫緊の課題であります「まち・ひと・しごと創生」や「公共施設等の老朽化対策」のための経費に係る歳出を重点的に確保した上で、同額を歳出特別枠から減額しました。また、交付税の別枠加算につきましては、速やかに廃止すべきとの強い声もありました中で、地方税収の状況を踏まえて減額しつつ、必要な額0.23兆円を確保しました。
  また、交付税原資の安定性の向上・充実を図るため、地方交付税の法定率を見直すこととしました。法定率の見直しは、平成22年度以降継続して事項要求を行ってきたもので、見直しによる増額は財源不足額の規模から見れば必ずしも大きなものではありませんが、今回、実現できたことは、一定の成果と考えております。この法定率の見直しにより、約900億円という増額になります。
  それから、公共施設等の老朽化対策は地方の喫緊の課題でありますので、事業費及び財源を充実することとしました。具体的には、集約化・複合化、転用、除却に要する経費として、投資的経費に「公共施設等最適化事業費」0.1兆円を設けるとともに維持補修費を0.1兆円増額することとしました。
  このように、平成27年度の地方財政は、地方が自由に使える一般財源の総額をしっかりと確保するとともに、地方の創生と地方財政の健全化を同時に進める内容といたしました。
  地方団体にも評価をしていただけるものと考えております。
  あわせて、地方財政対策以外の予算重要項目についても、折衝を行いました。
  まずは、ローカル・アベノミクスとして地域経済の好循環を確立するためには、都道府県・市町村と地域金融機関等が核となって、地域の総力を挙げて雇用吸収力の大きい地域密着型企業を立ち上げていく「ローカル10,000プロジェクト」を強力に推進することが不可欠であります。その重要な資源であります「地域経済循環創造事業交付金」については、23億円の予算を確保しました。
  さらに、言葉の壁をなくし、自由でグローバルなコミュニケーションを実現するための「多言語音声翻訳技術」は、外国人旅行者の受入環境を改善し、訪日外国人に対するおもてなしの充実を実現するだけではなく、観光ビジネス等を通じて、地方経済の活性化に寄与するものであります。今回、14億円を確保し、その実現への大きな道筋を、しっかりとつけることができたと思います。
  なお、現段階においては、予算の編成作業に合わせて計数整理中でありまして、詳細につきましては、14日に予定されている政府予算案の閣議決定後に、事務方から説明をさせます。
  私から、御報告は、以上でございます。
 

〔質疑応答〕


<地方財政対策折衝の評価>

問: 幹事社の毎日新聞です。1問お伺いします。地方財政対策についてですけれども、先ほど大臣がおっしゃられたように、地方創生枠に1兆円創出するなどが盛り込まれましたが、改めて、初めての折衝になったわけですけれども、折衝されてみて、御自身としては今回の計画はどのように評価されていらっしゃいますか。
答: 大臣折衝に至るまで、事務折衝で相当事務方にも苦労をしていただきました。しかしながら、今回の折衝、地方の皆様からは評価される内容になったと思っております。
やはり、今は地方創生が非常に重要であるということ。しかも、骨太の方針などで決めたラインに沿いながら財政健全化と経済成長、経済成長が結果的には財政健全化を実現する、そしてまた、財政健全化が更なる経済成長へとつながっていく、以前から申し上げておりますこういった好循環の形をつくっていくために必要な内容の予算になったと思っています。
  これまでは、政調会長としてずっと立ち会っておりましたけれども、非常に多くの方々の御努力によって満足できる結果であったと思っております。

<地方交付税の法定率見直し(1)>

問: すみません。日経新聞の江渕と申します。地財のことで二つ伺いたいのですが、まず、法定率の見直しですけれども、5税の中で上がるものもあれば下がるものもあるのですけれども、これはどういう理由で、上げたり下げたり、どういう狙いがあってやられたのかというのが1点目で、2点目は地財の歳出の総額がいくらになったのかということです。膨らんでいると思うのですけれども、財政健全化も叫ばれる中ではあるのですが、この膨らんだことに対しての評価、どのようにされるでしょうか。

答: まず、法定率の見直しでございますが、どう見直されたかは、皆様のお手元に配布資料で率まで書いたものがありますよね。
  法人住民税法人税割の交付税原資化によりまして、景気変動に左右されやすい法人関係税のシェアを引き下げて、所得税のシェアを引き上げることによって、交付税原資の安定性を確保すること、これが非常に大事な点でございました。あと、酒税とたばこ税についてなのですが、現状、たばこにより大きく依存する地方税財源を、お酒も含めてバランスよく配分して安定性を高めていくということでございます。今はまだ地方財政において巨額の財源不足というものが継続しておりますから、交付税原資を充実するということで、約900億円ではございますが、非常に有り難いことであると思っております。
  それから、歳出総額でございますが、今回は約85.3兆円でございます。これは、財政健全化も進めていかなければいけない一方で、しっかりと将来の税収増につながる取組というものも進めていかなければいけない、こういった考え方に立っていること。そして、もう一つは命を守ることは何より大切なことでございますので、老朽化対策等も含めて、しっかりと、これは我が省だけではなくて各省一生懸命お取組になると思います。そうった観点でございます。

<歳出特別枠>

問: 朝日新聞の疋田と申します。2点伺いたいのですが、最初は、歳出特別枠として名目上と言いますか、計上される額としてはいくらになるのでしょうか。

答: 歳出特別枠でございますが、0.85兆円です。ですから、前回からだとマイナス0.35兆円になります。

問: そうすると0.35減って新しい創生枠に振り替えると書いてありますが、1ページ目の説明の中で、歳出特別枠から振り替える分は0.15兆円とあるのですが、その。

答: 既存の歳出の振替ですか。

問: はい。2ページ目だとその見合いの分として0.35兆円を振り替えると読めるのですが。

答: 2ページ目では、「地方の喫緊の課題であるまち・ひと・しごと創生及び公共施設の老朽化対策のための経費」として0.35兆円を確保しています。また、1ページ目の「まち・ひと・しごと創生事業費」の財源として、地域の元気創造事業費0.35兆円の全額と歳出特別枠1.2兆円の一部の0.15兆円を充てています。下に括弧書きで書いてあるかと思います。

問: 分かりました。あとで事務方にもちょっと確認させていただきます。
2点目ですが、地方交付税交付金の入口ベースが15.4兆円と伺いましたが、特例交付金も含めるといくらになるのでしょうか。

答: 15.5ですね、はい。15.5兆円です。

<地方交付税の法定率見直し(2)>

問: 共同通信社の渡邉と申します。よろしくお願いします。
法定率のことで、少し補足してお尋ねしたいのですけれども、効果額が900億円分出ておりますので、いろいろ差引きがありますが、これは法定率の引上げと端的に言ってよろしいのでしょうか。

答: 法定率は見直しです。法定率分の増が出たということです。

問: 結果として、では増が出たと、引上げとは大臣の口からはおっしゃらない。

答: 見直しと申し上げております、はい。

問: 今回の効果額として900億円で、たしか入口で1兆円くらい、法定率分で1兆円くらい増えているのかなとお見受けしますけれども、今後もこれをすることによって、たしかに地方法人税のですね、交付税原資化の部分がどんどん増えていくはずなので、10%、消費税10%になった時に増えていくはずなので、ゆえに法人税のシェアを引き下げているという、おそらくそういう狙いがあると思うんですけれども、今後も安定的な財源の確保に、原資の確保に資するということでよろしいのですか。

答: そうですね、景気変動に左右されにくい形を作っていくという意味で、今回キックオフでございますけれども、これからも柔軟に経済の状況、そういったものを見ていかなければならないのだろうと思っております。

問: 込み入って恐縮なので、もしかしたら事務方の方にお尋ねした方がいいかもしれませんが、あの、今までも法定率分の見直しがあったのですけれども、税制改正によるものに連動させるという意味合いが多かったのですけれども、こういう風に安定性の向上、自立を図るためという狙いにおいては、かなり久方振りの見直しになっているはずで、それがいつ振りか、たしか昭和の時代に入っていくような次元だということなのかなと思うのですが、もし難しければ、また、後ほどお尋ねします。

答: 前回、昭和の時代ですね。

答: (事務方)財政課長でございますけれども、今おっしゃられたことで法定率を変えましたのは、昭和41年度でございます。

<地方財政対策>

問: マクロ的なところでお尋ねします。意義として、大臣もおっしゃられたように昨年の一般財源総額を相当程度超えておりますし、御自身のお言葉でもあった地方創生をしながら健全化もするということで、地方団体も評価していただけるものと思っておられるということなので、今回、地方創生の元年とも言われていた中での予算編成なので、もっとその、地方にかなり重視をする内容になるかなと、言われていた中でだったのですが、実際にこうある程度の結果を残したのかなとお見受けしておりまして、そうなると地方側が地方創生を進めるということで、覚悟も問われるのかなとも思いますので、呼びかけというか、大臣のお言葉でお願いできればと思います。

答: 今回相当厳しい対応をしたというのは、まず地方創生について、単に借金を増やすのではなくて財源を確保する必要があると、つまり地方の取組意欲が沸く規模にしつつ、新しい借金を増やしていくというのではない、つまり新規財源0.5兆円を確保しながら、1兆円の規模で創設できたということ、ここが1点。
  それから一般財源総額、これをきちんと確保する、つまり1.2兆円の増額ということで、地方の皆さまにも落ち着いて予算編成と財政運営をしていただけると思っております。
それから、歳出特別枠、別枠加算、相当これは議論がございました。けれども、私自身、特に別枠加算につきましては、リーマンショックによって大幅に落ち込んだ地方税収の回復の程度というものを勘案しながら、一定の縮減を図ったうえで、必要な額2,300億円は確保すると、こういったことを主張してまいりましたし、その通りにできたのかなと思っております。
  ただ、やはり地方の皆さまにお願いをしたいのは、今回これからそれぞれ地方が知恵を絞っていただいて努力をしていただいて、良い物を作って欲しいなと思っております。
今後どのように、例えば、まち・ひとしごと創生事業にしても、普通交付税における算定などでも、どのようにこれを算定していくのかということを考えますと、ただただ何もせずにどんどん人口が減っていっている、それからまた就業率なども低いままというところだけに手厚くするのではなくて、過去も含めて一生懸命に努力して来られたところに光が当たる、こういった視点も大事だと思います。
  ですから、それぞれの地方が、これから知恵比べで、まずいっぱい努力をしていただく、それを国として精一杯応援をする。現実的に全国各地で元気な企業が増え、また雇用が増え、所得が上がっていくことによって税収も増えてまいりますから、また来年度、再来年度に向けて地財対策も含めて、予算編成の在り方も変わっていく、そういう姿を目指しております。

問: もう1点だけすみません。やはり、なかなか充実した内容かなというふうに思っているのですけれども、いじわるなものの申し方をしますと、統一地方選も近いので、というのもあってという声が世の中にはあるのですけれども、一方でプライマリーバランスの黒字化目標という至上命題がありますので、夏には中期計画も作られると思うのですが、そこでこう総理や官房長官は、安倍政権二兎を追って二兎を得ることを目指すということをおっしゃられているのですけれども、どう折り合いを付けていくかというバランス感が今後問われていくと思うのですが、それについて大臣の御見解をお願いします。

答: 統一選挙を意識したものではありません。それはよくお分かりいただいていることだと思います。
  統一選挙、有権者は国民の皆さまでございます。例えば一般財源総額がどうだとか、歳出特別枠がどうだとか、そういったことで判断されるのではなくて、地方の首長さん、そしてまた首長さんの政策を判断していかれる議会の方々が本気で地方を元気にし、また、住みやすくし、そのための取組をしていかれるのかどうか、おひとりおひとりの政治家の取組なり主張を、有権者の皆様は見ていらっしゃると思います。
  私たちは、とにかく地方を元気にする、地方経済が元気にならないと、いくら首都圏で稼いでもらったところで、なかなか財政の健全化も達成できませんから、そのために精一杯できるお手伝いをするということでございます。
  あとは、この夏に向けて、2020年度の黒字化という非常に大きな目標に向けての計画を作っていかなければいけませんから、今回もただただ借金をしてまで総額を増やせというような、そういう取組方は私自身もしてまいりませんでした。やはり、臨財債なども大幅に抑制したという、一般財源の質を改善したといったところも十分に評価をしていただきたいなと思っております。

<夏の財政健全化計画に向けて>

問: 自治日報という専門紙の内川と申します。今の質問の関連で、夏の政府の財政健全化計画なのですが、こちらの方では、地方一般財源の取扱いについてかなり注目されると思うのですが、地域財政計画では、前年度と実質同水準確保という表現だったのですが、財政健全化計画において、一般財源についてどの様な方針で臨まれるお考えかということをお伺いできればと。

答: まずは、地方の経済が元気になり、税収が上がっていく状況をつくっていくというのが非常に大事だと思っております。順序としては、そちらをまず優先しなければ、結果的には健全化というものも達成できないと思います。
  出て行く方については、十分に重点化をするということと、今回も、補正予算もありますけれども、やはり出て行く方もしっかりと効果を見ていくということだと思います。細かくPDCAをまわしていくということ、これがものすごく重要だと思いますので、しっかり重点化をしてまいります。

問: ほかはございますでしょうか。よろしいでしょうか。では、大臣ありがとうございました。

答: お疲れ様でございます。

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