2015年9月11日 記者会見
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〔冒頭発言〕
皆様、おはようございます。
今朝は官邸で、閣議、閣僚懇に続きまして、健康・医療戦略推進本部、その後、国際的に脅威となる感染症対策関係閣僚会議がございました。
【台風第18号による大雨等に係る最新の被害状況及び総務省の対応】
まず、私から1点目でございますが、台風第18号によります大雨等による最新の被害状況及び総務省の対応について申し上げます。
この度の台風第18号による大雨により、亡くなられた方の御冥福をお祈り申し上げ、御遺族にはお悔やみを申し上げます。また、被災された方々には心からお見舞いを申し上げます。
本日11日、午前7時時点の情報によりますと、死者1名、行方不明者12名、負傷者27名となっております。
この大雨により、土砂災害や河川の氾濫等による水害が各地で発生し、住家等に多数の被害が生じている状況であります。
今朝3時20分には、宮城県に対し、大雨特別警報が発表されるなど、引き続き警戒が必要な状況にございます。
消防庁では、消防庁長官を長とする災害対策本部を設置し、災害の対応に当たるとともに、情報収集及び対応調整のため、現在、宮城県、茨城県及び栃木県に消防庁職員をそれぞれ2名派遣しているところでございます。
次に、茨城県知事からの応援要請を受けまして、昨日、消防庁長官から、群馬県、埼玉県、東京都及び山梨県に対し、緊急消防援助隊の出動を要請し、消防防災ヘリコプター5機及び陸上部隊約30隊が、被災自治体と連携しながら救助活動等を実施したところでございます。
さらに、昨夜、千葉県及び東京都に対し、緊急消防援助隊の増隊要請を行い、本日は、約60隊により救助活動を実施しています。
これらの消防機関の懸命な救助活動により、昨日までに、茨城県と栃木県において、消防防災ヘリコプターで85名を救助、陸上部隊においても多数の被災者を救助しているところです。
また、携帯電話基地局の停波についてでございますが、福島県、茨城県、栃木県及び埼玉県において56局となっていますけれども、事業者において取り急ぎ応急復旧に取り組んでいただいているところです。
加えて、救助や応急復旧のための通信確保に向けまして、総務省・関東総合通信局等におきまして対策本部を設置し、県や事業者との連携体制を構築しています。
なお、郵便局でございますが、昨夕の時点で、福島県、茨城県、栃木県、埼玉県及び千葉県の一部の郵便局、計43局におきまして、全部又は一部の窓口業務が休止となっています。
引き続き内閣府、気象庁などの関係機関、被災県、地元消防機関及び関係事業者との連絡を密にしながら、適切に支援を行ってまいります。
【普通交付税の繰上げ交付】
2点目でございます。普通交付税の繰り上げ交付について申し上げます。
先般の台風第15号により被災された方々にも、心からお見舞いを申し上げます。
今回の災害により多大な被害を受けた鹿児島県三島村に対しまして、当面の様々な対応に係る資金繰りを円滑にするために、11月に定例交付すべき普通交付税の一部、1億3,600万円を繰り上げ、14日(月)に交付することを、本日決定しました。
今後とも、被災地方公共団体の実情を十分にお伺いしながら、地方交付税や地方債による地方財政措置を講じまして、その財政運営に支障が生じることがないよう、適切に対処してまいります。
【「『ドローン』による撮影映像等のインターネット上での取扱いに係るガイドライン」公表】
3点目でございます。総務省では本日、「『ドローン』による撮影映像等のインターネット上での取扱いに係るガイドライン」を公表いたします。
このガイドラインは、小型無人機、いわゆる「ドローン」で撮影した映像等をインターネット上で閲覧可能とすることについて考え方を整理し、このような行為を行う者が注意すべき事項について、有識者による研究会での議論及び意見募集を踏まえて取りまとめたものでございます。
本日、ガイドラインを総務省ホームページにおいて公表しますとともに、電気通信事業者関係団体に対しまして、ガイドラインの内容を周知すること等への協力を要請する予定でございます。
総務省としましては、ガイドラインの策定によりまして、利用者の方々が「ドローン」を適正に利用できる環境が整備されることを期待しております。
【医療機関における電波利用の推進に関する検討の開始】
4点目でございます。7月28日の会見で、医療機関内における電波環境等の課題に対応するために、医療機関での電波利用の推進に関する検討を行いますということをお伝えしました。この度、9月14日(月)より検討を開始することとなったので、説明をさせていただきます。
医療機関におきまして、可搬型医用テレメーターや電子カルテ用無線LAN機器など、様々な無線機器の利用が急速に拡大しています。
一方で、電波が適切に管理されていない場合には、事故につながることが危惧されます。
検討の開始に当たりまして、まず事務方で、医療現場で実際に発生しているトラブルに関する聞き取り調査を、7月末より実施しました。
その結果、「隣接ビルで利用されている無線機器からの混信」であったり、「無線機器の設定ミスにより、レントゲンの撮像データが伝送できない」ということであったり、「持ち込まれた無線LAN機器の影響で、電子カルテのデータが伝送できない」など、電波の利用に係る様々なトラブルが生じているということが分かりました。
そこで、総務省では、厚生労働省と連携しまして、電波環境協議会に産学官の専門家チーム、「医療機関における電波利用推進部会」を設置し、医療機関における適正な電波利用推進のため、実際の医療機関の電波環境の計測や医療機関へのアンケートを行いながら、「電波環境の改善方策」、「電波環境の管理体制の充実方策」、「高度医療ICTシステム導入推進方策」について検討することとしました。
これは、来年3月までに報告書を取りまとめますとともに、医療機関において適正な電波利用を実現するための手引きを作成して周知する予定でございます。
本部会が、医療機関等にとって役に立つ成果を出して、その成果が活用されることで、医療機関での電波利用が更に推進され、より安心できる医療の構築に貢献することを期待しております。総務省としても、本部会の議論に積極的な貢献を行います。
詳細につきましては、担当課にお尋ねください。
私からは、以上でございます。
〔質疑応答〕
<日本郵政グループの上場>
- 問: 幹事社の日本経済新聞の学頭です。1問お伺いします。昨日10日付けで、東京証券取引所が、日本郵政、ゆうちょ銀行とかんぽ生命の三社の株式上場を承認しました。これに対する受け止めと、上場に向けた日本郵政グループのこれまで取組への評価をお聞かせください。
答: 昨日9月10日に、東証が日本郵政グループ3社の上場承認を行ったことは承知をしております。
日本郵政グループ3社の株式処分につきましては、郵政民営化法におきまして規定されており、上場は、郵政民営化を着実に進めるための大きなステップであります。
昨日の上場承認に伴いまして、上場日程、売却規模等が公表され、上場へのプロセスが明らかになったことを歓迎しております。
日本郵政グループは、昨年9月に私が認可しました日本郵便の増資を含むグループの資本政策を上場に向けて実施するなど、様々な企業価値の向上に努めてこられました。
総務省としては、日本郵政グループが上場に向けて着実に準備を進めてきたと認識をしており、今後もその準備を着実に進めていかれることを期待いたしております。
<消費税の軽減税率制度>
- 問: 読売新聞の加藤です。軽減税率についてお伺いします。財務省案ではですね、マイナンバーカードが利用されるということですけれども、国はですね、国は個人が何を購入したかということは蓄積しないと説明しているのですけれども、消費者の間ではどうしても買った中身が監視されているという不安感もあろうかと思うのですけれども、その点についての御所見とですね、還付にマイナンバーカードが使われるということは望ましいというふうに、大臣ご自身はお考えでしょうか。
答: 軽減税率の制度設計については、与党税制協議会において検討されていると承知をしていますので、現時点で総務省として具体的にコメントをすることは差し控えさせていただきます。
<大雨被害地域における国勢調査の対応>
- 問: NHKの木下です。国勢調査に関連して一つお伺いします。今、関東・東北で大雨の被害、だいぶ出ておりますけれども、ID、パスワードの配布が始まっていますが、そういったスケジュールへの影響と、あと、影響が出るということであれば、それに対する対応を何か検討されていることがあれば教えていただけますでしょうか。
答: 本来でしたら、昨日9月10日から12日までの間に、インターネット回答用のIDを配布していただき、9月10日から20日までがインターネット回答期間となっております。インターネットで回答の無かった方に対しまして、9月26日から30日まで調査票を配布させていただいて、10月1日から7日で調査票を提出していただく、このように予定をしておりました。
しかしながら、被災地におかれましては、災害への対応を最優先としていただきまして、調査書類の配布などが可能となった段階で、日程も柔軟に対応していただくように、既に各自治体に連絡をいたしました。
問: 追加であれなのですけれども、それは各自治体の判断でスケジュールを自由に変えるという意味でしょうか。
答: まず、国勢調査員の方が各御家庭を今週中に訪問して、インターネット回答用のIDを配布するということ自体が、現在では、とても道も歩けないし、それぞれ皆さん避難をされているということでしたら、これは困難な地域があると思います。
また、インターネット回答そのものも、パソコンやスマホを持たずに避難されている方もいらっしゃいますし、その後、調査票の配布も、水が引いて、実際にそれぞれ家に戻られて、配布ができるという状況にならなければいけませんので、今は何と言っても人命最優先で、災害への対応最優先だと思います。
地域によっては相当な遅れが出るとこもあるかもしれませんけれども、各自治体の状況をしっかりと、注視をさせていただきながら、最大限どれぐらいまでの遅れで対応できるのかということも含めて、しっかりとお話をしていきたいと思っております。
ただ、昨日までの時点では、とにかく日程も柔軟に対応してくださいという連絡を申し上げております。
- 問: ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。では、大臣ありがとうございました。
答: どうもお疲れ様でございました。