2015年9月18日 記者会見
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〔冒頭発言〕
皆様、おはようございます。
今朝は、官邸で、総合科学技術・イノベーション会議がございまして、その後、閣議、閣僚懇がございました。
【総合科学技術・イノベーション会議】
総合科学技術・イノベーション会議ですが、本日、平成28年度科学技術関係予算における重点化対象施策が了承されました。
この重点化対象施策なのですが、これは6月19日に閣議決定しました「科学技術イノベーション総合戦略2015」に基づく重点化対策施策を特定して、予算の重点化を図るものでございます。
ちなみに、総務省の研究開発施策14件は、いずれも重点化対策施策に盛り込まれました。
この会議の中で、私の方からは、人工知能技術などは今後の「超スマート社会」の実現に向けた鍵となる技術であるということ、そしてまた総務省におきましては、皆様も御承知のとおり、けいはんな学研都市を中心にしまして、NICTにおいて大規模なデータ解析技術等の研究を推進しておりますし、また、ATRにおきましても人工知能関係の研究開発をリードしています。関係省庁と十分に連携をしながら、この研究成果の社会展開をしっかり実現していきたいということ、そしてまた消防・防災分野につきましても、多発する自然災害等に対応する研究開発への取組を強化してまいりたいということを申し上げてまいりました。
【政府における電子決裁の更なる推進】
閣僚懇では、皆様方に電子決裁の更なる推進について、お願いをいたしました。
平成27年度末までに電子決裁率を政府全体で60%とするという目標を掲げて精力的に取り組みました結果、平成26年度下半期の調査では72.6%に達しておりました。
ちなみに、総務省では98%と最高値でございました。しかしながら、一部の府省では取組が依然として低調でございますので、各大臣から督励をしていただくようにお願いをいたしました。
【普通交付税の繰上げ交付及び茨城県常総市の視察】
次に、台風第18号によります被災地に対する支援等について申し上げます。
改めて、台風第18号によりお亡くなりになった方々の御冥福をお祈り申し上げ、御遺族にはお悔やみを申し上げます。また、被災された方々にお見舞いを申し上げます。
今日もまた被災地は雨ということでございますので、自宅を見に帰られたい、また、御自分の田んぼを見に行かれたい、そういうふうにお考えの方もおいでかもしれませんけど、まずは身の安全を第一にとお願いをしたく存じます。
9月15日(火)に、私自身も茨城県の常総市にお伺いしまして、高杉市長と意見交換をさせていただきましたほか、現場で捜索・救助活動に従事してくださいました緊急消防援助隊をはじめとする消防職員の皆様を激励したところです。
また、破堤した現場にも伺いました。そして、避難所で、被災された住民の方をお見舞い申し上げたところであります。
今回の災害により多大な被害を受けた地方公共団体に対しまして、当面の様々な対応に係る資金繰りを円滑にするために、11月に定例交付すべき普通交付税の一部を繰り上げまして、24日(木)に交付するということを本日決定しました。
具体的には、宮城県内3市町、茨城県内10市町、栃木県内5市町の計18団体に対しまして、74億2,000万円を繰り上げて交付します。
今後とも、被災地方公共団体の実情を十分にお伺いしながら、特別交付税措置を含めまして、地方交付税や地方債による地方財政措置を講じ、その財政運営に支障が生じることがないよう、適切に対処してまいります。
【「IoT/ビッグデータ時代に向けた新たな情報通信政策の在り方」に関する審議会への諮問(1)】
次に、情報通信審議会への諮問について申し上げます。
最近はIoTという言葉を耳にする機会が増えてまいりました。これまでのように、情報通信を用いて手続の電子化やサービスの効率化を進めるという「ICTの時代」から、あらゆるモノがネットワークにつながり、そこで生まれる膨大なデータの利活用によって、全く新しい価値やサービスを生み出す「IoTの時代」へ大きく変化しつつあります。
このようなデータの利活用とそれを支える情報通信インフラの整備が、国際競争力の強化や医療・教育等の社会的課題の解決、成長分野への投資を通じて、地方創生や雇用の創出にとって決定的に重要となってまいります。
こうした状況を踏まえまして、9月25日(金)に、IoT・ビッグデータ時代に向けた新たな情報通信政策の在り方について、情報通信審議会に諮問を行います。
審議会では、プライバシー等の課題の解決、高度なICT基盤の整備、国際的なルールづくりなど、様々なテーマを御議論いただき、IoTによる経営革新・社会変革の実現方策等を取りまとめていただきたいと考えております。
具体的には、審議会の中に、慶應義塾大学の村井純先生を主査とします「IoT政策委員会」を設置していただき、年内及び来年の3月頃に中間まとめをしていただきます。そして、来年の夏頃には取りまとめをお願いしたいと思います。
年内及び来年の3月頃と申し上げましたけれども、この中間まとめを受けまして、その成果につきましては、来年4月のG7情報通信大臣会合に提案をして、可能であれば、伊勢志摩サミットへのインプットも目指したいと考えております。
また、本件につきましては、ICTを切り口として広く産業界全体に関わるテーマとなりますので、特に経済産業省とはこれまで以上に連携を強化していきたいと思います。
詳細につきましては、担当部局にお問い合わせをお願いいたします。
私からは、以上でございます。
〔質疑応答〕
<国勢調査のインターネット回答>
- 問: 幹事社、日本経済新聞の高畑と申します。よろしくお願いいたします。幹事社からは、今日は国勢調査に関して2点お伺いしたいと思います。
1点目がですね、国勢調査の今回のインターネット回答数が1,200万を超えて、目標の1,000万世帯を大きく上回る見通しとなりましたが、この点について受け止めをお願いいたします。
もう1点がですね、インターネット回答期限が残り3日間となりましたが、IDが記された封筒を住宅に配布する際に、ポストからはみ出すというようなことが起きているようですが、こうしたことに関しまして、国民の不安払拭を含めて、改めて呼びかられたいことがあればお願いいたします。
答: 平成27年国勢調査のオンライン調査につきましては、1,000万世帯を1つの目標として準備を進めてまいりましたが、昨日までに1,300万を超える世帯からインターネット回答をいただきました。
これも、マスコミの皆様にいろいろと報道していただきましたし、また、各世帯の皆様が国勢調査の趣旨に御理解・御協力をいただいたおかげであると考えております。
インターネット回答の期限は、明後日20日となっておりますので、是非、インターネット回答に御協力をお願いします。
また、インターネット回答用IDの配布につきまして、一部不適切な事例があり、大変心配をおかけしました。9月14日に全自治体に対して注意喚起を行いました。引き続き、このようなことがないよう、総務省としても指導をより充実し、徹底してまいりたいと考えております。
他方で、多くの国勢調査員の皆様は、熱意を持って大変な事務に取り組んでいただいております。今月下旬からは、インターネット回答をいただけなかった世帯に対しまして、紙の調査票による調査も始まりますので、引き続き国勢調査への御理解と御回答をお願いいたします。
<安全保障関連法案審議>
- 問: 読売新聞の加藤です。安保法案についてお伺いします。今日ですね、参議院の方でいよいよ成立の見通しという報道もありますけれども、これまでの野党の行動でですね、一昨日の理事会前での野党の妨害行動ですとか、そういった行動に対して大臣の御所見、審議を遅らせようとする行為に対する御所見、大臣、何かありましたらお伺いできますでしょうか。
答: 国会運営については、それぞれの政党・会派のお立場もございましょうし、政府の立場から特にコメントすることではないと考えております。
<「IoT/ビッグデータ時代に向けた新たな情報通信政策の在り方」に関する審議会への諮問(2)>
- 問: 時事通信の橋本です。先ほど言われたIoTのところなのですけれども、確か経産省の方でも、確か予算要求されていると思うのですが、そういう中で総務省と経産省の役割分担というか、そこら辺はどういうふうに考えているのでしょうか。
答: そこで、特に、経産省との連携をということを申し上げました。
技術的な研究開発そのものにつきましては、総務省の各研究所で圧倒的にリードさせていただいていると思っております。
イノベーションというのは国民がその成果を実感するところまでいかなければいけませんので、実際には企業などと関係が深い経済産業省とは、しっかりと連携をさせていただきたいと思っております。
総務省は、ICT基盤の整備をする、利活用も推進する立場ですし、経済産業省は、産業界全体の生産性向上ですとか、競争力強化をしっかりと目指す立場でございます。それぞれIoTの推進に当たっては、中心的な役割を担っていく必要があるかと思います。
具体的には、経済産業省においても産業構造審議会の下に新たな部会を設けて、このIoTに関する検討を開始されたということを踏まえまして、また、総務省の方でも研究・検討をしております。双方の場にオブザーバー参加をするということを徹底したいと考えております。
問: 例えば、ドイツとか、インダストリー4.0が打ち上がって、国を挙げてやられていると思うのですけれども、あまり日本ではそういう動きが打ち出されてないと思いますが、そこら辺については、大臣がやるのか総理がやるのか分からないですけど、そこら辺については何か御所見はありますか。
答: 日本の場合は、今は山口俊一大臣がやっておられますけれども、科学技術・イノベーション全体について、各省がそれぞれの強みを活かして、そしてまた、それを融合していく、力を合わせていくと、その総合調整をしていただいているものだと考えております。
今朝開かれました会議もそういった趣旨のものであり、総合科学技術・イノベーション会議の議員の皆様方が、各省から出た提案を十分に精査しながら、重点的に予算に反映させていくものを選び出していただいておりますので、重複するようなものに税金を無駄遣いしてしまうような形にはならない、しっかりとした審査がされていると思います。また、各省連携の機運が非常に高まってきたと考えております。
問: ほかにはいかがでしょうか。では、これで終了させていただきます。
答: はい、ありがとうございました。