2015年10月9日 記者会見
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〔冒頭発言〕
皆様、こんにちは。
今朝は、官邸で、閣議、閣僚懇、TPP総合対策本部、農林水産業地域の活力創造本部が開催されました。
【副大臣、政務官への感謝】
冒頭に申し上げます。本日認証式を終えたあと、新しい副大臣、政務官をお迎えすることとなります。
この場をお借りしまして、今までお支えいただいた副大臣、政務官の先生方に心から感謝を申し上げます。
二之湯智副大臣には、地方自治での長い御経験を活かしていただき、地方行財政、消防、行政管理、行政評価等の分野を御担当いただきました。
特に地方税につきまして、年末返上で陣頭指揮をお執りいただき、11年ぶりの改革となりました外形標準課税の拡大など、大きな成果を上げていただきました。
また、マイナンバー制度につきましても、制度の円滑な導入に御尽力をいただき、地方のシステム整備・改修経費や個人番号カードの発行経費等を確保いただきました。
本年6月に発生した日本年金機構からの個人情報流出事案を受けまして、行政機関等が保有する個人情報の適切な管理にも御尽力をいただきました。
また、地方の財政運営の在り方、地方公務員・選挙制度、地域防災力の強化、行政相談における関係団体との連携強化など、大変豊富な御経験から数多くの貴重な御示唆をいただいて、感謝をいたしております。
西銘恒三郎副大臣には、ICT分野を御担当いただきました。
特に、地域産業や小規模事業者等の生産性や収益性の向上と地域活性化に向けた方策を推進していただきまして、オリ・パラに向けて5Gの実現や多言語音声翻訳の社会実装のオールジャパンの推進体制を確立していただきました。
特に国会会期中、国会対応などで私が出席できない国際会議にも代理出席をしていただき、大変心強いサポートをいただきました。感謝を申し上げております。
また、武藤容治政務官には、主に行政改革分野を御担当いただきました。
御自身の民間での御経験も踏まえて、「縦割りではなく、国民目線で」、「現場の声を大事に」するという視点で、熱心に御指導いただきました。
行政評価局の調査テーマの選定や管区行政評価局への御指導、行政相談委員との交流など、施策の推進に御尽力いただきました。
また、行政のICT化やオフィス改革にも取り組まれました。党の部会に出かけて行っていただいて、「地域の産業・雇用創造チャート」を御紹介いただくなど、御尽力をいただきまして、感謝を申し上げております。
あかま二郎政務官には、主に地方自治分野を御担当いただきました。
あかま政務官は、「現場の声をお聞きし、意見交換をする貴重な機会だ」ということで、合計74回、500人以上に上る地方自治体の方々からの要請に真摯に耳を傾けて、政府の考え方を丁寧に説明していただきました。
また、「地域おこし協力隊」が「地方に必要な人材支援になる」と、若者の活躍を検討する政務官の検討グループで、隊員を招いての勉強会の開催や視察など、精力的に隊員と触れ合って発信をしていただきました。
マイナンバーを活用した年金保険料や税に係る利便性向上のためのアクションプログラムの取りまとめにも、御尽力いただきました。
御自身が普通救命講習を受講されるなど、非常に前向きにお取組をいただき、とても職場の空気も明るくなりました。感謝を申し上げます。
そして、長谷川岳政務官には、ICTを活用した地方創生に積極的に取り組んでいただきました。
特に地方発の放送コンテンツの発信戦略の策定や、「ふるさとテレワーク」の推進に御尽力をいただきました。
様々な産業分野において、クラウドやWi-Fiなどの最先端のICTの利活用を推進するべく、農林水産省や厚生労働省など、省庁間の垣根を越えた連携に積極的に取り組んでいただきました。
また、職員の「ワークライフバランス」推進には、特に御尽力をいただきました。去年の秋、「総務省いきいきパパ・ママプロジェクトチーム」、そして、「総務省ワークライフバランス推進プロジェクトチーム」を立ち上げられ、子育て世代の職員や外部有識者との議論を通じて、結婚、出産、育児、介護等を安心してできるような環境を実現するための先鞭をつけていただいたのが、とても大きな御功績です。
これまでお支えいただきました5人の副大臣、政務官の先生方に、改めて厚く御礼申し上げますとともに、先生方の益々の御活躍をお祈りしています。
私からは、以上でございます。
〔質疑応答〕
<大臣就任1年を振り返っての感想>
- 問: 幹事社質問をお願いします。今回の内閣改造でも大臣は留任されまして、昨年9月以来1年、これまでの、まず振り返りの感想をお願いします。
答: 第2次安倍改造内閣、第3次安倍内閣では、総理を中心に一つ一つ着実に政策を進めてきましたが、私も、内閣の一員としてこれに携わることができたことを嬉しく思っております。
そして、第3次安倍改造内閣が発足しました10月7日は、私が総務大臣に就任しましてから、ちょうど400日であったということですが、あまり振り返る暇もなく、広範な所掌分野の課題に取り組み、また、国会答弁などの日程をこなしてきた1年余りだったと思っております。
「地方経済の好循環の実現」に関しましては、私は昨年9月3日の就任直後の記者会見で、「日本列島の隅々まで活発な経済活動が行き渡り、雇用と所得が増えていく、また、家計で景気回復を実感していただけるようなローカルアベノミクスの取組を成功させたい」という目標を示させていただきました。
また、ジェトロや中小機構と連携して、つまり、経済産業省と総務省の連携を深めまして、地域産品の販路開拓、また、国内外の企業を地方に立地する、そのための取組をしますと、就任日でしたから、まだ私案、プライベートの案でございましたけれども、私から申し上げました。
その後、今年1月に任命しました太田大臣補佐官の助けを得て、また、担当職員の皆様の精力的な取組のお陰もありまして、「地域経済グローバル循環創造事業」や「分散型エネルギーインフラプロジェクト」の展開、「地域の産業・雇用創造チャート」の創設、「移住・交流情報ガーデン」の開設、そして、「ふるさとテレワーク」の推進といった、施策体系に結実させることができたと考えております。
また、一番大変だったことですが、それは「地方税財源の充実」でございました。地方創生の最前線に立つ地方自治体が、自主性・主体性を最大限に発揮することができるように、必要な地方税財源の確保に全力を尽くしました。
その結果、昨年末の平成27年度地方財政対策におきまして、地方交付税の法定率を約半世紀ぶりに見直すとともに、「まち・ひと・しごと創生事業費」1兆円の創設が実現できました。
また、今年6月の「骨太方針2015」の策定プロセスでも、経済財政諮問会議で総務大臣としての主張を重ねて行い、その結果、「2018年度までにおいて、2015年度地方財政計画の水準を下回らないよう実質的に同水準を確保する」という文言を書き込めたところです。
これらにつきましては、地方6団体から例年にない高い評価をいただいたと受け止めています。
また、政策立案や行政判断を行う時に、私自身は常に「国民・住民・利用者の目線に立つ」ということを心がけてまいりました。
例えば、マイナンバー制度の施行に際しては、DV被害者の皆様や東日本大震災被災者の方々の居所登録制度を創設しました。
また、ドローンによる映像撮影に関しましては、プライバシー問題に対応するガイドラインを設定しました。
総務省内でいえば、職員の方々の育児状況などに応じて、「ゆう活」を柔軟に実施できた、そういったことが思い出されます。
いずれにしましても、1年余り、総務大臣として働いてくることができましたのは、ご出席の報道各社の御理解と御協力によるところがとても多いと思っております。そして、私からの様々な注文に、非常にスピーディーに対応して下さいました総務省職員の皆様の御尽力によるものが大きいと思っておりますので、改めて感謝を申し上げます。
<今後の抱負>
- 問: もう1点ですが、今後の抱負についてよろしくお願いします。
答: 今回の再任に当たりまして、総理から指示書をいただきました。
「日本再生の鍵は地方経済にあり」という観点に立って、地域がそれぞれの特色を持って経済成長を遂げることができるようにすること。ライフステージごとの生活スタイルに応じて働ける地域雇用の場を創出すること。2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて、社会全体のICT化を進めること。加えて、マイナンバー制度の実施に関する事務を担当し、円滑な実施が確保されるよう、万全を期すこと等々の指示が書かれてありました。
地方経済の好循環の確立や生活スタイルに応じた地域雇用の創出などは、私自身がまさに中心的な課題に位置づけて注力してきたものでございますので、今後ともテレワークの推進、そして、地方への企業立地の推進をはじめ、「地方に『しごと』をつくり、『しごと』が『ひと』を呼び、『ひと』が『しごと』を呼び込む」という好循環を実現することで、各地域の所得と雇用を拡大させて、全ての国民の皆様が安心して生活を営み、結婚や子育てができる社会環境を作り出せるように、ICTの利活用をはじめ、総務省の持つあらゆる政策資源を投入してまいりたいと思っています。
また、最近の動向に即して言いますと、先日、TPP交渉が大筋合意に達しました。これによって、関係国の市場開放が進み、例えば、情報通信や防災ICTに関するシステムインフラ輸出の大きなチャンスが広がっていくと考えております。
まだ、今後、国会での批准手続等を経て正式に締結となるわけでございますから、少し先のことになりますが、しっかりと準備は進めてまいりたいと思っております。
特にICTなどシステムインフラの国際展開ということでは、しっかりと市場を調査し、相手国のニーズも見極めながら、どこに対して営業をかけていくのか。こんなことを前もって考えておかなければなりません。あくまでも国会の批准が前提ではございますが、できる限りの頭の運動はしてまいりたいと思っております。
また、ICTを使った農業も、最近、成功例がずいぶん出てきておりますので、TPP交渉を受けて強い農業を作ろうという内閣の動きの中で、この分野に関しましても、総務省として情報通信を使って貢献できると考えております。
また、国家の究極の使命であります国民の生命を守るということのために、消防力を更に充実・強化するためにも、頑張ってまいります。
また、喫緊の課題としましては、今週初めの10月5日に施行されましたマイナンバー制度の円滑な実施がございます。
10月中旬から11月末にかけて、順次、個人番号が記載された通知カードが簡易書留で送付されますが、すべての世帯に最終的にはきっちりと届くように、各地方自治体や日本郵便と緊密に連携をしてまいります。併せて、マイナンバーを語った不正な勧誘などの被害に遭うことのないように周知・広報に万全を期してまいります。
総務省は、大変幅広い行政分野を所掌する役所ですから、いずれの分野においてもその重責を果たし、国民の皆様の期待に応えられるよう、誠心誠意取り組んでまいります。以上でございます。
<携帯電話料金の引き下げ>
- 問: 読売新聞の豊田です。携帯電話料金について2点お尋ねします。昨日、NTTコミュニケーションズの社長が、総理が携帯料金の引き下げを検討するよう指示したことについて、余計なお節介だと発言しました。今回も携帯3社のトップから、価格については競争環境の中で決められるべきものだといったような趣旨の発言がありますけれども、そういった発言についてどのように受け止めていらっしゃいますでしょうか。
もう1点は電波利用料についてです。これについても、携帯会社が国に払う電波利用料を見直した場合は、価格を変えられるのではないかというような指摘があるようですが、利用料の見直しについてのお考えをお聞かせください。
答: 報道で御発言については承知をいたしております。私としましては、利用者の皆様にとって低廉で利用しやすいサービスの実現をするということとともに、電気通信事業の健全な発展という観点から検討を進めたいと考えています。
今後は「ICTサービス安心・安全研究会」の下に設けた「携帯電話の料金その他の提供条件に関するタスクフォース」におきまして、具体的な方策の検討を開始することとしています。10月19日に、おそらく第1回会合が開催できるかと思いますが、ここでは携帯電話事業者をはじめ関係者からの御意見も十分に聞きながら、12月、年内を目途に一定の結論を得たいと考えています。
2点目の電波利用料制度の話でございますけれども、これは、電波監視など無線局全体の受益を直接の目的として行う事務の費用を、受益者である無線局の免許人の方々に公平に負担をしていただくものであります。ですから、これを下げれば料金も下がるんだというような御意見が一部にあると承知をしておりますけれども、電波利用料制度はそのような趣旨のものではないということを御理解いただきたいと思います。
問: 時事通信の橋本です。携帯料金のところでもう一つなのですが、この前、大臣、料金を下げるためには、例えば、大手が0.5ギガとか1ギガとか、少量のやつをやった方がというのも一つあるのじゃないかという話だったですが、そこら辺、今のところMVNOがやられていると思うのですけれども、大手がそこまでやってしまうと健全な発展になるのかなという感じもするのです。この辺についての御見解を伺いたいと思います。
答: まず、大手の携帯事業者につきましても、選択肢がより多い方がいいかなというのが、私自身の感想でございました。検討会でこれからしっかりと議論を詰めてまいります。そして、MVNOが、より発展していくために、その支援もしっかり行っていかなければならないと思います。
各社の経営判断によるところが多いかと思いますけれども、やはり携帯電話機そのものの代金とですね、それから、通信料、これがもう少し明確に、それぞれ分かるような形になると、最終的には機器の料金も、また通信料の引き下げも可能になるのではないかと、今のところ、あくまでも私見ですけれども、そういった考えを持っております。
ただ、今後、専門家の皆様方によい知恵を出していただき、そして、携帯電話関係事業者の皆様の御意見もしっかり聞いて、電気通信事業、特に情報通信関係の事業が健全に発展しなければなりませんから、ベストな答えを見つけ出していきたいと思っております。
問: よろしいでしょうか。ありがとうございました。
答: ありがとうございました。