2015年11月24日 記者会見
更新日:
〔冒頭発言〕
皆様、おはようございます。
今朝、官邸では、閣議と閣僚懇に出席をいたしました。
【マイナンバーを通知する通知カードの配達計画】
まず最初に、マイナンバーを通知する通知カードの配達計画について申し上げます。
マイナンバー通知カードにつきましては、これまでも申し上げてきましたとおり、概ね11月中に、全世帯に初回のお届けができるよう、関係者全員で努力をしてきたところでございます。
このたび、日本郵便における通知カードの配達計画が概ねまとまりました。これによりますと、引受予定総数約5,680万通のうち、約91%の約5,170万通が11月中に初回のお届けができる見通しとなりました。残り約9%の約510万通が、現時点では、初回のお届けが12月となる見込みとなっております。
対象となる市区町村や配達完了予定時期については、改めて精査の上、日本郵便から公表される予定と伺っております。
総務省からも、対象となる市区町村に対しましては、都道府県を通じて、日本郵便による公表前に事前にお知らせしたいと考えております。
日本郵便からは、年賀状の引受が始まる12月15日までには、ほとんどの郵便局で初回配達を終え、最も遅いところでも、20日頃までには初回配達を終える見込みと聞いております。
12月に入りますと、お歳暮の配達時期ともに重なりますため、配達をしていただく郵便局員の皆様には、大変御苦労をおかけするところでございますけれども、1日も早く正確に御本人にお届けができるよう、引き続き取り組んでいただきたいと考えています。
政府としましても、引き続き、通知カードを確実に受け取っていただき、それを大切に保管していただくということと併せて、通知カードが不達の場合には、住所地の市区町村に戻されることになりますので、受け取れなかった場合には、住所地の市区町村にお問い合わせをいただくことなどにつきまして、テレビ・新聞等の各種媒体を活用して、積極的な周知・広報に努めてまいります
。
【消費者保護ルールの充実・強化のための省令・告示案】
次に、消費者保護ルールの充実・強化のための省令・告示案について申し上げます。
本年5月22日に交付されました「電気通信事業法等の一部を改正する法律」の施行に向けまして、本日、消費者保護ルールを充実・強化するための省令・告示案を「情報通信行政・郵便行政審議会」に諮問し、審議をお願いすることにしています。また、この審議会によりまして、パブリック・コメントの募集も開始されます。
このたびの省令・告示案におきましては、利用者保護の観点から、例えば、「高齢者・障害者等の利用者に対して、その知識、経験、契約目的に配慮するという『適合性原則』を踏まえた説明を行うこと」、「携帯電話サービスのいわゆる『2年縛り』契約について、自動更新がされる際に、必要な情報を利用者に事前通知すること」、「利用者に交付する契約書面で、有料のオプションサービスや端末の購入を条件として割り引く等の複雑な料金割引の仕組みを含めて、契約内容が明らかになるよう記載すること」、「光ファイバ等の固定インターネットサービスを初期契約解除制度の主な対象とすること」、「店頭で販売される携帯電話サービスについては、端末を解約できない初期契約解除制度に代えて、事業者側に責任がある場合には、端末も含めて解約ができる代替的措置を講じること」などの内容を盛り込んでおります。 なお、今回の改正では、電気通信サービスだけではなく、有料放送サービスについても同様の消費者保護ルールの充実・強化の取組を行うこととしておりまして、これについても省令・告示案のパブリック・コメントを開始いたします。
総務省としては、今回の改正により、電気通信サービスや有料放送サービスが消費者にとってより分かりやすい形で提供されることを期待しまして、施行に向けて、着実に周知などの準備を進めてまいります。
【携帯電話ネットワークにおけるIPv6対応の推進】
次に、携帯電話ネットワークにおけるIPv6対応の推進について申し上げます。
現在、「IPv6によるインターネットの利用高度化に関する研究会」におきまして、IoT社会の構築に向けて、インターネットの基盤となりますIPv6アドレスの活用促進について御議論をいただいています。
研究会では、大量の機器間をつなぐことができるIPv6アドレスの活用が、IoT社会の実現のためには不可欠である中、我が国におきましては、特に携帯電話ネットワークにおけるIPv6アドレスの導入が遅れているという状況をどのように改善していくかなどにつきまして、積極的に御議論をいただいており、明日、報告書案を取りまとめていただく予定でございます。
携帯電話ネットワークにおきまして、IPv6アドレスを使用する利点は、「膨大な数のIoT機器に必要なインターネット上のアドレス需要に対応できること」、「IPv4アドレスの枯渇により、既存のIPv4アドレスを共用するために複雑となったネットワークが簡素化されることで、新しいサービスが低コストで導入できるようになって、料金の低廉化が期待できるということ」、そして、「国際的にIPv6の導入が進む中、我が国もIoT機器や携帯電話ネットワークにIPv6を積極的に導入することで、機器やアプリケーションの海外展開が有利となる」という点で、IoT社会の進展や日本の国際競争力の強化を後押しするという、大きなメリットがございます。
明日の報告書案の取りまとめの後、パブリック・コメントを経て、年明けには研究会としての報告をいただく予定でございます。
特に、私としては、本案中にあります「携帯電話ネットワークへのIPv6アドレスの導入」について、関係事業者との調整を事務方に指示するなどして、積極的に対処していきたいと考えております。
【ICTの海外展開】
最後に、ICTの海外展開について申し上げます。
世界の膨大なインフラ需要を積極的に取り組むことによりまして、我が国の力強い成長につなげてくということは、安倍政権の大きな目標の一つになっています。
先日のASEANビジネス投資サミットにおきましても、アジアの持続的な経済発展を実現する質の高いインフラの導入を支援するための制度改善や迅速化等の取組が安倍総理から発表されました。
ICTは、今や、どの国の社会経済活動にとっても欠くことのできない基本的なインフラです。ICTを所管します総務省としましても、政府全体で取り組む質の高いインフラ海外展開に、より一層貢献していくため、今後、次のような取組を進めてまいります。
お手元に資料を3種類お配りしています。
まず、明日11月25日(水)、株式会社海外通信・放送・郵便事業支援機構(JICT)が設立されます。
アジア、中南米などの旺盛なICT需要を積極的に取り込み、我が国の成長に寄与するために、このJICTが出資や専門的知見を活かした事業参画・運営支援を行うことによりまして、海外に進出する意欲がある我が国の民間企業を、オールジャパンで支援していくこにしています。
また、日本の優れたICT技術を各国に紹介・共有するためのベストプラクティス集、「質の高いインフラを実現する日本のICT」を作成しました。
ICTは、それ自体が重要な社会基盤インフラであるだけではなく、防災、道路・橋等と組み合わせることで、質の高いインフラを実現することができます。
英語版も併せて作成しましたので、インフラ海外展開を図る上での参考として、御関係の皆様にも活用いただければと考えております。
今、御紹介しました2点を含めまして、総務省として、今後ICTの海外展開を進めていく上での具体的な戦略をまとめました。 本年6月にまとめられました「インフラシステム輸出戦略改訂版」にもありますとおり、政府は、官民連携のもと、2020年に約30兆円のインフラシステムの受注を目指しています。今後、より一層積極的にICTの海外展開に取り組んでまいります。
今日お配りしました資料も含めまして、詳細につきましては、情報通信国際戦略局情報通信政策課、国際政策課、国際協力課にお尋ねください。
私からは、以上でございます。
〔質疑応答〕
<マイナンバー通知カードの配達>
問: 幹事社から、冒頭発言のありましたマイナンバーの通知カードのことでお伺いいたします。
初回の配達が、最も遅いところだと20日頃になるかもしれないということでしたけれども、遅れている原因として、郵便局への搬送に時間がかかっているということでしたが、そもそも何でこんなに郵便局への搬送に時間がかかることになったのか、現時点で分かっている理由を教えてください。
答: 国立印刷局の通知カード製造・納入の工程におきまして、印刷・封入した通知カードを日本郵便に納入する工程に一部遅れが生じました。最長1週間程度と聞いております。
この印刷工程自体は、予定より前倒しで終了したのですが、印刷した通知カードを物流本部に集約して、それを各郵便局に搬入する工程において、当初の想定より時間を要したということでございます。
また、郵便局の配達におきましても、気象条件や地域の状況等によりまして、当初想定していた20日間以上の期間を要したケースがあると聞いております。
問: 搬入する工程で時間が予定以上にかかった理由というのは、まだ詳しくは分からないですか。
答: 私が報告を受けている範囲でございますけれども、印刷局における印刷そのものは予定より早く終わって、大量のものでございますから、それを運送によって各郵便局に持ち込むのですが、その過程で、おそらくトラックですとか、人の手配だったのかもしれませんが、その持ち込みの過程が予定より長くかかったと聞いております。
問: もともと概ね11月中には初回届けといっていた中で、これだけの遅れが生じたことで、来年1月からの運用開始という全体のスケジュールに影響はないのかという点とですね、マイナンバー制度が始まったばかりで、こうした予定外のことが出てしまったことで、制度自体の信頼性というのも国民からちょっと疑問符がついてしまう可能性があるのですが、再発防止、信頼回復のために取り組むべきことなど、もし考えていらっしゃることがあれば教えてください。
答: 今、日本郵便の配達計画を見る限り、年内にはお届けが終了するということでございます。
ただ、これは初回のお届けでございますので、不在通知カードが入っていた場合には、ちゃんと郵便局に連絡をしていただき、これは勤務先でも受け取れますし、勤務先の近くの郵便局で受け取れるなど、割と柔軟に対応していただけますので、まずは皆様にそれをお願いしたいと思っております。
概ね11月中と申し上げましたけれども、今、申し上げたような事情によりまして、一部が12月になるということでございますけれども、マイナンバー制度の利用が開始されるのは来年の1月以降でございますので、年内に皆様に番号が分かれば、お手元に届けば、特に影響はないと思っております。
来年1月以降は、各種手続に当たりまして、行政機関ですとか企業に対して、通知カードの提示が基本的に求められます。もしも、通知カードの不在通知票が入っていたけれども、問い合わせをし損ねた、再配達のお願いをし損ねたとか、そういった方も出てくる可能性がありますが、最終的にはマイナンバーは住基ネットで確認することができますので、すぐに具体のデメリットが生じるということはないと考えております。
しかしながら、一日も早く通知カードをお届けするということと、御不在でいらした場合には、一日も早く取り寄せていただきたいと考えております。
そして、今回、当初概ね11月中と言っておりましたのが12月にずれ込んだことによりまして、もしもそれでマイナンバー制度そのものが信頼できないと思われたら、これは本当に残念なことでございますが、マイナンバーの利用そのものが来年の1月からでございますので、そこは是非、皆様には御理解をいただきたいと思っております。
むしろ、私が心配しておりますのは、マイナンバー制度に便乗した詐欺などの発生、それから各行政機関である市区町村などにおいて、非常に単純なミスによって、住民が求めていらっしゃらないのに、マイナンバーが記載された書類を発行してしまわれるといったことでございます。
特に、マイナンバー制度に便乗した詐欺ということについては、これから年末にかけて、いろんな詐欺事案一般について、政府としても注意を喚起する機会がございますので、それらの機会を捉えながら、私自身も出て行って、皆様に注意を喚起したいと思っています。
マイナンバー制度に便乗した詐欺については、「行政機関を名乗って番号を聞き出そうとする」、それから、「資産や保険の契約状況を聞かれる」、あと、「対応していないと高額な罰金が課されるといって脅す」、また、「アンケートと偽って、家族構成や年金受給資格を聞かれる」、それから、「マイナンバーを貸してほしいと言われて番号を教えたら、犯罪だと言われて現金をだまし取られる」、といった被害が発生しています。
政府も、10月17日からテレビCMのテロップに詐欺被害の注意を盛り込みました。あと、10月25日には全国に記事下広告を出しまして、特にマイナンバー便乗詐欺注意を呼びかけさせていただきました。皆様には、行政機関の職員が訪ねてきたり、電話をしたり、いろんな情報を聞き出すということはありませんので、そういう事態に遭遇された場合に、御自分ですぐに判断なさらずに、無料の「マイナンバー総合フリーダイヤル」にかけていただいたり、「188消費者ホットライン」にかけていただいたり、警察に通報いただくようにお願いいたします。
こういったことをしっかりと啓発していくということが、今、一番急がれる課題であり、私がやるべきことだと思っております。
問: 日本テレビです。今のマイナンバーの件ですが、一部12月20日になるとのことですけれども、地域的なばらつきみたいなものがあれば、御紹介いただけないでしょうか。
答: 地域的なばらつきなのですけれども、通知カードは、J-LISが作成・送付のために必要な情報を各市区町村から受領して、その情報を元に国立印刷局で作成・封入をして、郵便局に差出を行い、そこから郵便局で配達をしていただいています。
これらの工程を順次行っていますので、国立印刷局における作業ラインの状況ですとか配達通数、そして、これまででしたら天候状況になどによって、地域によって差出時期が遅れたり、配達時期に一定の幅が生じたものと考えています。
いずれにしましても、先ほど申し上げましたとおり、改めて日本郵便から各地域の状況について発表もありますし、総務省からは日本郵便よりも早く、事前に各市区町村にお知らせをいたしますので、各市区町村にもいつ届くんだという問い合わせが来ているかと思いますけれども、総務省からの連絡をお待ちいただきたいと考えております。
問: 読売新聞の島田と申します。マイナンバーのことなのですが、通知カードがですね、自治体に想定を超えて戻ってきている状況なのですけれども、この場合、大量にですね、各家庭に配られずに、自治体に留め置かれたまま年を越した場合ですね、大きな影響が出るのかどうか。さっき、住基ネットで確認できるという言葉がありましたけれども、自治体に想定を超えて戻ってきている状況の受け止めと、今年中に届けるための対策があればお願いします。
答: 現在の状況ですが、各御家庭への配達については、初回のお届けが約3,012万通完了しております。郵便局の処理ですけれども、不在留置が約475万通でございます。郵便局で保管されている間に再配達の要請がなかった場合、自治体に戻されるのですが、この返還が121万通ということになっています。
これはまた、是非とも皆様に、郵便局の留置期間が過ぎてしまったなと思ったら、自治体の方に御連絡いただきたいとお願いするに尽きるわけでございますけれども、それによっての具体のデメリットがすぐに発生するわけではございません。
ただ、やはり御自分でマイナンバー通知カードをお持ちで、お勤め先で提示を求められたら提示できるという状況と、お持ちじゃなくて、例えば、住基ネットの方で調べてもらって、それで出さなければいけないという煩雑な手順を踏まなきゃいけないということでは、ずいぶんな違いがございますので、この制度の効率的で安定的な運用のためには、通知カードを1日も早く受け取っていただくということでございます。
具体的のデメリットは出ないと申し上げましたけれども、少なくとも来年、平成28年分のお給料が最初に支払われる日の前日、すなわち来年1月半ばまでには、制度上、扶養親族の申告書については、出していただかなければいけません。ここにはマイナンバーの記載が必要となりますので、是非とも早めに不在通知への対応をしていただきたいと思っております。
問: 総務省として、具体的な対策というのは何か考えられていますか。
答: もうこれは、こうして呼びかけをさせていただくことしかないかと思っております。マイナンバーにつきまして、内閣官房とも、何度か広報についてお話をいたしました。詐欺事案の防止も含めてでございますけれども、政府の広報予算の中で、テレビのコマーシャル枠や新聞の広告枠を頻繁に取るというのはなかなか厳しゅうございますのと、今はそもそも、年末に向けて広報するためのCM枠がほとんど空いてないという状況になりますので、是非とも皆様方には、通知カードが届いたら、中に説明書も入っておりますので、よくお読みをいだくということと、それから、不在通知が入っていたら、速やかに郵便局に連絡をする。また、長い期間が経った後は市区町村に御連絡をいただくということしかございません。できるだけ内閣官房とも連携しながら、今からまだ年内いっぱい、あらゆる機会を捉えて啓発活動は続けてまいりたいと思っております。
問: よろしいでしょうか。では、ありがとうございました。
答: どうもお疲れ様でございました。
皆様、おはようございます。
今朝、官邸では、閣議と閣僚懇に出席をいたしました。
【マイナンバーを通知する通知カードの配達計画】
まず最初に、マイナンバーを通知する通知カードの配達計画について申し上げます。
マイナンバー通知カードにつきましては、これまでも申し上げてきましたとおり、概ね11月中に、全世帯に初回のお届けができるよう、関係者全員で努力をしてきたところでございます。
このたび、日本郵便における通知カードの配達計画が概ねまとまりました。これによりますと、引受予定総数約5,680万通のうち、約91%の約5,170万通が11月中に初回のお届けができる見通しとなりました。残り約9%の約510万通が、現時点では、初回のお届けが12月となる見込みとなっております。
対象となる市区町村や配達完了予定時期については、改めて精査の上、日本郵便から公表される予定と伺っております。
総務省からも、対象となる市区町村に対しましては、都道府県を通じて、日本郵便による公表前に事前にお知らせしたいと考えております。
日本郵便からは、年賀状の引受が始まる12月15日までには、ほとんどの郵便局で初回配達を終え、最も遅いところでも、20日頃までには初回配達を終える見込みと聞いております。
12月に入りますと、お歳暮の配達時期ともに重なりますため、配達をしていただく郵便局員の皆様には、大変御苦労をおかけするところでございますけれども、1日も早く正確に御本人にお届けができるよう、引き続き取り組んでいただきたいと考えています。
政府としましても、引き続き、通知カードを確実に受け取っていただき、それを大切に保管していただくということと併せて、通知カードが不達の場合には、住所地の市区町村に戻されることになりますので、受け取れなかった場合には、住所地の市区町村にお問い合わせをいただくことなどにつきまして、テレビ・新聞等の各種媒体を活用して、積極的な周知・広報に努めてまいります
。
【消費者保護ルールの充実・強化のための省令・告示案】
次に、消費者保護ルールの充実・強化のための省令・告示案について申し上げます。
本年5月22日に交付されました「電気通信事業法等の一部を改正する法律」の施行に向けまして、本日、消費者保護ルールを充実・強化するための省令・告示案を「情報通信行政・郵便行政審議会」に諮問し、審議をお願いすることにしています。また、この審議会によりまして、パブリック・コメントの募集も開始されます。
このたびの省令・告示案におきましては、利用者保護の観点から、例えば、「高齢者・障害者等の利用者に対して、その知識、経験、契約目的に配慮するという『適合性原則』を踏まえた説明を行うこと」、「携帯電話サービスのいわゆる『2年縛り』契約について、自動更新がされる際に、必要な情報を利用者に事前通知すること」、「利用者に交付する契約書面で、有料のオプションサービスや端末の購入を条件として割り引く等の複雑な料金割引の仕組みを含めて、契約内容が明らかになるよう記載すること」、「光ファイバ等の固定インターネットサービスを初期契約解除制度の主な対象とすること」、「店頭で販売される携帯電話サービスについては、端末を解約できない初期契約解除制度に代えて、事業者側に責任がある場合には、端末も含めて解約ができる代替的措置を講じること」などの内容を盛り込んでおります。 なお、今回の改正では、電気通信サービスだけではなく、有料放送サービスについても同様の消費者保護ルールの充実・強化の取組を行うこととしておりまして、これについても省令・告示案のパブリック・コメントを開始いたします。
総務省としては、今回の改正により、電気通信サービスや有料放送サービスが消費者にとってより分かりやすい形で提供されることを期待しまして、施行に向けて、着実に周知などの準備を進めてまいります。
【携帯電話ネットワークにおけるIPv6対応の推進】
次に、携帯電話ネットワークにおけるIPv6対応の推進について申し上げます。
現在、「IPv6によるインターネットの利用高度化に関する研究会」におきまして、IoT社会の構築に向けて、インターネットの基盤となりますIPv6アドレスの活用促進について御議論をいただいています。
研究会では、大量の機器間をつなぐことができるIPv6アドレスの活用が、IoT社会の実現のためには不可欠である中、我が国におきましては、特に携帯電話ネットワークにおけるIPv6アドレスの導入が遅れているという状況をどのように改善していくかなどにつきまして、積極的に御議論をいただいており、明日、報告書案を取りまとめていただく予定でございます。
携帯電話ネットワークにおきまして、IPv6アドレスを使用する利点は、「膨大な数のIoT機器に必要なインターネット上のアドレス需要に対応できること」、「IPv4アドレスの枯渇により、既存のIPv4アドレスを共用するために複雑となったネットワークが簡素化されることで、新しいサービスが低コストで導入できるようになって、料金の低廉化が期待できるということ」、そして、「国際的にIPv6の導入が進む中、我が国もIoT機器や携帯電話ネットワークにIPv6を積極的に導入することで、機器やアプリケーションの海外展開が有利となる」という点で、IoT社会の進展や日本の国際競争力の強化を後押しするという、大きなメリットがございます。
明日の報告書案の取りまとめの後、パブリック・コメントを経て、年明けには研究会としての報告をいただく予定でございます。
特に、私としては、本案中にあります「携帯電話ネットワークへのIPv6アドレスの導入」について、関係事業者との調整を事務方に指示するなどして、積極的に対処していきたいと考えております。
【ICTの海外展開】
最後に、ICTの海外展開について申し上げます。
世界の膨大なインフラ需要を積極的に取り組むことによりまして、我が国の力強い成長につなげてくということは、安倍政権の大きな目標の一つになっています。
先日のASEANビジネス投資サミットにおきましても、アジアの持続的な経済発展を実現する質の高いインフラの導入を支援するための制度改善や迅速化等の取組が安倍総理から発表されました。
ICTは、今や、どの国の社会経済活動にとっても欠くことのできない基本的なインフラです。ICTを所管します総務省としましても、政府全体で取り組む質の高いインフラ海外展開に、より一層貢献していくため、今後、次のような取組を進めてまいります。
お手元に資料を3種類お配りしています。
まず、明日11月25日(水)、株式会社海外通信・放送・郵便事業支援機構(JICT)が設立されます。
アジア、中南米などの旺盛なICT需要を積極的に取り込み、我が国の成長に寄与するために、このJICTが出資や専門的知見を活かした事業参画・運営支援を行うことによりまして、海外に進出する意欲がある我が国の民間企業を、オールジャパンで支援していくこにしています。
また、日本の優れたICT技術を各国に紹介・共有するためのベストプラクティス集、「質の高いインフラを実現する日本のICT」を作成しました。
ICTは、それ自体が重要な社会基盤インフラであるだけではなく、防災、道路・橋等と組み合わせることで、質の高いインフラを実現することができます。
英語版も併せて作成しましたので、インフラ海外展開を図る上での参考として、御関係の皆様にも活用いただければと考えております。
今、御紹介しました2点を含めまして、総務省として、今後ICTの海外展開を進めていく上での具体的な戦略をまとめました。 本年6月にまとめられました「インフラシステム輸出戦略改訂版」にもありますとおり、政府は、官民連携のもと、2020年に約30兆円のインフラシステムの受注を目指しています。今後、より一層積極的にICTの海外展開に取り組んでまいります。
今日お配りしました資料も含めまして、詳細につきましては、情報通信国際戦略局情報通信政策課、国際政策課、国際協力課にお尋ねください。
私からは、以上でございます。
〔質疑応答〕
<マイナンバー通知カードの配達>
問: 幹事社から、冒頭発言のありましたマイナンバーの通知カードのことでお伺いいたします。
初回の配達が、最も遅いところだと20日頃になるかもしれないということでしたけれども、遅れている原因として、郵便局への搬送に時間がかかっているということでしたが、そもそも何でこんなに郵便局への搬送に時間がかかることになったのか、現時点で分かっている理由を教えてください。
答: 国立印刷局の通知カード製造・納入の工程におきまして、印刷・封入した通知カードを日本郵便に納入する工程に一部遅れが生じました。最長1週間程度と聞いております。
この印刷工程自体は、予定より前倒しで終了したのですが、印刷した通知カードを物流本部に集約して、それを各郵便局に搬入する工程において、当初の想定より時間を要したということでございます。
また、郵便局の配達におきましても、気象条件や地域の状況等によりまして、当初想定していた20日間以上の期間を要したケースがあると聞いております。
問: 搬入する工程で時間が予定以上にかかった理由というのは、まだ詳しくは分からないですか。
答: 私が報告を受けている範囲でございますけれども、印刷局における印刷そのものは予定より早く終わって、大量のものでございますから、それを運送によって各郵便局に持ち込むのですが、その過程で、おそらくトラックですとか、人の手配だったのかもしれませんが、その持ち込みの過程が予定より長くかかったと聞いております。
問: もともと概ね11月中には初回届けといっていた中で、これだけの遅れが生じたことで、来年1月からの運用開始という全体のスケジュールに影響はないのかという点とですね、マイナンバー制度が始まったばかりで、こうした予定外のことが出てしまったことで、制度自体の信頼性というのも国民からちょっと疑問符がついてしまう可能性があるのですが、再発防止、信頼回復のために取り組むべきことなど、もし考えていらっしゃることがあれば教えてください。
答: 今、日本郵便の配達計画を見る限り、年内にはお届けが終了するということでございます。
ただ、これは初回のお届けでございますので、不在通知カードが入っていた場合には、ちゃんと郵便局に連絡をしていただき、これは勤務先でも受け取れますし、勤務先の近くの郵便局で受け取れるなど、割と柔軟に対応していただけますので、まずは皆様にそれをお願いしたいと思っております。
概ね11月中と申し上げましたけれども、今、申し上げたような事情によりまして、一部が12月になるということでございますけれども、マイナンバー制度の利用が開始されるのは来年の1月以降でございますので、年内に皆様に番号が分かれば、お手元に届けば、特に影響はないと思っております。
来年1月以降は、各種手続に当たりまして、行政機関ですとか企業に対して、通知カードの提示が基本的に求められます。もしも、通知カードの不在通知票が入っていたけれども、問い合わせをし損ねた、再配達のお願いをし損ねたとか、そういった方も出てくる可能性がありますが、最終的にはマイナンバーは住基ネットで確認することができますので、すぐに具体のデメリットが生じるということはないと考えております。
しかしながら、一日も早く通知カードをお届けするということと、御不在でいらした場合には、一日も早く取り寄せていただきたいと考えております。
そして、今回、当初概ね11月中と言っておりましたのが12月にずれ込んだことによりまして、もしもそれでマイナンバー制度そのものが信頼できないと思われたら、これは本当に残念なことでございますが、マイナンバーの利用そのものが来年の1月からでございますので、そこは是非、皆様には御理解をいただきたいと思っております。
むしろ、私が心配しておりますのは、マイナンバー制度に便乗した詐欺などの発生、それから各行政機関である市区町村などにおいて、非常に単純なミスによって、住民が求めていらっしゃらないのに、マイナンバーが記載された書類を発行してしまわれるといったことでございます。
特に、マイナンバー制度に便乗した詐欺ということについては、これから年末にかけて、いろんな詐欺事案一般について、政府としても注意を喚起する機会がございますので、それらの機会を捉えながら、私自身も出て行って、皆様に注意を喚起したいと思っています。
マイナンバー制度に便乗した詐欺については、「行政機関を名乗って番号を聞き出そうとする」、それから、「資産や保険の契約状況を聞かれる」、あと、「対応していないと高額な罰金が課されるといって脅す」、また、「アンケートと偽って、家族構成や年金受給資格を聞かれる」、それから、「マイナンバーを貸してほしいと言われて番号を教えたら、犯罪だと言われて現金をだまし取られる」、といった被害が発生しています。
政府も、10月17日からテレビCMのテロップに詐欺被害の注意を盛り込みました。あと、10月25日には全国に記事下広告を出しまして、特にマイナンバー便乗詐欺注意を呼びかけさせていただきました。皆様には、行政機関の職員が訪ねてきたり、電話をしたり、いろんな情報を聞き出すということはありませんので、そういう事態に遭遇された場合に、御自分ですぐに判断なさらずに、無料の「マイナンバー総合フリーダイヤル」にかけていただいたり、「188消費者ホットライン」にかけていただいたり、警察に通報いただくようにお願いいたします。
こういったことをしっかりと啓発していくということが、今、一番急がれる課題であり、私がやるべきことだと思っております。
問: 日本テレビです。今のマイナンバーの件ですが、一部12月20日になるとのことですけれども、地域的なばらつきみたいなものがあれば、御紹介いただけないでしょうか。
答: 地域的なばらつきなのですけれども、通知カードは、J-LISが作成・送付のために必要な情報を各市区町村から受領して、その情報を元に国立印刷局で作成・封入をして、郵便局に差出を行い、そこから郵便局で配達をしていただいています。
これらの工程を順次行っていますので、国立印刷局における作業ラインの状況ですとか配達通数、そして、これまででしたら天候状況になどによって、地域によって差出時期が遅れたり、配達時期に一定の幅が生じたものと考えています。
いずれにしましても、先ほど申し上げましたとおり、改めて日本郵便から各地域の状況について発表もありますし、総務省からは日本郵便よりも早く、事前に各市区町村にお知らせをいたしますので、各市区町村にもいつ届くんだという問い合わせが来ているかと思いますけれども、総務省からの連絡をお待ちいただきたいと考えております。
問: 読売新聞の島田と申します。マイナンバーのことなのですが、通知カードがですね、自治体に想定を超えて戻ってきている状況なのですけれども、この場合、大量にですね、各家庭に配られずに、自治体に留め置かれたまま年を越した場合ですね、大きな影響が出るのかどうか。さっき、住基ネットで確認できるという言葉がありましたけれども、自治体に想定を超えて戻ってきている状況の受け止めと、今年中に届けるための対策があればお願いします。
答: 現在の状況ですが、各御家庭への配達については、初回のお届けが約3,012万通完了しております。郵便局の処理ですけれども、不在留置が約475万通でございます。郵便局で保管されている間に再配達の要請がなかった場合、自治体に戻されるのですが、この返還が121万通ということになっています。
これはまた、是非とも皆様に、郵便局の留置期間が過ぎてしまったなと思ったら、自治体の方に御連絡いただきたいとお願いするに尽きるわけでございますけれども、それによっての具体のデメリットがすぐに発生するわけではございません。
ただ、やはり御自分でマイナンバー通知カードをお持ちで、お勤め先で提示を求められたら提示できるという状況と、お持ちじゃなくて、例えば、住基ネットの方で調べてもらって、それで出さなければいけないという煩雑な手順を踏まなきゃいけないということでは、ずいぶんな違いがございますので、この制度の効率的で安定的な運用のためには、通知カードを1日も早く受け取っていただくということでございます。
具体的のデメリットは出ないと申し上げましたけれども、少なくとも来年、平成28年分のお給料が最初に支払われる日の前日、すなわち来年1月半ばまでには、制度上、扶養親族の申告書については、出していただかなければいけません。ここにはマイナンバーの記載が必要となりますので、是非とも早めに不在通知への対応をしていただきたいと思っております。
問: 総務省として、具体的な対策というのは何か考えられていますか。
答: もうこれは、こうして呼びかけをさせていただくことしかないかと思っております。マイナンバーにつきまして、内閣官房とも、何度か広報についてお話をいたしました。詐欺事案の防止も含めてでございますけれども、政府の広報予算の中で、テレビのコマーシャル枠や新聞の広告枠を頻繁に取るというのはなかなか厳しゅうございますのと、今はそもそも、年末に向けて広報するためのCM枠がほとんど空いてないという状況になりますので、是非とも皆様方には、通知カードが届いたら、中に説明書も入っておりますので、よくお読みをいだくということと、それから、不在通知が入っていたら、速やかに郵便局に連絡をする。また、長い期間が経った後は市区町村に御連絡をいただくということしかございません。できるだけ内閣官房とも連携しながら、今からまだ年内いっぱい、あらゆる機会を捉えて啓発活動は続けてまいりたいと思っております。
問: よろしいでしょうか。では、ありがとうございました。
答: どうもお疲れ様でございました。