令和元年12月23日 記者会見
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《冒頭発言》
皆様おはようございます。
本日、特に冒頭、私からはございません。
《質疑応答》
【かんぽ生命不適切販売問題】
問: 日本郵政グループの問題について、1問お伺いします。総務省としましては、本日23日に、不適切販売問題の報告を受けて、年内に行政処分を行われる予定です。郵政グループのこれまでの対応でありますとか、先週公表されました前次官の情報漏洩の話を踏まえまして、改めて、どのようなスタンスで処分に臨まれるかをお願いいたします。
答: かんぽ生命保険の不適切営業の問題につきましては、法律に基づきまして、行政処分を検討していくべきものだと考えております。
前回の会見でも申し上げましたとおり、私としては、不利益を被られた顧客の皆様への対応に万全を期していただくとともに、コンプライアンス態勢やガバナンスなどについて、抜本的な改善に取り組んでいただくことが必要だと考えておりますので、それらが速やかに達成されることを期待しております。
総務省が、12月13日に発出いたしました報告徴求命令に対する日本郵政株式会社、日本郵便株式会社からの回答は、本日を期限として提出される見込みでございます。
その内容を十分に精査した上で、年内にも確定した行政処分を行う予定でございます。
問: 今回の情報漏洩で鈴木前次官は処分されましたが、漏洩先の鈴木副社長に対して、日本郵政としては、どう対処すべきだとお考えなのかをお聞かせいただけますか。
答: 鈴木副社長ですか。
問: 鈴木副社長、はい。
答: 鈴木副社長につきましては、日本郵政グループにおいて、事実関係を明らかにされるべきだと思います。特に、私に、現時点で何かをする権限はございません。
問: 今の情報漏洩の関係で、今回、次官が短期間の情報を漏洩したということで、先週、更迭されましたけれども、次官がそれ以前に情報漏洩していなかったか、あるいは、他の職員が漏洩していなかったかについて、調べてご説明しないと、今回、総務省の所管省庁としての信任が落ちていますので、何かその点をもう少し調べて説明すべきではないか。そういうことをしないと信頼を取り戻すことにつながらないのではないでしょうか。大臣のお考えをお聞かせいただけますでしょうか。
答: おっしゃることは、郵政行政に関わる全ての職員を調べるということでございましょうか。
問: 全てかどうかはともかく、他にもあったのではないかというふうに見られかねない状態ではないかと思うんですが、その点は懸念としてはないでしょうか。
答: 現時点では、私は懸念を持っておりません。私が、自分で知りうる限り、疑問に思ったことは調査をいたしましたし、鈴木前次官にも全てをお伺いいたしました。
その結果、直接相手にお伝えしておられたということが分かりましたので、次官に対しては、厳正に処分をさせていただいたということでございます。
【過疎地域における集落の現状把握調査】
問: 総務・国土交通両省の調査で、65歳以上の高齢者が住民の半数以上を占めるいわゆる限界集落が、2019年4月時点で2万超になったことが分かりました。15年4月から約6,000増えて、省としての現状への受け止めや対策に向けたお考えをお伺いします。
答: 総務省では、限界集落という言葉は用いておりませんけれども、今年度、過疎市町村に対して実施した調査の中間報告によりますと、65歳以上の割合が50%以上である集落の割合は、前回の平成27年実施調査の22.1%から32.2%へと10ポイント増加しておりますので、ご高齢の方の割合が高い集落が増加する傾向は続いております。
一方で、集落の維持状況につきましては、市町村からの回答によりますと、維持が困難になっている集落の割合や、無人化の可能性のある集落の割合は、前回調査と比べて大きな変化はございませんでした。
ちなみに、「集落機能の維持状況が良好である」という回答が78.5%、今後の集落が「10年以内に消滅」とお答えになったところは0.7%、「いずれ消滅」と答えられたところは4.3%ということでございます。
集落支援員や地域おこし協力隊などのサポート人材が活動する集落の割合は、前回調査の28.1%から34.7%に、約7ポイント増えております。このことが、高齢者割合の高い集落が増加傾向にある中でも、集落機能の維持が困難な集落や、無人化の可能性のある集落の増加を食い止めている要因の1つだと考えております。
これまでも、地域おこし協力隊による集落への移住や、集落支援員による見守り活動、また、基幹集落を中心に複数の集落の機能を確保するための「集落ネットワーク圏」の形成などについて、総務省は支援をしてまいりました。
さらに今後も、集落の状況について、調査・分析をしながら、過疎地域の集落の維持や活性化に向けて取り組んでいきたいと思っております。
【東京一極集中の是正】
問: 東京一極集中の是正のことでお伺いします。地方創生の5か年戦略の新戦略が、この間、固まりまして、一極集中の是正についても目標年次は後ろ倒しになったんですけれども、引き続き、目標と位置づけられました。総務省として、今後どのように取り組んでいかれるでしょうか。
答: 東京一極集中でございますけれども、確かに、一極集中の状況を是正しなければ、災害時のリスク管理や、地方の担い手不足といった観点から問題がありますから、これは喫緊の課題だと認識をしています。
令和2年度からスタートする第2期「まち・ひと・しごと創生総合戦略」の中でも、東京圏への一極集中の是正に向けて、関係府省とも連携しながら、しっかり取り組んでまいりたいと思っております。
総務省としましては、第2期「まち・ひと・しごと創生総合戦略」の下で、地方への人の流れの創出、地域経済の活性化を軸に取り組んでまいります。
「地方への人の流れの創出」ということでは、地域おこし協力隊の推進や、「関係人口」の取組の深化と横展開による地方とのつながりの強化を図ってまいります。
「地域経済の活性化」につきましては、皆様もご承知の「分散型エネルギーインフラプロジェクト」を拡充していくとともに、「ローカル10,000プロジェクト」も引き続き推進をしてまいります。
それから、これから大きな可能性を秘めているのは、5G、IoT、AIなどの技術を様々な分野に活用しまして、その恩恵を享受できる地域社会を実現することでございます。5Gや光ファイバなどのICTインフラの整備と利用環境を共に整備してまいりたいと思っております。
【総務事務次官の交代】
問: 今ほど5GとかIoT、大事だということで、前の次官を石田大臣が選ばれたときに、なぜ選ばれたかという理由として、5Gとかそういった通信の方の関係で経験があるということで選んだということで、わずかな時間で退任されてしまったんですけれども、次の人を選ぶときに、5Gというのは、政府の方も政府を挙げて推進しているというところで、なぜ自治省系の方を選ばれたのか、その理由をお聞かせください。
答: 既に5Gにつきましても、beyond5Gまで見据えた研究開発を、私たちは実施していこうとしておりますし、また、来年度に向けまして、ローカル5Gの普及についても骨格が固まりました。
実務の方は、谷脇総合通信基盤局長に、しばらく事務取扱を兼務していただきながら、総務審議官としても活躍していただきます。優秀な人材はたくさん総務省におりますので、しっかりと進めてまいりたいと思っております。
もちろん、鈴木前次官も、5GやIoT、様々なICTインフラの国際展開に向けても大変なご尽力をいただいた方でございますので、前大臣は、そういった事情から選ばれたのであろうということは承知をいたしておりますが、人材は豊富でございますので、皆で力を合わせて頑張ってまいりたいと思っております。
問: それでは、大臣会見を終了いたします。ありがとうございました。
答: お疲れさまでございました。