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2016年11月11日 記者会見

更新日:

〔冒頭発言〕

 皆様、おはようございます。
 今朝、官邸は、閣議と閣僚懇のみでございました。

【「ご当地グルメ 地域自慢の一品」の発表】

 本日、市町村に派遣されている総務省若手職員によるグルメレポートを、総務省ホームページに掲載したので、お知らせします。
 現在、「地方創生人材支援制度」によって、総務省から全国16の市町に、若手職員を派遣しています。いずれの職員もしっかりと地域に溶け込み、地域活力の向上に大きく貢献をしています。
 私も、折に触れて、その活躍ぶりや地域の実情について報告を受けていますが、堅い話ばかりではなく、彼らの若い感性で拾い上げた地域自慢の「食」の情報などにもスポットライトを当ててみれば、地域のPRにもなりますし、総務省の公式サイトは堅いものですから、多くの皆様に親しみを持って見ていただくきっかけにもなるのではないか、と考え、「ご当地グルメ 地域自慢の一品」として、紹介をすることになりました。
 現在、「地方創生人材支援制度」によって地方に出ている職員のほかにも、入省して間もない若手職員も全国各地で頑張っていますので、また、第2弾、第3弾と、内容の充実も図っていきたいと思います。
 是非、記者の皆様にも、取材などで地方に出られるときに、若手職員によるご当地レポートなど、グルメ情報以外にも地域の宣伝が出ていますので、御活用いただければ幸いです。

【「モバイルサービスの提供条件・端末に関するフォローアップ会合」の取りまとめを受けた取組】

 10月から開催していた「モバイルサービスの提供条件・端末に関するフォローアップ会合」、「モバイル接続料のワーキングチーム」の取りまとめ結果が、昨日(10日(木))公表されました。
 これを受けた総務省の今後の取組について発表します。
 第1に、モバイル接続料の「適正な利潤」の算定方法について省令を改正し、接続料を低廉化させて、MVNOを含めた競争を更に促進します。
 そのための省令につきましては、11月18日(金)に「情報通信行政・郵政行政審議会」に諮問し、意見募集手続と審議会の答申を経て、来年の春までに改正します。
 第2に、SIMロック解除が可能となるまでの期間の短縮などによって、利用者の利便性を向上させます。
 第3に、利用者が、不必要に高い料金プランではなく、利用実態に対応したプランを選択できるよう、事業者・代理店が適切な説明を行うことをルールとして整備し、その徹底を図ります。
 第4に、端末を購入する利用者に求める合理的な額の負担の明確化などによって、端末販売の更なる適正化を図ります。
 これらについては、関連する3つのガイドラインの改正について、11月18日(金)目途で意見募集手続きを開始し、1月上旬までにこれを実現させます。
 これらの具体的な措置によって、MVNOの拡大を通じた競争を加速するとともに、通信サービスと端末をより自由に選択できる環境を整備し、利用者の皆様が一層分かりやすく納得感のある料金・サービスを実感していただけるように取り組んでまいります。
 私からは、以上でございます。


〔質疑応答〕

<米国大統領選挙におけるトランプ氏の当選について>

問: 幹事社の共同通信の佐伯です。1問お聞きいたします。先日のアメリカ大統領選で共和党候補のドナルド・トランプ氏が勝利しました。新大統領への期待感と、政権交代による総務省の業務への影響についてお聞かせください。また、ガラスの天井を破ると訴えたヒラリー・クリントン氏が敗北し、初の女性大統領は誕生しませんでしたが、この点でも御感想があればお聞かせください。

答: まずは、激戦を制されたトランプ候補に対しまして、お祝いを申し上げます。
 日米同盟は、日本外交の基軸でございます。とりわけ、環太平洋地域における安定や繁栄を考えた場合には、引き続き米国と緊密に協力していくことが重要だと思っております。
 総務省として主に関係するのは、情報通信分野です。この分野における米国政府の動向は、我が国にも大きな影響を及ぼすものですので、新政権における情報通信政策の方向性については、引き続き注視してまいりたいと思います。
 日本と米国は、今年の春の「G7情報通信大臣会合」でもそうでしたが、情報通信分野で緊密に連携・協力してきておりますので、こうした関係は揺るぎないものであると考えています。
 引き続き、来年1月の新政権発足に向けても、日米両国の連携を強化し、しっかりと情報交換をしながら、情報通信分野の更なる発展を期すべく取り組んで参ります。
 そして、女性初の大統領が誕生しなかったことについての御質問もございました。ヒラリー・クリントン候補が、大変な激しい選挙戦を堂々と戦い抜かれたことは、多くの女性にとって誇らしい姿であったと思います。
 ただ、いわゆるガラスの天井というのは、選挙制度そのものの問題ではなく、心の中の問題など様々な側面があるのではないかと思います。私は、基本的に、男性であれ女性であれ、専門性や実績によってチャンスの平等、「機会平等」で活躍の機会を得るということが重要だと考えています。
 トランプ氏の当選後の御発言を伺っておりますと、「米国民みんなの大統領になる」とのことでございましたので、米国でも、女性が更に活躍しやすい社会を作っていただきたいと思います。

<放送番組のネット同時配信について>

問: 朝日新聞の上栗です。関連で2問お願いします。先日、民放連の全国大会がありまして、大臣は代読で赤間さんが出席されたのですけれども、その場で井上会長が、先日議論が始まりましたネット同時配信について、過去のカラー化やデジタル化と同様に、積極的に取り組む姿勢を述べられる一方で、NHKが更に巨大化しないようということで、総務省に対して注文をつけられました。これについて、大臣の受け止めをお聞かせください。

答: 放送事業者の方々が、自社番組をネットに配信することは、放送コンテンツの視聴機会が増えます。視聴者の利便性向上につながることが大いに期待できますので、総務省としては、放送事業者がネット同時配信を実現できる環境を整備することが重要だと考えています。井上会長も、この点は同じお考えをお持ちなのではないかと拝察いたします。
 このため、総務省では、システムの負荷や権利処理の在り方といったネット同時配信に係る技術的課題を総合的に検討いただくため、10月19日に情報通信審議会に対して諮問させていただきました。
 情報通信審議会での検討には、民放連やNHKにも参画をいただいており、引き続き放送事業者の御意見も踏まえながら、審議を進めていただきたいと思っています。
 同時配信によって、NHKが巨大化することを危惧されていることも承知しています。
 NHKによる放送番組のネット同時配信については、放送法に基づいて、試験的な提供などが行われていますが、24時間常時同時配信を認めるかどうかについては、これは有識者の検討会において議論されており、現時点において何ら方針が決まっているものではありません。
 一般論として、NHKは、放送法に基づいて、あまねく全国に豊かでよい番組を提供する公共放送として、社会的役割を担っています。また、民放の方々は、民間経営による多様な番組を提供していただいています。民放とNHKの、いわゆる「二元体制」の下で、互いに切磋琢磨しながら、我が国の放送番組の質の向上や放送の健全な発達に貢献をいただいておりますので、このような枠組みは、基本的に変わるものではないと思っています。
 いずれにしても、NHKの在り方については、放送を巡る環境が非常に大きく変化している中で、NHKが公共放送としての役割を十分に果たしていくために、ネット同時配信だけではなくて、業務全体の効率化・合理化といった「業務の見直し」、公平負担を徹底していただきつつ、国民・視聴者へ適切に還元するなど、「納得感のある受信料の実現」、そして、ガバナンス・透明性など「経営の在り方」について、三位一体で改革を進めていく必要がありますので、総務省としても、NHKと民放の関係に留意しながら、スピード感を持って具体的な方策を検討してまいりたいと思っております。

問: 三位一体というふうに、大臣はこれまでもおっしゃっておられるのですけれども、先日のNHKの籾井会長の会見で、「NHKにネット配信が法律上許された場合は、我々が独自料金体系を決めると。あなた任せというわけにはいかない」という発言をされておられ、これまでも大臣の方針とはかなり食い違うと思うのですが、どのように受け止めていらっしゃいますでしょうか。

答: NHKによる放送番組のネット同時配信に関しての御発言だと思うのですが、先ほど申し上げましたとおり、24時間同時配信を認めるかどうかについて、何ら方針は決まっていません。
 したがって、そのサービスの費用を誰がどのように負担するかについても、何ら決まっているものではございません。公平負担の徹底を含む受信料制度についても、三位一体の改革の中で検討していくことが必要であり、有識者検討会での議論を踏まえて、総務省としても具体的な方策を考えたいと思っています。
 NHK自身が独自の料金体系を作るかどうかについては、そもそも受信料制度の中で位置づけるのか、独自に料金を定めるのかといった基本的な枠組みについて、有識者検討会における議論を踏まえ、総務省が具体的な制度設計を行うもので、その上で、NHKが料金体系の案を作ることは考えられるのですが。
 おっしゃっているご趣旨について、私も直接伺っておりませんので、現時点では決まっていないということでございます。

<NHKの受信料を巡る議論について>

問: TBSの中西です。今のことに関連して、NHKの受信料を来年度中に下げるか下げないかということを執行部が提案して、経営委員会が審議していらっしゃいます。どちらかというと反対の構図になっているのですが、この点についてどのように。

答: 報道では私も拝見はしているのですが、理事会でそうした決定がなされたということは承知をしていません。
 受信料の月額は、放送法において「国会が、NHK収支予算を承認することによって定める」とされていますので、受信料の具体的な水準の案は、まずはNHK自身で検討していただくべきものであり、今、正に、NHKにおいて、受信料に関する議論・検討が行われているのではないかと思っています。

問: 朝日新聞の藤崎です。以前から高市大臣、値下げについても望ましいと言及されていたと思うのですが、三位一体改革が進んでいる中で、この間の籾井会長の会見で、「今余ったものは今返す」というようなおっしゃり方をされていまして、理事会で一致して、今このタイミングで返されるというような考え方については、どのように思っていますか。

答: まだ私自身、籾井会長からもNHKの執行部からも直接、受信料をどう考えていくかについて伺っておりません。
 放送法に定められた公共放送としての責務をしっかりと果たしながら、公平負担という原則をしっかりと守りながら、視聴者にとって納得感のある受信料がどういう姿であるべきかということを、まさに検討しているところでございます。
 直接伺っていませんので、これ以上のコメントは差し控えさせていただきます。

<7月の参院選の一票の較差を巡る高裁の判決について>

問: 日経新聞の山崎と申します。話は変わりまして、7月の参院選の一票の較差を巡る高裁の判決が出そろいました。違憲状態は10件、合憲状態が6件だと思いますけれども、司法の一連の判断について、大臣の御所感をお願いします。

答: 全国16件の高裁判決が言い渡されて、内訳は、今おっしゃっていただいたとおりでございます。
 これまで言い渡された高裁判決については、上告がなされていますので、今後最高裁で審議が進められると想定されますから、その推移を注視していきたいと考えております。

問: ほかはよろしいでしょうか。これで終わります。ありがとうございました。

答: どうも失礼しました。


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