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2017年3月10日 記者会見

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〔冒頭発言〕

 皆様、おはようございます。
 今朝、官邸では、閣議と閣僚懇のみでございました。

【「“地域の人事部”戦略策定事業」採択団体の決定】

 今年度の「チャレンジ・ふるさとワーク」に係る施策の1つである「“地域の人事部”戦略策定事業」の採択団体を本日決定しましたので、お知らせします。
 この事業には、全国から31件の提案がありました。外部有識者による審査等を経て、岩手県釜石市、栃木県足利市、京都府京丹波町、兵庫県豊岡市、奈良県天理市、福岡県北九州市、鹿児島県三島村の7市町村を採択しました。
 これらの団体はいずれも、地域人材のスキルやバックグラウンドなどに関する情報把握・分析の的確な手法や、地域人材の総活躍につながる人材の育成・活用戦略の方向性を、しっかり打ち出した提案を行っております。
 具体的には、例えば、「東日本大震災後に創出された多様なコミュニティ活動・ビジネスなど、地域人材の活躍機会の見える化を図り、地域でアクティブに活動される市民の総量増加を目指す事業」や、「地域人材と雇用ニーズの一覧化により、マッチング・育成などの体制を整備して、テレワークも視野に入れながら、離島における全村民の総活躍を図るような事業」などがございます。
 創意工夫あふれる提案がなされておりますので、今後、採択された7市町村においては、地域人材の情報把握や地域人材の育成・活用戦略の策定が的確になされ、全国の地方公共団体のモデルとなる取組を展開されることを期待しています。
 詳細につきましては、恐縮ですが、この後、事務方からブリーフをさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 私からは、以上でございます。


〔質疑応答〕

<東日本大震災からの復興に向けた取組>

問: 幹事社の時事通信から1問質問いたします。東日本大震災発災からまもなく6年を迎えようとしています。被災自治体では、職員不足が常態化するなど、様々な課題がまだ残っています。総務省としてはどのように震災復興に取り組んでいくのか、お聞かせください。

答: 明日で、東日本大震災の発災から6年を迎えます。
 最愛の御家族や御親族を亡くされた皆様のお悲しみは未だに癒えるものではないと存じますが、改めて、お亡くなりになった方々の御冥福と、被災された方々へのお見舞いを申し上げます。
 今御指摘のとおり、被災地では、復旧・復興事業がまさにピークを迎えており、復旧・復興事業に従事していただける職員の確保が重要な課題だと思っております。
 これまで、被災自治体の支援のため、全国の自治体から延べ9万2,000人を超える応援職員を派遣していただきました。
 この場をお借りいたしまして、厚く御礼申し上げます。
 現在の充足率が「88.7%」と、今も不足があることは、事実でございます。
 各自治体に対しましては、応援職員の派遣について、より一層の御協力と御理解をお願いしたいと思います。総務省からは、昨年12月に通知でお願いし、また、今年1月の全国会議でもお願いしているところです。
 「東日本大震災」以降も、「熊本地震」をはじめ、大規模な災害が頻発し、甚大な被害が生じております。
 本当に困っておられる被災地の状況も承知していますし、犠牲になられた方々の御遺志に報いるためにも、災害の経験から得た貴重な教訓を決して風化させることなく、「国民の生命・生活」を守るために、まずは「地域の防災体制の総点検」を行いました。
 これを受けて、「更なる充実・強化」に向けた施策を進めて、地域の防災力を高めていきたいと思います。
 応援職員については、引き続き要請を続けてまいります。

<ふるさと納税の意義>

問: 読売新聞の川瀬といいます。改めて、ふるさと納税の意義について質問します。大臣は検討中の改善策を通じて、どのような問題を解決したいと考えていますか。

答: 「ふるさと納税」制度は、地方団体から、財源確保にとどまらず、「地域の発展につながる」といった積極的な評価を、主にいただいております。
 また、被災地への支援などでも、多くの国民の皆様に活用していただいて、地方創生を進める上でも重要な制度だと考えております。
 一方で、「ふるさと納税」制度という税制上の措置とは別に、地方団体独自の取組として行っている返礼品の送付については、地方団体間の競争が過熱したり、一部の地方団体においては、制度の趣旨に反するような返礼品が送付されていることは問題だと思っております。
 特に、返礼品に使ってしまう経費が高くなり過ぎますと、せっかく、「ふるさと納税」が寄せられても、地域の活性化や住民サービスの向上のための施策に充てるための財源が実質的に減ってしまうことになりますから、これは大変問題だと思います。
 今、総務省では、有識者の方や地方団体からも御意見をいただきながら、返礼品送付に係るあらゆる課題の洗い出しと改善策を検討しております。
 来月に発表させていただけるように、今対応しているところです。

<米国務省人権報告書における記述>

問: 大臣、朝日新聞の上栗です。アメリカの国務省が3日に公表した人権報告書で、高市さんがかつて放送局に電波の停止を命じるという可能性に言及したことが、報道の自由や政府による圧力だという提言をされているわけですけれども、7日の衆議院総務委員会で、「誤解に基づく記述で残念だ」とおっしゃっておられますけれども、具体的にどのような点がどのように誤解だと考えておられるのか教えてください。

答: 今、人権報告書の一部を手元に持っているのですが、「2016年においては、いくつかの事案により、批判的かつ独立したメディアに対して政府の圧力が高まることについての懸念が高まることになった。例えば、2月には高市早苗総務大臣が、具体的にそのような措置を取る計画・意図はないとしつつも、政治的に偏っていると判断した放送事業者を政府が停波させる権限について何度も発言を行った。」と、こういう書きぶりでございます。
 具体的には、昨年2月の私の予算委員会における答弁は、電波法第76条及び放送法第174条の解釈について問われ、その翌日以降も繰り返し同じことを問われたために、繰り返し従来からの法解釈をお伝えしたものでございます。
 しかも、民主党政権の時に、放送法第4条に法規範性があること、そして、本当に極端な場合に限られますけれども、違反が続いたり、放送事業者独自の取組で改善されない場合に、電波法第76条や放送法第174条の適用があり得ることも、民主党政権時の放送法改正時の答弁でもございましたし、その前の自民党政権、増田先生が大臣をされていた頃や、その前にも法律の解釈として同じものだったわけでございます。
 私は意図的に繰り返して、殊更に発言したわけではなく、法律の解釈というものは何度繰り返して聞かれても同じ答弁をしなければならない。また、行政の継続性の観点からもそうだと思っております。
 また、政府がメディアに圧力をかけているかと思われるような書きぶりになっておりました。しかしながら、私が「電波を止める」と言ったことは一度もないわけでございます。私の答弁によって、メディアが萎縮しているとは認識しておりません。放送事業者は矜持を持って報道されるべきことをしっかり報道されていると思っています。
 したがって、総務省としては、米国政府に正しい認識を持っていただくように、外務省と連携しながらしっかりと説明をさせていただきます。

問: かつての、増田大臣の国会発言の時は、表現の自由の制限とか、国民生活に必要な情報の提供が行われないということが大きな影響をもたらすので、慎重に判断するべきだということを同時におっしゃっておられたので、おそらく大臣のお立場は違うということだと思うのですけれども、今、大臣としてもそのような、かつての、慎重に判断すべきだというようなお考えについては引き継がれているということですか。

答: 去年の2月の予算委員会の答弁を御確認いただいたら分かるかと思いますが、私も「その放送が公益を害し、放送法の目的にも反し、これを将来に向けて阻止することが必要であり、かつ同一の事業者が同様の事態を繰り返し、かつ事態発生の原因から再発防止のための措置が十分でなく、放送事業者の自主規制に期待するのでは法律を遵守した放送が確保されないと認められるといったような極めて限定的な状況にのみ行うこととしており、極めて慎重な配慮の下、運用すべきものである」こと、これも何度も答弁しております。
 したがって、基本的に「行政の継続性」ということを考えたら、法律の解釈というのは、政権が替わったからといって、内閣が替わるたびにころころ変えてはいけないと思います。

<務台内閣府政務官の辞任>

問: 大臣すみません、もう1つ、共同通信の佐伯ですけれども、先ほどの閣議で、内閣府務台政務官の辞任が決まりました。3月11日を前にした時期でもありますし、政府与党から、発言に気を引き締めるようにという、相次ぐ中でこういった事態になったわけですけれども、どのようにお考えでしょうか。

答: 急なことでございまして、私も驚きましたけど、御本人から辞意が表明されたことでございますから、御本人がお決めになったことだろうと思います。

問: 御本人の発言なり行動についてはどのようにお考えですか。

答: それについては、特に私はコメントいたしません。御本人が御自身の発言やその影響など、総合的に考えられて、自分の進退を判断されたのだろうと思います。

問: ほか、よろしいでしょうか。ありがとうございます。

答: ありがとうございます。


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