2017年5月12日 記者会見
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〔冒頭発言〕
皆様、おはようございます。
今朝、官邸では、閣議と閣僚懇のみでございました。
特に私から、冒頭はございません。
〔質疑応答〕
<無線LANの無断使用の電波法に係る東京地裁判決に関する所感>
問: 幹事社の日本経済新聞の根本と申します。1問御質問させていただきます。
他人の無線LANの暗号鍵を解読し、無断で使った行為の違法性が争われた刑事裁判で、暗号鍵の解読は電波法が禁じる「無線通信の秘密」の無断使用には当たらないとして、無罪とした東京地裁判決について検察が控訴を断念いたしました。大臣の御所感をお聞かせください。
答: 東京地検が控訴をなさらなかったということは、承知しております。
総務大臣として、個別の係争事案に対してコメントをすることは差し控えさせていただきたいのですが、電波法に係る事案となっている点については、現在、法務省に情報提供を求めておりますので、今後、判決内容について精査をしていく考えでございます。
後ほど、無線LANアクセスポイントの無断使用に係る電波法における考え方につきまして、担当者から皆様に説明をさせていただきます。
9時半からの予定でございます。
総務省では、無線LANを利用しておられる方々を対象に、セキュリティ対策を周知啓発しております。利用者の皆様には、最新のセキュリティ対策を講じていただきたいと希望いたします。
<ふるさと納税返礼品の見直しに関する通知発出の効果及び取組>
問: ふるさと納税についてお伺いしたいのですけれども、総務省の方から各自治体さんの方に、高額の返礼品を控えてほしいというような趣旨の通知をされたと思うのですけれども、そういった通知に対して、それに従う自治体と、従わずにというか、維持する自治体がいらっしゃると思うのですけれども、各自治体で対応が分かれていることについて、総務省としてどのように受け止めていらっしゃいますでしょうか。
答: 4月1日付けで通知を発出させていただいて、1か月半がまもなく過ぎようとしているところでございます。
各自治体で通知の内容をしっかり受け止めていただき、改善に向けて実際に行動を起こしていただいている自治体も出てきています。
一方で、既にふるさと納税の返礼品を提供していらっしゃる業者さんなどで設備投資をしたような事例もあるかと思いますので、そういった意味では、私たちもそれぞれの自治体の御事情もしっかり伺いながら、それでも、ふるさと納税制度そのものへの批判が高まりますと、ふるさと納税制度を止めてしまえというような話にもなりかねませんので、やはり健全にふるさと納税制度を発展させていくという意味では、一つでも多くの自治体の方々に御協力をいただきたいと思っております。引き続き、働きかけを続けてまいります。
今の時点で、まだ対応が分かれているとか、正式に方針を決めきれていないということについては、まだ仕方ないかなと、想定内だと考えています。
問: 高額の返礼品を維持する自治体さんの中には、地方創生であるとか、移住政策の一環であるというようなことを理由にして維持するような自治体さんもいらっしゃるようなのですけれども、その点についてはどのように受け止めていらっしゃいますか。
答: 御自分の地方の特産品などを返礼品として打ち出したことによって、地方を知っていただけたとか、地域産品の存在を知っていただけた、という効果を得られた自治体もあると思います。
それでも、現実を見ますと、例えば、私は奈良県出身でございますが、本来、特別地方交付税などでの対応を希望されるような小さな町村において、そこにお住まいの町民、村民の方々が、他の県のとても良い返礼品がいただけるところにふるさと納税をしてしまわれて、町の税収がどんどん減っていっていると、赤字になってきているといった声も、実は大変多いです。
一覧表で見ましても、大変そういうところが多いことを考えますと、都会に限らず、日本全体が発展していくということを考えると、それぞれの自治体の財源が減っていってしまうことで、ものすごく地域間格差が出てきているような印象を受けますので、やはり地方創生とおっしゃっていただくのでしたら、全国の自治体がみんなハッピーになっていけるように、そういうことを皆さんに考えていただけるように希望いたします。
通知は、あくまでもそういう趣旨でございますので、是非とも御協力を御願いしたいと思います。
<スマートフォン通信料の引下げの受け止め>
問: 大臣、スマートフォンの行き過ぎた値引きを禁じるガイドラインについて、今週、携帯電話会社のトップから、例えば、大手三社間の競争が膠着化してしまっているですとか、端末の販売が減少して国内の端末メーカーが全滅に近づいているとか、その懸念あるいは不満を示す声が携帯会社のトップから挙がったのですけれども、総務省としてはどのように受け止めていらっしゃいますでしょうか。
答: 決算発表の時に、一部の大手携帯電話事業者からは、MNOの間ではなくて、「むしろMVNOに向けての流出か顕著だ」という御発言があったようでございます。
今回の決算発表の際に、利用者の方々の負担を軽減する新たな料金プランを発表してくださった事業者もおられます。各事業者とも、是非とも、工夫をして料金とサービスの競争に取り組んでいただきたいと思っております。
今、まだ道半ばかと思いますけれども、携帯販売につきましては、民間の調査によりますと、フィーチャーフォン、いわゆるガラケーの国内出荷台数は減少傾向にありますけど、それでも、スマートフォンの国内出荷台数は、昨年4月のガイドラインの運用開始以降も増加傾向にございます。
是非とも、国内メーカーも含めて、しっかりユーザーの皆さんのニーズに対応した、より魅力的な端末を開発・販売していただくことを期待しています。
問: 関連してなのでけれども、読売新聞 高市と申します。関連して、携帯各社が決算でガイドラインによる通信料の値下げ効果というか、現時点、どの程度進んでいるといふうに認識されているのか、御見解を伺いたいです。
答: 実際に事業者によって違いますけれども、例えば、ヘビーユーザー向けのプランに関しましては、通信料そのものですがかなり大幅に下がってきていると思います。それから、魅力的なのは、ライトユーザー向けのプランが出てきたこと、長期利用者向けのプランが出てきたということではないでしょうか。
先ほど申し上げましたように、新たな料金プランを発表してくださった事業者もありますので、今後まだまだ引下げに期待ができると思います。
<地方自治体の基金残高総額に対する見解>
問: 読売新聞の上村です。ちょっとお話変わりまして、地方自治体が持つ基金の残高の合計が21兆円を超えて増加傾向にあると言われていますが、潤沢な基金を持つ自治体が地方交付税交付金を受け取り続けるのはバランスを欠くという指摘もございますが、現在の大臣の御見解を教えてください。
答: 基金につきましては、それぞれの地方公共団体の御判断で基金を積んでおられるわけでございます。
これからの少子高齢化ということを考えますと、もう既に超高齢化社会でございますが、税収が減ってくるのではないかという不安。それから、特に法人関係税への依存が高い地域に関しましては、これから景気の動向ですとか、産業の浮沈によって税収が減ってしまうのではないかという不安。もう一つは、災害対策ですね。ここにお金がかかってくる可能性。それから、深刻なのは社会資本の老朽化対策でしょうね。
このような重大な課題に臨機応変に対応できるようにということで、基金を積んでおられるところが多いと思います。
総務省では、現段階では、抽出調査という形で各自治体が基金を積んでおられる理由等についても把握し、それが、今申し上げたような理由なのですけれども、基金は、それぞれの自治体が相当努力をされて、不要な支出を減らして何とか積み上げて、将来不安の解消のために積み上げているというものでございますので、基金が増えつつあることをもって、地方財政がとても健全で楽な状態だ、ということにはならないと思っています。
今後、全団体を対象に、基金についての考え方を調査させていただきたいと思っております。
一方で、基金というのは、規模も、それから設置目的に合わせて、必要なものに使っていただくことも大切でございますので、今後しっかり周知しながら、調査もさせていただきたいと思っております。
問: よろしいでしょうか。
答: では、どうもすみません。
問: ありがとうございます。