令和元年11月29日 記者会見
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《冒頭発言》
おはようございます。
【労働力調査結果】
本日の閣議におきまして、労働力調査結果について、報告しました。そのポイントを説明いたします。
10月の就業者数は、6,787万人と、比較可能な昭和28年以降で過去最多となりました。
完全失業率は、季節調整値で2.4%と、前月と同率となり、約26年ぶりの低い水準で推移しています。
また、15歳から64歳までの就業率は、78.2%と、比較可能な昭和43年以降で過去最高となるなど、雇用情勢は、着実に改善しています。
詳細は、統計局にお問い合わせください。
【高齢者等世帯に対するゴミ出し支援】
次に、新たな政策について、ご報告をいたします。
近年、ご高齢の方や障害をお持ちの方が、できる限り、住み慣れた地域で、自立した日常生活を営むための施策が推進されております。
しかし、歩行困難な方など、自力でゴミ出しをすることが困難な状況にある世帯が増えておりまして、必要な支援を受けることが、なかなかできません。
ゴミ出しは、家事支援サービスの対象外でもあることから、私自身も、独居で在宅介護を選択した親の介護期間中に最も苦労したのが、細かく分別して、毎日、平日に設定されるゴミ出しの件でございました。
このため、地域の実情を踏まえて、支援策を充実できないものかと検討してまいりました。
現在、全国の23.5%の市町村におきましては、何らかの形でゴミ出し支援の施策を実施しています。通常のごみ収集事務の一環として支援を実施したり、NPOなどによるゴミ出し支援に対して補助を行っている市町村もございます。
しかしながら、まだ23.5%ということでございます。
今後、高齢化が進行する中で、単身のご高齢の方のゴミ出しが困難になる状況が増えてくることが予想されますので、国としても、きめ細やかにしっかりと支援していくことが必要だと考えました。
そこで、今年度より、特別交付税による措置を創設することにいたしました。
具体的には、新たに単身の要介護の方や障害をお持ちの方など、ゴミ出しが困難な状況にある世帯に対する支援に要する経費につきまして、その所要額の5割を措置することといたしました。
各市町村におかれましては、この措置を活用して、ゴミ出しが困難な状況にある世帯に対する支援に、積極的に取り組んでいただきたいと期待をいたしております。
詳細につきましては、本日付で自治体向けに事務連絡を発出いたしましたので、自治財政局にご確認ください
私からは以上です。
《質疑応答》
【NHKの中間決算】
問: NHKの19年度中間決算についてお伺いします。受信料収入が3,596億円と、中間期として6年連続過去最高を更新しました。大臣は、8日の会見で、受信料額の適正な水準を含めた在り方について検討が必要とおっしゃいましたけれども、今決算への受け止めをお伺いできますでしょうか。
答: 26日に公表された中間決算において、事業収入や受信料の支払率が、NHKの年間計画の過半を達成したことは承知しております。
ただ、まだ中間決算時点でございますので、細かいコメントは、差し控えさせていただきます。
受信料額の適正な水準を含めた受信料の在り方につきましては、繰越金の現状や当面見込まれる事業収入の増加などを踏まえますと、引き続き、検討していただくことが適当だと考えております。NHK令和元年度予算に付した総務大臣意見におきましても、石田前大臣もその旨を指摘しておられました。
NHKにおかれましては、国民・視聴者の皆様からの受信料によって支えられていることを十分踏まえて、既存業務全体の見直しとともに、受信料の在り方について、さらに検討を進めていただきたいと期待をいたします。
【NHKの同時配信に関する予算】
問: 同じくNHKに関連して2点あります。
1つは、昨日の参院の総務委員会で、常時配信の関連ですけれども、パブコメの件数が多いことなどから、来年のNHK予算への影響を懸念する声が一部ありました。これに対する大臣のお考えがあれば教えてください。
もう1点、NHKが昨日、自民党であった会合で、同じく常時同時配信に関して、費用が大幅に削減する方向性を示していますが、同じく所感があればお願いいたします。
答: 11月8日に、NHKに対しましては、インターネット活用業務の実施基準の変更案に関する「総務省の基本的考え方」についての検討結果を、12月8日の日曜日までに、総務省に提出していただけるように要請を行っております。
総務省としましては、NHKからの回答や、12月8日まで1か月間実施しております意見募集の結果も踏まえて、速やかに審査をしてまいりたいと思います。
例年1月には、NHKの予算提出が行われるということも念頭に置きながら、手続を進めてまいります。
2点目でございますが、昨日、「放送法の改正に関する小委員会」が、自民党で開かれたということは、承知をいたしております。
ただ、まだNHKに対して「総務省の基本的考え方」についての検討結果を、12月8日までに提出していただくように要請をしている状況でございますので、その回答を踏まえて審査をさせていただくということで、まだ何かが決まったということは聞いておりません。
【地方公務員における就職氷河期世代支援】
問: 就職氷河期世代への支援についてお伺いします。政府が様々な支援策を講じているところですが、地方公務員に関連して、何か総務省として取り組まれるお考えは、おありでしょうか。
答: 総務省では、地方自治体における中途採用試験につきまして、就職氷河期世代支援を促す通知を10月11日に発出をしております。
これと相前後しまして、新たに就職氷河期世代の方々の採用を実施する地方自治体も出てきております。
地方自治体の中途採用は、近年増加してきております。こうした中途採用者層に、就職氷河期世代といわれる方々を取り込んでいくことが、支援のカギになっていくと思います。
今後ですが、まず年内に、令和元年度における先行地方自治体の実績、見込みや、好事例をとりまとめまして、この世代を対象として募集する際のポイントや留意点などを情報提供させていただくとともに、更なる取組を地方自治体に要請することにしております。
その上で、全ての地方自治体を対象として、中途採用の実施状況を把握して、その分析を踏まえて、また今後の取組を検討させていただきます。
【終末期患者への救急対応のあり方】
問: 救急隊員が、心肺停止状態の傷病者に蘇生措置をする際の対応について伺います。東京消防庁が、家族が蘇生を望まない場合は中止できる仕組みを導入することになりましたけれども、ほかの自治体への影響を含め、総務省として、どう対応されますでしょうか。
答: 本当にこれは難しい問題だと思います。基本的に命を救ってほしいと思って救急車を呼ばれるわけでございますから、とても難しい問題だと思います。
消防庁では、皆様ご承知のことだと思いますが、昨年度から有識者検討会を設置して、「救急要請されたものの、救急現場において、家族などから、傷病者は心肺蘇生を望んでいないと伝えられる事案」に対する救急隊の対応について検討して、この夏に報告書が取りまとめられています。
この報告書では、「本人の生き方・逝き方は尊重されていくべき」という基本的な認識が示されました。
一方で、救急現場の状況は千差万別であり、加えて、救急現場は緊急の場面で、時間的にも情報的にも制約があります。このため、救急隊の対応については、十分な検討が必要であり、更なる事案の集積や知見の蓄積が必要という認識が示されたところでございます。
現時点では、心肺蘇生を中止あるいは継続する対応のどちらが良いのかということは、一概に言いがたい現状です。
消防庁では、今月の8日に、全国の市町村消防本部に対しまして、当該報告書の内容を周知しました。
併せて、在宅医療や介護に関わっておられる関係者との十分な議論・意見交換や、これらを踏まえて対応の手順などを定めた場合の情報提供をお願いしたところでございます。
東京消防庁におかれましての、この度の新たな運用については、今後、重要な取組の1つとして、その運用状況を注視していく必要があると思っております。
消防庁では、引き続き、国民の皆様のご意見や、医療・ケアの取組状況を十分見極めて、事案の集積や、知見の蓄積を進めていくというところでございます。
【桜を見る会】
問: 桜を見る会についてお伺いします。高市大臣は、過去にも総務大臣をされたり、要職を経験されていますが、今までに、ご自身の枠でどれぐらいお呼びになったのか、あるいは、どういう方をお呼びになったのか、を教えていただきたいのですが。
答: 基本的に、総務省では、大臣、副大臣、大臣政務官に対して、政治家の推薦枠はございません。
前回、3年弱大臣を務めた間、桜を見る会は3回開催されたと思いますが、私からの推薦は0人でございます。
また、その前は党の役職で政調会長を務めておりましたけれども、政調会長としても、私宛ての招待状が1通来ただけで、推薦枠はございませんでした。
問: では、よろしいでしょうか。以上で会見を終わります。
答: ありがとうございました。