令和元年11月22日 記者会見
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《冒頭発言》
皆様、おはようございます。
【消費者物価指数】
本日の閣議におきまして、消費者物価指数について報告いたしました。そのポイントを説明いたします。
10月の全国の「生鮮食品を除く総合」は、一年前に比べ0.4%の上昇と、34か月連続の上昇となりました。
これは、外食などの「生鮮食品を除く食料」や火災・地震保険料などの「設備修繕・維持」などの上昇によるものでございます。
消費税率の引上げもございましたので、上昇幅は、前月よりも0.1ポイント拡大となりました。
一年前と比べた消費者物価は、緩やかな上昇傾向で推移しています。
詳細につきましては、統計局物価統計室にお尋ねください。
【「海外展開行動計画」の検討開始】
総務省の国際戦略については、5年余り前に総務大臣に就任してから、ちょうど1年半が過ぎた頃に、ICTや郵便だけではなくて、統計や行政評価、消防や地方自治など、様々な案件の海外展開について、縦割りを排して進める必要があるという問題意識を持ちました。
大臣室に様々な国の閣僚がお見えになる時に、たまたま情報通信の担当部局だけが同席をしていることや、統計関係の部局だけが同席しているというようなこともありましたが、同じ国に対して、様々な局からプッシュし、売り込めるものがありますし、また、出張についても、同じ国に別々の局の人がたびたび訪ねることも、経費の無駄遣いになる。このような問題意識がございました。
そこで、総務省全体の総合力を発揮するために、それまでは「情報通信国際戦略局」でございましたけれども、これを「国際戦略局」に改めた上で、総務省全体の海外展開戦略を国別に策定することにいたしました。
私は、その後、総務大臣を退任いたしておりますけれども、これらの局の改編も実現し、一定の取組が行われてまいりました。
今後は、高齢化などの難題を乗り越えて、日本の国際的な地位を確保する必要が一層高まっております。国連の定めるエスディージーズ(SDGs)の達成に日本としてさらに貢献していく必要があるなど、状況が変化してきております。
一昨日、20日でございますが、政務三役や全部局の局長などの幹部が出席する省内の会議を招集しまして、国際戦略局長の下で、総務省としての総合力を一層発揮して、海外展開を進めるための、より実質的な行動計画の策定に着手するよう指示をいたしました。年度内の策定をお願いしています。
詳細は、国際戦略局総務課にお尋ねください。
私からは、冒頭以上でございます。
《質疑応答》
【5G基地局の投資促進税制】
問: 税制改正について、お伺いいたします。テーマとなっている5G基地局の投資促進税制について、当初の総務省の要望としては整備を前倒しすれば、5%の税額控除をするものでしたが、政府与党内では、中国メーカーを念頭に安全性確保の要件を付けることや税額控除を30%に拡大する案も議論されております。当初要望から大きく変わったことへの受け止めと、税制改正大綱の取りまとめに向けて総務省として5G税制についてどのような主張をしていくかお伺いします。
答: 5Gは、21世紀の基幹インフラでございます。我が国経済の国際競争力を強化することと共に、地域が抱える社会的課題の解決を図っていくために極めて重要だと考えております。
総務省からは、本年8月に「ローカル5G」や携帯電話事業者による5G基地局の整備を促進する新規の税制改正要望を、財務省などに提出をしております。
総務省の当初要望では、法人税の税額控除の割合を5%としておりました。
この点について、去る11月15日に開催された自民党総務部会におきまして、議員の皆様から、「5%の税額控除では不十分だ」、「30%の税額控除にするなど、思い切った踏み込みが必要だ」というご指摘をいただきました。
総務省としましては、そのようなご指摘も踏まえながら、5Gの早急な整備を推進するために、まず、「5G投資促進税制」の創設は、きっちりと実現してまいりたいと思っております。
最終的には、今後の税制改正プロセスの中で決まっていくものだと思っております。
なお、「安全性」・「信頼性」が確保された5Gインフラを早期展開するということは、非常に重要でございますので、その仕組みを検討しているところでございますけれども、特定の国や企業の製品調達を排除するといったものではございません。
【電気・ガス供給業に係る法人事業税の課税方式の見直し】
問: 関連して税制改正に関する議論の中で、電力、ガス会社に対する法人事業税の課税方式の1つのテーマになっていますけれども、現行方式を一部見直すのではないかという報道もありますが、これも大綱の取りまとめに向けて総務省としてどう臨んでいかれるか教えてください。
答: 経済産業省からは、電気・ガス供給業に係る法人事業税の課税方式の見直し要望が出されていると承知をしております。
これに対しまして、全国知事会を始めとする地方団体からは、法人事業税の収入金額課税は、受益に応じた負担を求める課税方式として長年にわたり外形課税として定着し、地方税収の安定化にも大きく貢献しているということから、制度堅持というご要望を頂戴しております。
また、先般、地方財政審議会からも、収入金額課税を堅持し、地方税収を安定的に確保すべきとのご意見を賜りました。
今後、税制改正プロセスにおいて議論されることになりますけれども、総務省としましては、地方団体の声なども踏まえて対応していきたいと考えております。
【携帯電話契約状況の利用者意識調査】
問: 昨日の携帯電話の契約状況に関するアンケートの結果について伺います。「料金が安くなった」との回答については、26%にとどまったようですけれども、ご見解をお願いいたします。
答: 改正電気通信事業法は、10月1日に施行されました。
これは、「通信料金と端末代金の完全分離」と、「行き過ぎた期間拘束の是正」などを内容とするものでございます。
総務省では、改正法施行による通信市場、端末市場の変化について評価・検証を行うため、四半期に1回利用者意識調査を行うこととしております。
改正電気通信事業法の施行は、10月1日だったのですが、ご指摘の調査は、この改正法施行前の9月末に、全国の6,000人を対象にインターネット上で実施した第1回の調査でございます。
一昨日の有識者会議では、この意識調査を継続的に実施して、今後の評価・検証において活用していくことを期待する旨のコメントをいただきました。
まだ、改正法施行後の調査はしてないのですけれども、法律が施行されてから、拘束期間がないプランの料金水準の引下げや、解約違約金の廃止・引下げなどの動きも出てきております。
総務省では、これからも利用者の意識の変化については継続的に調査・分析をさせていただいて、政策に反映させていきたいと思っております。
問: ほか、いかがでしょうか。よろしいですか。では、大臣ありがとうございました。
答: ありがとうございます。