令和元年10月4日 記者会見
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《冒頭発言》
皆様、おはようございます。
冒頭、私から3件ございます。
【豚コレラ及びアフリカ豚コレラ対策】
本日、閣議前に、豚コレラ及びアフリカ豚コレラ対策について、「豚コレラ関係閣僚会議」が開催されました。
会議において、私から、総務省としても、地方団体が負担する経費に特別交付税措置を講じることにより、国と地方が一体となって、対策が進むよう、適切に対応していく旨を発言いたしました。
今後とも、関係省庁と連携しつつ、対策が着実に進むように取り組んでまいります。
【行政相談週間の実施】
来週10月7日から13日までの一週間、行政相談について、広く国民の皆様のご理解を深めるために「行政相談週間」を実施いたします。
本日の閣議で、この週間の実施について、発言をいたしました。
この期間を中心に、ワンストップで苦情・相談を受け付ける「一日合同行政相談所」を全国179か所で開設します。
この機会に、国民の皆様には、行政相談をご利用いただきたく存じます。
総務省では、全国5,000人の行政相談委員と協力をいたしまして、行政に関する様々な苦情・相談を受け付け、行政の改善を図っています。
自然災害が発生した際には、支援窓口リストの提供、特別行政相談所の開設などにより、被災者の皆様からのご相談に丁寧に対応をしています。
在留外国人からの相談ニーズも見込みまして、関係機関や
NPOとの連携、翻訳機器の活用などによる多言語対応の相談窓口の開設に取り組んでいます。
詳細は、行政評価局にお問い合わせください。
【公的統計の総合的品質管理を目指した取組】
本日の閣僚懇談会におきまして、統計委員会から、公的統計の総合的品質管理を目指した取組について、9月30日に建議をいただいたことを、報告いたしました。
建議の提言は、いずれの府省にとっても、重要な課題や教訓を指摘するものでありますため、各府省とも、建議の内容に留意して、統計の品質向上と信頼性確保に取り組んでいただくように申し上げました。
詳細につきましては、政策統括官統計基準担当にお問い合わせください。
私からは、冒頭以上でございます。
《質疑応答》
【ふるさと納税制度(1)】
問: ふるさと納税の件で、係争処理委員会の再検討勧告に対して、泉佐野市を引き続き除外を維持するという判断をされましたけれども、大臣の受け止めをお願いします。
答: 国地方係争処理委員会からの勧告の内容を真摯に受け止めまして、地方財政審議会のご意見も伺いながら、再度の検討を行いました。
私自身も、先週の土曜日、日曜日に何読もいたしました。勧告内容や私どもで検討した結果の素案について、十分に検討をいたしました。その結果、泉佐野市を不指定とする判断を維持することといたしました。
不指定の判断を維持した理由を申し上げます。
1点目は、「告示第2条第3号」に該当しないことでございます。
この告示第2条第3号は、法が総務大臣に委任する範囲内にありまして、また、地方自治法にも抵触しないことから、適法であると考えております。
泉佐野市は、適法に規定した告示第2条第3号に該当しないことから、不指定理由②については、判断を維持いたしました。
2点目は、「法定返礼品基準」に適合する地方団体として認められないことでございます。
返礼品を提供しないと申し出た場合であっても、実際には返礼品を提供しないと認められない地方団体については、法定返礼品基準に適合するかどうかの審査が必要でございます。
泉佐野市は、返礼品を提供する具体的な計画を示しておられません。これまでの運用からも、基準に適応した運用が期待できませんので、本件不指定理由③についても、判断を維持いたしました。
以上の内容を、昨日付けで泉佐野市長に発出いたしましたので、原本は、本日、先方に届くと思います。
私自身、これまでの会見でも申し上げてまいりましたが、ふるさと納税制度につきましては、これまで、法規制によるのではなくて、あくまでも技術的助言によって対応してまいりました。地方分権一括法以来、国と地方は対等の関係であることを踏まえて、各地方公共団体の良識を信じて制度運用してきたからでございます。
そうした中で、ごく少数の地方団体が、趣旨に沿わない募集を継続して、地方団体間の公平性が損なわれ、法改正までが必要な事態に至ったということは、大変残念だと思っております。
税制調査会や国会における議論を経まして、新たな指定制度が、今年、創設をされました。新制度のもとで、制度趣旨に沿った運用を実現して、各地方団体の皆様のご理解、また、多くの納税者の皆様にもご理解をいただけますように、この制度を健全に発展させていきたいと考えております。
問: 今の質問に関連してなんですが、泉佐野市長は、昨日、総務省決定に対して納得できないなどと述べて、大阪高裁に訴え出る意向などを示しました。こうした泉佐野市の反応に対する受け止めについてお伺いします。
答: 総務省といたしましては、地方財政審議会のご意見も伺いながら、委員会の勧告で示された多岐にわたる論点を、総合的かつ多角的に検討して、改めて慎重に判断した結果を、通知の中で示したものでございます。
高裁への訴えの提起につきましては、泉佐野市が判断されることでございますので、私からコメントすることは差し控えさせていただきます。
問: 告示第2条第3号の解釈を巡っては、国地方係争処理委員会が示した法の委任を超える恐れがあるという解釈に対して反論するような形になりましたが、国地方係争処理委員会の事務局運営に立っている立場として、今回のことは、国地方係争処理委員会の存在意義に関わる恐れもあるという指摘もありますが、そういった点についてはどのようにお考えになりますでしょうか。
答: そのようには考えておりません。
国地方係争処理委員会は、地方自治法に基づき総務省に置かれている第三者機関でございます。地方公共団体に対する国の関与に関して、不服のある地方公共団体からの審査の申し出を受け、審査を行うこととされています。
今回の審査の結果、委員会から、「本決定の到達の日から30日以内に、本決定の趣旨に従い、再度の検討を行った上で、その結果を理由とともに泉佐野市長に通知すること」を求める勧告をいただきました。
委員会における精力的なご審議の結果として頂戴した勧告でございますので、今回の措置については、勧告を真摯に受け止め、総合的かつ多角的に検討した上で、改めて慎重に判断をしたものでございます。
私は、全体として、委員会の勧告に即して必要な措置を講じたと考えております。
【郵便法等改正法案の取り扱い】
問: 郵便の土曜配達を取りやめる郵便法等改正案についてお聞きします。本日召集の臨時国会に提出予定の法案に含まれておりませんが、かんぽ生命の不適切販売問題の収束が見通せないことを踏まえまして、提出は見送られる予定なのかをお願いします。
答: 法律案については、準備を進めさせていただいております。
しかしながら、今般、様々な問題が起きました。かんぽ生命の不適切な営業の事案が生じておりまして、日本郵政グループに対しまして、できるだけ早期に、不利益を受けた契約者の方々の特定、権利の回復、そして、抜本的な改善策の早急な検討を求めているところでございます。
郵便法等改正案の臨時国会の提出については、今後、かんぽの不適正な営業に対する日本郵政グループの対応も含めて、国民の皆様のご理解が得られるかどうかも十分に見極めながら、総務省において、最終的な判断をしてまいります。
【ふるさと納税制度(2)】
問: 先ほどのふるさと納税の件で、戻って恐縮なんですが、今の状況ですと、もし泉佐野市が審査を申し出てふるさと納税制度に参加したいとなった場合に、いつごろを目途に、順調にいけば参加できる見通しなのでしょうか。
答: いつを目途にということは、現時点で確たることは申し上げられません。
来年度以降の指定につきましては、地方団体から提出されます申出書類を踏まえまして、各指定基準への適合性を審査して、判断するということでございます。
【かんぽ生命保険の不正販売】
問: もう1点なんですが、かんぽ保険の不正販売を巡るNHKの番組の「クローズアップ現代+」に日本郵政グループが抗議していた問題で、日本郵政の鈴木副社長が、昨日、番組の取材手法や報道内容に問題があったとして、NHKに対して「まるで暴力団」というような表現で抗議の意を示しました。この点について、ご所感をお伺いしたいのですが。
答: 報道では、私も拝見をいたしましたが、鈴木副社長のご発言内容の詳細を把握しておりませんので、個人のご発言について、コメントすることは、差し控えさせていただきます。
【ふるさと納税制度(3)】
問: ふるさと納税の件で、先ほど、勧告の趣旨に即して必要な措置を執ったというご発言だったんですけれども、ただ、昨日の通知を見ますと、どちらかというと勧告に反論しているように受け止めてしまうんですけれども、具体的にどういうところが即しているのかという点と、勧告そのものの重み、単にマスコミが批判しているとか世論が批判しているというのではなくて、第三者機関の指摘をどういうふうに受け止めていらっしゃるのかというのを教えてください。
答: 勧告の内容については、先ほど申し上げたとおりでございます。
国地方係争処理委員会において、精力的なご審議の結果として勧告をいただいたものですから、今回の措置については、勧告を真摯に受け止めた上で、総合的・多角的に検討して、改めて慎重に判断をいたしました。
私は、全体として、委員会の勧告に即して、必要な検討を行い、措置を講じたものだと考えております。
具体的に申し上げますと、処分時に不指定とした3点の理由すべてについて、丁寧に再度検討を行いました。
申出書の記載、添付書類の不備に係る不指定理由①については、勧告を踏まえて、独立した不指定の理由としては扱わないことにいたしました。
告示第2条第3号に適合しないことに係る不指定理由②については、これも「おそれがある」という表現をいただきましたけれども、改正法の文理解釈について、改めて整理を行うなど、適法性について多角的な検討を加えました。
法定返礼品基準に適合しないことに係る不指定理由③については、「さらに検討を要する」という勧告を頂戴しましたので、改めて、法定返礼品基準に関する法令解釈などを整理した上で、この基準への適合性について、丁寧に当てはめをいたしました。
その検討結果を、定められた期限である30日以内に、詳細な理由を記載した書面により、泉佐野市長に通知をいたしました。
私は、勧告に即して必要な措置を講じたものとなっていると考えております。
問: 地方分権ですと、国と地方というのは対等な立場にあると思うんですけれども、その対等という立場も崩さないで今回検討されたという解釈でよろしいでしょうか。
答: むしろ、地方分権を守るために、私たちは、対応を行ってきたつもりでございます。
これまでは、技術的助言という形で、国と地方は対等だということで、地方分権を尊重する観点から、法改正までは行っておりませんでした。
しかしながら、一部の団体が、制度の趣旨に沿わない方法による募集を継続して、多額の寄付金を獲得したという状況が生じました。これは、残念ながら、地方財政法にも抵触をいたします。地方公共団体は、他の地方公共団体の財政に累を及ぼしてはなりません。本当にやむをえず法改正を行ったということでございます。
皆様が、本当に被災地で困っておられる方々のために使ってほしいとか、ふるさとへの感謝の気持ちを伝えたいとか、応援したいとか、そういう趣旨に沿って使っていただける、地方団体間に極端な格差が生じないように応援していく、ということが大事だと思いますので、これ以上厳しい法規制をしないで済むように、という思いです。
与党の税制調査会でも指摘がありましたし、通常国会でも十分に審議を尽くした上で、国会でもご判断をいただいたものでございますので、私は、むしろ地方分権を守る観点に立った対応だと考えております。
問: 今の点は、国の関与は、必要最低限とする地方自治の原則にも抵触する恐れがあるのではないかというのを勧告は指摘されていたと思うんですけれども、そういう意味では、必要最低限の範囲内だという解釈でよろしいんですね。
答: 地方自治法に基づいて対応いたしております。これまでも、そうしてきたつもりでございます。
【地域医療確保に関する国と地方の協議の場】
問: もう1問お願いします。病院再編に関して、今日、国と地方の協議の場が開かれますけれども、こちらの狙いなどについてお伺いします。
答: 本日、開催をするのですが、「地域医療確保に関する国と地方の協議の場」は、国と地方が、地域医療構想や医師の地域偏在対策などに関して議論を行い、地域の実情を踏まえた取組となるように、地方三団体、厚生労働省、総務省によって開催するものでございます。
地域医療構想の取組を進めるに当たっては、地方の実情を十分に踏まえた議論が行われることが重要でございます。
他方、無駄であるということになりますと、多くの方々の税金による施設ですから、しっかりと精査をしていくことになります。
国と地方が、共通の認識を持って取組を進めることが大事です。地域医療の確保については、命に関わることですから、協力をして、取組が進んでいくことを期待いたしております。
問: よろしいですか。では、ありがとうございました。
答: お疲れさまです。