天皇陛下御即位20年「臨時祝日法案」の顛末
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いよいよ来週の水曜日、11月12日は、天皇陛下御即位から満20年となります。当日は、皇居前広場や国立劇場で奉祝行事が行われます。
先月、私は、自民党の「政権政策委員会」(自民党の政策決定機関:政調会長、政調会長代理、政調副会長、部会長で組織)の席上で発言機会を求め、「何としても、臨時国会の冒頭で『臨時祝日法案(天皇陛下御在位二十年を記念する日を休日とする法律案)』を再提出するべきだと考えます」という思いを訴えました。
今年の11月12日を臨時祝日にして、多くの国民がご家庭で国旗を掲げたり、奉祝行事に参加したりして、この佳き日をお祝いできるようにしたいという強い思いがあったからです。
その為には、「臨時祝日法」という法律を、臨時国会の第1週目(10月中)には成立させることが必要でした。列車等の祝日ダイヤや金融機関の対応準備に一定の時間を要するからです。
この「臨時祝日法(天皇陛下御在位二十年を記念する日を休日とする法律案)」は、総選挙前に(平成21年6月30日)、自民党の森喜朗元首相、無所属の平沼赳夫元経済産業相、公明党の漆原良夫国対委員長らが提出者となって、自民党、公明党、国民新党・大地・無所属の会から衆議院に提出されていました。
法案そのものは昨秋(平成20年)には準備されていましたが、提出については民主党の了解が得られないままに時間が経ち、ようやく今夏に提出できたものの、成立を見ないうちに衆議院解散となってしまいました。
総選挙直後の9月に召集された特別国会でも、自民党は再提出を希望しましたが、民主党の了解が得られず、10月26日に召集された臨時国会での早期成立に期待を繋いでいたのです。
私の発言に対して、石破政調会長がすぐに賛意を表明して下さり、「政権政策委員会として、『臨時祝日法案』の再提出について全員一致で決定するということで、ご異議ありませんね?」と、出席者全員に諮って下さいました。
とても嬉しく思っていたのですが、結局、先週末になって、自民党としては再提出を断念するということになったと漏れ聞き、がっかりしています。
再提出断念の理由は、民主党の協力が得られない限り、国会で全会一致や圧倒的多数で可決する可能性が低く、天皇陛下にご心労をおかけしては申し訳ないということであるようです。
そもそも、昨秋に起案された臨時祝日法案の提出が今夏にまでずれ込んだ理由も、同じ事情からでした。
民主党の代表である鳩山総理は、超党派の国会議員で組織されている「天皇陛下御即位二十年奉祝国会議員連盟」(森喜朗会長)の副会長であり、民主党衆議院議員常任幹事でもありました。
私も、「天皇陛下御即位二十年奉祝国会議員連盟」のメンバーですが、昨年中にこの議員連盟総会で正式決定された「議員連盟の運動方針」は、次の通りでした。
○平成21年11月12日を臨時の祝日とする法案を早急に成立させる。
○内閣府に連絡室を設置し、政府・各省庁の記念事業を推進する。
○本年(平成20年)の12月19日の中央奉祝式典、来年(平成21年)の11月12日の皇居前国民祭典を奉祝委員会と共催する。
○来年の政府式典に、国民こぞって参加できるようにする。
平成20年6月5日に赤坂プリンスホテルで開かれた「天皇陛下御即位二十年奉祝委員会設立大会」で、鳩山由紀夫民主党幹事長(当時)は、次の様なスピーチをされています。
「天皇陛下御即位二十年奉祝をお祝いする議員連盟ができますが、私もその一員として、積極的に参画することをお誓い申し上げます。特に記念事業の中で来年の11月12日を臨時休日にしたいということでございますので、政治家としてその実現のためにがんばりたいと思います」
平成21年3月2日にルポール麹町で開かれた「天皇陛下御即位二十年奉祝国会議員連盟・同奉祝委員会合同役員総会」では、鳩山由紀夫氏は次の様に語りました。
「11月12日の『祝日法』につきましては、党内でコンセンサスが得られていない状況を報告いたします。昭和天皇の奉祝事業も含め、『今上天皇20年』のこの日でなければならないかを、きちっと説明申し上げなければならないと思います」
「私見ではありますが、私個人としては憲法を改正し、日本は『天皇を元首とする民主国家である』としなければならないと思います。ここまで言うのかと思われる方もおいでかもしれませんが、私のような考え方をする人も中にはいることをご理解戴きたいと思います」
天皇を「元首」とする民主国家…とまで語った鳩山氏ですが、国家観、皇室観というものについても価値観がバラバラなのが、民主党なのでしょう。
その後、総選挙で民主党が圧勝し、鳩山由紀夫氏は内閣総理大臣となり、「政策は党ではなく内閣が決める」という方針が出された後も、鳩山総理はリーダーシップを発揮できないでいるようです。
去る10月2日からコペンハーゲンで開催されたIOC総会の際に、森喜朗奉祝議員連盟会長から鳩山総理(奉祝議員連盟副会長)に「臨時祝日法」制定のお願いをされたが、色よい返事は頂けなかったという話も仄聞しました。
この度の件は本当に残念でなりませんが、今年は天皇陛下御即位20年に加えて天皇皇后両陛下の御大婚50年でもありますから、11月12日には多くの国民の温かい奉祝の思いが陛下に届きますように…と祈ってやみません。
先月、私は、自民党の「政権政策委員会」(自民党の政策決定機関:政調会長、政調会長代理、政調副会長、部会長で組織)の席上で発言機会を求め、「何としても、臨時国会の冒頭で『臨時祝日法案(天皇陛下御在位二十年を記念する日を休日とする法律案)』を再提出するべきだと考えます」という思いを訴えました。
今年の11月12日を臨時祝日にして、多くの国民がご家庭で国旗を掲げたり、奉祝行事に参加したりして、この佳き日をお祝いできるようにしたいという強い思いがあったからです。
その為には、「臨時祝日法」という法律を、臨時国会の第1週目(10月中)には成立させることが必要でした。列車等の祝日ダイヤや金融機関の対応準備に一定の時間を要するからです。
この「臨時祝日法(天皇陛下御在位二十年を記念する日を休日とする法律案)」は、総選挙前に(平成21年6月30日)、自民党の森喜朗元首相、無所属の平沼赳夫元経済産業相、公明党の漆原良夫国対委員長らが提出者となって、自民党、公明党、国民新党・大地・無所属の会から衆議院に提出されていました。
法案そのものは昨秋(平成20年)には準備されていましたが、提出については民主党の了解が得られないままに時間が経ち、ようやく今夏に提出できたものの、成立を見ないうちに衆議院解散となってしまいました。
総選挙直後の9月に召集された特別国会でも、自民党は再提出を希望しましたが、民主党の了解が得られず、10月26日に召集された臨時国会での早期成立に期待を繋いでいたのです。
私の発言に対して、石破政調会長がすぐに賛意を表明して下さり、「政権政策委員会として、『臨時祝日法案』の再提出について全員一致で決定するということで、ご異議ありませんね?」と、出席者全員に諮って下さいました。
とても嬉しく思っていたのですが、結局、先週末になって、自民党としては再提出を断念するということになったと漏れ聞き、がっかりしています。
再提出断念の理由は、民主党の協力が得られない限り、国会で全会一致や圧倒的多数で可決する可能性が低く、天皇陛下にご心労をおかけしては申し訳ないということであるようです。
そもそも、昨秋に起案された臨時祝日法案の提出が今夏にまでずれ込んだ理由も、同じ事情からでした。
民主党の代表である鳩山総理は、超党派の国会議員で組織されている「天皇陛下御即位二十年奉祝国会議員連盟」(森喜朗会長)の副会長であり、民主党衆議院議員常任幹事でもありました。
私も、「天皇陛下御即位二十年奉祝国会議員連盟」のメンバーですが、昨年中にこの議員連盟総会で正式決定された「議員連盟の運動方針」は、次の通りでした。
○平成21年11月12日を臨時の祝日とする法案を早急に成立させる。
○内閣府に連絡室を設置し、政府・各省庁の記念事業を推進する。
○本年(平成20年)の12月19日の中央奉祝式典、来年(平成21年)の11月12日の皇居前国民祭典を奉祝委員会と共催する。
○来年の政府式典に、国民こぞって参加できるようにする。
平成20年6月5日に赤坂プリンスホテルで開かれた「天皇陛下御即位二十年奉祝委員会設立大会」で、鳩山由紀夫民主党幹事長(当時)は、次の様なスピーチをされています。
「天皇陛下御即位二十年奉祝をお祝いする議員連盟ができますが、私もその一員として、積極的に参画することをお誓い申し上げます。特に記念事業の中で来年の11月12日を臨時休日にしたいということでございますので、政治家としてその実現のためにがんばりたいと思います」
平成21年3月2日にルポール麹町で開かれた「天皇陛下御即位二十年奉祝国会議員連盟・同奉祝委員会合同役員総会」では、鳩山由紀夫氏は次の様に語りました。
「11月12日の『祝日法』につきましては、党内でコンセンサスが得られていない状況を報告いたします。昭和天皇の奉祝事業も含め、『今上天皇20年』のこの日でなければならないかを、きちっと説明申し上げなければならないと思います」
「私見ではありますが、私個人としては憲法を改正し、日本は『天皇を元首とする民主国家である』としなければならないと思います。ここまで言うのかと思われる方もおいでかもしれませんが、私のような考え方をする人も中にはいることをご理解戴きたいと思います」
天皇を「元首」とする民主国家…とまで語った鳩山氏ですが、国家観、皇室観というものについても価値観がバラバラなのが、民主党なのでしょう。
その後、総選挙で民主党が圧勝し、鳩山由紀夫氏は内閣総理大臣となり、「政策は党ではなく内閣が決める」という方針が出された後も、鳩山総理はリーダーシップを発揮できないでいるようです。
去る10月2日からコペンハーゲンで開催されたIOC総会の際に、森喜朗奉祝議員連盟会長から鳩山総理(奉祝議員連盟副会長)に「臨時祝日法」制定のお願いをされたが、色よい返事は頂けなかったという話も仄聞しました。
この度の件は本当に残念でなりませんが、今年は天皇陛下御即位20年に加えて天皇皇后両陛下の御大婚50年でもありますから、11月12日には多くの国民の温かい奉祝の思いが陛下に届きますように…と祈ってやみません。