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研究開発投資の収益力アップが必要だ

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 近年、日本の研究開発投資の「収益力」が低下していることが、問題視されています。

 日本の研究開発は、1社自前主義が強く、優れた技術やアイデアが、大学、研究所、大企業・中小零細企業などに分散し、なかなか新事業創出に繋がらないというもどかしさがありました。
 世界の潮流は、お互いの得意分野を持ち寄り、技術を組み合わせて開発する「オープン・イノベーション」となっており、米国ニューヨーク州アルバニーのナノ・エレクトロニクス拠点が好例です。

 世界的にヒットしている製品には、日本の部品が多数使用されていますが、部品の利益率より、全体のアーキテクチャ設計の利益率が高いので、損をしている感も否めません。
 ipodでは、部品コストでは東芝が51%を占めていますが、東芝の収益は26・5%で、アップル社の収益は46・5%だというデータがありました。
 水処理膜技術は、日本のシェアが6割ですが、収益が高い水処理プラントやサービス部門では、圧倒的に欧米がシェアを持っています。

 6月1日の本コーナーでフォローアップ状況を書きました「イノベーション25」では、「異との融合」を日本が成功するための重要な要素としていましたが、まさに国内外や異分野の各プレイヤーが知恵を持ち込める「世界的研究拠点」が必要な時代です。
 
 通常国会では、経済産業省から提出した法律案が4月22日に成立して、㈱産業革新機構が創設される予定となりました。
 オープン・イノベーションの取組みにリスクマネーを供給するもので、平成21年度当初予算によって400億円、平成21年度補正予算によって420億円の出資を予定しています。更に、機構の借入に8000億円の政府保証枠を設定すべく、追加的立法措置が検討されています。

 また、鉱工業技術研究組合法も改正し、企業間や産学官共同研究のための技術研究組合を使いやすくしました。研究終了後は、株式会社にして研究成果の製品化や販売に活用していただけることとなります。

 この他、「世界最先端研究支援強化プログラム」や「つくばナノテク拠点化構想」の推進によって、日本が技術的に強い分野で、オープン・イノベーションの環境が整備されていくことになります。

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