日韓経済関係も、深化
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先日は、領土問題に触れつつ、日本とロシアの経済関係の深化に関する原稿を書きましたが、同じく領土問題を抱える韓国とも、経済関係については、両国政府のきめ細やかな対応による互恵関係が構築されていると感じます。
先月のことになりますが、4月15日から16日にかけて、私は、総理大臣特使として、「日韓部品素材調達・供給展示会(逆見本市)」と「日韓経済人会議」への出席の為、韓国に出張していました。
その際には、李明博・大統領、李允鎬・知識経済部長官、趙錫來・全国経済人連合会会長をはじめ、韓国官民要人との意見交換を行いました。
「日韓部品素材調達・供給展示会(逆見本市)」は、昨年4月の日韓首脳会談において、「日韓EPA/FTA交渉の再開を促す為の環境醸成」の枠組みの一環として合意された経済協力分野でのプログラムの一つです。
日本企業が韓国からの調達を希望する素材・部品を展示し、韓国企業による供給可能性を探る見本市と商談会が中心です。日本からは、59社が出展しておられました。
本年1月の麻生総理訪韓時、4月の2回にわたる首脳会談(英国・ロンドン、タイ・パタヤ)においても、韓国側から言及がなされるなど、韓国首脳が大きな関心を示す中での開催となりました。
李大統領とともに逆見本市会場を巡覧したのですが、大統領は、予定の時間をオーバーするのも気に留めず、日本企業(三菱電機・滑川軽銅の2社)の展示サンプルに触れ、熱心に日本企業側の説明に耳を傾けておられました。
両社が異口同音に「最近は韓国の部品・素材の技術レベルが向上してきたので、調達を拡大したい」と説明されたことには、大変感激しておられた様子でした。
その後の李長官主催の午餐会には、李大統領の実兄である李相徳・元国会議長(韓日議員連盟会長)が飛び込みで突然参加されるなど、逆見本市への韓国側の関心の高さが感じられました。
李大統領はじめ韓国官民要人との会談では、「日本政府が、昨年4月の日韓首脳合意以降、約束していた数多くの産業間交流のプログラムを企画・実行してきたこと」、「逆見本市はこの1年間の日韓産業間交流プログラムの集大成となる事業であり、国際金融危機にもかかわらず日本から数多くの企業が出展してくれていること」を伝え、「その背景には、日本政府と経済界の日韓EPA/FTAの交渉再開への強い希望があること」を、強いメッセージとして発信しました。
李大統領からは、「総理特使の派遣と数多くの経済人の参加に対する謝意」が表されるとともに、「世界経済が厳しい中にもかかわらず多くの日本企業の出展を実現するなど首脳間合意がきちんと守られたことは、今後の日韓関係に貢献する」、「日韓経済は1つの経済統合体として発展すべきであり、そうすれば世界との競争において有利になる」、「韓国企業は、技術・経営面などで日本企業から学ぶ点はまだ多いので、お互いが力を合せることにより、共に発展できる」、「日韓両国が世界で最も早く景気回復ができることを願っている」といったご発言がありました。
この後、李允鎬・知識経済部長官との会談でも、「日本政府としては、この1年間、日韓EPA/FTA交渉の早期再開への環境醸成に資する為に、昨年4月に両首脳で合意した産業間交流事業を着実に実行してきたこと」、「交渉再開に向けての協議が早期に進展するよう、強く希望していること」、「韓国側が求める来年度以降の逆見本市の開催については、協議進展と言う前提条件がないと、納税者である国民に対する説明責任の観点からも応じられないこと」を説明しました。
李長官からは、「貿易インバランスが膨れ上がっている中で日韓EPA/FTAを締結した場合、赤字がさらに増えることが各種研究結果からも判明している」、「特に農業に関して、日本は保護主義的な色彩が強いと思われる」とのご発言がありました。
また、今回で41回目を数える「日韓経済人会議」では、日韓両国の経済人約250名が一堂に会しました。
その中でも、「東アジアにEPA/FTA網が拡大しつつある現在、隣国である日韓間にFTAがないことの不自然さ」、「日韓EPA/FTA交渉の再開の重要性」を強調しつつ、「日韓が互いの比較優位を活用することによって、世界経済を牽引していくべき」との観点からスピーチを行いました。
EPA/FTA交渉については、まだまだ困難な課題がありますが、日本企業の方々からは、「李大統領に替わってから、韓国とのビジネスは格段にやりやすくなりました」という声が上っており、少しでも日本経済の浮揚に役立つ経済関係を構築する為に頑張っていこうと思いました。
先月のことになりますが、4月15日から16日にかけて、私は、総理大臣特使として、「日韓部品素材調達・供給展示会(逆見本市)」と「日韓経済人会議」への出席の為、韓国に出張していました。
その際には、李明博・大統領、李允鎬・知識経済部長官、趙錫來・全国経済人連合会会長をはじめ、韓国官民要人との意見交換を行いました。
「日韓部品素材調達・供給展示会(逆見本市)」は、昨年4月の日韓首脳会談において、「日韓EPA/FTA交渉の再開を促す為の環境醸成」の枠組みの一環として合意された経済協力分野でのプログラムの一つです。
日本企業が韓国からの調達を希望する素材・部品を展示し、韓国企業による供給可能性を探る見本市と商談会が中心です。日本からは、59社が出展しておられました。
本年1月の麻生総理訪韓時、4月の2回にわたる首脳会談(英国・ロンドン、タイ・パタヤ)においても、韓国側から言及がなされるなど、韓国首脳が大きな関心を示す中での開催となりました。
李大統領とともに逆見本市会場を巡覧したのですが、大統領は、予定の時間をオーバーするのも気に留めず、日本企業(三菱電機・滑川軽銅の2社)の展示サンプルに触れ、熱心に日本企業側の説明に耳を傾けておられました。
両社が異口同音に「最近は韓国の部品・素材の技術レベルが向上してきたので、調達を拡大したい」と説明されたことには、大変感激しておられた様子でした。
その後の李長官主催の午餐会には、李大統領の実兄である李相徳・元国会議長(韓日議員連盟会長)が飛び込みで突然参加されるなど、逆見本市への韓国側の関心の高さが感じられました。
李大統領はじめ韓国官民要人との会談では、「日本政府が、昨年4月の日韓首脳合意以降、約束していた数多くの産業間交流のプログラムを企画・実行してきたこと」、「逆見本市はこの1年間の日韓産業間交流プログラムの集大成となる事業であり、国際金融危機にもかかわらず日本から数多くの企業が出展してくれていること」を伝え、「その背景には、日本政府と経済界の日韓EPA/FTAの交渉再開への強い希望があること」を、強いメッセージとして発信しました。
李大統領からは、「総理特使の派遣と数多くの経済人の参加に対する謝意」が表されるとともに、「世界経済が厳しい中にもかかわらず多くの日本企業の出展を実現するなど首脳間合意がきちんと守られたことは、今後の日韓関係に貢献する」、「日韓経済は1つの経済統合体として発展すべきであり、そうすれば世界との競争において有利になる」、「韓国企業は、技術・経営面などで日本企業から学ぶ点はまだ多いので、お互いが力を合せることにより、共に発展できる」、「日韓両国が世界で最も早く景気回復ができることを願っている」といったご発言がありました。
この後、李允鎬・知識経済部長官との会談でも、「日本政府としては、この1年間、日韓EPA/FTA交渉の早期再開への環境醸成に資する為に、昨年4月に両首脳で合意した産業間交流事業を着実に実行してきたこと」、「交渉再開に向けての協議が早期に進展するよう、強く希望していること」、「韓国側が求める来年度以降の逆見本市の開催については、協議進展と言う前提条件がないと、納税者である国民に対する説明責任の観点からも応じられないこと」を説明しました。
李長官からは、「貿易インバランスが膨れ上がっている中で日韓EPA/FTAを締結した場合、赤字がさらに増えることが各種研究結果からも判明している」、「特に農業に関して、日本は保護主義的な色彩が強いと思われる」とのご発言がありました。
また、今回で41回目を数える「日韓経済人会議」では、日韓両国の経済人約250名が一堂に会しました。
その中でも、「東アジアにEPA/FTA網が拡大しつつある現在、隣国である日韓間にFTAがないことの不自然さ」、「日韓EPA/FTA交渉の再開の重要性」を強調しつつ、「日韓が互いの比較優位を活用することによって、世界経済を牽引していくべき」との観点からスピーチを行いました。
EPA/FTA交渉については、まだまだ困難な課題がありますが、日本企業の方々からは、「李大統領に替わってから、韓国とのビジネスは格段にやりやすくなりました」という声が上っており、少しでも日本経済の浮揚に役立つ経済関係を構築する為に頑張っていこうと思いました。