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TPP閣僚会合大筋合意と総務省関連分野

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 今夜は、大村智先生がノーベル医学・生理学賞を受賞されることが決定したという嬉しいニュースが飛び込んで来て、日本中が喜びに沸いています。
 大村先生の永年のご努力と偉大な研究成果に、心より敬意を表し、お祝いを申し上げます。


 また、米国アトランタで開催されていたTPP閣僚会合も、大筋合意に至りました。


 当初、現地時間で9月30日(水)~10月1日(木)で予定されていた閣僚会合は、予備日の2日(金)にも合意を見ず、延期の末、現地時間5日(月)の朝、日本時間では今夜まで続き、6日間もの交渉に臨まれた甘利大臣はじめ各国閣僚や同行者の方々の疲労は如何ばかりかと思います。


 それでも、関係各国の精力的な交渉により、数々の困難を乗り切り、今回の閣僚会合で大筋合意に至ったことは、大変意義深く、大きな成果です。


 総務省の関連では、特に電気通信分野について、TPP締約国内の通信市場における競争を促進する為、次の事項が盛り込まれました。
   
①透明性があり、かつ合理的な条件及び料金による相互接続の提供
②再販売サービスの提供について、不合理又は差別的な条件を課さないこと
③免許手続きにおける透明性の確保


 個別には、例えばベトナムの電気通信業の外資出資比率規制が緩和されるなど、今後における日本のICT企業のこれらの国々に向けた円滑な海外展開の促進に寄与するものとなっています。


 また、国際ローミングに関しても、締約国間で、透明性のある、かつ合理的な料金となるよう促進することについて協力するよう努める旨が盛り込まれ、ローミング料金の低廉化に貢献しうるものとなりました。


 この他、総務省所管の分野において論点となっていた下記の諸点も、いずれも基本的に日本の国益には問題のない形です。


①金融サービス(かんぽ生命):かんぽ生命の活動に影響のない合意内容となっており、問題なし。


②国有企業(日本郵便・ゆうちょ銀行・かんぽ生命):日本郵政グループの活動に影響のない合意内容となっており、問題なし。


③電気通信:市場競争を促進する等、我が国ICT企業の海外展開に資する内容。


④電子商取引:我が国企業にとり、海外との取引の円滑化等に資する内容。


⑤知的財産(プロバイダ責任制限法):我が国の制度が許容された合意内容となっており、問題なし。

⑥政府調達(地方公共団体・郵政4社):対象機関や義務内容は、現行のWTO政府調達協定並みであり、問題なし。


⑦越境サービス(急送便):日本郵便の活動に影響のない合意内容となっており、問題なし。


 TPPは「日本再興戦略」においても、経済成長の鍵となる重要な施策の一つに挙げられており、新3本の矢の「希望を生み出す強い経済」にも寄与するものと考えます。


 これからは、各国で署名に向けた手続き(米国の90日ルールなど)を経てから、「TPP最終文書」への署名がなされ、その後、国会承認が得られれば、天皇陛下の認証を賜って、TPP協定の締結…となります。


 まだ正式なTPP協定締結までの道程は長いのですが、今回の閣僚会合による大きな進展を歓迎し、改めて甘利大臣はじめ関係者の皆様の大変なご努力に敬意を表します。


 同時に、総務省の持つ政策資源も活用し、ICT等を活用した農林水産業の成長戦略にも貢献していきたいと思います。

 

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